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第09部 魔王たちの産声 歪
第06話 南の毒ダンジョン
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「なんだ、このダンジョン気味わりぃな」
「常に麻痺毒が漂ってますから、カルナラー石を下さい」
「ああ」
薄暗い洞窟内を進む、妙な靄が漂うが蒐集家に言われるまでそれが麻痺毒とも気付かない程度、魔物の気配はするが静かだった。
大河からカルナラー石を受け取り片手で頭程の大きさのカルナラー石を砕き、周辺に撒くように浮かせた。
「明かりを灯すので敵が襲ってきます、適当に流すので魔法の実習をするならどうぞ、因みに最終階層のボスと階層の雑魚は身体がドロップ品です。倒したら私が回収しますから、それとモギの君はカルナラー石に解毒スキルを込めて下さい、幼い魔人も流石に毒に浸かり続けると良くないでしょうから」
『…………』
「では、魔法を教えますね。この階層の敵は飛行種ですから、氷の矢か火の矢がいいすね。イザラさんは前回氷の礫が上手く発動したので復習で氷の礫を、イデアさんはどの系統の魔法が得意ですか?」
「風と火」
「それは、良いですね。火の矢は火魔法の玉を細長くするイメージで発動させて見てください、それを風に乗せるように」
「わかった」
「2人とも…頑張って」
「お、グリ親父してんだな」
「グローリーはちゃんと父親だ」
「そうですね」
「……明かりを灯します、天井気を付けて下さい」
解毒スキルを入れたカルナラー石に明かりを入れれば天井にびっしりと逆さまにぶら下がる、青い蝙蝠のような生物達の眼が一斉に見開き瞬く間に氷の礫と火の矢で落とされていった。
「お!俺すげ!」
「先生こんな感じ?馬出た」
「2人共飲み込みが早いですよ、イデアさんは制御も出来ています」
「早いな、もう片付く」
ライガルとニジェルガが関心し、蒐集家が蝙蝠の魔物を捕まえ牙を外しきゅうに渡せばきゅうが嬉しそうに噛み砕いた。
「牙に毒がありますから、解毒して食べて下さい。そのまま食べてしまうと毒喰いでミルクが毒化してしまう」
牙はモギ解毒し、毒喰いのモギが不満そうにしていたが解毒した牙を噛み砕いて呑み込んだ。
「こいつは何に使うんだ?」
「色々使えますよ?熱を冷やす素材になります、巨大冷凍庫やひんやりするマント、牙は磨り潰して薬草と混ぜれば日焼け止めになります。次の階層は暖める素材に使われる魔物が出ます」
大河達同様にアイテム回収の魔法かスキルがあるようで、イザラとイデアが撃ち落とすドロップ品を収納に吸い込んでいった。
「はい、きゅうさん」
『きゅ!』『ぱしゃ』
他の面子が撃ち落としている間、捕まえて素手で解体しきゅう達に渡していた。
「先生、あげる」
「ありがとうございます、大事にしますね。くれた子達もよく働いていますよ」
「こちらもだ」
「俺も何か出したい」
「イデアさんは魔力制御が完璧ですから、グローリーさんやイザラさんのように魔力過多の魔法生物を出したければ他の魔法を使う方が早いですね」
「えー」
と言いつつ完璧と褒められて嬉しいイデア、粗方魔物を撃ち落とし蒐集家が収納しボス部屋に向かった。
「では、イザラさんとイデアさんどうぞ」
「大きい」
「デカイな、的にはいい!」
ボス部屋が開けば青い蝙蝠の集合体が待ち構えていたが、イザラとイデアの魔法攻撃の前では只の的程度しかなく、氷の礫と火の矢で落とされ瞬く間にドロップ品へと変わった。
「どうぞ、2人にあげます」
「開けて良いのか?」
「やり!」
早速中を開けるとナイフが2本、青い輝きを放ち置かれていた。
「へーいいじゃん!」
「ん」
「1本ずつ分けたら良い」
「解体に向いてるようです」
「いいの!?」
「ありがとう」
大河とラジカから言われ嬉しそうにナイフを分け合う、グローリーも嬉しそうだ。
「では、次の階層へ行きますよ」
下に降りる階段が出現し、一同は下へと向かった。
「さっきとかわらないなー、数だけ多い」
「イザラさん達に丁度良いでしょう」
