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第09部 魔王たちの産声 歪
第026話 率とテスカのお店造り
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「率…ちゃん。服ありがとう、着心地いいね!」
「でしょ!似合ってるよ、テスカちゃん!」
「髪もありがとう」
「うん!」
商業エリアを歩く率とテスカ、服は率の物を貰い髪も編み込みをして率と揃いのコーディネートで歩く、背丈も外見の年齢も同じような2人は昨日のネイルですっかり意気投合し店も率が蒐集家の近くの物件を用意したので今日は早速店を造りをと張り切っていた。
「なんか、蒐集家さんのお店人気だよね」
「あの方…怖い…です」
「怖い?」
「はい…」
蒐集家の店の前には客が列をなし、テスカが足を止めて呟く。
「でも治療してくれたり、毒ダンジョンにカヌイさんを救出しに行ってくれたから…」
「はい……」
「怖いなら無理に近づかなくていいからね、僕だってそうだよ。怖いと思ったら逃げたくなるから…」
「率ちゃん…」
「今日はお店借りようと思ったけど、グローリーさん達の所に戻ろうか?」
「う、ううん。率ちゃんいるから大丈夫!行こう」
「………うん」
率が少し心配そうにテスカを見て手を引いて…大河もいるし、問題ないだろうと裏口から入る事にした。
「2人共…手伝ってくれ」
「大河さん?どうしました?」
「大口の注文だ。あいつは客の対応をしているからな、塗り薬に使う薬草を磨り潰す手伝いをしてくれ」
「あ…いい?テスカちゃん?」
「はい。えと…これなら風魔法をつかいましょうか…」
足元ではゴーレムやヒヨコやおりがみの子達が動き回り、大河がぐったりとしているので手伝いを承諾し、テスカが風魔法を使い幾つものすり鉢を使い磨り潰していく。
「ああ、助かる。俺は次の薬草を量るから、率くんは磨り潰した薬草にそこの水と粉を少しずつ足しながら混ぜてくれ。固まったら完成だ。痒みや傷に効く物だ」
「分かりました!」
早速率が腕を捲り言われた通り混ぜ足していく、テスカも同時に風魔法を使い磨り潰していった。
「ありがとうございます」
「いえ…」
最後の客が帰り店じまいをゴーレムに頼んだ蒐集家が大河達に顔を見せたのは率達が訪れてから3時間後、大河達が塗り薬を50個程完成させぐったりしていた所だった。
「こんにちは!」
「こ、こんにちは」
「こんにちは、率さんテスカさん。薬ありがとうございます。今茶を用意しましょう、果物もどうぞ」
「ありがとうございます」
「どうも…ありがとうございます」
ゴーレム達が茶を用意し蒐集家が収納から果物を出してくれ、水で洗って出してくれる、プラムの様な赤い果実は程好い甘さで美味しく率が追加を貰った。
「盛況ですね」
「ええ、私はもう少し暇な方がいいんですけどね」
「これだけ忙しいとそう思いますね」
「この世界には薬屋が少ないようだからな」
「あっても高額ですし、薬草ダンジョンも簡単に攻略出来るダンジョンでもないですから。それと2人に給料を出さないといけませんね」
「そうだな」
「いえ、いいですよーちょっとお手伝いしただけですから」
「いえ、対価は支払います。お店を造るんですよね?」
「はいここの近くに造ります」
「そうですか、ではちょうど良い物があるんです、お2人が気に入るか分かりませんが。茶を飲んだら店の場所に行きましょう」
「………」
「テスカどうかしたか?」
「あ、いえ。なんでも…」
「ふ…貴方が私を忌避するのは当然です、その感情は正しい」
先ほどから茶に申し訳程度口を付け蒐集家を窺うテスカ、蒐集家は微かな笑みを溢す。
「……貴方を見ているとざわざわします、これが正常ですか?」
「ええ、もちろん。私は《アタラクシア》の異物ですから」
「テスカ、こいつが異物だろうがこの世界の者でなかろうが今はこうして此処にいる。腹の底で何を思っていようがな」
「僕は蒐集家さんが悪い人には思えません」
「おや、率さんは優しいですね。後で良いものを上げます」
「救世主たるお2人が言うのであれば…僕が言う事はありません」
「では、茶は飲み終わったので移動します」
蒐集家が席を立ち、飲み終わった茶器をゴーレム達が片付けながら見送ってくれるので率が手を振り空いた土地へ移動した。
「ちょうど良い広さですね、では本日の給料を」
「わあ!かわいい家!」
「これ…すごいですね」
「お前らしくない持ち物だな」
「以前造った物です、この家意思があるんですよ。性格が合わないので収納にいれっぱなしにしていました。気が合いそうなら率さん達にあげます」
「え?」
「どうぞ、因みに私はこの家に嫌われているので開きません。ドアノブに触れて開けてみ
てください」
蒐集家が収納から出したのは高さ建物2階分の大木をそのまま、使った家、物語から抜け出したようなファンタジーな外観だった。
「お邪魔しまーす」
『いらっしゃい、かわいい子とイケメンは大歓迎よ~そこの腹黒はお断り!』
「だそうです、相変わらずですね」
『黙りなさいよ!ずーとずっとアタイを閉じ込めて!さあさあ、かわいいお客様達どうぞどうぞ~』
「…………合わないだろうな」
「ええ、合いません。お陰様で私は2度と家を造らないと決めました」
