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第010部 魔人達に捧げる禍つ謳
第5幕 第13話奴隷市場×STAGE.5ー13砦到着
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STAGE.5ー13砦到着
『1時間後に砦に到着します』
風早の穏やかな声にゆっくりと仮眠から目覚めれば4時間程寝ていた様で、頭はスッキリとしていた。
「後少しで…砦にどうかしたのか?」
「えーごめんこの黄色いの全部食べた、うまかった」
「このマシュマロもほとんど食べた」
「なんだそんな事か」
フォンとカイムが気まずげにしているが大河は気にせず、昼食にと千眼と千華とトゥナーが用意したミートパスタを食べる、何やら甘い匂いがするので聞けばゴーレム達が追加でマシュマロとボーロを作っているらしい。
「あー寝た。お、スパゲティかいいな。お茶貰うか」
「んー、すっきりしたね。いい匂い、僕は水で」
「コーヒーもらっても良いですか?」
「俺は冷えたミルク」
飲み物も頼み椅子きに崇幸達が着席し、デュスノアや蒐集家はどうやら自室にいるようで姿は見当たらない。
「この後は目的地までゆっくりしようか」
「この後暫くは落ち着かないでしょうから」
「俺はダーグ達と馬で先に砦で説明するぞーカトゥーシュカとヴィッセ…師匠も行くから」
「そうか、ならジラ水と食料持って行ってくれ」
「サンキュ、崇幸」
ジラがミルクを飲み崇幸からショルダーバッグを受け取り、1度車を停車させてダーグ達盗賊団と馬に乗り砦に向かった。
第13話奴隷市場
「よ、落ち着いたようだから飯届けに来たぞ」
バルタル達が炊き出しを行い、オーケスが薬等を受け取り獣人達が訪れ食事や体調を崩した者達の様子を見ていた。
「……」
「暫くここにいるんだって?1日1回は顔見せに帰って来いよ」
椅子に座りテーブルに書類を広げワンズと奴隷について話し合いをしていれば、ウォルゾガが訪れテーブルに収納ショルダーバッグから食事を出してくれた。
「俺はウォルゾガだ、あんたは?」
「私はワンズと申します」
「よろしくな、こいつと暮らしているんだ」
「……もういいでしょう、帰ったらどうです」
「そんな事言うなよ、一緒に食おう。あんたもな、そっちもどうだ?」
「あー先やってくれ」
ウォルゾガがオーケスにも声を掛けるが獣人達の対応に追われている様で、テスナやソーンも手伝いを買って出ていた。
「懐記が教えてくれたオムライス巻きとスープとサラダに野菜に肉巻いたのと、芋のチーズたっぷりグラタンだ」
テーブルの上には湯気立つ料理が並び、ワンズがゴクリと唾を飲み込む、顔の爛れが治れば意外に小柄な男だと分かる、沢山あるからとワンズも食卓に着かせれば遠目で指を加えている獣人の薄汚れた子供達も手招きして食事をするように言う。
「これは、私の食事です」
「固い事言うなよ、カイネ達から今もらってくるから、飯なんか幾らでもあるだろ?ほら、これ食え腹減ってるんだろ?」
子供達にウォルゾガがトマトソースで炒めたライスに薄く焼いた卵焼きを被せた物を渡し、テーブルも詠斗に追加して貰いミルクの入ったコップと果物も置いた。
「………」
「睨むなよ、もらってくるから。お前いつも腹減ってても言わないからなー」
「………」
ワンズはその2人の遣り取りを見て、懐記が出した食事はあっさり子供に渡したがウォルゾガが用意した食事は自分の物だと主張した関係性はよくは分からないが…長年の感というものに従えば深く考えない方がいい物だろう。
「で、この子供達連れて帰っていいのか?」
「良いわけないだろう、この辺りの何処かで飼われている奴隷だ」
「そうか…お前達来るか?」
ウォルゾガが子供達の頭を撫でて聞けば互いに顔を見合せ頷く、薄汚れ痩せた小さい身体その日の唯一の食事を貰うにも主のご機嫌を取り何度も頭を下げてやっと貰える命の保証は誰もしてなどくれないそんな日々だ例え今頭を撫でてくれる者が自分たちを騙しいたとしてもこれだけ美味しい物を食べさせてくれたのだ彼を恨んだりはしない。
「じゃ、行こうな。タナトス頼んだ」
「……ワンズさん彼らの主はわかりますか?」
「ええ…」
「金は積みます」
「承知しました」
「明日も来るからな、おやすみタナトス」
「さっさと行け……おやすみ」
食べ終わった子供達をウォルゾガが連れて行く、グローリー家の絶対唯一無二のルールは必ず挨拶を交わす事それは徹底され、タナトスも異論なく従っていた…。
STAGE.5ー13砦到着
「一足遅かったですね…」
「あんのバカ!」
「一旦大河達を待つぞ!」
馬で砦に一足早く到着しその有り様は悲惨としか言えない状況だった、カイムとヴィッセがヤハネの姿を確認して見当たらず砦にいた者達に尋ねれば遺跡に異変を感じ単身向かったと、ジラが1度大河達を待つと判断し焦れながらも了承したカイムとヴィッセだった…。
「よし、水と草はある…と」
遺跡に向かう間の唯一のオアシス…ヤハネと馬は休憩を取る、土魔法で固めた穴に大量の水を魔法で流し馬の背を撫でてやる、馬は懸命に水を飲む。
「此処まで付き合わせちまって悪かったな、明日までに俺達が戻らなければ砦に…戻ってくれ」
馬に伝えれば、円らな瞳でヤハネを見つめ馬は静かに頭を垂れ駆けるヤハネの背中を見送った…。