「次はイデアさんは氷の礫を出せるかやってみましょう、イザラさんは今度は火の礫を出してみましょう、氷と同じで今度は火をイメージして下さい」
「ん!」
「わかった」
今度は赤い蝙蝠のような魔物達に向かって、イザラは火の礫、イデアは氷の礫を出現させ魔物を次々撃ち落としていった。
蒐集家は適当に蝙蝠の魔物を捕まえ解体し、きゅう達に渡しながら回収していく。
「早いな見事な物だ」
ニジェルガもライガルも嬉しそうだ、ニジェルガは蒐集家から目を離さないよう警戒しつつ距離を置く。
「慣れて来たぞ!」
「陛下、どうぞ」
「イザラ、ありがとう。大事にしよう」
イザラの魔力で出来た馬を受け取り、ボス部屋へ先程と同じ飛ぶだけの的の大きな赤い蝙蝠だったのでイザラとイデアで即座に倒しドロップ品へと変わった。
「何、これ?」
「これは激辛調味料?」
「辛い物も食べすぎれば毒という事です、懐記さんに渡しては?」
「お、辛い物くえんの?いいね」
「そうしましょう、貰っても?」
「うん」
「んー」
「是非食べたいな」
「興味ありますね」
箱の中にはビン入りの粉状の赤い粉末が置かれ、ラジカが収納袋へとしまい、次の階層へ向かった。
「今度はデカイ蟻か…」
「やり!」
「あてやすい…」
「あれは…固いですね」
「2人共、礫や矢の数を減らし威力を上げるといい。先ほどの物だと弾かれるな」
『わかった!』
ライガルが蟻の魔物を視、ニジェルガがアドバイスをし2人が実践する傍ら、ラジカとジラは氷結魔法と灼熱魔法を使い蟻を倒し、グローリーは剣で蟻の手足を切り裂き、ゴーレム達とモギときゅうは協力して蟻を弱体化させきゅうが自分の何倍もある蟻の身体を噛み砕いて食べていた。
「お前は何もしないのか?」
「問題ないでしょう?」
「この程度で躓くなら北の毒ダンジョン等到底行けない」
「……」
「何か?」
「以外と面倒見が良いな」
「はい、良いですよ」
「知識もある、きゅう達の面倒もみている」
「はい、彼らは稀少種ですしね」
「何故、《アタラクシア》にいる?日本にもいたな」
「その質問には答えない」
大河の問いにニヤリと大きな口を歪めて返す、そして蟻の魔物が全滅しそれを回収、ボス部屋が出現した。
「行くぞ…って気持ち悪っ!」
中にはドロドロと溶けかけた巨大な蟻のボス、びちゃびちゃと腐った液体を撒き散らしながら此方に狙いを定めた。
「焼ききってしまえば終わりです」
「では、お2人で炎系…以上の火で燃やして下さい」
「お、おー」
「わかった」
嫌そうなイデアとコクリと頷いて炎系の魔法を発動させるが、威力が足らず燃えながら進む蟻のボスを更に炎で燃やし…たが威力が今一歩のようで…イデアがならばと氷魔法を発動させた。
「あ、魔力込め…うぉ!なんか出た!」
「お疲れ様です、イデアさん氷結魔法ですね。魔力過多で可愛いファラスですね」
イデアの魔力からころんと転がったのは、リスのような小さな生物…ライガルがファラスという生物がライガルの肩に登った。
「やる…魔法教えてくれたから」
「ありがとうございます、大事にしますね」
「では、ドロップ品をどうぞ」
イデアとイザラが宝箱を開けると、瓶に入れられた毒々しい色の液体と無色の液体だった。
「何これ?」
「気持ち悪ぃ色だな」
「そのまま毒と解毒薬ですね、いります?」
『いらない』
「では、貰います」
蒐集家がニコリと笑い収納へしまう、次の階層の階段が出現した。
「いればいるほど萎えるダンジョンだな」
「言えてる、早く帰りたい」
「それでは、北のダンジョンでは耐えられないですよ?」
ジラとイデアが次の階層は植物達が毒の液体と腐食の液体をこちらに向かってまき散らし、それを避けつつ氷の礫に火の礫の命ちゅう率を上げる訓練を行う。
「へーへー、本当に気味の悪い奴だなコイツ」
「イデア…」
「構わないですよ?魔人が私に嫌悪感を抱くのは当たり前ですから」
「?」
「気にしないで下さい、そういう物だと思っていて下さい」
「はい…」
イデアが蒐集家の言葉に嫌そうにする、グローリーが窘めるが蒐集家は意にも介さない。
「ここは毒を気にしなければ簡単だ」
