159 / 867
第6部 移動は常にマイホームと共に 渡る世間は家さえあればなんとかなる
15 仮設住宅?(仮住宅?)
しおりを挟む
「おはようございます。懐記さん、千眼さん」
「おはようございます」
「おはよ、バルっちとカイネっちじゃん。店は?」
「今日はお休みです、昨日詠斗さんから《ガルディア》の貧民街で炊き出しするからと聞いたのでお手伝いに。孤児院の子達やモッカさんアルケールさん達もお手伝いしてくれるそうです」
畑で朝食の準備を始めていると、転移札を使ってバルタルとカイネが手伝いに来てくれた。
「懐記さん今日はどんな料理を教えてくれますか?」
「あー2人ともその前にあそこで千ちゃんと一緒にお茶して、はまっちゃたみたいだから。今日は朝は味噌汁と飯とベーコンに目玉焼きとサラダに、んー焼き魚か。チャーシュー丼でもいいか」
『はまった?』
カイネとバルタルが顔を見合せ千眼の方へ行くと、何やら誰かと話しをしているしかも熱心に。
「小豆!主のスキルに小豆をいれて…育てる…今!」
ちょうど通話を切った千眼がカイネとバルタルを見る、綺麗な顔だが今日はいつもと違う迫力があった。
「2人とも…朝食の準備の前にこれを…茶も淹れる…私のおすすめはほうじ茶も捨てがたいが緑茶の濃い目だ」
「あ、はい。それで…」
「俺もおすすめで…」
「おはよー」
「おはようございますー」
「おはようございます」
「おはよぉ」
「おはようございます、懐記さん千眼さん、バルタルさんとカイネさん」
「はよー」
「おはようございます」
テントから詠斗、率、綴、晴海、ナイル、ラジカ、ジラが出てくれば先に千眼に捕まる。
「千ちゃんに付き合ってやって」
『え?』
「おはよう…緑茶にする?ほうじ茶にする?」
「あ、これもしかして…俺は緑茶冷たいの!」
「ようかん!俺あったかいほうじ茶」
「あ!最中もありますよ!小さいの!僕は緑茶の濃い目の温かいのでお願いします」
「どら焼も!僕はほうじ茶の冷たいの飲みたいです!」
「黒いのと?何これ?お菓子?へえ、俺はミルク」
「異界のお菓子ですか?興味深い、昨日飲んだ紅茶の温かいで」
「これ、雑誌でみました!私は緑茶の温かいので!」
わいわいがやがやと千眼が嬉しそうに茶を沸かす、詠斗達も羊羮や和菓子を見て嬉しそうにはしゃいでいた。
「羊羮か…まさかここで食べられるとはな…」
「おかわり…ほうじ茶…」
「おいしいです」
大河達も合流し朝食後の羊羮とお茶に舌鼓を打つ、久し振りの小豆の甘さに目を細める。
「千眼さん、ハル達に手伝って貰ってすごい勢いで小豆の種植えてる…しかもスーパーで売ってるまんまだから、煮れば食べられるし…」
「今日は小豆ご飯も炊いてみるって…」
「楽しみですね…」
「おーい、そろそろ《天空ダンジョン》いくぞー」
「ああ…ハル…ナツ…アキ…ウィン…頼む」
『もぐ!』『もっぐ』『もぐぅ』『ぴい』
ジラに呼ばれアキ達に後を託し今日の予定毎にチームに分かれる、《天空ダンジョン》チーム 綴、ジラ、千眼、ナイル、チグリス 《ガルディア》のチーム詠斗、大河、率、晴海、ラジカ、バルタル、カイネ、ニアとルオとネオは1度孤児院で手伝いをピックアップし食材を置いて向かう。
「今日は千ちゃんが小豆飯をやるから、今夜は餃子にする?ラーメンとかもまた出そうか?後は野菜炒めとスープとか?」
『餃子!?』
一同騒然であるラーメンに続き餃子しかも野菜炒めまで、しかもラーメンまで付けてくれるとは。
「え!?出来るの!」
「餃子…餃子…」
「餃子…」
「食べたいです、懐記君!」
「餃子!」
詠斗、大河、率、綴、晴海の思考が停止する、懐記は飄々と頷く。
「皮は作って、肉はまたカークとエンフから貰うし。ニラとチューブニンニクはあるから出来る。あと、孤児院に赤ん坊いるんだっけ?」
「いますよ、あまり寝ない子だと院長先生がいってました」
