あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
上 下
202 / 867
第7部 異世界帰りの魔王様はチートで無双したりしなかったり~サラリーマンの1から始める異世界ビジネスプラン~

第2幕 第13話 4日目 

しおりを挟む
「ラージュっち少し痩せた?」
「ん?ああ、少し仕事を処理するのに寝食を削ったせいだな。お陰で戦時中位の軽さには戻ったから動きやすい…それもよりも…」
ラージュも合流し出したテーブルに皆とカツカレーとサラダにスープを並べ食べ始めれば、ラージュの向かいにいる懐記が尋ねた。
「龍皇国は実際皇帝がする仕事は少ないからな時間はある」
「補佐官の皆さんが優秀な方々なので」
「ん…ダメなのは料理位だ」
「そうすけどー」
「なるほど、それは羨ましい」 
「ラージュっち、明日本番だから今日は早く風呂入って休めば?」
「そうだな」
「皆で行こうよ!」
皆カレーをおかわりしながらわいわいと話が弾み盛り上がる、その後畑に戻り風呂へ向かいラージュが驚きながら入りそして今日は車内泊でまた映画鑑賞とトランプをして過ごす。

「残ったな」
「このゲーム中々奥が深い」
ニジェルガが薄く笑い手札のカード2枚をラージュに向ける、ラージュは真剣に選ぶ右側を引き抜き手元に並べニヤリと笑って手札のトランプをカードの山に置いた。
「負けてしまったな」
「このババ抜きというゲーム面白い、この映画と言うものも。大河達の世界は面白いものが沢山あるなあ」
「そうですね、恵まれている世界ですね」
「そうか…」
「皆そろそろ休もうか」
「私は本を読みに戻る…おやすみ」
「明日、ラピスを連れて来てくれ」
「わかった…」
「妖精王まで引き入れるとはな」
「大河達はすごいな」
千眼を見送り、ラージュもニジェルガも妖精王ラピスをこちらに引き入れた事に関心を寄せる。
「向こうからきたようなものだなあれは」
「たしかにーでもかわいいよ!ラピス」
晴海が朗らかに笑う、布団を敷いて適当に広がり布団に入る、風早が気を効かせて癒し系の音楽を掛けてくれ眠りに就いた…。

「やっとやっと愛しい方…貴方に会える…200年…私でも長い…そして兄弟達…」
とある場所の地下…巨大な水晶のような魔石に映るこの世界に存在しない乗り物車を見て嗤う、低く何処か哀しげな響きの笑い声。
「楽しみしましょう、貴方と私の再会を…舞台も主役も観客も脚本も全ては私の手の中です…」

「きゅう…散歩に行くか?」
『きゅ』
「そうか…」
テントにいるのは千眼ときゅうとふーのみ、静かな空間で本を捲る、なるべく明るめな内容の物を選び読んでいた、きゅうに森への散歩を誘う物のゆっくり首を横に振られ千眼も気
にせず再び本に目を向ける。
『きゅ』
「ああ…必ず取り戻す」
千眼がそっときゅうの頭を撫でる、明日いやもう今日…200年越しに決着が決まる、皆の力を借り協力し今ここにいる、何が起きても彼らとなら越えられる、千眼はそう信じている…。

「ラピスフォルカートルゾニアだ!ラピスと呼べ!」
「6色虹眼か…間違いなく、妖精王だな。余はニジェルガ・ラオス・バーミルガー・ハゼウォンだ」
「私は《ロメンスギル国》王、ラージュ·デイル·アストリガー·ロメンスギルと申します。お会い出来光栄です」
率の膝の上でふんぞり返るラピス、先程千眼が連れて来てからずっと偉そうにしている。
『後2時間程で《ベストレア山脈》の麓に到着します、神々の助力によりそこまでの走行が可能となりました。現在吹雪の為に外の視界は不良です、食事は車内をお勧めします』
「ありがとうございます、風早。少し先で停車し朝兼昼食にしましょう」
『了解』
「神々からの助力で状態異常無効…寒さを感じずに済むのはありがたいな、服や鎧もなるべく軽量で挑みたい」
「ラピス…千華の結果…向こうの妖精絡みの攻撃はお前に対処を頼む…」
「まかせろ!どんな結果でも解除するぞ!俺はすごいぞ!」
現在外は猛吹雪、目まぐるしく変わる天候を風早は物ともせず走らせていく、懐記とラウラスが食事を出してくれる、温かいミルクスープにサンドイッチやホットドッグにおにぎり、卵焼きに漬け物、唐揚げや肉串に果物を広げ各自食べたい物を食べて貰う。
「美味しい!」
「スープも具沢山で…」
「沢山食べて挑もう」
決戦前の最後の食事を皆緊張を隠し食べ進む、準備は出来ている後は千華の魔王を救い、魔神…アシュアと戦いその先は……。
「まずは山登りだな」
「今は吹雪の為近距離の視界しか分かりませんが、どれほどの険しい山なのかは遠くから見るのと近くから見るのとでは違いますからね」
おにぎりを食べながらジラとラジカが話す、大河と綴が交代で食事を摂る。
「モギのミルクおかわり!」
「はい、どうぞ」
ラピスがコップをナイルに差し出しナイルが注ぐ、もう間も無く風早での道程がゴールを向かえる。
『ここから先は私で行く事が出来ない場所です、皆様ご武運を引き続きマスター綴のスマートフォンにてサポートを行います』
「ありがとうございます、風早」
「助かった、風早。準備が整い次第出るぞ」
「俺はいつでも!」
「僕もです!」
「俺も!」
「片付け終わったから行ける」
「いつでも構わないよ、風早君ありがとう」
詠斗達が礼を伝え全員頷き、風早から出て聳える《ベストレア山脈》に挑む…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~

かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。 望んで召喚などしたわけでもない。 ただ、落ちただけ。 異世界から落ちて来た落ち人。 それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。 望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。 だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど…… 中に男が混じっている!? 帰りたいと、それだけを望む者も居る。 護衛騎士という名の監視もつけられて……  でも、私はもう大切な人は作らない。  どうせ、無くしてしまうのだから。 異世界に落ちた五人。 五人が五人共、色々な思わくもあり…… だけれど、私はただ流れに流され……

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

処理中です...