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第8部 晴れた空の下手を繋いで…
第3幕 第19話 《名も無き島》 5 完
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少し時間は遡る…船のプール再度の中央に浮かび島の方角を見つめるきゅうとふー、遥か空からは業火の不変鳥が飛んで来るのを彼らは認識していた。
きゅうとふーは詠斗達が好きだ、彼らの優しい声に暖かい手と他者を思いやる心、そして《アタラクシア》を救ってくれた恩人でもある彼らは強い、その確固たる強さをきゅうとふーは信じていた。
だが先の島にいる彼らは今、危機に瀕していた。
でもきゅうとふーは彼らは倒れないと信じている、きゅうとふーが手を貸さなくても彼らはその危機を乗り越えると…だが、いまだ嘗てない状況が彼らを襲っていた。
きゅうとふーは彼らが大好きで、ずっと彼らと共に在りたいと思っている、だから向かう事にした…彼らの助けになればいいと。
「きゅう君!?ふー君!?」
「お前たち!ここは危ない!戻れ!」
千歳が驚き大河が叫ぶが、その2の余裕そうに人を馬鹿にした顔が僅かに曇った。
「君たちどうした!?危険だぞ!」
「来てくれたのは嬉しいけどねー」
「いや…そうかきゅう…ふー選んでくれたか…」
『きゅ!』『ぱしゃ』
崇幸と懐記も驚くが千眼は助かったと安堵の表情を浮かべ、向かってくる不変鳥に視線を向けた。
「《海の覇者》《大海の盾》《島喰い》タータイルクッガとその伴侶《海の賢者》《防人》《生きる海流》キンカダイルラーガ、《海の中立者たち》たるお前たちが海で俺に牙を向ける意味分かってんだろうなぁ?」
『きゅ!』『ぱしゃ』
その2の声が僅かに荒ぶる、不変鳥が到着する手前できゅうが小さい前足で地面を叩けば、周囲の海が巨大な渦を巻き巻き上がり強大な海の鞭となり不変鳥に絡めていく。
『キェェェェ!!』
巨大な炎の塊の不変鳥が暴れ狂うが圧倒的質量で襲い掛かる海の鞭に一溜りもない、3分が過ぎ島が地震のように大きく激しく揺れ動く。
「これは…僕たちの出番ないかな?島が揺れているけど気にならなくなったよ」
「鳥VSカメとかあり?この揺れどうする?」
「無いだろ…島沈むのは困るよな」
「きゅう、ふー無茶はするな」
島の振動も気になるが呆気に取らたままの面々、その2は先ほどの豊かに歪んだ表情を消し無表情に上からその様を見ていた。
地震が止み島の中心に存在する小さな山の頂上蠢き、花火が打ち上げると同時に溶岩が飛んで来るが…『きゅ!』『ぱしゃ』暴れ狂う不変鳥を絡めとる海の鞭がから蒸気と水しぶきが飛び散り、雨の様に島全体に降り注ぎきゅうの口から凍結魔法が発動しこちらに飛んで来る筈の全ての溶岩が氷漬けにされ地面に落ちて大地に沈んだ。
「あーあ折角用意したのに、マジだるい事すんなよ」
「きゅう、ふーありがとう助かったよ」
「後好きなだけ食わせるから」
「すごい強いんだな2人とも!」
「打つ手がまだありそうだな」
「……お前は何だ?」
『きゅ』『ぱしゃ』
はあーと心底気だるそうに呟くその2、まだ苦しむ不変鳥、きゅうとふーを労う千歳、崇幸、懐記に警戒を緩ませずその2から目を離さない大河、疑問を投げる千眼その一瞬の間に、千歳の収納空間を破り空間を割いて出たグローリーがぞの2の背後に回り神魔剣で一撃を浴びせた。
「だぁからぁ、弱いしおせぇって」
その2の頭上で剣が砕け散る、グローリーの方を振り返りもせずその2が空間その物をずらしグローリーの右腕を切り離した。
「あ…」
「グリっち!?」
グローリーが小さい声を上げ地面に落ちる、懐記と崇幸が駆け寄り身体を起こす。
「あー10位がずーとお前の名前呼んでるぞーグローリーぃグローリーぃって、あはは!くっだらねー!ま、あいつに良い手土産が出来たなこれで面白い物つくろ」
切り離した右腕を傍らに再び歪んだ笑みを浮かべるその2、グローリーがその言葉を聞き再度立ち上がろうとする、懐記が回復札を出すが腕の再生速度が遅い。
「キリングを返して…」
「魔人の懇願ねー悪くないな、大人しく平凡4位の収納空間にいれば良かったのになー」
『きゅ!』『ぱしゃ』
「んだよ、萎えるわー」
きゅうとふーが更に海から渦を引き寄せ、海の生きた檻を生み出しその2を閉じ込める、海水が満たされ内で海流がその2を囲んだ。
「閉じ込めたか?」
「このまま僕の空間に」
「いや…まだだ…」
その2がニヤリと檻の中の呼吸が出来ない空間で嗤う、きゅうとふーが更に魔力を込めて檻を強固にする。
