あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第010部 魔人達に捧げる禍つ謳

第5幕 第6話奴隷ギルド支配人決定×STAGE.5ー6《ダーグ盗賊団》 

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第6話奴隷ギルド支配人決定
「と言うわけで、《アウトランダーズ商会》奴隷ギルド支配人タナトスさんに来て貰いましたー」
「………………」
「タナトスお茶飲む?」
「いりません」
懐記が転移でタナトスと最近《アウトランダーズ商会》に職業紹介所から就職したテスナとソーンを連れてテントに戻りそう紹介してグローリーがお茶を飲むか聞くと無愛想にそう答えた。
「悪いんだけど、早速明日奴隷を売り買いしている所に3人で行って奴隷ギルドを造る手続きと派手に奴隷買って来て~」
「私は構いませんが…」
「俺もやりますよ!」
「………何故私が」
『適任』
トラングが指示を出し、テスナとソーンは快諾するが当のタナトス本人は釈然としていないが、トラングと懐記から押し通されてしまう。
「大丈夫、ニジェルガとラージュからはオッケ貰ったし、オフィスはグローリーの家に作るし、どんなのが良いか考えといて」
『はいは~いとりま、20億ログ分派手に買って~』
「じゃ金はテスナっちに渡すわ」
「悪いけど、明日早目に動くから今日はここで寝てー」
「護衛にゴーレムとヒヨコさん達も一緒に動いて貰いますから、よろしくお願いします」
「事情は既に聞いています、力にならせて下さい。この任務必ず成功させます」
「頑張りますよ!タナトス支配人!必ず子供達を助けましょう!」
「………」
「テトラっちからタナトスっち達の服明日迄に用意しとくって」
「…………」
「見るからに質の良い、金をもて余してる系富豪をイメージして貰ったからじゃんじゃん金使ってね!」
テスナもソーンも張り切り、タナトス1人が浮いている状態だった。
「タナトス…諦め肝心」
「久々の街で外だし、少し歩けば?そんくらいはいんじゃない?」
「構いませんよ、購入した奴隷の方を連れて来るのが大変でしたら呼んで下さい」
「………はぁ、この街の奴隷ギルドと店の詳細を知りたい」
『はいは~いオッケよん』
諦めた訳ではないタナトスが大河達が設けた図書スペースでテスナとソーンと懐記を加え奴隷ギルドの話を始め、詠斗達は明日も早く動くので早目に寝る事にした…。

STAGE.5ー6《ダーグ盗賊団》
「さて来た……砂漠で漁かよ」
「大漁ですねー」
「おーい馬は可哀想だぞ、優しくしてやれ」
「俺らいる?」
車を止めやって来る盗賊団を待ち構えていたフォン達より先に、ニアのゴーレム2体が投網の様に網を広範囲に撒き盗賊団を1人残らず絡め取り、フォン、トゥナー、ジラ、カイムの出番は無かった。
「これどうやって出した?えらい魔力を放ってるが」
「ま、ニアのゴーレムだしな」
「みなさん、彼らはどうします?見た所弱っているみたいですが」
「どうって、あー情報聞き出せばいんだっけか?」
「おー一瞬で片ついたなー」
「ニア君のゴーレムはすごいねー」
「ん?お前もしかしてダーグか?」
「げ、その声!フォンの旦那か!てかなんだよこの網!切れねー」
「頭ぁ、馬が苦しそうだ!」
「フォン、顔見知りか?」
「ああ、コイツらは義賊だ。討伐すると面倒だな」
「な、フォンの旦那!恥を忍んで頼みがある!他の仲間が倒れたんだ!薬を売ってくれ!頼む!金は払う!」
「場所はどこだ?」
「おい、崇幸。助けるつもりか?時間がねーだろ?」
「ああ、それでも助けたい。カイムお前の友達も助けているから動けないんだろう?俺も見捨てれない」
「ちっ、網とれ。お前ら変な真似したら即首落とす」
「義賊は面倒だぞ」
「その前に」
「そうだね」
「ああ、やる事があるな」
『風呂入れ』
カイムが舌打ちしゴーレム達が網を撤収させれば、馬と汚れている盗賊団に大河、千歳、崇幸が声を揃えた。