「そう、ならこれあげる。俺が子供の頃使ってたベビーベッドとベッドメリー。おじいちゃんが父さんが産まれた時に作ったやつ、俺も使ってたから」
収納から出して来たのは分解されたベビーベットと、木製の星や月、太陽に丁寧に色を付けたベッドメリーをドライバーで組み立てればすぐにベビーベッドが完成した。
「素敵なベッドですね」
「器用な人だったから、持ってって」
「ありがとう!懐記!」
「んー。大河っち向こう着いたら呼んで、あそこの家もうヤバいから俺の空き家出すわ。無限に増えるし、仮の家的な?仮設住宅?仮住宅?」
「ああ、分かった。皆喜ぶな、後で呼ぶ」
皆それぞれの役割りに向かい、懐記は餃子の皮作りを始めた。
「院長先生も子供達もベビーベット喜んでましたね」
カイネ達も食材を院長に渡し手伝いの子供達と炊き出しを行う、貧民街の住人も手伝い総出で行う。
アルケールやナイデル、モッカ達は幼い子供達の相手をしアゲイルやレグは住人達の健康を見て薬草を煎じたりと大忙しだった。
「懐記さんが教えてくれたすいとんは沢山作れて具も何でも合う」
「美味しいしね」
大人数に配るなら数は1種類にして沢山作れて、バランスも良い物をバルタルが懐記から教わってくる、野菜を切り子供達が小麦粉を水と塩で混ぜた物をちぎっていった、貧民街の子供達も混じって手伝いをしている、子供は馴染むのが早い。
「おかわりもありますし、果物もありますから」
皆静かに並ぶ昨日とは違い顔は生き生きとしてしている、詠斗、大河、ニアがランダと共に周辺の住居を見て回りやはりどこもかしこも危ないと新しい家があるなら潰して構わないと住人達も話が出た。
すいとんを受け取り食べながら、皆に荷物を回収して貰った後解体と言う話しになった。
「うめぇ!」
ランダが豪快に胃に流し込む、他も皆食べ終わったので荷物を纏めて来るように伝え懐記を呼びに大河が向かう。
「この餃子って難しいな!」
「ふふん、俺は綺麗に出来た!」
「まだまだ皮作るから、沢山包んでよ」
「懐記くん、準備出来たぞ。カークとエンフも来てたのか」
畑ではカークとエンフが餃子の皮を包み、手を白くしている懐記が皮を綿棒で伸ばしている所だった。
「よ、大河。昨日チャーシューすごいみんな喜んでだぞ!」
「追加の鍋や調味料を貰いに来たらまた新しいの作ってるから教わってる!」
「今、行く。あと頼むわ」
『オッケー』
カークとエンフに見送られ、《ガルディア》に向かった。
「更地にしていいの?本当に?」
「ああ!たのむ!」
畑を作るスペースを確保し、皆が少ない荷物中には何も持たない物達もいる位だ、皆がそれだけ生活に余裕がないのだろう。
貧民街の住民達に見届けられながら、風魔法で瞬く間に家が木の板に戻り、ボロ布やゴミすらもあまりない、それを燃やし瞬く間に更地になった。
「話した通りここの家族のいない子供達は孤児院で引き取る、いつでも会えるからな」
「ああ!しっかり色々学べよ!」
およそ14,5人程の子供達は《トイタナ》の孤児院に引き取る手筈を整え、いつでも行き来出来るように院長に晴海が転移札を沢山渡した。
「じゃ、160軒分出すわ」
「ああ、皆離れとけ」
等間隔に更地になった土地に、懐記の家のオマケで付いて来た空き家をどんどん出していった。
「こ、こんなすごい家本当に貰っていいのか?」
「もち、使い方説明するから分かれて入って」
詠斗達がそれぞれ何名かを連れて説明する、照明は魔力をスイッチに注いで点ける、それで部屋に魔力が伝わり水道やお湯等も使えるようになりお風呂やトイレの使い方を説明した。
「これは仮の家だからカジノが出来ればその上に部屋を用意する、家は好きな所を選んでくれ」
「最初に魔力を注いだ人の持ち物になるらしい、便利ー。誰かと使いたければ魔力を一緒に注いでくれればいいから」
戸惑いながらも皆好きな場所の家を住居とし、空き家に洗濯機を何台かと洗剤を置いて無料のコインランドリーとして解放する事にした。
「綺麗に使ってね、石鹸やシャンプーを配るよー」
