あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第09部 魔王たちの産声 歪

STAGE.4-15 小さいカメ

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「おはよう…朝は温かいうどんとおにぎり。焼きおにぎりと魚をほぐしたの入れた」
「おはよう、グリ。ありがとう、うまそうだ」
いつもは寝坊気味の大河も早々に起き出しグローリー達が用意した温かい醤油ベースのうどんとおにぎりにありつく、中々眠れないと思いつつ、チキやきゅう達の姿が見当たらない、他の面子はうどんをすすりパクパクとおにぎりを食べていた。
「焼きおにぎりおかわり」
「魚のおにぎりをお願いします」
「うどん追加を」
ジラ、ラジカ、デュスノアが追加をゴーレム達に頼む、イザラとイデアは食べ終わり果物を食べながら西に向かうのを待っているときゅうとふーとチキとゴーレム、ヒヨコ、おりがみの子達が転移で車内に転がって出現し大河達が駆け寄った。
「きゅう、お前達どこに……連れて来てくれたのか」
『きゅ!』『ぱしゃ』
『ふん、俺はコイツらが美味いもんくれるっていうから連れて行っただけだからな!』
どろどろのチキと嬉しそうなきゅう、小さい魔物達がコロコロ転がっている。
「勝手に行くな、心配するだろう?ふーもだこういう場合はきゅうを止めろ」
『きゅ…』『ぱしゃ……』
『ふん、コイツが行くって聞かないんだ』
大河がしゃがみきゅうとチキの鼻先を指で弾く、きゅうもふーも反省の色を浮かべるがチキはそっぽを向いていた。
「わかった、風呂に行こう。飯はその後だ、お前達も少し我慢してくれ」
きゅう達と共に来た小さいミドリガメ程の毒々しい色をしたエンダーダクッガとモモンガのような大きさの毒々しい魔物、アヒルの雛の様な大きさと見た目の毒々しい色の鳥、イノシンのうり坊の様な見た目の毒々しい色の魔物が数匹ずつどろどろで大河に怯えていた。
「みんな、子供ですね」
『西にはコイツらしかいなかった、タータイルクッガが飯やるって言ったら来たぞ』
「……なるほど、西側には成長を…老化を止める毒草があるようですね。中身も止めてしまう物ですか、以前来た時はなかった物ですね」
「おーい、そういうのは後。飯は一端中断で洗うぞ、コイツら」
ゴーレム達が風魔法で風呂へ連れて行く、デュスノアと蒐集家は残り朝食を続けそれ以外の面子は洗う手伝いに向かった。

「それでは只今よりカジノダンジョンの解放を行います、番号を呼ばれた順に入って下さい」
ガヤガヤとカジノダンジョン入り口は列をなし、番号が呼ばれた順に冒険者達が進んでいく。
冒険者達のランクで解放されるダンジョンが変わり、解放は朝から夜迄となりまた挑みたい場合は翌日最初からか、中断した所に戻るかを選べる。
ケークス、千歳、詠斗、率が流れを確認し、内部の様子も見つつスムーズに進んでいるのを確認していた。
「問題無さそうだね」
「まだ浅い階層しか解放してないですからね、食べ物ダンジョンの解放を望む声も多いですね」
「おいおいね」 
ラジカが不在の間ケークスが《アウトランダーズ商会》の進捗の確認や伝達を行っている、大変だがやりがいはある。
「本日は初日なので3階層目までの解放としています、各地から集められた困難な依頼も解消されつつありますね」
「お、やったね!」 
「衣装のレンタルや防具の販売も順調です」
「活気が凄いですよ!」
「嬉しいね、もう少し流れを確認したら戻ろうか」
『はーい』
「私はこの後情報ギルドに向かいますね」
「また後で」 
「はい」
ケークスがタブレットを確認し先にエレベーターで商業エリアへ向かう、詠斗と率は肉ダンジョンへ、千歳はホテルのレストランへと戻った。

「よーし、柵はこんなものかな」
「うん!出来たね崇幸さん!」
「崇幸さん、晴海さん、懐記さん…千眼さん」
「ん?ニアっちどうした?」
「……何か?」
《ガルディア》の公園周辺に柵を立てていた、崇幸、晴海、懐記の元に少し困ったような表情を浮かべているニアがやって来た。
「キッチンカーのテスト販売はどうだった?」
「ドーナツ屋人気ない?」
「違います…売れ過ぎてしまい。100個売り切れてしまいました」
「早いー!」 
「まだ1時間しか経ってないぞ?」
「なんか、ダメなわけ?」 
「この辺りの食堂から作り方を教えて欲しいと声が…」
「いいじゃないか」
「それだけ人気なんだ!」
「あー、めんど。競争が始まりそうー」
キッチンカー第1弾としてドーナツ屋をポップコーン屋の隣に1つ300ログで始めた所、瞬く間に売り切り周辺の食堂の店主達がニア達にレシピを教えて欲しいと詰め寄り困ったニアがヒヨコとゴーレムを連れて公園にやって来た次第だった。
「ニアっちしばらくはオーナーが駄目って言ってるって伝えて、明日はかき氷屋だっけ、それも」
「はい、分かりました。後懐記さん達にお願いがあるんですが…」
「お、どうした?」
「力になるよ!」
「ん」
「出来る事があれば…」
「僕の知り合いの食堂の主人に何かメニューを教えてくれませんか?」
「オッケ、崇幸っち晴海っち千ちゃん行ってくる」
「おー後で食べに行っても良いか?」
「んーラインする」
「やった」
言い淀むニアにあっさり懐記が了承し店に案内するようニアに伝え、ニアはほっとした表情を浮かべて懐記を案内することにした。
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