あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
上 下
221 / 866
第7部 異世界帰りの魔王様はチートで無双したりしなかったり~サラリーマンの1から始める異世界ビジネスプラン~

第21話 いよいよ始まる! 

しおりを挟む
「いよいよ本日初日!といっても顔馴染みの人達やその知り合いなので固くならずにリラックスしてやってみて下さい」
「研修でやった通りで問題ない」
「今日は練習だと思って下さいね」
「緊張せず落ち着いていきましょう、昨日の流れで問題ないですから」
「俺も頑張る!」
「ま、ぼちぼちほどほどにフォローはするしー」
「何かあればすぐに報連相で、それではよろしくお願いします」
『はい!』
「じゃ、只今オープンしまーす」
詠斗の掛け声で本日いよいよカジノがオープンする、その前に最後の挨拶を皆で交わす、この日の為にテトラ達が制服として白いシャツ、赤いタイ、黒いスラックスに飲食スタッフはギャルソンエプロンを支給し中々雰囲気が出ていた。
前日にした研修や説明と後は本番に任せる事にし、綴が建物の管理も任せている風早に頼み招待状を渡したドラゴン達を招いた。

「詠斗達、招待してくれて感謝する。本日は楽しませて貰おう」
「いらっしゃい!お客様第1号だよ!」
「皆さん、討伐と干ばつの件ありがとうございました」
最初にカジノに招かれたのは龍皇国皇帝、ニジェルガ、ライガル、ゴーシュ、ライガルの伴侶であるティスとティータだった。
「ほら、挨拶はそこまで。受付で説明聞いてドリンクを貰ってくれ。乾杯を行うから」
大河がスタッフ2名いる受付を指す、ティスと晴海の目が合う、晴海が笑うとティスがそっぽを向いてニジェルガ達に付いて行ってしまった。
「晴海くん、VIPルームに行きますか?」
「うん!ニジェルガさん達驚くかな?」
「驚くと思いますよー」
綴に話し掛けられ次々訪れるドラゴン達の対応から抜け出し、エレベーターで綴と晴海は13階に向かった。

「マスコット、並び終えました!」
「ふふ、可愛い。写真撮りますね」
「俺も」
13階の長い廊下の先の最奥の扉は詠斗達だけが開錠出来る特別室、中には壁に埋め込まれた巨大モニターと中央に鉱物で造れた重厚な丸いテーブルに並べられた豪奢な13個の椅子に…ちょこんと晴海が作ったマスコットを並べてスマホで写真を撮った。
「連絡するよ!」
「はい」
「こんにちはー神様達!準備出来たよ!」
ワクワクしている晴海が早速スマホで神様に連絡する、晴海の笑顔を見て綴もニコニコと笑った。

「っしゃ!いってくるぜ!」
「なのです」
「迷惑掛けないように行って来ます…」
《神の庭》じゃんけんで勝った3名(3日間掛かって誰が行くか話し合いして揉めてじゃんけんになった)晴海からの通話を切り勝った神、3名が椅子に座ったまま意識をカジノタワーのVIPルームのマスコットに意識を飛ばした…。

「お!来れた!晴海!綴!会いたかったぞ!」
「ですです!お招きありがとうございますなのです!」
「ご迷惑お掛けしないようにしますから…」
それぞれマスコットが人の形を取り3名の神…顔の認識が出来ない、声も変わらず同じで不思議だが自分たちを《アタラクシア》に喚んでくれた恩人だ、晴海は3名に飛び付いた。
「会いたかったよ!」
「おう!こっちもだ」
「元気で嬉しいなのです!」
「いつも見守っていますよ」
「僕も会えて嬉しいです、皆待ってますよ」
晴海を抱き留め、綴に言われ頷いた。

「お、来た来た」
「久しぶりだな」
「晴海くんのおかげでまた会えました!」
「色々用意したから楽しんでってー」
「やあ」
カジノエリアに降りて詠斗達も出迎えてくれる、千眼、千華、第9魔王とそして…序列第1位の魔王のニアに龍皇帝、妖精王のラピス、中々に壮観な面子に神々もいて壮観だった。
「今日は遊びに来ただけだからな、邪魔して悪いが気兼ね無く過ごしてくれよ」
「我々は今日をとても楽しみにしていたのです、みんなで楽しむなのです!」
「我々もまた貴方がたと同じ客…共に楽しませて下さい」
招待客がこれで全員揃う、ニジェルガがさざめくドラゴン達に片手を挙げ無言で頷く。
詠斗がグラスを神々に渡し、詠斗が乾杯の音頭を取る。
「今日は皆さん来てくれてありがとうございます、楽しんでいって下さい。カンパーイ!」
『カンパーイ』
グラスのぶつかる音が聞こえる、ドラゴンは順応性や適応力が高いせいかすんなり受け入れてくれる。

「うお、何々モギも遊ぶの?」
『……』
ドラゴン3名がトランプの神経衰弱の説明を聞いていると、いつの間にか隣にいたモギに驚く。
1回コイン1枚から最大5枚まで賭ける事が可能で、ゲーム終了時最もペアを集めた1位が賭けメダル×ペア数払い戻しされる、2位と3位は賭けたメダル+ペア数が払い戻しされ4位以降はメダル没収となる。
「へえ、おもしろ。俺はリースだやろうぜ」
『……』
ベルンがくれた給料を首から下げた巾着袋に入れたモギが風魔法でコイン5枚を卓に置く、リース…クリーム色の瞳と髪の八重歯が覗くドラゴンやその周辺のドラゴン達もコイン5枚を賭け、神経衰弱を始めた。