「服とかもあります、順番に持ってって。タオルも」
1人1人に最低限の生活必需品と使い方の説明も行っていると、フォークナーとその部下らしい《ズィーガー商会》の面々が台車に食料等を積んで訪れた。
「こ、これは!?」
フォークナー達が口をあんぐりと開けて家を見ている、今にでも崩れそうな家が並んだ街が1日というか数時間で立派な家が並ぶ居住区に変わったのだ夢のような話しこの目で確かめなければ誰が信じようか。
「詠斗さん達!この家は一体!…コホン失礼しました。こちらは我々《ズィーガー商会》からです。支配人に連絡した所こちらをと言う事でしたので」
「ズィーガーさんから?」
「悪いな」
「ありがとうございます!」
「ありがとー」
「へぇ」
余計な詮索はしないようにと言葉を思いだし踏みとどまる、食料の乗った台車を受け取りランダが皆と話し合いをし食料の分配を行う。
「さっそくだが、今《トイタナ》で店をやっている。パン屋や焼き菓子などの手伝いの仕事。そのうち貴族屋敷で大規模な飲食店を始めるからそれに向けての仕事もある。それと裁縫関係《ズィーガー商会》での手伝いや巾着袋の手伝い。《エットナ》の《ズィーガー商会》でのナップサック作りの補助。未経験歓迎だ」
「ここのカジノで働くなら接客と飲食関係で働いといてー。数字使うから」
大河の募集に懐記が捕捉しガヤガヤと、飲食、カジノ、裁縫と話が出てくる。
「俺はもちろん、カジノだ!」
屈強な元冒険者やランダはカジノ、女性は飲食と裁縫半々、老人達は座って出来る裁縫を選び明日から働くとの事なので裁縫を選んだ人々はフォークナーにどこの所属にするか決めて貰う。
「あ、あの俺字が読めない、それに計算も…でもここでカジノで働きたい」
「私もー」
「おれもー」
いくつかそう言う声が上がったので、孤児院達の教室に通う事を勧め声を上げた面子は《トイタナ》の店で働きながら学ぶ事にした。
「裁縫の方の給料は《ズィーガー商会》でお支払いしますのでその方々は私のところへ」
「それ以外は《アウトランダーズ商会》で支払う。給料は今は働いた時間分で支払う。必ず7日で2日以上の休みを取る事、1日8時間迄の労働とする」
『はい!』
「ランダ明日から日替わりで10名ずつ店に行くから、選出してくれ」
「了解!」
細かい話しが進む、皆生き生きとした目で真剣に聞いていた。
「おはようございます」
「おはよ、バルっちとカイネっちじゃん。店は?」
「今日はお休みです、昨日詠斗さんから《ガルディア》の貧民街で炊き出しするからと聞いたのでお手伝いに。孤児院の子達やモッカさんアルケールさん達もお手伝いしてくれるそうです」
畑で朝食の準備を始めていると、転移札を使ってバルタルとカイネが手伝いに来てくれた。
「懐記さん今日はどんな料理を教えてくれますか?」
「あー2人ともその前にあそこで千ちゃんと一緒にお茶して、はまっちゃたみたいだから。今日は朝は味噌汁と飯とベーコンに目玉焼きとサラダに、んー焼き魚か。チャーシュー丼でもいいか」
『はまった?』
カイネとバルタルが顔を見合せ千眼の方へ行くと、何やら誰かと話しをしているしかも熱心に。
「小豆!主のスキルに小豆をいれて…育てる…今!」
ちょうど通話を切った千眼がカイネとバルタルを見る、綺麗な顔だが今日はいつもと違う迫力があった。
「2人とも…朝食の準備の前にこれを…茶も淹れる…私のおすすめはほうじ茶も捨てがたいが緑茶の濃い目だ」
「あ、はい。それで…」
「俺もおすすめで…」
「おはよー」
「おはようございますー」
「おはようございます」
「おはよぉ」
「おはようございます、懐記さん千眼さん、バルタルさんとカイネさん」
「はよー」
「おはようございます」
テントから詠斗、率、綴、晴海、ナイル、ラジカ、ジラが出てくれば先に千眼に捕まる。
「千ちゃんに付き合ってやって」
『え?』
「おはよう…緑茶にする?ほうじ茶にする?」
「あ、これもしかして…俺は緑茶冷たいの!」
