あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第7部 異世界帰りの魔王様はチートで無双したりしなかったり~サラリーマンの1から始める異世界ビジネスプラン~

STAGE.2-9 なぜかダンジョンで宝造ってまーす

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第3階層のボス…以下略、現在第4階層、相変わらず魔物はドラゴンの気配のせいで出て来ない。
「第4階層は…ってグリ今度は氷の鳥作ってんの?じゃ一周させろよ」
「へえ、綺麗じゃんなんか涼しいし」
「うん、回って」
「では、魔聖石用意しまね」
「懐記にあげる」
「サンキュー」
第4階層の全ての魔物は氷の鳥が周り飛び氷結後に砕かれ一瞬でアイテムに変わり、懐記が飄々と回収した。
「そういや、魔剣と聖剣大河っちから貰ってたわ。グリっち使うー?」
「?」
「あー、天空ダンジョンのやつか」
「……良いいんですかね…懐記さんが渡すのを止める事は出来ませんし」
「?高そうな剣…」
ジラに渡した聖剣とはまた違う形状の細身な緻密な装飾を施された白い剣と対になっている魔剣、懐記が2つを渡して気に入った方を選べばとグローリーに持たせてみる。
『あ…』
ライガルとティスの声が混じる、聖剣と魔剣の装飾が変わり黒と白の色を各々に帯びてグローリーの手首に1つのブレスレットとして嵌まった。
「魔聖剣と聖魔剣に変化しましたね…魔人固有スキルでしょうか、グローリーさんその剣はいつでも念じれば剣に変化しますから」
「うん…魔法みたい」
『……』
魔法以上じゃないのか?という疑問をドラゴンに抱かせる存在は、希薄な空ろな青年だが子供の様な無垢さがあった。

「わ、これすごい!」
「懐記さんが連れて来てくれるそうです!楽しみです」
「……これは固有スキルか…無機物に命を吹き込む…」
「我々でも出きるかどうか…」
こちらは畑、朝食はおにぎりと味噌汁に漬け物とラウラスが焼いてくれた卵焼き、ドラゴンチームはチグリス以外《ガルディア》の会議室に向かい仕事をしている。
他のメンバーは大河とチグリスを残し皆懐記からラインに送られた、グローリーが折ったおりがみの作品達の動画を見ていた。
「これは…おそらく彼は今まで出現した魔人の中でも最高峰の実力者だと思われます、この作り出した物も永久に動き続けるのかもしれません」
千華が動画を確認し僅かに眉をしかめる、これはこの《アタラクシア》の地上に存在して良い力なのかも不明だった。
「魔人がいるが原因はまだ不明か……おはよう」
大河も起き出しチグリスも続く、食卓に着いて早速チグリスがおにぎりを食べている。
「会うの楽しみー」
「そうだね!薬草も沢山ドロップしてるし!商業エリアで売ったり出来るね」
「俺も欲しいー」
和気あいあいと朝食が進む、この後は各々の仕事に向かい…晩御飯は一部テイクアウトにしようと話しが付いた…。

こちらは第5階層、今度は風の鳥をグローリーが出して気配を消している魔物達を切り刻んでいく、姿も見えない魔物達か阿鼻叫喚の悲鳴が聞こえ静かになり懐記がアイテム回収を行う。
「まだ1時間も掛かってないわ、まあラスボス周回でもしよ」
さくさく進むそれはそうだ、ドラゴンもいて実力いまいち不明なグローリーにライガルとティスが魔法を教えている。
「もう少し魔力を制御しましょう、魔法使う度に余り過ぎる魔力を魔聖石にを閉じ込める事になりますし」
「?こう?」
「小さい鳥?いや、普通の形とかにならないのかよ?こんな感じ、ほら」
「?こう?」
「なんかヒヨコみたいなのになったけど」
グローリーが魔力を抑えて火魔法を出せば、出てくる鳥のサイズが小さくなるだけだった。
「これから学びましょうね」
「うん…」
ライガルが小さい火の鳥と火のヒヨコを手に持ち、そのまま第5階層のボス部屋を開け試しに入れてみるとしっかりボスを燃やしてくれすぐにアイテムへと変化した。
「早いわー、お、肩に乗る?」
まだ魔力が有り余る火の鳥とヒヨコは懐記の肩に止まって休んでいる、熱くないからそのままにしておく事にする。
「じゃ、さっさとラスボスまで行って休憩しよ」
『はーい』

「グリ、いきなり魔聖剣とか使うのもなんだし俺の剣貸してやるからそれで何匹か倒してみろよ。剣つかえんの?」
「…少しだけ」
キリングが以前少し教えてくれたが才能は無いから、荷物を持っていればいいと言われそれから使った事は無い、ティスからなんの変哲も無い剣を受け取り手頃なドロっとした植物魔物をライガルが捕まえてくれる。
「がんばれー」
「うん」
懐記が棒読みな応援をしグローリーが剣を振りかざす、様にもなっていなければ隙だらけな一撃だが剣圧が生まれ魔物を潰すように斬りそのままこちらを伺っていた魔物たちを巻き込んで遠くで消えた。
「なあ、普通に攻撃とか出来ないのか?」
「魔人特性でしょうか?剣が変わってますよ」
「うわ、何この黒と白の混ざった剣」
「皇国に持ち帰り調べましょうか」
「へぇ、グリっち武器に力加えると武器の性質かわんの?おもしろー」
ドラゴン達でもわからない只の何の変哲もない剣が白と黒の模様を混ぜ合わせた物質の剣に変わる、懐記が関心を寄せている。
「じゃ、ボス部屋な」
「グリ一休みな」
「うん」
「では、開けます」
ライガルが扉を開けた途端に懐記の肩に止まっていた、鳥とヒヨコが入り飛び交い炎で焼き尽くし瞬時にアイテムへと変化した。
『………』
「お、何倒してくれたの?サンキュ」
戻って来た鳥とヒヨコがまた懐記の肩に止まる、礼を言うと嬉しそうにしている、ライガルとティスは唖然としていたが魔人の能力だからと割り切る事にした。
「じゃ、後はラスボスいるとこね」

「グリっち他のヒヨコも欲しいなあ」
「…こう?」
「お、いいじゃん。サンキュ」
すっかり鳥とヒヨコを気に入った懐記が試しにグローリーに他の属性のヒヨコを頼むと、水と土と緑のヒヨコを出してくれたので懐記の肩や頭に乗り寛ぐ、ティスとライガルにも同じようにヒヨコをグローリーが出してくれる。
「お、ゴーシュや父さんに見せよ。ありがとグリ」
「私にもありがとうございます、でも無理はしないように」
「はい…」
第7階層、流石に魔物達も強気に襲ってくるが…ヒヨコと鳥の総攻撃で狩られ、さっさと懐記が回収する。
「おー、はやいはやい。いっかいラスボス倒してから昼飯にしよ」
「じゃ、開けるぞー」
ティスが開けた隙間からヒヨコ達以下略、扉を全て開ければそこには宝箱が残り懐記が回収した。
「昼飯にするか、お前達も食べるのか?」
ヒヨコと鳥はどうやら魔力と草等を好むようなので、第7階層を自由にさせる事にしてテーブルや椅子を出して準備を始めた。
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