きゅう達も植物を食べ、モギが解毒した魔物を毒喰いのモギが食べたりしていた。
「ペースが良いですね、もうボス部屋出現ですね」
蒐集家が適度に回収しつつ、ボス部屋が出現した。
「早く行こうぜ!」
扉を開けると巨大な植物が茎や葉を飛ばし襲い来る、素早い動きこちらを捕えようと伸びる蔦から全員避ける。
「はー早いな!」
「ここは全員で行きましょう」
「頑張って下さい」
大河と蒐集家以外全員で挑む、ジラとグローリーが蔦や葉を切り落とし、ラジカとイデアが炎魔法で根の周辺を燃やし、ライガルとイザラが木の枝や葉を凍らせてニジェルガが黄金に輝く剣で木の幹の中心に一閃を加え真っ二つにしてドロップ品へと姿を変えた。
「どうぞ開けて下さい」
「何これ?」
「木の実?」
「毒の果実ですね」
『いらない』
「では、貰います。次行きましょう。次がラストです」
「おっし、さっさと攻略して帰ろうぜ!」
現れた扉は毒々しい色と気配が漂う、最期だと気合を込めて挑んだ。
「って!いきなりボスかよ!」
「はい、ヨルムンガンドですね。これは私が倒しますね。これがドロップ品なので綺麗な姿で確保したいので」
扉を開けて中に入れば、凄まじい咆哮と共に巨大な蜥蜴の頭と半身が蛇の合成生物が毒々しい瘴気を放ち出迎えてくれたが蒐集家の足元から伸びた植物が地面を伝いヨルムンガンドの腹を貫きその場に横たわり事切れた。
「この場で解体しますから少し待って下さい」
『………………』
収納空間から幾つものナイフ…や瓶を取り出し蒐集家の服?から植物の蔦が飛び出しヨルムンガンドの身体を持ち上げ無数の蔦が解体していく、硬い鱗を剥ぎ蛇の胴体の腹を割き零れる血を瓶に注いでいく、蔦は毒で枯れすぐ再生しそれの繰り返しで解体した物から順に収納に入れていく。
「なんだこりゃ」
「深く考えない方が良いですよ」
「これは…」
「すごいな」
「こいつ本当にやべー」
「何1つ無駄にしていないな」
「……すごい」
心臓と目玉をくり抜き血を一滴残らず瓶に納め、皮を剥いで収納にしまった。
「終わりました。戻りましょう」
他の面子のドン引き具合も気にせずに、蒐集家が満足げに転移魔法を発動させホテルのレストランへ戻った…。。
「常に麻痺毒が漂ってますから、カルナラー石を下さい」
「ああ」
薄暗い洞窟内を進む、妙な靄が漂うが蒐集家に言われるまでそれが麻痺毒とも気付かない程度、魔物の気配はするが静かだった。
大河からカルナラー石を受け取り片手で頭程の大きさのカルナラー石を砕き、周辺に撒くように浮かせた。
「明かりを灯すので敵が襲ってきます、適当に流すので魔法の実習をするならどうぞ、因みに最終階層のボスと階層の雑魚は身体がドロップ品です。倒したら私が回収しますから、それとモギの君はカルナラー石に解毒スキルを込めて下さい、幼い魔人も流石に毒に浸かり続けると良くないでしょうから」
『…………』
「では、魔法を教えますね。この階層の敵は飛行種ですから、氷の矢か火の矢がいいすね。イザラさんは前回氷の礫が上手く発動したので復習で氷の礫を、イデアさんはどの系統の魔法が得意ですか?」
「風と火」
「それは、良いですね。火の矢は火魔法の玉を細長くするイメージで発動させて見てください、それを風に乗せるように」
「わかった」
「2人とも…頑張って」
「お、グリ親父してんだな」
「グローリーはちゃんと父親だ」
「そうですね」
「……明かりを灯します、天井気を付けて下さい」
解毒スキルを入れたカルナラー石に明かりを入れれば天井にびっしりと逆さまにぶら下がる、青い蝙蝠のような生物達の眼が一斉に見開き瞬く間に氷の礫と火の矢で落とされていった。
「お!俺すげ!」
「先生こんな感じ?馬出た」
「2人共飲み込みが早いですよ、イデアさんは制御も出来ています」
「早いな、もう片付く」
ライガルとニジェルガが関心し、蒐集家が蝙蝠の魔物を捕まえ牙を外しきゅうに渡せばきゅうが嬉しそうに噛み砕いた。
「牙に毒がありますから、解毒して食べて下さい。そのまま食べてしまうと毒喰いでミルクが毒化してしまう」
牙はモギ解毒し、毒喰いのモギが不満そうにしていたが解毒した牙を噛み砕いて呑み込んだ。