「ようかん!俺あったかいほうじ茶」
「あ!最中もありますよ!小さいの!僕は緑茶の濃い目の温かいのでお願いします」
「どら焼も!僕はほうじ茶の冷たいの飲みたいです!」
「黒いのと?何これ?お菓子?へえ、俺はミルク」
「異界のお菓子ですか?興味深い、昨日飲んだ紅茶の温かいで」
「これ、雑誌でみました!私は緑茶の温かいので!」
わいわいがやがやと千眼が嬉しそうに茶を沸かす、詠斗達も羊羮や和菓子を見て嬉しそうにはしゃいでいた。
「羊羮か…まさかここで食べられるとはな…」
「おかわり…ほうじ茶…」
「おいしいです」
大河達も合流し朝食後の羊羮とお茶に舌鼓を打つ、久し振りの小豆の甘さに目を細める。
「千眼さん、ハル達に手伝って貰ってすごい勢いで小豆の種植えてる…しかもスーパーで売ってるまんまだから、煮れば食べられるし…」
「今日は小豆ご飯も炊いてみるって…」
「楽しみですね…」
「おーい、そろそろ《天空ダンジョン》いくぞー」
「ああ…ハル…ナツ…アキ…ウィン…頼む」
『もぐ!』『もっぐ』『もぐぅ』『ぴい』
ジラに呼ばれアキ達に後を託し今日の予定毎にチームに分かれる、《天空ダンジョン》チーム 綴、ジラ、千眼、ナイル、チグリス 《ガルディア》のチーム詠斗、大河、率、晴海、ラジカ、バルタル、カイネ、ニアとルオとネオは1度孤児院で手伝いをピックアップし食材を置いて向かう。
「今日は千ちゃんが小豆飯をやるから、今夜は餃子にする?ラーメンとかもまた出そうか?後は野菜炒めとスープとか?」
『餃子!?』
一同騒然であるラーメンに続き餃子しかも野菜炒めまで、しかもラーメンまで付けてくれるとは。
「え!?出来るの!」
「餃子…餃子…」
「餃子…」
「食べたいです、懐記君!」
「餃子!」
詠斗、大河、率、綴、晴海の思考が停止する、懐記は飄々と頷く。
「皮は作って、肉はまたカークとエンフから貰うし。ニラとチューブニンニクはあるから出来る。あと、孤児院に赤ん坊いるんだっけ?」
「いますよ、あまり寝ない子だと院長先生がいってました」
「そう、ならこれあげる。俺が子供の頃使ってたベビーベッドとベッドメリー。おじいちゃんが父さんが産まれた時に作ったやつ、俺も使ってたから」
収納から出して来たのは分解されたベビーベットと、木製の星や月、太陽に丁寧に色を付けたベッドメリーをドライバーで組み立てればすぐにベビーベッドが完成した。
「素敵なベッドですね」
「器用な人だったから、持ってって」
「ありがとう!懐記!」
「んー。大河っち向こう着いたら呼んで、あそこの家もうヤバいから俺の空き家出すわ。無限に増えるし、仮の家的な?仮設住宅?仮住宅?」
「ああ、分かった。皆喜ぶな、後で呼ぶ」
皆それぞれの役割りに向かい、懐記は餃子の皮作りを始めた。
「院長先生も子供達もベビーベット喜んでましたね」
カイネ達も食材を院長に渡し手伝いの子供達と炊き出しを行う、貧民街の住人も手伝い総出で行う。
アルケールやナイデル、モッカ達は幼い子供達の相手をしアゲイルやレグは住人達の健康を見て薬草を煎じたりと大忙しだった。
「懐記さんが教えてくれたすいとんは沢山作れて具も何でも合う」
「美味しいしね」
大人数に配るなら数は1種類にして沢山作れて、バランスも良い物をバルタルが懐記から教わってくる、野菜を切り子供達が小麦粉を水と塩で混ぜた物をちぎっていった、貧民街の子供達も混じって手伝いをしている、子供は馴染むのが早い。
「おかわりもありますし、果物もありますから」
皆静かに並ぶ昨日とは違い顔は生き生きとしてしている、詠斗、大河、ニアがランダと共に周辺の住居を見て回りやはりどこもかしこも危ないと新しい家があるなら潰して構わないと住人達も話が出た。
すいとんを受け取り食べながら、皆に荷物を回収して貰った後解体と言う話しになった。
「うめぇ!」
ランダが豪快に胃に流し込む、他も皆食べ終わったので荷物を纏めて来るように伝え懐記を呼びに大河が向かう。