「あーあ、らしくねえ事すんよな俺…」
砂を巻き上げ鼻をすすり上げ、兎に角脇目を振らず走った。
『1時間後に砦に到着します』
風早の穏やかな声にゆっくりと仮眠から目覚めれば4時間程寝ていた様で、頭はスッキリとしていた。
「後少しで…砦にどうかしたのか?」
「えーごめんこの黄色いの全部食べた、うまかった」
「このマシュマロもほとんど食べた」
「なんだそんな事か」
フォンとカイムが気まずげにしているが大河は気にせず、昼食にと千眼と千華とトゥナーが用意したミートパスタを食べる、何やら甘い匂いがするので聞けばゴーレム達が追加でマシュマロとボーロを作っているらしい。
「あー寝た。お、スパゲティかいいな。お茶貰うか」
「んー、すっきりしたね。いい匂い、僕は水で」
「コーヒーもらっても良いですか?」
「俺は冷えたミルク」
飲み物も頼み椅子きに崇幸達が着席し、デュスノアや蒐集家はどうやら自室にいるようで姿は見当たらない。
「この後は目的地までゆっくりしようか」
「この後暫くは落ち着かないでしょうから」
「俺はダーグ達と馬で先に砦で説明するぞーカトゥーシュカとヴィッセ…師匠も行くから」
「そうか、ならジラ水と食料持って行ってくれ」
「サンキュ、崇幸」
ジラがミルクを飲み崇幸からショルダーバッグを受け取り、1度車を停車させてダーグ達盗賊団と馬に乗り砦に向かった。
第13話奴隷市場
「よ、落ち着いたようだから飯届けに来たぞ」
バルタル達が炊き出しを行い、オーケスが薬等を受け取り獣人達が訪れ食事や体調を崩した者達の様子を見ていた。
「……」
「暫くここにいるんだって?1日1回は顔見せに帰って来いよ」
椅子に座りテーブルに書類を広げワンズと奴隷について話し合いをしていれば、ウォルゾガが訪れテーブルに収納ショルダーバッグから食事を出してくれた。
「俺はウォルゾガだ、あんたは?」
「私はワンズと申します」
「よろしくな、こいつと暮らしているんだ」
「……もういいでしょう、帰ったらどうです」
「そんな事言うなよ、一緒に食おう。あんたもな、そっちもどうだ?」
「あー先やってくれ」
ウォルゾガがオーケスにも声を掛けるが獣人達の対応に追われている様で、テスナやソーンも手伝いを買って出ていた。
「懐記が教えてくれたオムライス巻きとスープとサラダに野菜に肉巻いたのと、芋のチーズたっぷりグラタンだ」
テーブルの上には湯気立つ料理が並び、ワンズがゴクリと唾を飲み込む、顔の爛れが治れば意外に小柄な男だと分かる、沢山あるからとワンズも食卓に着かせれば遠目で指を加えている獣人の薄汚れた子供達も手招きして食事をするように言う。
「これは、私の食事です」
「固い事言うなよ、カイネ達から今もらってくるから、飯なんか幾らでもあるだろ?ほら、これ食え腹減ってるんだろ?」
子供達にウォルゾガがトマトソースで炒めたライスに薄く焼いた卵焼きを被せた物を渡し、テーブルも詠斗に追加して貰いミルクの入ったコップと果物も置いた。
「………」
「睨むなよ、もらってくるから。お前いつも腹減ってても言わないからなー」
「………」
ワンズはその2人の遣り取りを見て、懐記が出した食事はあっさり子供に渡したがウォルゾガが用意した食事は自分の物だと主張した関係性はよくは分からないが…長年の感というものに従えば深く考えない方がいい物だろう。
「で、この子供達連れて帰っていいのか?」
「良いわけないだろう、この辺りの何処かで飼われている奴隷だ」
「そうか…お前達来るか?」
ウォルゾガが子供達の頭を撫でて聞けば互いに顔を見合せ頷く、薄汚れ痩せた小さい身体その日の唯一の食事を貰うにも主のご機嫌を取り何度も頭を下げてやっと貰える命の保証は誰もしてなどくれないそんな日々だ例え今頭を撫でてくれる者が自分たちを騙しいたとしてもこれだけ美味しい物を食べさせてくれたのだ彼を恨んだりはしない。
「じゃ、行こうな。タナトス頼んだ」
「……ワンズさん彼らの主はわかりますか?」
「ええ…」
「金は積みます」
「承知しました」
「明日も来るからな、おやすみタナトス」
「さっさと行け……おやすみ」
食べ終わった子供達をウォルゾガが連れて行く、グローリー家の絶対唯一無二のルールは必ず挨拶を交わす事それは徹底され、タナトスも異論なく従っていた…。
STAGE.5ー13砦到着
「一足遅かったですね…」
「あんのバカ!」
「一旦大河達を待つぞ!」
馬で砦に一足早く到着しその有り様は悲惨としか言えない状況だった、カイムとヴィッセがヤハネの姿を確認して見当たらず砦にいた者達に尋ねれば遺跡に異変を感じ単身向かったと、ジラが1度大河達を待つと判断し焦れながらも了承したカイムとヴィッセだった…。
「よし、水と草はある…と」
遺跡に向かう間の唯一のオアシス…ヤハネと馬は休憩を取る、土魔法で固めた穴に大量の水を魔法で流し馬の背を撫でてやる、馬は懸命に水を飲む。
「此処まで付き合わせちまって悪かったな、明日までに俺達が戻らなければ砦に…戻ってくれ」
馬に伝えれば、円らな瞳でヤハネを見つめ馬は静かに頭を垂れ駆けるヤハネの背中を見送った…。
「あーあ、らしくねえ事すんよな俺…」
砂を巻き上げ鼻をすすり上げ、兎に角脇目を振らず走った。
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