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第09部 魔王たちの産声 歪
第03話 羽鳥野 遊馬
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羽鳥野 遊馬(はとりの あすま)は現在非常に絶望していた、夢が絶たれた…に等しい、もう30を前にして彼は夢を諦めざる負えなかった。
「あークソなんで…あーやってらんねー」
道端に転がる空き缶を蹴り飛ばす、雑な金髪のプリン頭を掻き回し、安っぽいスーツのポケットに手を突っ込み築40年の安普請のアパートに帰る気も無く、公園のベンチに座って夕暮れを待つ。
『お前と組んでいてももう伸びねーわ、無理だ。コンビ解散だ、俺らも歳だしなじゃあな』
20歳の時からコンビを組んで9年…確かにコンビとしては売れなかった、コンビとしてはテレビに出た事もほぼ無い。
道端でライブのチケットを捌いて…顔の良い相方にはファンもいるしテレビにも出ているお笑いとではないが、そのお陰で一進一退綱渡りでなんとか9年…そう9年やって来た…。
「あーあーあーちくしょう…売れたかったぁ」
天を仰いで唇を噛み締め涙ぐむ、残っているのは30手前のフリーターになった自分だ、相方を探して芸人を続けるのかどうか…いや、無理だ。
「う…う…」
泣いても売れもしないし、面白くなる訳でもない、特技は何処でもどんなタイミングでも泣ける事…特技か?この芸のお陰で鳴かず飛ばずでもコアなファンはいた…まあ結局は相方のオマケ程度だったが…。
「アイツ…もうSNSで解散て出しやがって」
スマホのSNSで相方が既に解散を発表し、沢山のコメントが付いていた。
所謂遊馬は〇〇じゃない方芸人だ、相方いや元相方はは頭も良いし顔も良いし、器用で歌も上手い…俳優としてドラマにも出ている。
こうしている間も相方が出した解散発表にきっとアイツのファンは何か言って励ましのコメントを送っているだろう、『あー相方…ってだれだっけ』『あー名前…』『鳥が入ってなかったけ?』そんな感じで相方ってどんな奴だっけと言われている、格差コンビとは正に自分達の事だろう。
「ダメだダメだ、自分を卑下するやつは面白くなんかねー…帰るか」
重い腰を上げて安普請のアパートに戻る前に、スーパーでお買い得の卵とモヤシと納豆を買わないと…。
「あータワマン住みてー」
「ただいまー」
「おかえり遊馬くん!」
「あー何お前またダメだった?」
「あーうん」
「ドンマイ、卵と納豆とモヤシ買ってきたから。飯作ろうぜ、米助ただいま」
「うん」
安普請のオンボロアパートの2階の角部屋、建付けの悪いドアを開ければ2Kの居間兼寝床で紙を散らかしている同居人が暗い表情を無理に明るくして出迎える、その表情で何が起きたか一目瞭然ではあるが特に触れずに隣人が引っ越す際にもう飼えないからと貰ったゴールデンハムスターの米助にも声を掛けてスーツからスウェットに着替えて夕食の準備を始めた。
同居人の幼稚園の時からの幼馴染の隠岐 燈火(おき とうか)が散らばった紙や道具を片付ける、燈火はテレビやSNSをやらない、学生の頃に買ったラジオを仕事中に付けているだけである意味世間をあまり知らないので遊馬には一緒にいて居心地の良い存在だった。
「米助もご飯にしよう」
水を取り替え餌を入れる、少し太り過ぎかもしれない米助は遊馬と燈火には心の拠り所だった。
「ほら、モヤシと卵炒めと味噌汁に納豆な」
「いただきまーす」
売れない漫画家と売れない芸人だった遊馬、コンビニで夜勤のバイトをしている遊馬と他の漫画家のアシスタントをしつつ自分の漫画を描き続ける燈火、2人の生活はずっと不安定なままだった。
「あー燈火…俺コンビ解散したわ」
「え?どうして?」
「売れないし30にもなるからって解散」
「そんな…」
「だからさ、仕事探すわ。で、引っ越そうぜ。な?」
「……僕は…うん…そうだね、僕も打ち切り決まって…次の話しはまとまってないし、しばらくはアシスタントの仕事に専念するよ」
「そうか…」
何か言いたそうな燈火だったが食事を食べ進める、それを遊馬は見て見ぬ振りをした。
「あーコンビニのバイト急に入ったわ、行ってくるわ」
