あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第8部 晴れた空の下手を繋いで…

第3幕 第9話 《黄昏の瞳》追加メンバー

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「この世界の深海魚えぐ」
「ん、でも美味いわ」
バーババンを調理し始め、煮付けにし懐記が味見をすると柔らかい身に程よい甘味と上品な旨味が凝縮されていた。
「後はこれの骨とか皮で取った出汁のスープで麺にするか」
「じゃ、大鍋でお湯沸かします」
「ん」
「懐記…」
「おかえりグリっちまた沢山採ってきたな」
「お、グリ!解体は任せろよ」
「はーすごいねー」
「グリ、風呂いくか?」
大食堂の厨房で深海から戻って来たグリが不気味な魚を何匹も運んでくる、どれも食べられると鑑定に出たので早速ゴーシュやラウラスが解体してくれる。
畑から戻った詠斗達と一緒におやつのドーナツでも食べようとグローリーに声を掛けるが、グローリーは首を傾げていた。
「どうした?グリ?」
「…海の中ににダンジョンがあった…」
「へー」
『ん?』
「この辺りにダンジョンはないから、未開のダンジョンかすごいなグリ」
周囲の声が揃う、おやつ休憩にやって来たニジェルガとニジェルガの肩や頭にはグローリーがドーナツを上品にナイフとフォークで食べながら微笑む。
「すごいな、グリ。ダンジョンは最初に見つけた奴の物だから誰も知らないダンジョンならグリの物だぞ」
ジラがドーナツとミルクを飲みながら笑う、隣にモギがいて
頭を撫でている。
「明日見にいくか?ライガルもくるから《黄昏の瞳》パーティーで」
「?…今行きたい…?」
「今ー?魚解体終わんないからなー」
「今日の飯があるからなーグリっち明日」
「……」
「おい?」
「え?何?」
「ん~今夜はカジノのバイトー」
「皆は?」
少し考えグローリーがラピス、舵、トラングの手を引く、ドーナツをハル達と食べている合成獣3匹も誘うが、子供達とこの後お昼寝をするからと丁寧に断られてしまう、ダンジョンよりもおやつとお昼寝と子供達な3匹だった、おりがみの子達はせっせと働き、ヒヨコや鳥達も船の見回りを行っている、現状ダンジョンは1人で行く物ではない事はグローリーは知っていた。
「《黄昏の瞳》追加?」
「魔神皇!?」
「え、俺、弱いよ!?海無理だよ!?息は?息?呼吸!?」
「え~バイトは~」
がっちり掴まれ逃げられない、妖精王、魔王、暴君…彼らなら今この場にいなくても問題無さそうだと思い連れて行く事にした。
「《黄昏の瞳》の追加メンバーか?グリ俺は今日は行けないがパーティーに入れて欲しいな」
「俺も入る入る」
「…いいよ…」
「グリ、この面子で行くのか?なら俺も行こうか?」
「ジラも入る?」
ニジェルガとゴーシュが《黄昏の瞳》パーティーに加入しました、ジラが入りたそうにグローリーを見ている。
「ああ、いいぞー。グリがリーダーのパーティーなら入るぞー」
ジラの何気ない一言にその場にいた一部がざわめく、《傭兵王》《英雄王》《戦喰い》《王殺し》等々異名を持つジラ、彼を手に入れたいと望む数多の国と有名なパーティー、山のように高く積まれた財宝や遠い国にも名が渡る美姫達を前にしても気に入らない仕事はしない、国も遣えない、パーティーにも入らない孤高の存在。
生きた伝説が、初めて冒険者としてパーティーに加入した瞬間だった。
「遅くならない内に帰ってこいよー」
「うん」
「トラング、皆に着いていってアイテム回収して買い取りして借金減らせー」
「ええ~バイトまでに帰るならー」
「行く…ベルン様妖精王…貸して下さい?」
「えと、ちゃんと返して下さい?グローリーさん?」
「はい」
舵を片腕で抱えラピスを指で掴み、黒と白の渦の空間を生み出し海ダンジョンに皆に送り出され向かった。

「こ、呼吸は!?」
「舵、大丈夫だぞ。ほら」
「あー本当だ、綺麗だな」
着いた先のダンジョンで口を押さえる舵の肩を叩くジラ、舵が落ち着いて周囲を見渡すと巨大な洞窟に青くキラキラしている壁や柱が周囲を明るく目に優しく舵は喜んだ。
「ま、周囲が海なら転移か晴海の札がないと入れないな。よしパーティーの役割分担を行うぞ、この中でダンジョン経験者は俺とグリだけか」
「ダンジョンはよく行ってた」
「妖精がダンジョンなんか行くか」
「ゲームなら何回も!」
「ん~ない~」
「そんなとこだな」
ジラが薄く笑う、自分とグローリーを主軸とした編成のパーティーにでもするか、舵が戦力にならないから数としては入れられないがグローリーが連れて来たからには意味があるのかとジラが思考しつつ役割を決めていく。
「この面子ならー攻略楽でしょー」
「トラング、そういう慢心がパーティーを壊滅に追い込むんだ。初めてのダンジョンだ油断すれば死にはしないがダメージは食らう、しかも海なら尚更だ」
「ん~わかったー」
「良い子だ、ラピス今の所どうだ?魔物は?潜んではいるがくる気配はないな」
「俺達の気配で様子を伺っている、この辺は雑魚だな」
「トラング武器は?」
「ないー魔法のが得意よん」
「なら、先頭はグリとラピス。ラピスは索敵を、グリは前を気にして仕留め損なった魔物がいれば合図を、俺が殿だ。
トラングと舵はその間…トラング、舵を抱えてあるけ。手使えなくても魔法は使えるな」
「あ、ん~そうねー」
「わ」
グローリーが先頭その隣にラピスが浮遊して並び、トラングが舵を横抱きしその後ろをジラが守り出発する事にした。
「あー楽ちん。トラングちゃん、重くない?」
「いや、軽い~。魔王ってみんなこんな軽いのかー」
「どうだろ、皆細身だよね」
「魔王は人の型した全く違う生き物だからな、人の枠で考えない方がいいぞ」
魔物も出ない一本道を進みながら会話をする、その間ジラとラピスは周囲の警戒を怠らない。
目の前に巨大な青い扉が現れる、どうやら最初のボス部屋のようだった。
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