「ふうん、まあまあだな。これ以上は海でバトんのはダルわ、そいつはいらない、じゃあな」
苦しむ不変鳥を捨て指を鳴らし檻の中に亀裂を起こし腕と共にその空間に消えていく、海の檻が形状を保てずそのまま降り注いだ。
『きゅ』『ぱしゃ』
「きゅう…ふー…気にする事は無い…お前たちが来なければどうなっていたか…」
「グリ君無茶をしたね、腕はどうかな?」
「千歳…ごめんなさい…」
「こんな無茶はしないようにね」
「…はい…」
「皆を出して帰ろう…この島は僕が貰おう。色々調べさせてもらおうかな」
腕の再生が終わりグローリーが千歳に真摯に謝る、千歳も責めはせずグローリーを立ちあがらせ、収納空間から皆を出した。
「千歳!皆!大丈夫か?」
「無茶…するなよ」
「無傷とはいかないか…」
「きゅうとふー成程、千歳さん後でお説教です」
「はい…」
ラージュ、チグリス、ニジェルガ、そして若干お怒りのラジカと他の面々も一先ずほっとしている。
「で、あれどーすんの?」
ティスが今だ宙で暴れのたうち回る不変鳥を見て尋ねる、きゅうとふーがダメ押しとばかりに大量の海水を浴びせるときゅう達の足元にグローリーが魔法で出すような炎色の泣いているヒヨコが転がって来た。
『ぴなぁ』『きゅ!』『ぱしゃ』
きゅうがそっと口でその炎色のヒヨコに優しく触れ、グローリーの方を見つめれば、グローリーが頷き回復した3匹の合成獣と火魔法のヒヨコを生み出し炎色の泣いているヒヨコに寄り添った。
「ヒヨコ…棄てられたのか…」
「グリッち頼むわ」
「うん」
懐記が上着を脱いでヒヨコ達を乗せてそっとグローリーに渡した、グローリーもそっと受け取りしっかりと抱えた。
「戻って今こちらにいる魔王全員集めて色々話そうか、みんな待っているし」
「その前に風呂だな」
『賛成』
全員が大河の意見に賛成する、転移魔法で千歳とラジカ以外全員船に戻る。
「戻ってもやる事は山積みですね」
「強いね、12位 (仮)の彼」
「疑問ばかりが残りましたね」
「彼だけじゃないけど、ね」
「大した疑問などありませんよ、私には」
「今はそういう事にしておこうか」
「はい」
千歳が空間魔法を発動させ収納に島の全てを収め、島があった場所は跡形もなく海に還った。
「うん、上手く出来た。さ、帰ろうか」
「はい、お腹すきましたね」
「珍しいね、そう言うの」
「そうですか?疲れましたし」
「そうだね」
転移魔法で2人も戻り、夜が晴れ、黄昏時の空が空に広がった…。
きゅうとふーは詠斗達が好きだ、彼らの優しい声に暖かい手と他者を思いやる心、そして《アタラクシア》を救ってくれた恩人でもある彼らは強い、その確固たる強さをきゅうとふーは信じていた。
だが先の島にいる彼らは今、危機に瀕していた。
でもきゅうとふーは彼らは倒れないと信じている、きゅうとふーが手を貸さなくても彼らはその危機を乗り越えると…だが、いまだ嘗てない状況が彼らを襲っていた。
きゅうとふーは彼らが大好きで、ずっと彼らと共に在りたいと思っている、だから向かう事にした…彼らの助けになればいいと。
「きゅう君!?ふー君!?」
「お前たち!ここは危ない!戻れ!」
千歳が驚き大河が叫ぶが、その2の余裕そうに人を馬鹿にした顔が僅かに曇った。
「君たちどうした!?危険だぞ!」
「来てくれたのは嬉しいけどねー」
「いや…そうかきゅう…ふー選んでくれたか…」
『きゅ!』『ぱしゃ』
崇幸と懐記も驚くが千眼は助かったと安堵の表情を浮かべ、向かってくる不変鳥に視線を向けた。
「《海の覇者》《大海の盾》《島喰い》タータイルクッガとその伴侶《海の賢者》《防人》《生きる海流》キンカダイルラーガ、《海の中立者たち》たるお前たちが海で俺に牙を向ける意味分かってんだろうなぁ?」
『きゅ!』『ぱしゃ』
その2の声が僅かに荒ぶる、不変鳥が到着する手前できゅうが小さい前足で地面を叩けば、周囲の海が巨大な渦を巻き巻き上がり強大な海の鞭となり不変鳥に絡めていく。
『キェェェェ!!』
巨大な炎の塊の不変鳥が暴れ狂うが圧倒的質量で襲い掛かる海の鞭に一溜りもない、3分が過ぎ島が地震のように大きく激しく揺れ動く。
「これは…僕たちの出番ないかな?島が揺れているけど気にならなくなったよ」
「鳥VSカメとかあり?この揺れどうする?」
「無いだろ…島沈むのは困るよな」
「きゅう、ふー無茶はするな」
島の振動も気になるが呆気に取らたままの面々、その2は先ほどの豊かに歪んだ表情を消し無表情に上からその様を見ていた。
