あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
上 下
389 / 867
第09部 魔王たちの産声 歪

第020話 魔人×3 番外個体魔王1

しおりを挟む
『でか…』
『私達は大きさを変えられるのね~』
『…………のす』
『しゃべんねー個体か?』
『わざとよわざとなのね~ん』
「よお」
『のす』
情報ギルドの外、1階分程の大きさのある大きい灰色の大きな羊の様な生物にチキとコォンとゴーシュは話し掛けているがのすしか喋らず毛に覆われ目が何処にあるかも分からないが、間違いなく番外個体魔王だとチキもコォンも認めている。
情報ギルドの2階を貸し切り、3体の魔人と詠斗、綴、懐記は対面していた。

「グリっち今魚ダンジョンのボス手前だから、少ししたら来るわ」
「では、先に希望や話しを聞きますか」
「じゃ、どんな仕事したいとかある?」
懐記がスマホでラインを送り、ゴーレム達がお茶を運んで職について詠斗が尋ねた。
「俺の名前はテュフ!外にいる可愛い生き物は相棒のノースだ!俺は旅をして金を貯めて酒場をノースとやるのが夢だ!冒険者達の話しを聞きながら俺も酒を呑み会話をしたり出来るそんな酒場を作りたい!金は貯めたから後は土地と店だ!」
豪快に笑うテュフ、白い歯をニカっと見せ笑顔が好印象の青年、詠斗達は丁度良いと《ホウラク》冒険者の宿泊所となっているホテルに酒場は作るのはどうかという話しもあるのでどうだろうかと言えばニカっとテュフが笑い承諾した。
「俺は運が良い!だがノースは俺の相棒だノースと酒場をやるのは絶対だ!」
「もちろん、良いですよ!ゴーレム達も手伝ってくれるので良い酒場を作ってください!」
「おお!ありがとう」
詠斗もニコリと笑い互いに熱い握手を交わす、次の青年は落ち着いた物静かな青年で物腰が柔らかい印象を受けた。
「こんにちは、皆さんにお会いできて光栄です。僕は魔人テスカと言います僕はお金大好き大金稼ぎたい!って感じです」
「そうなんですね、よろしくお願いしますさん。皆さんは魔人ですよね、やはりグローリー君に会いに来たんですか?もうすぐ来ると思います」
「魔人?なんの事だ?魔人てあの伝説の?あんたら魔人か?」
「そうですよ、テュフさんも魔人ですよ?」
「あはは!面白い冗談だ!」
「ええ、本当なんですけどー」
「そいつは魔人を降りたヤツだからな」
テスカが困っていると隣で足を組み自分の爪を見ている青年がつまらなさそうにしている、気だるげに態度も悪く片手はテーブルに肘を付き頬を乗せていた。
「そんな事出来る訳ないですよ」
「外の番外魔王が手を貸したんだろ、俺はカイム。働くのだりぃから短時間で稼げる仕事が良いんだけど」
「ふうん、カイムっちは夜の仕事でもオッケ?」
「まあ、短時間で楽で稼げれば」
懐記が興味を持ちやる気全くないカイムに聞くと注文が追加されるが懐記はきにせずカジノを進め、楽ならばとカイムは承諾した。
「テスカさんは、経営とか興味ありますか?」
「経営ですか?」
「はい、《アウトランダーズ商会》の小売の店を商業エリアと龍皇国と《ホウラク》のホテルに出す予定なんです、今その店を運営してくれる店長さんを探していて。お給料はこれからテスカさんと話し合って決めたいと思いますが如何です?」
「えと…経営?とかは分かりませんが是非話しを聞かせて欲しいです!やる気はありますよ!」
テスカが意気込みをみせてくれるので綴もニコニコしている、3名に今日の宿はどうするのか尋ねる。
「俺は店を出す宿を見たい!ノースももちろん一緒だ!」
「僕は、魔神様にお会いしたいです。お話しもしたいです」
「んー俺は仕事に一番近い場所で寝れればいいわ」
「分かった!テュフさんはホテルで!カイムさんはグリの所!カイムさんはカジノがここだから家はここね!」
「ありがたい!」
「わぁ、嬉しいで…来ました」
「へえ、職場と同じとこなら樂か…へえ来たか」
テスカとカイムが反応し、グローリー達が転移で訪れた。
「わ!可愛い!魔人の子供達ですよ!」
「おお!カッコいい子供達と美形だ!」
「ああ、そこのガキ2体は上位魔人か…エリートじゃん」
「はじめまして…グローリーです」
「じゃ昼飯にしよ、船行くか。魚丁度いいんじゃない」
懐記が腰を上げて《島船》に移動を促す、大きいノースもチキたちも誘い《島船》へと懐記が転移を行った。

