あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第09部 魔王たちの産声 歪

STAGE.4-18 マンドランドとお化け野菜達

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「おかえり…お昼はミルクスープと焼いたパンとジャム、肉と野菜を炒めたのと、魚焼いたのと焼きおにぎりと味噌汁もある」
「グリ悪いな、大変だろう?色々作って」
「平気…みんな手伝ってくれた」
『野菜切ったぞ』
『ぐるぅ』
「シャワーか風呂に行きましょう」
『俺も行く!泡!泡』
採集から戻るとグローリーが出迎え昼食の支度をしていて、チキとベーダードート達とゴーレム達も手伝いスムーズに品数を作れたらしく謝る大河に微笑む、毒の森にいたのだからとラジカがシャワーと風呂に行くよう勧め、チキ達も好んで風呂へ向かった。

『いただきまーす』
シャワーと風呂を済ませデュスノアやイザラとイデアも顔を出して全員で食べる、風早が気を効かせて音楽を掛けてくれイザラとイデアが色々話しをしてくれ心地良い時間が過ぎた。
『魔物も出ないので明日朝には南エリアに入ります、夜に入るのは得策ではないと判断しました。それに伴い彼らの食事が足りないので神々に頼み少し時間は掛かりますが、野菜と果物を送ります』
「ありがと!風早!」
「ありがとう」
「それは助かる」
「私達の食事だけなら今のストックで良いですが、彼らには必要ですね」
「お前達、我が儘言うなよ?毒草が外にあるんだ、こんな所で選り好みをするな」
『…………』
お前が言うなという無言の全員の声、やれ味が薄いやもっと焼けだの酒を出せ等と主張しまくるデュスノア、それに文句も言わす応えるグローリーやゴーレムやヒヨコ達。
「かわいそうじゃん、うまくもない毒草食うのなんか」
イデアが言えばチキ達を初め動物達全員頷く、チキは焼きおにぎりを気に入ったのかたらふく食べている。
「神々が運ぶなら手間は省けるな。グローリー、今夜は肉が良い」
「唐揚げにする?丼?サンド?」
「さんせーい、丼」
「食べたい、丼」
「俺も丼だな」
「美味いならどちらでも」
「沢山揚げて明日はサンドにする?」
『さんせい』
グローリーが昼食を終え一段落したら仕込みをしようかと頷く、大河は思ったそういえばこのメンバー料理をちゃんとするのはグローリーと手伝いをするイザラ、イデア位しかいないのかと……大河も手伝おうと思うが、昔母親にせめてご飯と卵焼き位は出きるようにしなさいと嫌々教えて貰った挙げ句、米はべちゃっとなり卵焼きは炭と化したのを思い出し出来る者がやれば食材は無駄にならないと思っているタイプだった。
「料理楽しい…」
「助かる、本当に」
「やれる者がやれば良いだろう?」
デュスノアの言葉に確かにと思うが、同意はしない同類と思われたくないからだった…。

「でか、ちょっと食べてみたい」
大きな懐記程の身長の白いカボチャの様なお化け野菜を見て食べたいと言葉にする懐記に、どう移動しているのか不明だが高速で離れるお化け野菜達。
「かわいい!」
「わーネスちゃんにぬいぐるみにして貰おっと」
「つよいよーマンドランドはー」
「あーう!」
『ベル様食べれませんよ』
舵やベルン達も写真を撮ったり二足歩行するマンドランド達を可愛いと褒めまくりマンドランド達も満更では無い様子に、トゥナーが首を傾げる。
「僕が近づくだけで魔法を仕掛けてくるのに」
「当たり前だな、こんな恐ろしい化け物が来たら攻撃するぞ!」
ラピスの言葉にマンドランドやお化け野菜達も同意する、トゥナーは益々首を傾げた。
「トゥナちゃん可愛いのにー」
「俺もそう思うわ」
『………はぁ』
「トゥナーつよいよー」
「なんかぞわぞわします、グローリーさんとはまた別な感じです」
「強いすけど敵意は全く無いすからね」
ラピスやマンドランド達は肩を竦め、ベルンとニトとラウラスは強いけど問題無さそうにしている。
「神様ズから電話だわ、なに?へぇーふーん、そう。分かったわ、ちょうどいいわ。用意しとく、じゃ。トゥナっち野菜とかこの辺りの物売ってくんない、トイっちも野菜大量に果物とかも出して。毒ダンジョンでゲットした動物達に必要らしいわ」
「はい!任せて下さい!ちょっと収穫してきます」
「僕の方もお役に立てるならどうぞ、大きくて料理にしても食堂に卸しても沢山ありますから」
「じゃ、遠慮なく」
神々からの通話を切り、トゥナーとトイに頼みトイが畑にベルン達(マンドランドが2匹手伝いに勝手について行った)と戻りこっちはニアとニトとゴーレム達で収穫をと思うとマンドランド3匹といつのまにかいた白いカボチャのお化け野菜と巨大な芋のお化け野菜が懐記の側にいた。
「ん?ああ、毒ダンジョンに行きたいわけ?神様ズに聞いとくわ、じゃ、収穫手伝って」
そう言うとマンドランド達が手伝い、土魔法で瞬く間に全て収穫してしまう。
「採りすぎじゃん」
「大丈夫ですよ、すぐにまた生えて来ます。あ、今他のマンドランド達が狩から帰ってきましたよ。ちょっと分けて貰います?彼らは僕が解体するから素材を分けてくれるんですよ。攻撃されますけど」
「へぇ、貰うわ。ラウラスっち交渉して」
「はいす」 
「え、僕はダメでドラゴンさんはいいんですか…そうですか…」
「強すぎてもダメって感じ、ドラゴンよりか強いって事?」
「どうでしょうか、色々あってドラゴンと私闘は禁止されていますし…でも大陸が違うから良いのかな?」
「さあ?」
ラウラスが大物を引き摺る数匹のマンドランドに駆け寄りお願いをすれば快く獲物を寄越してくれ、話しも通じ品も良く礼儀正しい…そんな彼らに兎に角攻撃されるトゥナー…。
「んー、あれだけ強い存在なら有名だと思うんすけど」
ラウラスの独り言にマンドランド達が互いに顔を見合せ、知らない方が良いと首を横に振った。

「なあ、そういや随分むかーしからこの《ガルディア》にあるあの険しい道の先の食堂」
「ああ、最近ニアが通ってるってあの食堂……」
「ゴーレム達も行ってるらしい」
「俺らが子供の頃からもあそこにあるらしい食堂な」
「あんな険しい道越えて行けないよなー」
「客とかもいるのか分からんし、なんか白い怪物とかデカイ野菜の化け物とかいるらしいからガキの頃野菜食べなかったりしたらオフクロに残すならあの食堂に連れて来て行くよ!って言われて泣きながら食ってたわ」
「はは!俺は野菜とかは好きだからー」
「今は俺だって何でも食うさ」
ガヤガヤと最近《ガルディア》の元貧民街の炊き出し場、
最近は屋根や椅子やテーブルも設置され色々な場所から働きに来ている人々の交流の場の1つにもなっていた。
昔から住んでいた者達や新しく…かつてはこの貧民街で絶望していた者達、働きに来た者達と同じ食事をし会話に花が咲く。
「まあ、まず普通のやつは行かないな。だって山の上だからな」
「言えてる、度胸試しとか冒険者達や噂好きな若者とかが1回だけ行くような場所だもん」
炊き出しの具沢山スープと干した果物をふんだんに入れたパン、焼いた魚を食べて各々仕事に向かった…。
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