あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
上 下
157 / 867
第6部 移動は常にマイホームと共に 渡る世間は家さえあればなんとかなる

13 神鋼

しおりを挟む
「説明を…何故お前が此処にいる?」
「陛下…」
「へいかーぱぱはカタンに会いに来てくれたのー」
「カタン久しぶりだな…魔力が安定しているようだな」
「うんーカタン頑張った」
「そうか…其処でお前の父は固まっているな。では先ず挨拶を余は龍皇国《エシュタル》の皇帝二ジェルガ・ラオス・バーミルガー・ハゼウォンだ。異界からの救世主よ」
「僕は成澤 率と言います。あと二ジェルガ様、そのカラクさんはカタンくんに本当に会いたくて、お仕事している所から勝手に来ているのは良くないですがその許して貰えると…」
「ふ…余も勝手に此処へ来た。救世主たる異界人からの命は聞かねばならないな。神々からも良しなにせよと神託があるが、何時まで経っても子離れ出来ぬな、なあ、カラクよ?」
カラクがびくりと身体を震わせる、チグリスが一歩前へ出る。
「用が済んだなら国へ戻れ…カラクが連れて戻れば良い」
「連れぬな相も変わらず、チグリスよ」
「チグリスさんそんな事言わずに、あ、お茶でも如何です?折角なので他の日本から来た人たちにも会いますか?」
「良いのか?率殿」
「はい!後率で良いですよ!」
「げ…」
「皇帝とお茶ねぇ」
「率さん達はこう物怖じしないというか」
「怖い物知らずだよな」
ジラとラジカが頷く、チグリスは心底嫌そうにしている、カラクは顔を青褪め、カタンとベルンは首を傾げた。

「へぇ、皇帝」
「特別に救世主達にはニジェと呼ぶ事を認めよう…」
「そう、じゃ、ニジェっちもラーメン食べてく?もう茹でるだけだし」
「異界の食事興味はあるな、頂くか」
「はいよ、神様ズに供えたら出すわ」
詠斗達も戻り一通り挨拶を終え、ナイル達は心底居心地悪そうにしているが、ニジェルガは存在感たっぷりにテーブルに座っていた。
「よし、葉物も茹でて切ったし。準備オッケーだよー」
寸胴の鍋にたっぷり沸かしたお湯、丼には生麺に付属された醤油スープを入れいつでもラーメンが出来る状態となった。
「よし、風魔法でお湯を注ぐのは詠斗っち、俺が茹でた麺を丼に入れるのは大河っち、チャーシューは率っち、煮卵は綴っち、野菜は晴海っち。んじゃスタート」
『おー』
詠斗が鍋からお湯を出し丼に注ぎ一斉に風魔法で混ぜていく、たいが湯切りした麺をすぐさまいれていく、その後をトッピングの率、綴、晴海が続き完成して神々に供えれば待ってましたと謂わんばかりに13名分消えた。
「俺たちも食べるか」
『まってました!』

「くぅー、ラーメン!うまい」
「もう、2度と食べれないとおもってました!」
「チャーシューと煮卵美味しいですね」
「こんなおいしいラーメン生まれて初めて食べたよ!」
詠斗、率、綴、晴海が感動し大河は無言で啜る、チグリスはそうそうに食べてお代わりをしナイル、千眼、ジラ、ラジカニアも箸で啜って食べている。
「これが異界の食事か…美味だな。ナイル余にもそのはしというものの使い方を」
「承知しました陛下」
上品にフォークで食べていたニジェルガがナイルに橋の使い方を教わる、ラーメンを食べ終えたナイルは隣で教えすぐマスターしおかわりを貰う。
「うむ、この食べ方の方がより美味だ」
音を立てておかわりをしまた無言で食べる、暫くこの時間が続きようやく皆の腹が落ち着いた。
「おいしー」
「うまかった!」
「おいしかったです」
カタンやカラクやベルンも食べ終わり、皆で冷たい水を飲みものの数分で食事の時間が終わった。
「神様ズからお礼がきたな。ラインに説明が来ている」
懐記が出したスマホにニジェルガが興味を持つ、せっかくだしと大河が千眼に蝶を入れて貰いスマホを渡し使い方を説明する。
「面白いなこれで話しや言葉を送れるのか…ではこれとラーメンの返礼にこれを」
「きれいー」
黄金色の美しい鱗を晴海が受け取り陽に透かしてキラキラ光るのを喜ぶが、詠斗達以外の周囲が騒然となった。
「陛下…」
「晴海さんすごい物を頂きましたね」
「余の鱗だ」
「へぇ、綺麗なもんだな」
「すごい物をありがとう!これ転移札あげるよ!1枚1往復!無くなったらまたあげる!」
「これは、すごい物を…」
ニジェルガが受け取る、懐記宛に神様からラインのメッセージと共に目の前に白いレンガの様な石が現れた。
「なんだ?へぇー『大きさも自由に変えられ好きな形にもなるし増やせる便利な逸品 超高層建物も建造可能かもしれない 使い方は貴方達次第!名付けて神鋼(カミノハガネ)』確かに便利だな高層の賭博場が出来るわ」
「神々も便利な物を作ったな」
「これなら、上の方に《ガルディア》の皆の家が造れるね!」
「あー、それ採用早速作ってみるわ」
「カラク行くぞ、また来る」
「は、はい。カタン、ベルンまた明日もくるからなー」
『はーい』
ニジェルガが去り際ちらりとニアと千眼魔王の方に視線を向けるが、何も言わずカラクを連れ龍皇国へと戻って行った。
「今度龍皇国にも行ってみたいね」
「その時は私が案内します、ダンジョンもありますし遺跡も見応えありますから」
「いいね、落ち着いたら行こうか」
「はい」
後片付けをし皆で風呂に向かう、中々濃い1日を過ごし風呂が沁みた夜だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~

かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。 望んで召喚などしたわけでもない。 ただ、落ちただけ。 異世界から落ちて来た落ち人。 それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。 望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。 だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど…… 中に男が混じっている!? 帰りたいと、それだけを望む者も居る。 護衛騎士という名の監視もつけられて……  でも、私はもう大切な人は作らない。  どうせ、無くしてしまうのだから。 異世界に落ちた五人。 五人が五人共、色々な思わくもあり…… だけれど、私はただ流れに流され……

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

処理中です...