あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第6部 移動は常にマイホームと共に 渡る世間は家さえあればなんとかなる

6 久しぶりの日本食

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「おはよう」
「おはよう、懐記。おきるの早いね」
「まあな、朝飯作るから畑に行くわ」
「俺もいくよ」
「手伝う…」
ナイルや率、綴、ジラもまだ寝ている時間、詠斗、懐記、晴海、千眼、ラジカが畑に移動して朝食の支度に取り掛かる。
「昨日セットした米は出来てるな、おにぎりにする?味噌汁と魚と漬物とだし巻き玉子はどう?」
『さいこー!』

「これがおにぎりですか、シンプルでいて奥が深い」
「形…三角にするのは難しいな…」
「だし巻き玉子なんて作るの久しぶりだよー、晴海くん上手いね」
「手伝いでやってた」
「形なんか別にいいだろ」
「きれいに作ってる人に言われたくないなぁ」
「そうか?」
「おはようございます、遅くなりました」
『おはよう』
テントから出て来た、ナイル、率、綴、ジラもおにぎりとだし巻き玉子に取り掛かる、
「魚も焼いて、ついでに夜の仕込みもするか。今夜はチャーシューラーメンでいいか?煮卵も付けるけど」
『チャーシューラーメン!?』
「神様達からおにぎりやラーメン食べたいって」
「みてんのか?米炊くか」
「僕がやりますよ」
「ああ、じゃ俺はチャーシューと煮卵仕込むわ」
コンロと家にあった寸胴の鍋をいくつも複製し、水魔法で水張り玉子を大量に用意しておく。
「詠斗っちブロック肉出して、大量に」
「オッケー」
カークとエンフから貰ったダンジョン肉、肉屋で買った肉を出した。
「たくさんあるな、よし」
「懐記君たこ糸あります?縛ります」
「ん、ほら。玉子も茹でるわ」
「俺がやるよ」
手分けして作業を行うとあっという間に仕込みが終わる、今日は醤油ラーメンにでもしようかと思い、先に神々の分の朝食を備えていると大河とチグリスがやってくる。
「のんびりだなー」
「ああ、おはよう…おにぎりか?」
「ん…早く食お!」
「今日の夜はラーメンな」
「本当か?」
「チャーシューと煮卵の仕込みもしてますよ」
大河呆然としている、まだ夢でも見ているのか、味噌汁の匂いや並ぶ玉子焼きにおにぎりや漬け物…感慨深い、母親もこんな朝食を作っていた。
「さ、大河くん食べましょう」
「ああ…」

「おにぎりの具は梅干しとおかかだよー」
「梅干しは俺達用だから無理しないでね、中の種は出して」
「物は試し…いただきます」
「せっかくなのでいただきます」
「私はさっき1粒もらったんですが、酸味が強くて美味しかったですね」
「ん…食べる」
「俺も食うわ、いただき」
『すっぱ!!!』
ラジカ達の口がキュッとする、お茶で飲み込み種を出した。
「おばちゃん特製梅干しな、おにぎりや茶割りにして食うと美味いぞー」
「この酸っぱさ目が覚めるな、だし巻き玉子も美味い」
「皆で焼いたよ」
「私も作りたい…」
「私も是非教えて下さい」
「いいけど」
「ユナイドさんから小麦粉準備出来たと、それとラジカさんの品は全て《クイナト》で買い取りたいとの事ですが?」
「構いませんよ」
「俺は仕込みしとくから《ガルディア》行く時呼んで」
「詠斗さん、お昼は用意しますから取りに来て下さい」
「今日もありがとう!わかった」
「子供とかいるんだっけ?ミートボールとか小さいハンバーグとか作る?」
『え!?』
「みんなの分も作っとく」
「俺、手伝うよ」
「そう?」
「俺も…」
ひたすらおにぎりとだし巻き玉子を食べているチグリスも珍しく残る方を選んだ、味見する気しか伝わって来ない。
「なら、早くユナイドのとこ行って戻って、手伝っていこーぜ」
「そうだな、ユナイドの所に行ったら。ドワーフ達の所に俺は行ってから戻るか」
「屋敷も大分進んでいますよね、楽しみにです」
「そうだな、行くか」
『いってらっしゃーい』

