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第09部 魔王たちの産声 歪
STAGE.4-13 番外個体魔王
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「気をつけて下さい、あの眼は螺鈿眼ですね…皆さんは問題なさそうですね」
「なんかキラキラしている眼…」
「あまり視るな、本来なら取り込まれている」
眼の前で愉快そうに嗤う黒と白の横縞模様の小さいがしっぽは自由の体長の2倍程あり、金と銀をベースにした瞳は螺鈿模様が入り美しかった。
蒐集家とデュスノアが警戒を促し、イザラが瞳を綺麗だと褒めた。
「貴方とやり合うつもりはありません、此処を通して頂きたい」
『あの魔人の所に行くんだろ?アイツがいなくなるとこの森とダンジョンが弱体化する。アイツはここの餌だ、南の奴も通さないぞー?』
『ぐるるー』
ラジカが目の前の猿に伝えれば狼達が今にでも襲い掛かりそうな勢いでこちらを見据える、目の前の小さく可愛らしい猿もどきたが、その場の全員が動けない。
「……魔王」
『俺を数持ちの弱い魔王どもと一緒にするなよ?俺は数無し、弱体化を受けていない魔王だぞ』
「んだ、そりゃ。番外個体?初めて聞いたぞ?」
「身近にいるじゃないですか?」
「誰?」
「タイタンさんとプロメテウスさんですよ、魔王と異界人が造り、第1位の魔王が修復したゴーレム達ですから、まともな訳がない。他にもいますが…」
ジラが疑問を浮かべると蒐集家が教えてくれる、ジラとラジカは口をぽかんと開けた。
『は?』
『もう、いっていいかー?』
「通して…」
『嫌だね、通りたかったら俺を倒せば?』
「可愛い…父さん飼ってもいい?」
「お世話出来る?」
「うん」
「いいよ…」
『は?』
イザラのお願いにグローリーが頷くこれには、デュスノアと蒐集家も開いた口が塞がらない。
『おい!魔人ども!魔王の俺を愛玩動物扱いか!?』
「可愛いし」
「ご飯食べる?何が好き?」
『コイツらやベー。イカれてる魔王を本気で飼おうとしてる
』
『知ってる』
猿の魔王がグローリーとイザラの発言に心底ドン引きし、2人以外が同意した。
「捕まえよう…先に進みたいし」
『………っち』
「なるほど、賢い魔王ですね。自分の実力を理解している」
「ああ、魔人に勝てても魔神には勝てないと判断しているんですね」
狼達も敵意は剥き出しだが一向に向かっては来ない、猿の魔王も分が悪そうにしている、まさか捕まえて飼う等と言う理解不能さに困惑していた。
「コイツら腹が減っている、肉を出せ」
「はい」
「グローリーさん、檻を出して下さい」
「わかった」
『ぐるる』
イザラとラジカが収納ポーチから肉ダンジョンの肉を出せば目の色を変えた狼達が我先にと肉にありつく、よく見ればあばら骨が浮き毛並みはボサボサ4頭の狼達は泣きながら肉を食べている。
「来る?肉あげる」
『ぐる…』
「お前の手下こっちに来ぞ」
『手下じゃねー』
猿の魔王が木の上に移動、一端態勢を整えるかと逃げようとすれば蔦が足に絡み一瞬の遅れでグローリーの檻が完成し無色の鳥が白と黒の檻に形成し猿の魔王を閉じ込めた。
「カルナラー石を撒けば完了てすね」
ラジカが細かくしたカルナラー石を撒き、あっけなく魔王が捕まった。
「じゃ、戻るぞー」
グローリーが檻を浮かせて運び、車へ戻れば大河から洗えと支持されグローリーとイザラとイデアと大河で、狼達を風呂場で洗う事にした。
「カジノの肉ダンジョンで生ハムの原木がドロップしたー!」
「すごいーもう1回行きましょう!」
「チーズ、果物と合わせて、ピザとつまみにグリッシーニを焼いて、詠斗っち率っちとりま20本欲しいわ」
「オッケ」
「はい!」