「こいつは何に使うんだ?」
「色々使えますよ?熱を冷やす素材になります、巨大冷凍庫やひんやりするマント、牙は磨り潰して薬草と混ぜれば日焼け止めになります。次の階層は暖める素材に使われる魔物が出ます」
大河達同様にアイテム回収の魔法かスキルがあるようで、イザラとイデアが撃ち落とすドロップ品を収納に吸い込んでいった。
「はい、きゅうさん」
『きゅ!』『ぱしゃ』
他の面子が撃ち落としている間、捕まえて素手で解体しきゅう達に渡していた。
「先生、あげる」
「ありがとうございます、大事にしますね。くれた子達もよく働いていますよ」
「こちらもだ」
「俺も何か出したい」
「イデアさんは魔力制御が完璧ですから、グローリーさんやイザラさんのように魔力過多の魔法生物を出したければ他の魔法を使う方が早いですね」
「えー」
と言いつつ完璧と褒められて嬉しいイデア、粗方魔物を撃ち落とし蒐集家が収納しボス部屋に向かった。
「では、イザラさんとイデアさんどうぞ」
「大きい」
「デカイな、的にはいい!」
ボス部屋が開けば青い蝙蝠の集合体が待ち構えていたが、イザラとイデアの魔法攻撃の前では只の的程度しかなく、氷の礫と火の矢で落とされ瞬く間にドロップ品へと変わった。
「どうぞ、2人にあげます」
「開けて良いのか?」
「やり!」
早速中を開けるとナイフが2本、青い輝きを放ち置かれていた。
「へーいいじゃん!」
「ん」
「1本ずつ分けたら良い」
「解体に向いてるようです」
「いいの!?」
「ありがとう」
大河とラジカから言われ嬉しそうにナイフを分け合う、グローリーも嬉しそうだ。
「では、次の階層へ行きますよ」
下に降りる階段が出現し、一同は下へと向かった。
「さっきとかわらないなー、数だけ多い」
「イザラさん達に丁度良いでしょう」
「次はイデアさんは氷の礫を出せるかやってみましょう、イザラさんは今度は火の礫を出してみましょう、氷と同じで今度は火をイメージして下さい」
「ん!」
「わかった」
今度は赤い蝙蝠のような魔物達に向かって、イザラは火の礫、イデアは氷の礫を出現させ魔物を次々撃ち落としていった。
蒐集家は適当に蝙蝠の魔物を捕まえ解体し、きゅう達に渡しながら回収していく。
「早いな見事な物だ」
ニジェルガもライガルも嬉しそうだ、ニジェルガは蒐集家から目を離さないよう警戒しつつ距離を置く。
「慣れて来たぞ!」
「陛下、どうぞ」
「イザラ、ありがとう。大事にしよう」
イザラの魔力で出来た馬を受け取り、ボス部屋へ先程と同じ飛ぶだけの的の大きな赤い蝙蝠だったのでイザラとイデアで即座に倒しドロップ品へと変わった。
「何、これ?」
「これは激辛調味料?」
「辛い物も食べすぎれば毒という事です、懐記さんに渡しては?」
「お、辛い物くえんの?いいね」
「そうしましょう、貰っても?」
「うん」
「んー」
「是非食べたいな」
「興味ありますね」
箱の中にはビン入りの粉状の赤い粉末が置かれ、ラジカが収納袋へとしまい、次の階層へ向かった。
「今度はデカイ蟻か…」
「やり!」
「あてやすい…」
「あれは…固いですね」
「2人共、礫や矢の数を減らし威力を上げるといい。先ほどの物だと弾かれるな」
『わかった!』
ライガルが蟻の魔物を視、ニジェルガがアドバイスをし2人が実践する傍ら、ラジカとジラは氷結魔法と灼熱魔法を使い蟻を倒し、グローリーは剣で蟻の手足を切り裂き、ゴーレム達とモギときゅうは協力して蟻を弱体化させきゅうが自分の何倍もある蟻の身体を噛み砕いて食べていた。
「お前は何もしないのか?」
「問題ないでしょう?」
「この程度で躓くなら北の毒ダンジョン等到底行けない」
「……」
「何か?」
「以外と面倒見が良いな」
「はい、良いですよ」
「知識もある、きゅう達の面倒もみている」
「はい、彼らは稀少種ですしね」
「何故、《アタラクシア》にいる?日本にもいたな」
「その質問には答えない」
大河の問いにニヤリと大きな口を歪めて返す、そして蟻の魔物が全滅しそれを回収、ボス部屋が出現した。
「行くぞ…って気持ち悪っ!」
中にはドロドロと溶けかけた巨大な蟻のボス、びちゃびちゃと腐った液体を撒き散らしながら此方に狙いを定めた。