「この餃子って難しいな!」
「ふふん、俺は綺麗に出来た!」
「まだまだ皮作るから、沢山包んでよ」
「懐記くん、準備出来たぞ。カークとエンフも来てたのか」
畑ではカークとエンフが餃子の皮を包み、手を白くしている懐記が皮を綿棒で伸ばしている所だった。
「よ、大河。昨日チャーシューすごいみんな喜んでだぞ!」
「追加の鍋や調味料を貰いに来たらまた新しいの作ってるから教わってる!」
「今、行く。あと頼むわ」
『オッケー』
カークとエンフに見送られ、《ガルディア》に向かった。
「更地にしていいの?本当に?」
「ああ!たのむ!」
畑を作るスペースを確保し、皆が少ない荷物中には何も持たない物達もいる位だ、皆がそれだけ生活に余裕がないのだろう。
貧民街の住民達に見届けられながら、風魔法で瞬く間に家が木の板に戻り、ボロ布やゴミすらもあまりない、それを燃やし瞬く間に更地になった。
「話した通りここの家族のいない子供達は孤児院で引き取る、いつでも会えるからな」
「ああ!しっかり色々学べよ!」
およそ14,5人程の子供達は《トイタナ》の孤児院に引き取る手筈を整え、いつでも行き来出来るように院長に晴海が転移札を沢山渡した。
「じゃ、160軒分出すわ」
「ああ、皆離れとけ」
等間隔に更地になった土地に、懐記の家のオマケで付いて来た空き家をどんどん出していった。
「こ、こんなすごい家本当に貰っていいのか?」
「もち、使い方説明するから分かれて入って」
詠斗達がそれぞれ何名かを連れて説明する、照明は魔力をスイッチに注いで点ける、それで部屋に魔力が伝わり水道やお湯等も使えるようになりお風呂やトイレの使い方を説明した。
「これは仮の家だからカジノが出来ればその上に部屋を用意する、家は好きな所を選んでくれ」
「最初に魔力を注いだ人の持ち物になるらしい、便利ー。誰かと使いたければ魔力を一緒に注いでくれればいいから」
戸惑いながらも皆好きな場所の家を住居とし、空き家に洗濯機を何台かと洗剤を置いて無料のコインランドリーとして解放する事にした。
「綺麗に使ってね、石鹸やシャンプーを配るよー」
「服とかもあります、順番に持ってって。タオルも」
1人1人に最低限の生活必需品と使い方の説明も行っていると、フォークナーとその部下らしい《ズィーガー商会》の面々が台車に食料等を積んで訪れた。
「こ、これは!?」
フォークナー達が口をあんぐりと開けて家を見ている、今にでも崩れそうな家が並んだ街が1日というか数時間で立派な家が並ぶ居住区に変わったのだ夢のような話しこの目で確かめなければ誰が信じようか。
「詠斗さん達!この家は一体!…コホン失礼しました。こちらは我々《ズィーガー商会》からです。支配人に連絡した所こちらをと言う事でしたので」
「ズィーガーさんから?」
「悪いな」
「ありがとうございます!」
「ありがとー」
「へぇ」
余計な詮索はしないようにと言葉を思いだし踏みとどまる、食料の乗った台車を受け取りランダが皆と話し合いをし食料の分配を行う。
「さっそくだが、今《トイタナ》で店をやっている。パン屋や焼き菓子などの手伝いの仕事。そのうち貴族屋敷で大規模な飲食店を始めるからそれに向けての仕事もある。それと裁縫関係《ズィーガー商会》での手伝いや巾着袋の手伝い。《エットナ》の《ズィーガー商会》でのナップサック作りの補助。未経験歓迎だ」
「ここのカジノで働くなら接客と飲食関係で働いといてー。数字使うから」
大河の募集に懐記が捕捉しガヤガヤと、飲食、カジノ、裁縫と話が出てくる。
「俺はもちろん、カジノだ!」
屈強な元冒険者やランダはカジノ、女性は飲食と裁縫半々、老人達は座って出来る裁縫を選び明日から働くとの事なので裁縫を選んだ人々はフォークナーにどこの所属にするか決めて貰う。
「あ、あの俺字が読めない、それに計算も…でもここでカジノで働きたい」
「私もー」
「おれもー」