「初めて見る物だが美味しい物なのだろう…すまないカジノがあるので私は先に…」
「ゴーレム達に客に振る舞うように頼むわ、チーズと酒は1杯サービスで。シュカっち達も食べて、ナイフも一緒に出たし頼むわ」
「それはお客が喜ぶな、ではゴーレム達と先に失礼しよう」
カジノの肉ダンジョンで詠斗、率、懐記、カトゥーシュカやゴーレム達がボスを倒し生ハムの原木と固定する器具、ナイフがドロップし大喜びしていた。
カトゥーシュカと生ハムを渡されたゴーレム達が転移でカジノへ移動する、入れ替わりでカークとエンフにラドゥ、オリガ、ハル達も訪れ肉ダンジョンではしゃいでまだまだ遊ぶ(?)事にした。
「お前、端から俺達とやる気は無かったな」
『け、魔神がこなきゃ俺は勝ってた』
食堂のテーブルの上に檻に入れられた猿の魔王が大人しく座り、大河の問いに腕を組んでそっぽを向いていた。
「この世界の魔王は基本根が優しいんだろう、毒ダンジョンに行かせたくないのは警告か?」
『このダンジョンの周辺の森はあの魔人の魔力でここまで育った、あの魔人も魔神に近付いている。魔神と魔神が接触すればどうなる?何が起こるか知らねー』
「それでも行く」
『はっ、勝手なんだよ!魔人てのは』
「……ごめんね」
グローリーの頑な態度に猿の魔王が憤る、グローリーは檻を解除し無色のヒヨコが猿の魔王の頭に乗って居座る。
「で、番外個体魔王というの何だよ」
「ステータスにそう出ているからですよ、魔王の亜種か何かでしょう」
ジラの問いに蒐集家が興味無さげに返す、猿の魔王も大人しくしている。
「南のボスの事を教えて貰う前に、お前の身体も洗う」
「名前は?」
『はん、ねぇよ。んなもん、魔王だ!』
「なら、チキ。何が好き?肉?果物?お菓子?」
『勝手に名付けんなよ!おかしって何だ』
大河が猿の魔王の首根っ子を掴み、イデアが名を尋ねればそっぽを向くので名前を贈る、じたばたするがイザラがナイルが持たせてくれたクッキーとドーナツに行動食、アイスを出せば眼を益々輝かせ食い付こうとするが大河に風呂場へと連れて行かれた…。
「なんかキラキラしている眼…」
「あまり視るな、本来なら取り込まれている」
眼の前で愉快そうに嗤う黒と白の横縞模様の小さいがしっぽは自由の体長の2倍程あり、金と銀をベースにした瞳は螺鈿模様が入り美しかった。
蒐集家とデュスノアが警戒を促し、イザラが瞳を綺麗だと褒めた。
「貴方とやり合うつもりはありません、此処を通して頂きたい」
『あの魔人の所に行くんだろ?アイツがいなくなるとこの森とダンジョンが弱体化する。アイツはここの餌だ、南の奴も通さないぞー?』
『ぐるるー』
ラジカが目の前の猿に伝えれば狼達が今にでも襲い掛かりそうな勢いでこちらを見据える、目の前の小さく可愛らしい猿もどきたが、その場の全員が動けない。
「……魔王」
『俺を数持ちの弱い魔王どもと一緒にするなよ?俺は数無し、弱体化を受けていない魔王だぞ』
「んだ、そりゃ。番外個体?初めて聞いたぞ?」
「身近にいるじゃないですか?」
「誰?」
「タイタンさんとプロメテウスさんですよ、魔王と異界人が造り、第1位の魔王が修復したゴーレム達ですから、まともな訳がない。他にもいますが…」
ジラが疑問を浮かべると蒐集家が教えてくれる、ジラとラジカは口をぽかんと開けた。
『は?』
『もう、いっていいかー?』
「通して…」
『嫌だね、通りたかったら俺を倒せば?』
「可愛い…父さん飼ってもいい?」
「お世話出来る?」
「うん」
「いいよ…」
『は?』
イザラのお願いにグローリーが頷くこれには、デュスノアと蒐集家も開いた口が塞がらない。
『おい!魔人ども!魔王の俺を愛玩動物扱いか!?』
「可愛いし」
「ご飯食べる?何が好き?」
『コイツらやベー。イカれてる魔王を本気で飼おうとしてる
』
『知ってる』