「焼ききってしまえば終わりです」
「では、お2人で炎系…以上の火で燃やして下さい」
「お、おー」
「わかった」
嫌そうなイデアとコクリと頷いて炎系の魔法を発動させるが、威力が足らず燃えながら進む蟻のボスを更に炎で燃やし…たが威力が今一歩のようで…イデアがならばと氷魔法を発動させた。
「あ、魔力込め…うぉ!なんか出た!」
「お疲れ様です、イデアさん氷結魔法ですね。魔力過多で可愛いファラスですね」
イデアの魔力からころんと転がったのは、リスのような小さな生物…ライガルがファラスという生物がライガルの肩に登った。
「やる…魔法教えてくれたから」
「ありがとうございます、大事にしますね」
「では、ドロップ品をどうぞ」
イデアとイザラが宝箱を開けると、瓶に入れられた毒々しい色の液体と無色の液体だった。
「何これ?」
「気持ち悪ぃ色だな」
「そのまま毒と解毒薬ですね、いります?」
『いらない』
「では、貰います」
蒐集家がニコリと笑い収納へしまう、次の階層の階段が出現した。
「いればいるほど萎えるダンジョンだな」
「言えてる、早く帰りたい」
「それでは、北のダンジョンでは耐えられないですよ?」
ジラとイデアが次の階層は植物達が毒の液体と腐食の液体をこちらに向かってまき散らし、それを避けつつ氷の礫に火の礫の命ちゅう率を上げる訓練を行う。
「へーへー、本当に気味の悪い奴だなコイツ」
「イデア…」
「構わないですよ?魔人が私に嫌悪感を抱くのは当たり前ですから」
「?」
「気にしないで下さい、そういう物だと思っていて下さい」
「はい…」
イデアが蒐集家の言葉に嫌そうにする、グローリーが窘めるが蒐集家は意にも介さない。
「ここは毒を気にしなければ簡単だ」
きゅう達も植物を食べ、モギが解毒した魔物を毒喰いのモギが食べたりしていた。
「ペースが良いですね、もうボス部屋出現ですね」
蒐集家が適度に回収しつつ、ボス部屋が出現した。
「早く行こうぜ!」
扉を開けると巨大な植物が茎や葉を飛ばし襲い来る、素早い動きこちらを捕えようと伸びる蔦から全員避ける。
「はー早いな!」
「ここは全員で行きましょう」
「頑張って下さい」
大河と蒐集家以外全員で挑む、ジラとグローリーが蔦や葉を切り落とし、ラジカとイデアが炎魔法で根の周辺を燃やし、ライガルとイザラが木の枝や葉を凍らせてニジェルガが黄金に輝く剣で木の幹の中心に一閃を加え真っ二つにしてドロップ品へと姿を変えた。
「どうぞ開けて下さい」
「何これ?」
「木の実?」
「毒の果実ですね」
『いらない』
「では、貰います。次行きましょう。次がラストです」
「おっし、さっさと攻略して帰ろうぜ!」
現れた扉は毒々しい色と気配が漂う、最期だと気合を込めて挑んだ。
「って!いきなりボスかよ!」
「はい、ヨルムンガンドですね。これは私が倒しますね。これがドロップ品なので綺麗な姿で確保したいので」
扉を開けて中に入れば、凄まじい咆哮と共に巨大な蜥蜴の頭と半身が蛇の合成生物が毒々しい瘴気を放ち出迎えてくれたが蒐集家の足元から伸びた植物が地面を伝いヨルムンガンドの腹を貫きその場に横たわり事切れた。
「この場で解体しますから少し待って下さい」
『………………』
収納空間から幾つものナイフ…や瓶を取り出し蒐集家の服?から植物の蔦が飛び出しヨルムンガンドの身体を持ち上げ無数の蔦が解体していく、硬い鱗を剥ぎ蛇の胴体の腹を割き零れる血を瓶に注いでいく、蔦は毒で枯れすぐ再生しそれの繰り返しで解体した物から順に収納に入れていく。
「なんだこりゃ」
「深く考えない方が良いですよ」
「これは…」
「すごいな」
「こいつ本当にやべー」
「何1つ無駄にしていないな」
「……すごい」
心臓と目玉をくり抜き血を一滴残らず瓶に納め、皮を剥いで収納にしまった。
「終わりました。戻りましょう」
他の面子のドン引き具合も気にせずに、蒐集家が満足げに転移魔法を発動させホテルのレストランへ戻った…。。
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