いくつかそう言う声が上がったので、孤児院達の教室に通う事を勧め声を上げた面子は《トイタナ》の店で働きながら学ぶ事にした。
「裁縫の方の給料は《ズィーガー商会》でお支払いしますのでその方々は私のところへ」
「それ以外は《アウトランダーズ商会》で支払う。給料は今は働いた時間分で支払う。必ず7日で2日以上の休みを取る事、1日8時間迄の労働とする」
『はい!』
「ランダ明日から日替わりで10名ずつ店に行くから、選出してくれ」
「了解!」
細かい話しが進む、皆生き生きとした目で真剣に聞いていた。
15
お気に入りに追加
355
あなたにおすすめの小説

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。
長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。
女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。
お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。
のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。
ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。
拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。
中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。
旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~
かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。
望んで召喚などしたわけでもない。
ただ、落ちただけ。
異世界から落ちて来た落ち人。
それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。
望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。
だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど……
中に男が混じっている!?
帰りたいと、それだけを望む者も居る。
護衛騎士という名の監視もつけられて……
でも、私はもう大切な人は作らない。
どうせ、無くしてしまうのだから。
異世界に落ちた五人。
五人が五人共、色々な思わくもあり……
だけれど、私はただ流れに流され……

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!
アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。
->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました!
ーーーー
ヤンキーが勇者として召喚された。
社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。
巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。
そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。
ほのぼのライフを目指してます。
設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。
6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる