あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第7部 異世界帰りの魔王様はチートで無双したりしなかったり~サラリーマンの1から始める異世界ビジネスプラン~

第18話 招待

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「では次はラウンジだね、行こうかな」
エレベーターに乗り込み上層へと向かう、《アタラクシア》の世界の人間にとっては全てが新しく、新鮮で異常で魔王という異質な存在すら凌駕する感覚に心奪われる。
この場にいる詠斗達以外の全ての者が、薄く笑む白い人形のような者を捉えていた。
誰も聞かない、聞けば藪をつつく事になる。
「うん、やっぱりいいね」
そんな周囲の気持ちを知ってか知らずか千歳が景色を眺めて満足気に笑う、率達にカウンターの棚に酒を並べて貰う。
「雰囲気がありますね」
ラジカが写真を撮る、円形のラウンジ360度の大パノラマの中で飲む酒は美味いだろう、誰もがそう思った、そんな気分にさせる所だった。
「ここは、酒と静かさか…つまみだな」
「目立たず気配りが出来る感じのスタッフと裏方で」
「メニューは軽食だけ酒はその時の気分てやつ、従業員の」
「大体の人員配置は決まったねー」
「後は研修は1日で後は招待状配りに行こうかなーナイルさんチグリス、ニジェルガさんで招待客は任せるよ」
「何人でも構わない」
「孤児院の子供達も招待しますから、よろしくお願いします」
『マスター綴』
「風早どうかした?」
『この建物のシステムを私に同期しても構いませんか?』
「お、いいんじゃない?面白いダンジョン作ってよ」
『承知致しました、期待に応えましょう』
スマホからの風早の呼び掛けに応える綴に乗る懐記、より面白くあればなんでもありだと懐記は思った。
「懐記君が良いのであれば、お願いします。風早」
『承知致しました、同期開始します』
特に変化はないが何かが起きているのは間違いない、綴の隣に千華が静かに立つ。
「面白いですね、綴さんのスキル。ここに魔王も遊べるダンジョンが出来ると聞きました」
「綴で良いですよ、すごい物が出来るようですね」
「ふふ…皆さんは本当にすごいです」
「千華さんも楽しんでください」
「はい」
千華と綴が微笑む、ナイル達は転移札で龍皇国に向かう。
大河と千歳と懐記とジラで酒の提供の仕方を教えていく、酒の割り方や酒によってグラスを変えたりと変化し目と舌を楽しませる。
「子供や酒飲めないタイプには果実水に凍らせた果物を入れて、透明なグラスに入れれば目を楽しませてくれる。酒はオール300ログ、他は200ログだ」
「え?安すぎでは?」
「こ、こんな酒とかここてしか飲めないぞ!」
「1000ログでも安い?」
「利益は取れますよ、ここの建物代と輸送コストがありませんから」
ざわざわと大河の説明のあまりの安さに周囲驚くがラジカが静かに答える、ざわつきは消え失せ静まり返る。
「うん、今日はここまで。明日は店のルールを説明するからよろしくね」
「おつかれさん」
千歳が締め懐記が労う、建物から出て炊き出しで食事を済ませる、給料も支払われ皆の顔色も良い、仕事をし遣り甲斐があるのは良い事だ。

「皆さん!この子をラシュさんに!」
「俺もモギさん達の彫刻が完成しました!」
アシューとサウがホーライルホーラスのファトとアリルと、黄金色の見事な馬を連れて向かって来た。
「きれー」
「わー」
「見事だな」
「よく、頑張ったね」
「寝てないだろ」
「ラー…ラシュさんやモギ達も喜んでくれるよ!」
「お疲れさまでした、少し休んで下さいね」
見事な馬を前に詠斗達が2人を労う、目の下の濃い隈と疲労感と達成感が2人の瞳を生き生きと輝かせる。
「今ラー…ラシュさんに連絡するから!2人は座って休んでて」
「飯食え、ミルクも」
「こっちはモギさんやハルさん達に」
「こちらも見事だね、少し待ってて呼んできます」
率がきゅうやモギ達を呼びに畑に戻る、ラージュは後もう少し掛かるとラインが来る。
もぐ!』『もぐっ』『もぉぐ』『ぴい』『きゅ!』『ぱしゃ』『……』『ぶるる』
「おーすごい喜んでるな」
「はしゃいでるね、良い物を作って貰えて良かったね。みんな」
「皆さん、感謝していますね」
出来上がりを見たハルやきゅうやモギ達が大層喜んでいると、懐記と千歳、千華が教えてくれる、サウもはにかんだ笑顔で頬を赤くする。
ハル達が果物を持っている可愛らしい彫刻、きゅうとふーが水面で遊ぶ彫刻にモギ達が草を食べたり座ったりしている姿、よくある風景を型どった鉱物の彫刻品にハル達も目を輝かせて見ている。
「とても喜んでいるよ、感謝しているね」
「あ、ありがとうございます。また彫ります、今度はファトやアリルも彫ります」
「少し待たせたかな、…これは見事な馬だ」
「ラシュさん、この子をよろしくお願いします」
「ああ、勿論だ。美しい毛並みだな、…ん、名はフューゲルとしよう」
「よろしく、ご主人って」
「ああ、よろしくシーゲル」
黄金色の毛並みをラージュが撫でる、寝ていないのだろう疲労が漂う、懐記がシーゲルの言葉を代弁して、食事をしていくよう伝える。
「そうしたいがすぐに戻らないと…やる事がある」
「そ、なら持ってって」
「助かる、アシューくん。これは礼だ、シーゲルを大事にすると君に誓う」
「はい!」
懐記から葉に包まれたサンドイッチを渡され、ラージュが川袋に入ったコインを渡し誓いを立てる、アシューは力強く頷いた。
「今度、シーゲルを連れてゆっくり来るとしよう」
「これ、カジノの招待状ね。近々オープンするからよろー」
「楽しみだ、戻る。また来る」
シーゲルを連れて転移札で城に戻る、ハル達も喜び沢山礼を伝え今日は畑に皆で戻る事にした。
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