あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第7部 異世界帰りの魔王様はチートで無双したりしなかったり~サラリーマンの1から始める異世界ビジネスプラン~

第2幕 第15話 激戦 

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一方封印解除チーム、千歳、千眼、ラピス、ラジカが主に千華の魔王の封印の解析、詠斗が神々と連絡を取りながらアドバイスを貰う、晴海がここを見れない神々の為に動画を撮影、大河、綴、率、懐記は護衛をしながらジラ達を見ている…。
「チグリスさん…滅茶苦茶してる…」
「あいつ…」
「ま、武器壊れたけど別なの出て来たわ」
「でも、通りましたね。成程質と量で押し切りましたね」
「1つ考えが浮かびました、行ってきます!」
戦いを見ていた綴が走り出す、この中で最も最強の魔法を所有するだその背を見送り護衛を続ける。
「なんなのだ!この封印!」
「これはぐちゃぐちゃだね」
「200年の代償か…」
ラピスが水晶の様な鉱物に手を入れる、闇色の球体を引き出すが外の空気に触れた途端闇色の鎖が出現し水晶に絡み付く上に紅い砂のような文字まで出現し鎖に纏わりつく。
「千華の魔王が自ら施した封印は最後だ、魔神の封印に何者かの封印と3重に重なり、挙句に呪い…違う呪いによく似た何か…」
「愛だね、愛と呪いは紙一重だという事を学んだよ」
「のんきだな!第4魔王!あっちがやられれば真っ先にお前たちにあの魔神がくるんだぞ!」
ラピスの説明に千歳が冷静に返す、千歳は封印を見分しつつ穏やかな笑みを浮かべる。
「やられないよ、彼らは勝つ」
「その通りだ…妖精王…こちらは封印を一刻も早く解く」
「分かった!まずはこの黒い魔石と鎖を取り払うぞ」
「それ、破壊魔法使ってみても良いかな?」
『……ちょっとまって』
調べもせずにいきなり破壊魔法を使いたがるとはやはり魔王かとラピスは止め、千眼は思い切りが良いのは良いが思考はチグリスと変わらない気もするなと思う千眼だった。

「まだ剣か…ナイルその剣貸せもう一回やる…今度はお前の魔法も乗せろ」
「耐えきれますかね?聖剣ですが…」
「二ジェルガ貸して…」
「やだ」
「皆さん、僕に1つ考えがあります。チグリスさん大河さんから剣貰ってきましたよ」
「ん…ここに全部おいて…」
ジラ、ラージュ、ラウラスが応戦している間チグリスが二ジェルガに剣を寄越せと手を伸ばし拒まれている所に綴が入り収納から《天空ダンジョン》のドロップ品の剣を置いた。
「ジラさん達1度こっちへ戻って下さい!僕に考えがあります」
「戻るわ」
ジラ達がすぐに戻る、疲労感は少ないが汗が流れ息が荒い。
「僕の魔法で動きを止めて彼を再封印します、今度は僕の魔法で…まずは千華さんの救出を最優先に、千歳さんの収納なら彼を入れられておけます。強すぎます彼は」
「…分かった、頼む綴」
この数舜でもすぐに狙いを千眼たちに向けるアシュアの足をジラが止めに行く、綴が腕をの出汁縛鎖魔法を発動させアシュアの動きを止めジラが距離を置く、鎖はアシュアが力づくで引き千切るが再び鎖を生み出す、魔力は無限にある綴が圧倒的に有利だ。
「うわ、なんつー魔法だあれじゃ身動きとれないな」
「ジラさん、水分補給をして下さい」
「さんきゅ、ついでに干し肉食っとくか」
「ジラ…」
「はいよ、水分とれよ」
「ん…」
一旦小休憩と水分や干し肉を齧り綴の魔法を見ている、ラージュは真っ直ぐにアシュアを見ている、まだ華奢な造りの身体、闇色に染まりきった髪と瞳、鎖が絡み付くのを無理に引き継ぎ牢ともがく姿に眉間に皺が寄る、何故彼が此処まで苦しまなければならないのか、早く楽にしてやりたい正気を戻せるのかは分からない、再度封印された後もう一度解放してもこのままなのか考える事は山ほどある。
「綴が楽にしてくれる、もう少しの辛抱だ。耐えるしかないな」
「…ええ、やっとやっとここまで来ました。平和な国を次代に託したいのです、呪いも遺恨も長く続く苦しみも王に降りかからない国を」
「そうか…」
ラージュの隣に二ジェルガ並ぶ、綴の鎖がアシュアの全身をくまなく覆うそれを固め千眼の水晶のような鉱物に変えて千歳の収納に入れる……突如アシュアの背中から黒い闇色の不可思議な翼が出現した。

「離れろ!綴!まずい…!傭兵王!綴を下げろ!」
「あれは…妖精の翼と何かが混ざっている」
「妖精の翼に近いぞ!危険だ!」
翼は綴の鎖を砕き大きく広がる、異変を感じた千眼がジラに綴を守るよう叫び、ジラが綴の前で剣を盾にした。
「綴さん!?」
「僕は大丈夫です!彼は本気を出していなかった…僕にもう一度チャンスを下さい!これ以上貴方に傷ついて欲しくない!」
「分かった、あの翼切り落とす。本気出すぞ聖剣、魔剣!」
右手に聖剣、左手に魔剣、鎧が盾に変わり宙に浮きながらジラの攻撃の邪魔にならないように守りに入る。
「加勢する!」
「俺も補佐します!」
「行くぞ!」
ジラが盾を踏み台にし飛ぶ、二ジェルガ、ラージュ、チグリス、ナイルも翼に攻撃を集中させ、ラウラスが中距離から魔力を込めたナイフを放ちアシュアの隙を僅かに作る。
「こちらも鎖と紅い砂の切り離しに成功したね。ふむ、愛と呪いと魔王どちらが上か試してみよう、鎖と砂を収納に吸い込んでみようか」
ラピスが絡まった糸を丁寧に外すのに似た作業を行い、紅い砂は宙を彷徨い水晶に絡む鎖が僅かに離れた。
「魔王ってこんなにイカれているのか?おかしいぞ?こんなものを自分の内に取り込むとかどうかしているぞ!はやくカタンとベルンとカルンとモギ達の所に帰りたいぞ」
「………おかしくても救えるならばそれでいい」
「千歳さんらしくもあり魔王めいた判断だと思いますよ」
「そう、ここまで来たからには後には引かないし手段も選ばないよ」
千歳が手を伸ばしまず紅い砂を収納する、破壊しようとした時とは違い何も起きずに収納が完了し鎖も収納、黒い玉は千眼が持つとの事なので譲った。
「これで、後は千華の魔王の封印だけだ。力を魔神に吸収されていたから自分の封印を解けないようだぞ。ほら、お待ちかねの破壊魔法の出番だぞ!」
「やっとこの魔法の遣い道があって良かったよ、では」
水晶に千歳が手を当てるひんやりとした感触に、千華の魔王の救出を願い破壊魔法を発動させた。
バキバキとヒビが入り水晶が割れる閉じ込められていた千華の魔王が解放されて、千歳の腕に倒れ込む。
「会いたかったですよ、千華の魔王…」
「私もだ…久しぶりだな…」
「ああ…会いたかったです、ごめんなさい…」
「そこはありがとうでの方が嬉しいですよ」
「はい…ありがとうございます、千歳、千眼…」
金と銀と白で出来たような存在、琥珀色の瞳に砂金を散らした瞳に陶器のような白い肌に銀の髪、美しいという言葉が良く似合う…がここで終わりといういう訳にはいかなかった…。
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