「良い感じに出来たすよ!大きい…魔王?」
「味見しました!美味しいです!また魚釣りに行きますよー塩も作ろうかってラウラスさんと話してました…大きい子ですね」
『のす』
ラウラスとトゥナー達が《島船》の甲板で魚を焼いて出迎えてくれるが、ノースの大きさにちょっと驚きつつも孤児院の子供達もわらわらと出てきてノースにモフモフと身を預けていく。
「ふかふか」
「可愛い!」
「大きい」
「ああ!俺の世界一の相棒だ!存分にモフモフしてくれ!な、ノース!」
『のす』
テュフも子供達を肩車し早速馴染んでいる、崇幸達も昼食にと訪れ大所帯なお魚パーティになり、魚に肉に野菜にと鉄板で次々焼かれ、刺身も出され味噌汁とご飯が配られた。
「お会いしたかったです!魔神皇様!グローリー様とお呼びしても良いですか?」
「グローリー…かグリと呼んで下さい」
「そ、そんな怖れおおいです!」
興奮気味にテスカがグローリーに名を呼んでもいいか尋ねればグローリーは、呼び捨てでと頼むが首を横に振っている側で、カイムはカヌイに気だるげに視線を向けた。
「あんたが自殺を試した魔人か、くだらない事をする」
「あ…」
「無駄な事に心血注いで…」
「おい、カヌイを責めるなよ」
「へーへーエリート様」
淡々とした口調なじるような責めるような視線、カヌイがたじろぎイデアが間に入るようにカヌイを背に庇えば肩を竦める。
「……関係ないじゃん、上位とか中位とか下位とかって」
「お前らはな、そのお前が背に庇っているのは中位の魔人だったが…上位のなりかけか」
「イデアくん…」
背後でか細く身を震わせるカヌイ、イザラも庇いカイムは酷くつまらなさそうに3名に背を向けて移動した。
「カイムさん…」
「アンタ魔人の長だろう、弱いのによくやる。神々と妖精王1人に認められた程度で」
「カイムさん、なんてことを!」
「本当の事だろう。下位の魔人が魔神にまで上ったんだ」
「すごい事じゃないですか!下剋上ですよ!」
「は、何処が?弱いのに皇にまで上がって。上位の魔人共が黙ってないぞ、後ろ盾に神と救世主達がいてもな」
「そ、それはそうですが。グローリー様は下位の魔人の希望ですよ」
「だるい事を…」
「話しはそこまでにして飯くお」
「懐記…うん」
テスカも間に入りグローリーを否定するカイムに口答えをするがカイムは吐き捨てるように言い、懐記が割って入り食事をするよう伝えグローリーがカヌイの手を引きイザラとイデアを連れて行き、カイムは甲板に用意された椅子に座った…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~

かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。 望んで召喚などしたわけでもない。 ただ、落ちただけ。 異世界から落ちて来た落ち人。 それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。 望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。 だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど…… 中に男が混じっている!? 帰りたいと、それだけを望む者も居る。 護衛騎士という名の監視もつけられて……  でも、私はもう大切な人は作らない。  どうせ、無くしてしまうのだから。 異世界に落ちた五人。 五人が五人共、色々な思わくもあり…… だけれど、私はただ流れに流され……

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

処理中です...