あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第010部 魔人達に捧げる禍つ謳

第5幕 第10話蠱毒蝶×STAGE.5ー10コーヒーブレイク

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STAGE.5ー10コーヒーブレイク
「タナトスさんがねー」
「すごい嫌な顔をしている姿が目に浮かびます、砂糖が合いますね」
「にがっ」
「ミルク沢山いれるといいぞ」
「あ、本当だうまいな」
「これ、カフェイン抜きだけど今日は1人一杯な」
「ああ、依存性無しにしているんですね」
全員にコーヒーが渡り飲み始める、三者三様の感想を述べ好みの飲み方を見つけながら風早からの報告を聞き嫌そうな顔をしているタナトスの表情を思い浮かべる。
「奴隷ギルドね、良い考えだね」
「ああ、流石は懐記くん。ギルドマスターにタナトスを推すのは適任だな」
「獣人の奴隷も購入しているとの事ですし、戻ってどう運用していくのか興味ありますね」
「ふぅん、ミルクと砂糖入れると飲めるけどやっぱりにがい」
「俺は何も入れず飲むのがいいな」
「色々合うぞ、フォンはミルクにするか」
「そうする」
「俺もミルクで」
フォンとカイムはコーヒーの口直しにビスケットとミルクを貰い、デュスノアはブラックで飲み、千眼と千離はミルクと蜂蜜を入れて飲んで寛いでいた…。

第10話蠱毒蝶
「タナトスさん、蠱毒蝶とは何ですか?」
「時間はない、いますぐこの場所へ向かう」
『賛成出来ません、魔人の子供と番外個体魔王を救助次第転移を…』
「嫌だよ!俺は行くから!」
「僕も行きます、彼らだって見捨てられないから連れて行ったんでしょう?」
「行くわ、獣人の奴隷も一緒にいるわけだし。神様ズ案ちょーだい」
『逃げて下さい…羽が6枚になればこの一帯は毒の海です』
『ごめんなさいなのです、我々には蠱毒蝶を止める術はないのです』
『ふむ、この一帯の者達は全て此方で安全な場所へと転移しよう。それは責任を持つ…だが蠱毒蝶は諦めて欲しい』
「っ、行こう。魔人の子の所に」
「いくいくー」
詠斗が神々からの申し訳なさそうな、それでも精一杯出来る事を提案した気持ちを受け取り、目隠し男が呑気な声でついて行くと言い外に出る。

『すいやせん、後少しの所だったんですが』
「ごめんなさい、こっちも見張りを撒けなくて…」
「けほけほ」
「うぇーん」
「ネズミさん、僕がもう一回行きます!」
『……いや、待ってくだせぇ』
洞窟内奥の場所で少し体調を回復させたチナスを置いて、迎えと接触しようとしたキートとネズミだったが双方共に上手く行かず戻って状況を確認しネズミが思案を巡らせる。
『待ちましょう、来やす必ず』
「うぐぅ」
「チナスさん!」
『チナス殿!』
「うぇーん」
「ごめんなさい…もう時間が…」
「兄ちゃん、俺が行く!」
「危ないよ!」
「俺がいちばん足が速いよ!」
『……転移を使う為に結果を緩める事はできやしやせん、時間もありません、坊っちゃんあっし達は覚悟を決めなきゃいきゃあせん』
「キートさん、ネズミさんどうか…」
「分かりました…ユースト此処にお父さんを…」
『此方の術の完成も間近ですから、今オーケス殿の所にいる大人達を連れてくれば…』
「わかった!行ってくる」
「ごめん、気を付けて…」
「うん!」
『急ぎましょう』
「はい!」
ユーストを見送りキートとネズミは互いに顔を見合せ笑う、チナスは深々頭を下げる…その背中の羽は4枚だった…。

STAGE.5ー10コーヒーブレイク
「そろそろ、寝ましょうか」
『非常事態発生…《ドーバン》にて蠱毒蝶の幼体出現、神々から蒐集家貴方に此処からアドバイスをと…』
「なっ…」
「あーあ、その大陸運ねえなー」
「特にないですね、強いて言うなら早く逃げろですか。蠱毒蝶の死骸は欲しいですが」
ラジカが反応しカイムがあーあと呟き、蒐集家が薄く嗤う…チリン…チリン…。
「蠱毒蝶?なんだそりゃ」
「神殺しの毒纏う蝶だ、羽化すれば大陸を毒の海に変える、己が命と引き換えに」
ジラの問いにデュスノアが答える、大河達が唖然としていた。
「風早!皆は無事なのか!?」
『今のところは…救出に向かっています』
「すぐに撤退を!」
「そう言って聞く子達じゃないからね、蒐集家さん手は?」
「ないですよ」
「腐蝕凍結魔法だな、その幼体の羽は何枚だ?」
『不明です』
「時間が無さすぎますよ」
「あの魔法は発動させた術者の命と引き換えだろ、3千年前の蠱毒蝶の時は術者100人の命と国1つを犠牲にしている」
「千華、千眼!何か手は?」
「その国から出ろ…その蠱毒蝶の幼体は…羽が6枚になれば毒を撒き散らし命も散らせる…蠱毒蝶の命は羽化から3日程だ…覆せない」
「神々に民の転移をさせ、被害を最小限に…腐蝕凍結魔法は構築に30日掛かります」
大河の問いに千眼と千華から絶望的な回答、だが蒐集家が考え込んだ。
「3日…30日…なるほど…魔人と番外ならば可能か…1つ手はありますがどうします?」
「是非聞かせて欲しいね」
懐記が薄く微笑む、録な事ではなさそうだが話しを聞かざる負えない。
「神々にも手伝って貰いましょう」
蒐集家が口を大きく歪めて嗤う、チリンと鈴が1回鳴った…。

第10話蠱毒蝶
「転移が出来ないよ」
「イザラっちイデアっちバイク!」
「はい」
「ああ!」
「おーい!オーケスさん!」
「ん、アイツは!あの子供とネズミと行ったユーストか!」
外で詠斗が転移をしようとするが矢張り出来ない、懐記がイザラとイデアにバイクを出すよう言い、離れた場所からユーストがオーケスを呼び駆けてくる。
「今から、キート兄さん所に連れていくよ!来て!時間がないって」
「父さん乗って!先にいこ」
「おい、これに乗れ!ヘルメットしろよ」
「うん…」
「え、なにこれ!!」
『早く!』
イザラがグローリーに、イデアがユーストにヘルメットを渡し驚くユーストに綴がヘルメットを被せしっかり捕まるよう伝えて4人を先に向かわせる。
「みなさん、乗って下さい!ワンズさんオーケスさん、テスナさんとソーンさんは待っていて下さい、バルタル君とカイネ君もチキ君もここを守って下さい、もし見張りが来たら捕らえて下さい……ごはんお願いします」
『はい!行ってらっしゃい!』
『いいぞー』
綴が車を出して乗り込み発車させる、目隠し男も乗り込んだが洞窟へと街を出て向かった。
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