開けた途端天井から聞こえたのは張りのあるバリトンボイスのオネェさんの声、大河は蒐集家とは合わないだろうと言い蒐集家も同意した…。
「でしょ!似合ってるよ、テスカちゃん!」
「髪もありがとう」
「うん!」
商業エリアを歩く率とテスカ、服は率の物を貰い髪も編み込みをして率と揃いのコーディネートで歩く、背丈も外見の年齢も同じような2人は昨日のネイルですっかり意気投合し店も率が蒐集家の近くの物件を用意したので今日は早速店を造りをと張り切っていた。
「なんか、蒐集家さんのお店人気だよね」
「あの方…怖い…です」
「怖い?」
「はい…」
蒐集家の店の前には客が列をなし、テスカが足を止めて呟く。
「でも治療してくれたり、毒ダンジョンにカヌイさんを救出しに行ってくれたから…」
「はい……」
「怖いなら無理に近づかなくていいからね、僕だってそうだよ。怖いと思ったら逃げたくなるから…」
「率ちゃん…」
「今日はお店借りようと思ったけど、グローリーさん達の所に戻ろうか?」
「う、ううん。率ちゃんいるから大丈夫!行こう」
「………うん」
率が少し心配そうにテスカを見て手を引いて…大河もいるし、問題ないだろうと裏口から入る事にした。
「2人共…手伝ってくれ」
「大河さん?どうしました?」
「大口の注文だ。あいつは客の対応をしているからな、塗り薬に使う薬草を磨り潰す手伝いをしてくれ」
「あ…いい?テスカちゃん?」
「はい。えと…これなら風魔法をつかいましょうか…」
足元ではゴーレムやヒヨコやおりがみの子達が動き回り、大河がぐったりとしているので手伝いを承諾し、テスカが風魔法を使い幾つものすり鉢を使い磨り潰していく。
「ああ、助かる。俺は次の薬草を量るから、率くんは磨り潰した薬草にそこの水と粉を少しずつ足しながら混ぜてくれ。固まったら完成だ。痒みや傷に効く物だ」
「分かりました!」
早速率が腕を捲り言われた通り混ぜ足していく、テスカも同時に風魔法を使い磨り潰していった。
「ありがとうございます」
「いえ…」
最後の客が帰り店じまいをゴーレムに頼んだ蒐集家が大河達に顔を見せたのは率達が訪れてから3時間後、大河達が塗り薬を50個程完成させぐったりしていた所だった。
「こんにちは!」
「こ、こんにちは」
「こんにちは、率さんテスカさん。薬ありがとうございます。今茶を用意しましょう、果物もどうぞ」
「ありがとうございます」
「どうも…ありがとうございます」
ゴーレム達が茶を用意し蒐集家が収納から果物を出してくれ、水で洗って出してくれる、プラムの様な赤い果実は程好い甘さで美味しく率が追加を貰った。
「盛況ですね」
「ええ、私はもう少し暇な方がいいんですけどね」
「これだけ忙しいとそう思いますね」
「この世界には薬屋が少ないようだからな」
「あっても高額ですし、薬草ダンジョンも簡単に攻略出来るダンジョンでもないですから。それと2人に給料を出さないといけませんね」
「そうだな」
「いえ、いいですよーちょっとお手伝いしただけですから」
「いえ、対価は支払います。お店を造るんですよね?」
「はいここの近くに造ります」
「そうですか、ではちょうど良い物があるんです、お2人が気に入るか分かりませんが。茶を飲んだら店の場所に行きましょう」
「………」
「テスカどうかしたか?」
「あ、いえ。なんでも…」
「ふ…貴方が私を忌避するのは当然です、その感情は正しい」
先ほどから茶に申し訳程度口を付け蒐集家を窺うテスカ、蒐集家は微かな笑みを溢す。
「……貴方を見ているとざわざわします、これが正常ですか?」
「ええ、もちろん。私は《アタラクシア》の異物ですから」
「テスカ、こいつが異物だろうがこの世界の者でなかろうが今はこうして此処にいる。腹の底で何を思っていようがな」
「僕は蒐集家さんが悪い人には思えません」
「おや、率さんは優しいですね。後で良いものを上げます」
「救世主たるお2人が言うのであれば…僕が言う事はありません」
「では、茶は飲み終わったので移動します」
蒐集家が席を立ち、飲み終わった茶器をゴーレム達が片付けながら見送ってくれるので率が手を振り空いた土地へ移動した。
「ちょうど良い広さですね、では本日の給料を」
「わあ!かわいい家!」
「これ…すごいですね」
「お前らしくない持ち物だな」
「以前造った物です、この家意思があるんですよ。性格が合わないので収納にいれっぱなしにしていました。気が合いそうなら率さん達にあげます」
「え?」
「どうぞ、因みに私はこの家に嫌われているので開きません。ドアノブに触れて開けてみ
てください」
蒐集家が収納から出したのは高さ建物2階分の大木をそのまま、使った家、物語から抜け出したようなファンタジーな外観だった。
「お邪魔しまーす」
『いらっしゃい、かわいい子とイケメンは大歓迎よ~そこの腹黒はお断り!』
「だそうです、相変わらずですね」
『黙りなさいよ!ずーとずっとアタイを閉じ込めて!さあさあ、かわいいお客様達どうぞどうぞ~』
「…………合わないだろうな」
「ええ、合いません。お陰様で私は2度と家を造らないと決めました」
開けた途端天井から聞こえたのは張りのあるバリトンボイスのオネェさんの声、大河は蒐集家とは合わないだろうと言い蒐集家も同意した…。
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