あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第010部 魔人達に捧げる禍つ謳

第5幕 第7話奴隷市場×STAGE.5ー7追加

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第7話奴隷市場
「おはよう、ラージュさん」
「おはよ、ラージュっち」
「ああ、2人とも準備は出来ている」
「すごい馬車だなー」
「こっちのも頑丈なやつ」
《ロメンスギル》の王城外でラージュと騎士数名が、馬車2台と繋いだ馬6頭を用意し待っていてくれていた。
「ああ、これだけの物なら目立つだろう。こちらの馬車は囚人を運ぶ頑丈な物で魔法無効の細工も施された物だ」
「助かるよ、顔色あんまり良くないんじゃない」
「食ってる?」
「そこそこな、片付かない仕事があるからな」
「これ、食いやすいやつ入ってるから、果物とかも」
「ああ、すまない。商業エリアのお陰でこの国や周辺が潤い始めた食事や人の流用や発展、遠い異国との交易で今国は沸いている、御者はどうする?」
「そのお陰で忙しいって、ゴーレムがやりたいって」
「ああ……うちのゴーレム達も良く働いてくれる」
「うん、また来るよ。ラージュも顔見せに来て」
「勿論」
時間が限られているから食事の入った収納袋を渡し、馬車と馬を受け取りラージュに見送られ《ドーバン》の街の入り口へと向かった。

「お待たせ、ほい」
「すごい馬車ですね」
「豪奢ですね」
「さっさと行きますよ」
詠斗と懐記とタナトス達が合流し御者台にゴーレム達が乗り込み、金に物を言わせた系宝石をあしらった衣装と杖、その従者としてテスナとソーンが乗り込み街の入り口へ向かって行く、詠斗は薬草を採取という名目で街の外周辺を探りに、懐記は準備完了した移動販売の為に向かった。

STAGE.5ー7追加
「この馬車?すげーな飯とか風呂?も本当に助かった。アイツらの治療も」
朝崇幸と千眼と千華が朝食の準備をし、蒐集家が解毒した盗賊達にはお粥や果物等の消化に良い物をゴーレム達が食べさせている、馬達は千歳が空間を広げフォンが手持ちの植物や野菜や果物を出し、ゴーレム達やヒヨコ達とおりがみ達が適度に運動等させていた。
「君達も一緒に来るという事で良いのかな?」
「来るなら車1台渡すか」
「ま、いんじゃない?」
「コイツら弱いぞ」
「恩は返す!連れて行って貰えるなら助かる」
「はい、準備はして来たましだが…砦の現在の状況は不明ですし」
ダーグの隣に座る副頭領的役目を担うスウイが疲労の取れない表情を浮かべる、崇幸達が朝食を運んでくれるのでそれを食べる事にした。
『いただきます』
デュスノアや蒐集家は自室に篭り、ヴィッセ、ラジカ、カイム達は他の車の中で盗賊達の休める場所を作っていてくれている。
「うまいなー」
「まさか砂漠でこんなうまいものが食えるとは…」
「生きてて良かった」
テーブルに並べられたのは、ミルクスープに柔らかいパンに目玉焼きと腸詰めソテー、厚切りベーコンと野菜炒めにサラダと果物が皿に盛られがつがつと元気な盗賊達がかっこんでいく。
『盗賊の皆様の車の準備はできました、馬はゴーレム達がみてくれます』
「おわ、どこからか声がする」
「はは、これが普通の反応だよね。明日には砦に着くからここでも使える通信機と武器など渡すよ」
「後はゆっくり過ごせばいい、病人は預かる」
食堂でダーグとスウイが互いに顔を見合せ深々頭を下げる、盗賊という話しようは罪人…なのだろうかまだ若い青年達、うまそうに食べる姿、この後どうなるかはまずは砦に向かい
魔人達の安否と目的の確認をする先ずはそこからだ…。

第7話奴隷市場
「な、なるほど新たに奴隷ギルドを《アウトランダーズ商会》が作るための手続きに来られたと」
「ええ、奴隷もいつくか購入するように命を受けたので、そうですねー我が主人達は少々気が短い方々ばかりなので面倒な手続きはこれで」
豪華な馬車に見事な馬、そして極め付けに御者はゴーレムという今まで訪れた客の中で最も上質…一国の王さえゴーレムに御者させられる程の者は中々いないだろう、そこから降りた客も身に付けている宝飾品はこの辺の技術では不可能な加工を施されていた。
従者2名と護衛のゴーレムを複数連れた《アウトランダーズ商会》の所謂幹部だろう、固いソファに優雅に座り従者に片手を振れば懐から上質な布袋を取り出しテーブルに置かれ、奴隷ギルドのマスターが中を改めればざっと1億ログコインがあるようで、これで面倒な手続きを終わらせろという事なのだろう、ギルドマスターはニヤリと澱んだ笑みを浮かべた。
「承知しました、60分程で全てご用意致します。その間是非お買い物をどうぞ」
「話が早いようで、良い店はありますか?」
「案内させますが」
「結構」
「承知致しました、またお待ちしております」
タナトスが音もなく腰を上げ従者を従え、紹介された店へと足を運んだ。