「なんか多いね最近」
「んー急にバイトが辞めたからなーま、あそこ楽だし行ってくるわー」
「うん、行ってらっしゃい」
燈火は打ち切りになった漫画の最終回のペン入れを行い、遊馬はスマホでSNSは見たくないので職探しを行っているとコンビニの店長からラインで連絡が入る、どうせ寝れないからと着替えてバイト先へと向かう、何処か寂しそうな燈火に手を振りバイト先に向かった。
「ずっと芸人して欲しかったな…でも、僕も遊馬くんももう夢を追うのは止めた方が良いのかな…ね、米助…」
「ありがとうございましたーいらっしゃませー」
今日は忙しい…客が絶えない、こんな日は忙しい方が良いのかもしれないと仕事をこなしていく。
「いつもの…」
「すみません、どれでしたっけ」
「ちっ、29番…」
「さーせん」
お前の買うタバコの銘柄なんぞ知らんと、心の中で毒づきながらヘラヘラと愛想笑いで誤魔化した。
「あーやっと暇になった、職探ししないとなー」
「あーなんもしたくねー金欲しーあーだりぃ」
バックルームでスマホを弄りながらコーヒーを飲む、やるべき事をしていればそれで良いのがここの良い点だ。
「外でタバコでも吸うか…」
制服を脱いで電子タバコを吸いながら目の前を走る車を眺める、客が来たら戻れば良い。
コンビ解散に親友は漫画の打ち切り、どっちも報われないなと、家族の反対を押し切り2人で絶対有名になろうと売れるぞと誓ってから9年…後悔も悔いも無いが…虚しさはある。
「戻るか…」
店内に戻り仕事を片付けていく、明日はバイトも無いし起きたら米助の小屋の掃除でもするかと背筋を伸ばした…。
「おはよう、ございます」
「ちーす、じゃお疲れ」
「お疲れさまでした」
朝6時交代のバイトが入り挨拶を交わして店を出る、日差しが眩しいが欠伸を噛み殺し家路に着く、眠い…横断歩道で信号待ちをしていると、向こう側で子供が小さな小型犬を散歩させているのが目に入る、学校に行く前の散歩か偉い偉いと思いながら信号が青になり渡ると猛スピードでトラックがこっちに突っ込んでくる、一瞬みた運転席のドライバーは寝ているようだった、咄嗟に反射的に子供と犬に向かって走り出す、犬と子供を突き飛ばし…クソ…燈火…ごめん…意識が無くなった…。
そして…羽鳥野 遊馬は《アタラクシア》で魔王になった…。
「あークソなんで…あーやってらんねー」
道端に転がる空き缶を蹴り飛ばす、雑な金髪のプリン頭を掻き回し、安っぽいスーツのポケットに手を突っ込み築40年の安普請のアパートに帰る気も無く、公園のベンチに座って夕暮れを待つ。
『お前と組んでいてももう伸びねーわ、無理だ。コンビ解散だ、俺らも歳だしなじゃあな』
20歳の時からコンビを組んで9年…確かにコンビとしては売れなかった、コンビとしてはテレビに出た事もほぼ無い。
道端でライブのチケットを捌いて…顔の良い相方にはファンもいるしテレビにも出ているお笑いとではないが、そのお陰で一進一退綱渡りでなんとか9年…そう9年やって来た…。
「あーあーあーちくしょう…売れたかったぁ」
天を仰いで唇を噛み締め涙ぐむ、残っているのは30手前のフリーターになった自分だ、相方を探して芸人を続けるのかどうか…いや、無理だ。
「う…う…」
泣いても売れもしないし、面白くなる訳でもない、特技は何処でもどんなタイミングでも泣ける事…特技か?この芸のお陰で鳴かず飛ばずでもコアなファンはいた…まあ結局は相方のオマケ程度だったが…。
「アイツ…もうSNSで解散て出しやがって」
スマホのSNSで相方が既に解散を発表し、沢山のコメントが付いていた。
所謂遊馬は〇〇じゃない方芸人だ、相方いや元相方はは頭も良いし顔も良いし、器用で歌も上手い…俳優としてドラマにも出ている。
こうしている間も相方が出した解散発表にきっとアイツのファンは何か言って励ましのコメントを送っているだろう、『あー相方…ってだれだっけ』『あー名前…』『鳥が入ってなかったけ?』そんな感じで相方ってどんな奴だっけと言われている、格差コンビとは正に自分達の事だろう。
「ダメだダメだ、自分を卑下するやつは面白くなんかねー…帰るか」
重い腰を上げて安普請のアパートに戻る前に、スーパーでお買い得の卵とモヤシと納豆を買わないと…。
「あータワマン住みてー」
