あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第6部 移動は常にマイホームと共に 渡る世間は家さえあればなんとかなる

26 教室と宴会

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「では、パンとパティ作り始めます。皆さん先生のお話しを聞いて楽しみましょう」
『はーい』
貴族屋敷の大厨房にて《ガルディア》の住人、孤児院の子供達と先生、店のスタッフ大人数がいてもさほど窮屈さは感じない大厨房に予め必要な道具を運び込み、カルや千眼に追加で作成して貰った電子レンジやオーブンなども設置し中々な物となった。
各自まずはパンを作るチームとパティを作るチームに分かれ、孤児院で作って貰っていたエプロンを付けて貰う。
「これ、服汚れなくていいね!」
「今着用しているものは皆さんに差し上げます、孤児院で制作しここで販売しますよー」
綴が皆に伝える、型紙と見本を作り皆で作った物だ。
ポケットを作りパッチワークで作った物や、男性でも使いやすい単色の物や華やかな生地で作った物など同じ生地が何枚も入手しづらい分一点物に近いエプロンになっている。
「よし、始めるぞー!」
『はーい』
ナットのかけ声で始まっていく使い勝手も良さそうだと、詠斗、綴、率もフォローに入っていく。

「ラージュさんとユナイドさん!」
「ああ、今日は誘ってくれてありがとう…ホーライルホーラスじゃないのか?あれ…」
「何がいても不思議はないと思いますよ、皆さんどうも楽しみにしてました。ズィーガー支配人やフォークナー殿に会うのも久し振りですから。張り切って仕事を片付けて来ました」
外では宴会の準備を大河、晴海、懐記が率先して行う、ラージュとユナイドも転移札を使い訪れた。
「これ、酒飲んでくれ」
「気を遣わなくてもいいのにー」
「良いんだ、後で飲もう」
「ラシュさん!」
「ライル!」
ラージュの姿を見つけた、カーライル…ライルが嬉しそうに駆けよる、血色も良くなり走り回れる程回復したライルを両腕で抱き止めたラージュの顔も綻ぶ。
「今、アシューさんに絵を描いて貰おうとしていたんです!ラシュさん…一緒に…」
「ああ、行こう」
「はい!」
もじもじとしながらもラージュを誘うライルと手を繋ぎ、ホーライルホーラスとハル達がいる方へ向かう、今日はいつも店で手伝いをしている子供達は外で宴会の手伝いを行い、交代交代で遊び回っている。
アシューとサウの側にはベルンやカタンもいて、皆でアシューやサウから絵や木彫りなど教わったり作って貰ったりしていた。
「タイガ殿!酒じゃー酒酒!」
「さっき大量に渡した」
「もっとじゃ!」
「おくれ!」
「宴宴!」
「宴会始まったら渡す、それまで水と茶でも飲んでろ」
『えー』

「大河、晴海、懐記」
「あ、ニジェルガさん!カラクさん!」
詠斗に声を掛けて来たのはニジェルガ、その後ろにカラクとカラクの兄だろうか良く似た青年が並び、カラクは何処か居心地悪そうにしていた。
「これは、酒と果物と肉だ。後で皆と食べると良い」
「わ、こんなに!」
「へぇ、うまそ」
カラクが樽とその隣の青年が籠に入れた果物と、葉に包んだ肉の塊を詠斗に渡した。
「いつも孫と息子が世話になっているようで、是非これを…」
蒼緑の髪と宝石のように輝くエメラルドの瞳で柔らかく笑う、大河も晴海も孫と息子という言葉に疑問を浮かべた。
「カクラ、ドラゴンの人型では判断が付きにくいのだろう」
「そうでしたな、私はカクラと申します。カラクの父親でカタンの祖父ですな」
「へぇ、俺は懐記」
「大河…」
「俺は晴海!」
ナイデルやアルケールで慣れたと言えば慣れたが驚きはする、カラクは父親までいるのでやはり落ち着かなさそうにしている。
「ぱぱーおじーちゃんへーかー」
カタンとベルンが3人の姿を見付けとてとて歩いてくる、カラクとカクラが駆けよっていく。
「暫く見ぬ間に少し大きくなったな!」
「うんーおじーちゃん、ぱぱーへーかーあっちで絵をかいてくれるからいこー」
「は、初めまして!ベルンと言います」
「話しはカラクから聞いた、カタンと暮らしているそうだな。ありがとう、私はカクラと言うよろしく」
「は、はい!」
「いこー」
カタンを抱き上げたカクラがベルンに礼を言うとベルンが顔を赤くしている、礼等はミルクを売る時に言われるがカクラの声は何処かくすぐったい。
「こちらで準備しとくから、時間まで適当にやっててくれ」
「そうか、ならカタンと行くとしよう。後程手伝おう」
「ああ」
ニジェルガ達はアシュー達の所へ行き大河達は肉に串やキノコを刺していく、ズィーガー達やエッジ達にフォークナーも合流し《ズィーガー商会》はちょっとした会議を茶を飲みながら行い、キャサナやウール達は縫い物等の話し、クローダーと弟も訪れ蜂蜜酒と蜂蜜を差し入れに貰った。
「今度私の一族の長が《トイタナ》に来るのでお会いして頂けますか?飴の礼が言いたいとの事なので」
「ああ、詠斗くんに伝えておこう。今日は沢山食ってってくれ」
「お手伝いします、あそんどいで」
「うん!」
「教室に行くようになってからとても明るくなりました」
クローダーが弟に伝えれば嬉しそうに子供たちの方に駆けていき、クローダーは肉串を作る手伝いをする。
「そうか」
「良かったね!」
「はい」
黙々と肉串を刺す、懐記はミルクスープを作った後は人に混ぜるのを任せ、今度は鉄板でパンケーキを作るのに生地を混ぜていく、飲み物も菓子水、お茶、酒などを用意する。
「後はソーセージも焼いて、野菜も焼くか」
「魚は串焼きと揚げるんだろ?」
「ギュロリ貝もいつでも焼けますよー」
オリガ、ラドゥも鉄板の準備をする、慣れた物で芋の皮も剥いてフライドポテトの準備もしている。
「オッケー」
「俺、ナイルさんからクッキーとドーナツ貰ってくるー」
「ああ」
ナイルから来たラインを見て晴海が畑に転移する、皆見て見ぬ振りが暗黙のルールとなっている。
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