「ようこそ」
「見させて貰います」
「ごゆるりと」
禿げた男が木と岩で出来た建物の前で待っていた、平身低頭と言った様子でタナトス達を案内する。
「どんな奴隷をお探しで」
「主人達は好みがうるさいので、私が目で見てくるようにと」
「そうでしたか、差し出がましい真似をしました」
早速中に通される、臭いや汚さは無い必要最低限衛生に気を使っているのだろう、怯えた獣人達が檻に入れられテスナとソーンも必死に顔に出さない様にしているが顔色は良くない。
「ふむ、この獣人の兄弟を馬車に運んで下さい」
「承知しました」
「それと…そこの獣人と…主人達の趣味で訳ありも欲しいので案内を」
「承知しました、こちらです」
タナトスが選んだ獣人の奴隷達を速やかに奴隷商人の部下が運んでいく、タナトスの注文に意見する事なく奴隷商人が魔力錠で地下へと案内する。

「薬ですね」
「訳ありですので」
「わあ、カワイーゴーレムちゃんたちー」
「あれは?」
「あれは最近売られてきた者です、薬も効きません。気が触れています」 
近場の檻からこの場に似つかわしくない能天気な声が聞こえる、黒い布で目隠しされ涎を流す薄汚れた男が檻を覗くゴーレム達に手を振り、ゴーレム達も気に入ったのかタナトスの足をツンツンとしている、因みに今日連れて来たのはタナトスが修復し絵を描いたゴーレム達だ、おねだりされてしまったのでその奴隷と薬で虚ろで怪我をしている奴隷達全て買い上げた。
「ここの奴隷達全て買います、馬車に運んで下さい」
「承知しました、会計は此方になります」
「中々面白い買い物がてきたので、チップを」
「これはこれは」
紙に提示された金額に頷き、商人の胸ポケットに100万ログコインを入れて此処での買い物を終わらせ、奴隷市場を歩く事にした。

STAGE.5ー7追加
「今夜は大人数だし、カレーと唐揚げと縁起担いでカツを揚げよう、どうだ?」
「お、いいじゃん。手伝うぞ」
「あ、あのせめて手伝わせて下さい」
「こんな事しか出来ませんし」
「それは助かるな」
千歳と大河とラジカやフォン、ヴィッセとカイムとダーグ達と砦の情報交換をしている間、崇幸とジラ、千眼に千華と盗賊団の手下達が手伝いに名乗りを上げて、他はもう1台の車で治療や面倒を見ていた。
「本当に飯上手いですね」
「俺らも飯当番ばっかりだから、多少は出来るすよ」
「助かる、大人数だから」
早速大鍋を幾つか用意し、野菜を刻む様にジラ達にたのんで唐揚げとカツの下準備を始めた。

「しっかし、茶すらうまいなー」
「こだわりがあるからね、茶菓子も沢山食べてね」
「おいしいなー」
話し合いと言う茶会が開催、ナイルのドーナツとクッキーが並べられダーグ達が茶を飲んでいた。
「砦に行くのもそうですが、まずは身体の回復が先ですね」
「ああ、気ばかり急いじまって危うく俺らが全滅する所だったからな」
「本当にありがとうございます、砦にいるらしい俺達の馴染みは3名です。まだ無事ならいいですが」
「《カトナント》を落とした《ドンドース》は強い国じゃないんです、なんかあると思います」
ラジカが回復する事に努めるよう勧め、ダーグ達も頷く。
「砦にいる奴らに聞けば良いだろう」
「薬の準備も食料も潤沢ですから、砦から皆さんを救出した後に車の中で状況を確認してその後の動きを立てます」
「おそらく、遺跡に行く事になると思います」
「そうか、《カトナント》の至宝をあんたらも狙っているのか?」
「いや、砦にいる魔人の救出と彼が残っている理由と手を貸せる事があれば手を貸そうと思ってね。彼を待っている人がいるから」
「そうか…魔人…だからなんとか保っているのか、そいつに会ったら礼を言わねえとな」
ダーグの問いに千歳が答える、ダーグがほっとした表情を浮かべた。
「今日は身体を休めろ」
「ああ、すまねえ」
大河が話し合いの幕を引き、菓子やら飲み物を置いておく、野菜切る位は手伝おうと腰を上げた。
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