あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第8部 晴れた空の下手を繋いで…

第8話 仕事してお金貰って

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「お風呂最高!」
「舵さん、今日からベルン君とこいくの?俺もいこ」
「晴海ちゃん、一緒に行こ」
「僕も行きます」
「うん」
「いってらっしゃいー」
『はーい』
宴会が終わり風呂へ皆で直行して、詠斗達に見送くられ率と晴海と一緒に先にこちらへ戻ったベルン達のテントに手を繋いで向かう。
「寂しいですか?」
「いや、ああしてると兄弟って事にしとくか」
千歳が崇幸の隣に立ち崇幸が笑う、この世界に自分も舵もあっさり馴染めてほっとしている、先に来ていた詠斗達のお陰だ。
「千歳くん、みんな。この後一杯どうかな?俺のスキルコンビニの物で」
「いいですね、子ども達がいない夜って事で」
「いいな」
「さんせー」
「じゃ、早く戻る」
詠斗が転移魔法でテントに移動する、ちょっとした二次会が始まる。

「あ、ベルン君のところいく前にテトラさんのテント行っても良い?」
「面白いですよ」
「いいよ、行こう」
少し進めばカラフルな布に彩られた移動式テントの家が見えてくる、サーカスのテントの様だなと舵は思いながら率と晴海に案内された。
「やほー2人とも」
「テトラさんも来たら良かったのに、最近カルさんもずっとダンジョンにいるしさー」
「ドラゴンてのは没頭するとそれだけになりやすい質なの、そちらが最後の召喚者?……んん」
「あ、どもー羽佐間 舵です…なんか自分でいうのもなんだけど崇幸兄と一緒に召喚された…魔王?ですー。後この子達とおにーさんも可愛い!」
「どもーテトラだよー」
「おいらはフルーフ」
「ほくぅはリプですぅ」
可愛らしい小人達に、シシとヤヤにナフとカフに出迎えられメルヘン空間に大興奮している舵と率と晴海に、テトラがお茶を出してくれる。
「バーベキューのご飯持ってきたよ」
「晴海ありがと!」
「はぁー本当に晴海ちゃんは気が利く子だね」
「えへへ」
「本当に晴海はいいこ」
テトラも舵に同意する、今は明日からトラングがカジノでバイトするのでそれの制服を仕上げているそうだった。
「あの、ピンクイケメンに似合うだろうね、この服。イケメンは何を着てもイケメンだけど」
「まさかあの暴君が仕事をまともにするとわ、ビックリ」
「明日はカジノにいこう、《トイタナ》のお店の手伝いもするよ」
「僕は《ガルディア》の商業エリアの出店希望者の受け入れですね」
「あー俺はベルンちゃん達の手伝いをしよ」
テトラ達がバーベキューのご飯を分けて食べながら、ここにもおりがみの作品達がいる事に気づく、本当に色々な所にいるなーと思う。
「そうそう、舵にちょうど良い服あるよーあげる」
「ほんと?あ、パーカーだ!肌触りもいい!貰っていい?」
「いいよー、フリーサイズ?ってのね」
「たすかるー」
黒の薄手の長袖パーカーと白いシャツと紺色のパンツに靴下も貰い、ショルダーバッグの収納にしまう。
晴海が神々からの報酬で貰った宝箱に石を入れてビーズを作る所を見て一緒にブレスレットを作ったり、率がマニュキュアを塗って貰ったりしてからベルン達の元へ向かった。

「はあ、久し振りーこのコンビニの柿ピー!」
「炭酸もいいな」
「ウィスキーもいいね」
「するめとビールよしだわ」
「沢山食ってくれ、まだまだ出すからな」
一方テントの中の大人達、崇幸のスキルコンビニから片端から食べ物を購入し並べて酒と共に味わう。
ドラゴン組に千眼と千華とジラ、ラジカも未知の味を楽しんだ。
「これが皆さんがいた世界のこんびにという店の食べ物ですか…」
「お代わり…甘いの」
「この辛い芋を薄く揚げたのマジうまいす!」
「このしゅわしゅわの黒い飲み物お代わりを貰っても良いですか?」
「このシュークリームとあんパン……」
「はあ、スゲー世界だな」
「本で見た物もあって、どれも美味ですね」
神々からも催促が来たので色々出して供えて、自分達が楽しむ為に大量に各々購入したりして収納に入れた、本日の売り上げは相当な物だった。
「今日色々見せて貰ったんだが、あまりこう異世界…日本の食材や料理を広めたりしてないんだな」
「あー、俺が最初にこの世界来た時に《アタラクシア》って食事にみんな手を込んだりしないなって…ラージュさんの城でもこの世界でなら美味しいのかもしれないけど、うまい食べ物沢山食べて来た俺達からしてみたら…」
「あれは美味くなかったな」
「僕は雑食でなんでも美味しく頂きますけど」
「だから、この世界で作れそうな物を少し美味しくして出せば《アタラクシア》に広がるかなって…崇幸さんのコンビニは是非やって欲しい!」
詠斗が自分の価値観をビール片手に語る、状態異常無効のせいか酔いにくい。
「確かにな…ここでしかって…感じじゃなくて拡がる食べ物か!なら、俺もそれに乗っかろう!」
「なに、ゆきっちさん良いアイデア浮かんだ?」
「ああ、よし人財探しだな!この世界の人達が真似出来る食べ物でコンビニをやろう!目指せ数店舗経営だ!」
『おー』
パチパチと拍手が巻き起こる、ここで結構壮大な崇幸の野望が生まれた俗に『皆藤崇幸事変』と呼ばれるこの計画《アタラクシア》の食事事情に革命が起きる産声が上がった瞬間だった…。

「んー崇幸兄がなんかとんでもないかもしれないけど、そうでもないような事考えてる気がする…」
「えー」
「きっと今向こうは大人の時間ですね」
「俺たちも大人になったらしようね」
「カタンもー」
「どーせしょうもない酒盛りでもしているぞ」
「こっちはミルクパーティーだね」
ベルン達のテントに入り絞り立てモギのミルクで乾杯している、舵には天国空間だ。
「ミルク美味しいなーしかしこの赤ちゃん静かだな」
「カルンは僕達がいれば泣いたりしませんからとても良い子です」
「へぇ」
『くみゅ』
第9魔王の腕に抱かれたカルンはうとうとしている、ちらと横目で見ながらミルクの追加を貰って寝る支度をする晴海と率とカタンを舵は眺め、側にいるモギを撫でていた。
柔かいふかふかとした感触、子供達の声、こんな環境で寝れたら最高だろう、寝る振りは出来る眼を閉じれば良いだけだからだ。
「ミルクごちそうさま、明日宜しくね」
「はい!」
「舵さんは夜、千眼さん達の所に戻ります?」
「んー適当に過ごすよ」
「おやすみーかじー」
「みんなおやすみ」
『おやすみなさーい』
『くみゅ!』
みんな歯を磨いてカルンをベビーベッドに置いて、魔石の灯りを消して眠りに就いた。
舵は皆の寝顔を眺め、目を閉じて子供たちの寝息を聞いて過ごした…。
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