地震が止み島の中心に存在する小さな山の頂上蠢き、花火が打ち上げると同時に溶岩が飛んで来るが…『きゅ!』『ぱしゃ』暴れ狂う不変鳥を絡めとる海の鞭がから蒸気と水しぶきが飛び散り、雨の様に島全体に降り注ぎきゅうの口から凍結魔法が発動しこちらに飛んで来る筈の全ての溶岩が氷漬けにされ地面に落ちて大地に沈んだ。
「あーあ折角用意したのに、マジだるい事すんなよ」
「きゅう、ふーありがとう助かったよ」
「後好きなだけ食わせるから」
「すごい強いんだな2人とも!」
「打つ手がまだありそうだな」
「……お前は何だ?」
『きゅ』『ぱしゃ』
はあーと心底気だるそうに呟くその2、まだ苦しむ不変鳥、きゅうとふーを労う千歳、崇幸、懐記に警戒を緩ませずその2から目を離さない大河、疑問を投げる千眼その一瞬の間に、千歳の収納空間を破り空間を割いて出たグローリーがぞの2の背後に回り神魔剣で一撃を浴びせた。
「だぁからぁ、弱いしおせぇって」
その2の頭上で剣が砕け散る、グローリーの方を振り返りもせずその2が空間その物をずらしグローリーの右腕を切り離した。
「あ…」
「グリっち!?」
グローリーが小さい声を上げ地面に落ちる、懐記と崇幸が駆け寄り身体を起こす。
「あー10位がずーとお前の名前呼んでるぞーグローリーぃグローリーぃって、あはは!くっだらねー!ま、あいつに良い手土産が出来たなこれで面白い物つくろ」
切り離した右腕を傍らに再び歪んだ笑みを浮かべるその2、グローリーがその言葉を聞き再度立ち上がろうとする、懐記が回復札を出すが腕の再生速度が遅い。
「キリングを返して…」
「魔人の懇願ねー悪くないな、大人しく平凡4位の収納空間にいれば良かったのになー」
『きゅ!』『ぱしゃ』
「んだよ、萎えるわー」
きゅうとふーが更に海から渦を引き寄せ、海の生きた檻を生み出しその2を閉じ込める、海水が満たされ内で海流がその2を囲んだ。
「閉じ込めたか?」
「このまま僕の空間に」
「いや…まだだ…」
その2がニヤリと檻の中の呼吸が出来ない空間で嗤う、きゅうとふーが更に魔力を込めて檻を強固にする。
「ふうん、まあまあだな。これ以上は海でバトんのはダルわ、そいつはいらない、じゃあな」
苦しむ不変鳥を捨て指を鳴らし檻の中に亀裂を起こし腕と共にその空間に消えていく、海の檻が形状を保てずそのまま降り注いだ。
『きゅ』『ぱしゃ』
「きゅう…ふー…気にする事は無い…お前たちが来なければどうなっていたか…」
「グリ君無茶をしたね、腕はどうかな?」
「千歳…ごめんなさい…」
「こんな無茶はしないようにね」
「…はい…」
「皆を出して帰ろう…この島は僕が貰おう。色々調べさせてもらおうかな」
腕の再生が終わりグローリーが千歳に真摯に謝る、千歳も責めはせずグローリーを立ちあがらせ、収納空間から皆を出した。
「千歳!皆!大丈夫か?」
「無茶…するなよ」
「無傷とはいかないか…」
「きゅうとふー成程、千歳さん後でお説教です」
「はい…」
ラージュ、チグリス、ニジェルガ、そして若干お怒りのラジカと他の面々も一先ずほっとしている。
「で、あれどーすんの?」
ティスが今だ宙で暴れのたうち回る不変鳥を見て尋ねる、きゅうとふーがダメ押しとばかりに大量の海水を浴びせるときゅう達の足元にグローリーが魔法で出すような炎色の泣いているヒヨコが転がって来た。
『ぴなぁ』『きゅ!』『ぱしゃ』
きゅうがそっと口でその炎色のヒヨコに優しく触れ、グローリーの方を見つめれば、グローリーが頷き回復した3匹の合成獣と火魔法のヒヨコを生み出し炎色の泣いているヒヨコに寄り添った。
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「グリッち頼むわ」
「うん」
懐記が上着を脱いでヒヨコ達を乗せてそっとグローリーに渡した、グローリーもそっと受け取りしっかりと抱えた。
「戻って今こちらにいる魔王全員集めて色々話そうか、みんな待っているし」
「その前に風呂だな」
『賛成』
全員が大河の意見に賛成する、転移魔法で千歳とラジカ以外全員船に戻る。
「戻ってもやる事は山積みですね」
「強いね、12位 (仮)の彼」
「疑問ばかりが残りましたね」
「彼だけじゃないけど、ね」
「大した疑問などありませんよ、私には」
「今はそういう事にしておこうか」
「はい」
千歳が空間魔法を発動させ収納に島の全てを収め、島があった場所は跡形もなく海に還った。
「うん、上手く出来た。さ、帰ろうか」
「はい、お腹すきましたね」
「珍しいね、そう言うの」
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「そうだね」
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