猿の魔王がグローリーとイザラの発言に心底ドン引きし、2人以外が同意した。
「捕まえよう…先に進みたいし」
『………っち』
「なるほど、賢い魔王ですね。自分の実力を理解している」
「ああ、魔人に勝てても魔神には勝てないと判断しているんですね」
狼達も敵意は剥き出しだが一向に向かっては来ない、猿の魔王も分が悪そうにしている、まさか捕まえて飼う等と言う理解不能さに困惑していた。
「コイツら腹が減っている、肉を出せ」
「はい」
「グローリーさん、檻を出して下さい」
「わかった」
『ぐるる』
イザラとラジカが収納ポーチから肉ダンジョンの肉を出せば目の色を変えた狼達が我先にと肉にありつく、よく見ればあばら骨が浮き毛並みはボサボサ4頭の狼達は泣きながら肉を食べている。
「来る?肉あげる」
『ぐる…』
「お前の手下こっちに来ぞ」
『手下じゃねー』
猿の魔王が木の上に移動、一端態勢を整えるかと逃げようとすれば蔦が足に絡み一瞬の遅れでグローリーの檻が完成し無色の鳥が白と黒の檻に形成し猿の魔王を閉じ込めた。
「カルナラー石を撒けば完了てすね」
ラジカが細かくしたカルナラー石を撒き、あっけなく魔王が捕まった。
「じゃ、戻るぞー」
グローリーが檻を浮かせて運び、車へ戻れば大河から洗えと支持されグローリーとイザラとイデアと大河で、狼達を風呂場で洗う事にした。
「カジノの肉ダンジョンで生ハムの原木がドロップしたー!」
「すごいーもう1回行きましょう!」
「チーズ、果物と合わせて、ピザとつまみにグリッシーニを焼いて、詠斗っち率っちとりま20本欲しいわ」
「オッケ」
「はい!」
「初めて見る物だが美味しい物なのだろう…すまないカジノがあるので私は先に…」
「ゴーレム達に客に振る舞うように頼むわ、チーズと酒は1杯サービスで。シュカっち達も食べて、ナイフも一緒に出たし頼むわ」
「それはお客が喜ぶな、ではゴーレム達と先に失礼しよう」
カジノの肉ダンジョンで詠斗、率、懐記、カトゥーシュカやゴーレム達がボスを倒し生ハムの原木と固定する器具、ナイフがドロップし大喜びしていた。
カトゥーシュカと生ハムを渡されたゴーレム達が転移でカジノへ移動する、入れ替わりでカークとエンフにラドゥ、オリガ、ハル達も訪れ肉ダンジョンではしゃいでまだまだ遊ぶ(?)事にした。
「お前、端から俺達とやる気は無かったな」
『け、魔神がこなきゃ俺は勝ってた』
食堂のテーブルの上に檻に入れられた猿の魔王が大人しく座り、大河の問いに腕を組んでそっぽを向いていた。
「この世界の魔王は基本根が優しいんだろう、毒ダンジョンに行かせたくないのは警告か?」
『このダンジョンの周辺の森はあの魔人の魔力でここまで育った、あの魔人も魔神に近付いている。魔神と魔神が接触すればどうなる?何が起こるか知らねー』
「それでも行く」
『はっ、勝手なんだよ!魔人てのは』
「……ごめんね」
グローリーの頑な態度に猿の魔王が憤る、グローリーは檻を解除し無色のヒヨコが猿の魔王の頭に乗って居座る。
「で、番外個体魔王というの何だよ」
「ステータスにそう出ているからですよ、魔王の亜種か何かでしょう」
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「南のボスの事を教えて貰う前に、お前の身体も洗う」
「名前は?」
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大河が猿の魔王の首根っ子を掴み、イデアが名を尋ねればそっぽを向くので名前を贈る、じたばたするがイザラがナイルが持たせてくれたクッキーとドーナツに行動食、アイスを出せば眼を益々輝かせ食い付こうとするが大河に風呂場へと連れて行かれた…。
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