あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第8部 晴れた空の下手を繋いで…

STAGE.3-6 お祭りとホテルオープン

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「おはようー」
「おはよ。今日は祭りだし、簡単にサンドイッチ。腹減ったら屋台の飯食って」
「オッケー」
ホテルの食堂もといレストランには既に懐記がラウラス達とサンドイッチを並べている、モギのミルクと果実水を置き後はご自由にという感じだ。
「おはよう…」
「おはよう」
グローリーとイザラにゴーレムも転移でやってくる、それからも続々と他の面子も集まりサンドイッチを食べながら軽く打合せを行い各々の仕事をしていこうとなった。
「では、ホテル運営は崇幸さん、ロックスさん、千眼さんを主体にお願いします。屋台のポップコーン屋、かき氷屋は大河さん、率さんで主体に、水飴屋と肉串屋は率さんと舵さんで、魚串とアイス屋は晴海さんと詠斗さん。カルメ焼きとわたあめ屋は綴さんとチグリスさん、ジラさんで。射的はトラングさんとカトゥーシュカさん。ミルク屋はベルンさん達でお願いします。飲み物はカノリのジュースと果実水とお茶は《ガルディア》の皆さんで、屋台に1台連絡がとれるスマホを置きますのでそちらに、運営は私と千歳さんで。本日は初日なので売り切れで終了です、それではよろしくお願いします」
『お願いしまーす』
ラジカの配置決めを皮切りに各自散っていく、外に出れば商業ギルドのマスタールガンダとガーガードのドワーフ達が集団で待ち構えてい。「これは一体」
「こんかもんいつ造った!?」
『ホテル』
「ほ、ホテルとはなんですか!?」
「何するとこなんじゃ!」
「え?泊まる所だけど、風呂も入れるし」
「え?いや、しかしこれは…高級な宿…い、幾らで泊まれますかな!?」
「えと、3,000ログです。お祭りの時だけ宿屋で通常は風呂と食事の提供ですが」
『はあ!?』
食い付く集団にロックスが苦笑いを浮かべる、安すぎなのはロックスでも分かるが崇幸達がロックスの気持ちを組んでくれた結果だ。
たがこんな金額で祭りが終わっても営業をすれば、《ホウラク》の他の宿屋に影響が出るだろうとの事で表向きは、風呂と食事処として、保養所やカジノタワーでの景品として出すと言ってくれたのでロックスにはそれで充分だった。
「泊まります!」
「わ、わしらも!」
「はいよーご案内ー」
崇幸が声を掛ければテトラ達が作ったエプロンを着けた従業員達が出迎えてくれる、仕事は良いのかと思いつつ案内に崇幸も向かう。

「なんだありゃ」
「あそこはオンボロ宿屋で変な臭いしてたよな」
「素敵ー行ってみようかしらー」
丘の上に突然現れた建物に《ホウラク》の住民達は驚きつつせっかくの千年祭、少し冒険してみようと向かった。

「はあーもう、宿がないー」
「来るのが祭りの当日だもん」
「あーあ、馬車がなー」
「こればかりは…」
「野宿かあ」
長旅で疲れた身体で空いている宿を探し回る旅人達、当然空いている宿等なく途方にくれていた。
「おい、あんなもん前あったか!?」
「ありゃ城か!?」
「宿は取れなかったけど、行ってみるか?」
「せっかくの祭りだしな、見物するか」
入り口からすでに見えている高い城の様な建物に吸い寄せられるように向かって行く…。

「はい、ポップコーン500ログです」
「わたあめも500ログ」
「射的は順番です」
「あれは!?宿なのか!」
「あーはいそうだよ」
「ミルクは1杯300ログですー」
ホテル前には沢山の人が集まり行列を成していた、食べる場所はホテルのレストランを解放しゆっくり座って食べてもらっている。
「そ、そんな、安い値段で泊まれるのか!」
「信じられん…」
「俺は10日泊まるぞ!」
「俺もだ!」
「わたしも!」
カウンターでは客達が口々に伝え、従業員達が客を案内していく。
「すごいーきれー」
「この素材は一体…」
「ゴーレムとなんだこの形の人形は?」
「鳥もいるが…」
「うちの自慢の従業員達ですよ、さ、ご案内します。祭りの時だけの宿ですから」
おりがみの子達やヒヨコに従業員達が荷物を運び、エレベーターを使い客を案内していく、客達が1つ1つに驚き喜び楽しんでいるのがロックスは嬉しかった。
両親が残した宿屋は家として大事に住んでいこうと思う、客はぞろぞろ建物につられやってくる、ロックスは笑顔で出迎えた。

「思ったよりも客入りがありますね」
「いきなりこんな建物が現れたら皆見に来るよね」
ホテルの最上階の支配人室でモニターを確認し、タブレットでラジカがホテルの客数と屋台の売り上げを確認すれば隣で千歳がモニターを確認しながら足を組みテーブルに頬杖をついていた。
「あと2、3時間程で大体の屋台の本日分のストックが無くなりますね」
「初日でこれなら上々でしょ、で、ラジカ」
「はい」
「終わったら、デートしようか」
「ふ…良いですよ」
微かにラジカが微笑む、千歳も笑みを浮かべモニターとタブレットの集客を確認し明日以降の改善点を確認していった。

「ミルクおいしいねーモギ?かわいいー触ってもいいー?」
ベルン達のミルク売りで、ミルクを買った親子連れの女の子がモギを触りたいとねだるので、ベルンが快く快諾した。
「あぅあぅ」
「ベルさんもミルク飲む?ヒヨコ放してね」
「あーぅ」
「サンドイッチもあげるね」
その側の荷車の上でカルンとカタンと一緒に元奴隷でベルと名を貰った青年が、タイタンを腕に抱えてヒヨコを口に入れている、お腹が空くとヒヨコを口に咥えてしまうので、舵がそっと放してヒヨコをカタンに洗って貰う。
ニトとトイとラピスとシアは《トイタナ》の店でミルクを売り終わったら合流する事になっているのでこちらは、ベルン、カタン、ベル、舵、タイタンでミルク屋を開いていた。
「千眼がコップ持ってけって…持ってきた」
イザラが収納ショルダーバッグからコップを出してベルンに渡す、ベルンが笑顔で受け取るとイザラが首を傾げるが何も言わずにかき氷屋にも皿を届けていく。
「無愛想だけど美形だなー」
舵がベルにミルクとサンドイッチを食べさせながら呟く、タイタンにもミルクとサンドイッチを渡す。
『ありがとうございます、舵』
「沢山食べなよー」
舵がタイタンの頭を撫でればベルがタイタンを取られると思い、タイタンを後ろに隠した。
「とらないとらない、ほら、あーん」
「ぁ~う」
サンドイッチ1切れとウサギの形に切ったりんごモドキを少しずつベルに食べさせ、おやつは終了になる。
「今日は仕事が終わったら、皆で祭りを見に行くから楽しみだね」
「はい!」
「頑張ろ」
ベルの口元を舵がふいてやり、もう一仕事気合いを入れて皆で頑張った。
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