「メダル、これに変えられんの?すごいわ」
「どれどれ収納袋(時間停止)300コイン、ショルダーバッグ200コイン、ペアのグラスセット100コイン、モギのミルク(瓶 大)50コイン…すごいな、ショルダーバッグってのとミルクいいよな」
受付の隣のガラスケースに飾られたコインと交換可能な景品を繁々と数名のドラゴンが見ている、これからも増える予定と看板に書かれていた。
「よっしゃ、じゃあのトランプってのやるわ」
「俺はメダルゲーム行くか」
等々コインを景品に代えられるシステムも入れ、ドラゴン達は盛り上がって夢中で遊んでいる。

「あっ、負けてんのダサ」
「……もう1度」
「あいよ、次何枚賭ける?」
「5枚で」
ランダが黒ひげの樽からオモチャの剣を抜いてもう1度やり直す、ランダの卓には今ライガルとティスがいて黒ひげで遊んでいた。
1回目はライガルが負けてしまいコインは勝ったティスに行く、ティスは卓に頬杖を付いて笑うライガルはもう1度とコインを追加する、その隣の卓ではティータとゴーシュが黒ひげで遊んでいる、適当に入れ替えて遊んでいてたまたまティスとライガルが同じ卓になった…だけの事だが中々面白い。
「ちっ負けたわ」
「一緒ですね」
「ふん、おいババ抜き行こうぜ」
「分かりました」
先程ライガルから勝ち取ったコインがライガルに戻る、ティスは鼻を鳴らしてババ抜きでリベンジだと言わんばかりに移動した。

「あの2人少し距離が縮まりましたね」
「ま、楽しんでるなら良き良き。父親としては複雑?」
「いえ、あの子が笑っていてくれるならそれで良いんです」
「そう…あっ」
「勝ちましたね」
「あちゃー」
隣の卓でティスとライガルのやり取りを見ていた、ゴーシュとティータも黒ひげの樽にオモチャの剣を刺しながら離しているとゴーシュの番で頭が飛び出し互いに笑いあった…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜

ワキヤク
ファンタジー
 その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。  そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。  創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。  普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。  魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。  まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。  制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。  これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

お願いだから俺に構わないで下さい

大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。 17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。 高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。 本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。 折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。 それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。 これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。 有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

異世界無知な私が転生~目指すはスローライフ~

丹葉 菟ニ
ファンタジー
倉山美穂 39歳10ヶ月 働けるうちにあったか猫をタップリ着込んで、働いて稼いで老後は ゆっくりスローライフだと夢見るおばさん。 いつもと変わらない日常、隣のブリっ子後輩を適当にあしらいながらも仕事しろと注意してたら突然地震! 悲鳴と逃げ惑う人達の中で咄嗟に 机の下で丸くなる。 対処としては間違って無かった筈なのにぜか飛ばされる感覚に襲われたら静かになってた。 ・・・顔は綺麗だけど。なんかやだ、面倒臭い奴 出てきた。 もう少しマシな奴いませんかね? あっ、出てきた。 男前ですね・・・落ち着いてください。 あっ、やっぱり神様なのね。 転生に当たって便利能力くれるならそれでお願いします。 ノベラを知らないおばさんが 異世界に行くお話です。 不定期更新 誤字脱字 理解不能 読みにくい 等あるかと思いますが、お付き合いして下さる方大歓迎です。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

レジェンドテイマー ~異世界に召喚されて勇者じゃないから棄てられたけど、絶対に元の世界に帰ると誓う男の物語~

裏影P
ファンタジー
【2022/9/1 一章二章大幅改稿しました。三章作成中です】 宝くじで一等十億円に当選した運河京太郎は、突然異世界に召喚されてしまう。 異世界に召喚された京太郎だったが、京太郎は既に百人以上召喚されているテイマーというクラスだったため、不要と判断されてかえされることになる。 元の世界に帰してくれると思っていた京太郎だったが、その先は死の危険が蔓延る異世界の森だった。 そこで出会った瀕死の蜘蛛の魔物と遭遇し、運よくテイムすることに成功する。 大精霊のウンディーネなど、個性溢れすぎる尖った魔物たちをテイムしていく京太郎だが、自分が元の世界に帰るときにテイムした魔物たちのことや、突然降って湧いた様な強大な力や、伝説級のスキルの存在に葛藤していく。 持っている力に振り回されぬよう、京太郎自身も力に負けない精神力を鍛えようと決意していき、絶対に元の世界に帰ることを胸に、テイマーとして異世界を生き延びていく。 ※カクヨム・小説家になろうにて同時掲載中です。

家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。

3匹の子猫
ファンタジー
社智也とその家族はある日気がつけば家ごと見知らぬ場所に転移されていた。 そこは俺の持ちうる知識からおそらく異世界だ!確かに若い頃は異世界転移や転生を願ったことはあったけど、それは守るべき家族を持った今ではない!! こんな世界でまだ幼い子供たちを守りながら生き残るのは酷だろ…だが、俺は家族を必ず守り抜いてみせる!! 感想やご意見楽しみにしております! 尚、作中の登場人物、国名はあくまでもフィクションです。実在する国とは一切関係ありません。

処理中です...