第6話奴隷ギルド支配人決定
「派手な馬車と頑丈な馬車と馬を用意して下さい、1度正規のやり方で街に入ります」
「ん、ラージュっちから借りるわ。ラインする」
「紋章等ない物で」
「ウォルパパとカーテスパパから明日帰るのかって、飯は?」
「知りませんよ」
風呂を持ち込んで済ませたチキとイデアがスマホを確認し、タナトスに聞けば勝手に連れて来ただろうと不機嫌な雰囲気を出す。
「明日はタナトスが好きなオムライス…」
「……」
「明日作るわ、チーズ入れるから」
「そうそ~ちょっーと知恵とか~貸して~」
「………」
「お願い、タナトス…」
「はぁ、好きにして下さい」
タナトスがこめかみを押さえる、この環境が嫌いか好きかと言われればどうでも良い…自分の居場所を作るつもりはない、こうして使われている方がマシな気さえする。
「神々から報酬タナトスにも付けるように頼むわ」
懐記がタナトスに頼む、皆魔人の子供を助けようと懸命に動く、タナトスはそれを舞台の観客席から眺めている程度で良いのだ。
「どうとでも」
タナトスはやる事をやってさっさとこの舞台から退場したい、策は練る、頭も知恵も使う。
『ほら、君の計算と知識でこの展開は破綻した。実につまらない、さあ、もう1度』
「………」
『期待とかされているらしいじゃないか?つまらない価値観の中で果てるつまらない存在、まさに君に相応しいね、君にはこの島の支配者程度が似合いだ、おめでとう』
遠き日の記憶と言うのもうんざりする記録程度、嫌味しか言えないのかと言う位の男の言葉を思い出す。
「…………はぁ」
思考をクリアにし、目の前の雑用を片付ける事にした…。

STAGE.5ー6《ダーグ盗賊団》
「うめぇ!こんなうめぇもん初めてくった!」
「まだまだあるからゆっくり食え」
「肉もあるから」
「野菜と果物もどうぞ」
「飲み物のお代わりもある…」
車の中で風呂に入れた盗賊団達には食事を出し、馬達には果物や野菜を山盛り提供し水や塩の塊も用意しゴーレム達が世話をしていた。
「あーこんなうまいもん、アイツらにも食わせてやりたいなー」
「ああ!」
崇幸が収納から次々料理を出してやつれた盗賊達に食わせてやる、蒐集家、ヴィッセ、大河と千歳とラジカ、ジラ、フォンが車を走らせた先の盗賊の根城、盗賊の仲間達の治療の為に洞窟に入った。

「フォンの旦那、すまねぇ」
「向こうで最近お前らの話し聞かなくなったと思ったら、こっちに来ていたのか。お前らは《カトナント》の出身か」
「まあ、半分な。国が落ちたのは仕方ねぇ、弱かったのがわりぃんだ。だが、昔馴染みの奴らが砦にいるって聞いて…」
「それで、装備も漫ろにスコーピクスに刺されたとアホか」
「う……」
洞窟の先に灯りが灯り数名が高熱に浮かされ苦しんでいるのを、他の盗賊の仲間達が看病していた。
「まあ、この程度の毒ならすぐに解毒できますよ」
「皆さんの状態も悪いですね」
「転移が使えないからな、浄化して全員車に運ぶか」
「荷物はこれを使うといいよ、時間停止の収納バッグはい」
蒐集家とラジカが状態を確認し、大河が浄化魔法を掛けジラ達が盗賊達を抱えて車に運び込む、盗賊団の頭領ダーグが眼帯を掛けた塞がっていない右目をパチクリさせバッグを千歳から受け取りまだ動ける者達と荷物を急いで収納して車に向かった。

「全員風呂に入れ、服は洗濯する服はこれに着替えろ。飯は好きなだけ食べろ、病人の世話は此方でする」
「俺達も砦に向かっているからな、目的は同じだな。今日は休んでくれ詳しい話しは明日しよう」
「皆さんには休息か必要ですね」
「雑魚寝で申し訳ないけど」
大河が雑に説明しゴーレム達が案内する、伝えるべき事を伝えて食事の用意をしスコーピクス…蠍に似た生物に噛まれ毒が回る盗賊の解毒を蒐集家が済ませ、デュスノア(自室でワイン崇幸提供の物を飲んでいる)以外で世話を行う事にした。
頭領のダーグも面倒をと言うが寝床に押し込み、粗方の回復を確認する頃には夜が開けていた…。
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