「ただいまー」
「おかえり遊馬くん!」
「あー何お前またダメだった?」
「あーうん」
「ドンマイ、卵と納豆とモヤシ買ってきたから。飯作ろうぜ、米助ただいま」
「うん」
安普請のオンボロアパートの2階の角部屋、建付けの悪いドアを開ければ2Kの居間兼寝床で紙を散らかしている同居人が暗い表情を無理に明るくして出迎える、その表情で何が起きたか一目瞭然ではあるが特に触れずに隣人が引っ越す際にもう飼えないからと貰ったゴールデンハムスターの米助にも声を掛けてスーツからスウェットに着替えて夕食の準備を始めた。
同居人の幼稚園の時からの幼馴染の隠岐 燈火(おき とうか)が散らばった紙や道具を片付ける、燈火はテレビやSNSをやらない、学生の頃に買ったラジオを仕事中に付けているだけである意味世間をあまり知らないので遊馬には一緒にいて居心地の良い存在だった。
「米助もご飯にしよう」
水を取り替え餌を入れる、少し太り過ぎかもしれない米助は遊馬と燈火には心の拠り所だった。
「ほら、モヤシと卵炒めと味噌汁に納豆な」
「いただきまーす」
売れない漫画家と売れない芸人だった遊馬、コンビニで夜勤のバイトをしている遊馬と他の漫画家のアシスタントをしつつ自分の漫画を描き続ける燈火、2人の生活はずっと不安定なままだった。
「あー燈火…俺コンビ解散したわ」
「え?どうして?」
「売れないし30にもなるからって解散」
「そんな…」
「だからさ、仕事探すわ。で、引っ越そうぜ。な?」
「……僕は…うん…そうだね、僕も打ち切り決まって…次の話しはまとまってないし、しばらくはアシスタントの仕事に専念するよ」
「そうか…」
何か言いたそうな燈火だったが食事を食べ進める、それを遊馬は見て見ぬ振りをした。
「あーコンビニのバイト急に入ったわ、行ってくるわ」
「なんか多いね最近」
「んー急にバイトが辞めたからなーま、あそこ楽だし行ってくるわー」
「うん、行ってらっしゃい」
燈火は打ち切りになった漫画の最終回のペン入れを行い、遊馬はスマホでSNSは見たくないので職探しを行っているとコンビニの店長からラインで連絡が入る、どうせ寝れないからと着替えてバイト先へと向かう、何処か寂しそうな燈火に手を振りバイト先に向かった。
「ずっと芸人して欲しかったな…でも、僕も遊馬くんももう夢を追うのは止めた方が良いのかな…ね、米助…」
「ありがとうございましたーいらっしゃませー」
今日は忙しい…客が絶えない、こんな日は忙しい方が良いのかもしれないと仕事をこなしていく。
「いつもの…」
「すみません、どれでしたっけ」
「ちっ、29番…」
「さーせん」
お前の買うタバコの銘柄なんぞ知らんと、心の中で毒づきながらヘラヘラと愛想笑いで誤魔化した。
「あーやっと暇になった、職探ししないとなー」
「あーなんもしたくねー金欲しーあーだりぃ」
バックルームでスマホを弄りながらコーヒーを飲む、やるべき事をしていればそれで良いのがここの良い点だ。
「外でタバコでも吸うか…」
制服を脱いで電子タバコを吸いながら目の前を走る車を眺める、客が来たら戻れば良い。
コンビ解散に親友は漫画の打ち切り、どっちも報われないなと、家族の反対を押し切り2人で絶対有名になろうと売れるぞと誓ってから9年…後悔も悔いも無いが…虚しさはある。
「戻るか…」
店内に戻り仕事を片付けていく、明日はバイトも無いし起きたら米助の小屋の掃除でもするかと背筋を伸ばした…。
「おはよう、ございます」
「ちーす、じゃお疲れ」
「お疲れさまでした」
朝6時交代のバイトが入り挨拶を交わして店を出る、日差しが眩しいが欠伸を噛み殺し家路に着く、眠い…横断歩道で信号待ちをしていると、向こう側で子供が小さな小型犬を散歩させているのが目に入る、学校に行く前の散歩か偉い偉いと思いながら信号が青になり渡ると猛スピードでトラックがこっちに突っ込んでくる、一瞬みた運転席のドライバーは寝ているようだった、咄嗟に反射的に子供と犬に向かって走り出す、犬と子供を突き飛ばし…クソ…燈火…ごめん…意識が無くなった…。
そして…羽鳥野 遊馬は《アタラクシア》で魔王になった…。
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