「カークとエンフに肉の追加を頼みますね」
「なら、細かい肉多めでって伝えて」
「きゅう、殻たべるの?」
『きゅ!』
畑に残った懐記、晴海、チグリス、ナイル、千眼、晴海とチグリスが茹で卵の殻を剥いているときゅうが足元でおねだりしているのであげていく、千眼はチャーシューの様子をみつつ、玉子をまた茹でたりしていた。
「昼飯は何にする?」
「そうですね、いつもはサンドイッチとか食べやすい物ですね」
「なるほど、ならこれに入れるか」
収納から3段の黒塗りのお重を出す、サンドイッチは別としておかずはこれに入れるのをナイルに勧めた。
「きれいな絵の蓋の箱ですねー」
「大人数が外なんかで食べる時に使うもんだな、おかずは作るからナイルっちはサンドイッチ作ればいいでしょ」
「ありがとうございます、チーズのサンドイッチ出来たらお手伝いしますね」
「オーイ、肉持ってきたよーなんかいい匂い」
「腹へるー」
「肉サンキュー、飯くってけば?こっちはまだ仕込み中」
カークとエンフが肉を届けに来ると、チャーシューの匂いが広がり2人の食欲を刺激する。
「おにぎりと味噌汁食って待ってて」
懐記がおにぎりと味噌汁を出す、貰った肉と玉ねぎをさっと炒めた物を出す。
「うお、うま!」
「あーおいしい!」
「米って言うんだよ俺達がいた国の主食」
感動するカークとエンフに晴海が茹で玉子をと塩を渡す、チグリスも茹で玉子貰い、いつの間にやら懐記の作った肉炒めを食べている。
「いやあ、うまいわ!夜食いにきてもいい?肉持ってくるから!」
「たくさん持ってくるよ!」
「はいはい、良いけど」
「食ったから風呂行ってくるわ」
「じゃ」
「チャーシュー、増やすか。お、細切れ肉とか腸詰めもあるんだな」
「チャーシューは私がやる…」
「そう、サンキュ。ならこっちはまあミンチにする機械ないから風魔法で細かくすればいいな」
「サンドイッチ終わったので、私もやりますね」
「じゃ、頼むわ」
「こっちの玉子全部むいたよー」
「オッケ、こっちの鍋に入れて」
「こちらの茹で玉子は出来た…」
「なら俺剥くよ」
「ああ…」
「ならこっちの腸詰めをこうして、後は果物と野菜が足りないなサラダにして入れとくか。後は残った魚は蒸してと」
「懐記さん、お肉はこの位で良いですか?」
「お、いいね。もっと量作れる?玉ねぎやっとくわ」
「わかりました」
などミートボールやハンバーグの材料も仕込みつつ、差し入れの弁当も完成していった。

「ユナイドさんの所で仕入れ終わったよー、お昼持っていくね、店も無事に売り切れで今日は終わったみたい」
「はい、弁当とサンドイッチね」
「わ、もしかしてこれ風呂敷の中のお重?絶対おいしいやつじゃん」
「ミートボールもハンバーグも出来ましたよ、詠斗さんはい味見をどうぞ」
「わ、ガチのミートボール!いただきます!うま!」
「美味しかったよー」
ナイルからミートボールを食べさせて貰い目を輝かせる、晴海も小さいハンバーグを頬張っていた。
「大河っち達帰って来たら、軽く昼にしたら?」
「そうだね、行ってきまーす」
「いや、いい風呂だしって!何これ?」
「うわ!美味しいでしょ、これ」
「食べて良いぞ」
「やった!」
「この調子だとすぐ無くなりそうですね、もっと作りますね」
「俺も手伝うから作り方教えてよ!」
「俺にも!肉ダンジョンで広めるわ!」
カークとエンフが手を挙げる、ナイルと千眼は今日はひたすら料理をする1日になるだろうと思った。

「うわー何これ!」
「きれー」
詠斗がバルタルにお重とサンドイッチを渡す、孤児院の子供達や職員に店の従業員も外に集まりお重に注目していた。
1段目は魚の蒸し焼きと腸詰めをタコさんウィンナーにしたものが沢山詰まっている、2段目はミートボールとミニハンバーグがぎっしり詰まっていて、3段目はフルーツと野菜をたっぷり使ったサラダに皆で目を輝かせた。
「皆1人1つずつね、サラダも少しだけどサンドイッチとパンとミルクはあるから」
『はーい』
「すごいわねー美味しいわー」
「新しく来た詠斗さん達と同じ故郷の方でとても料理の上手な形なんです」
院長先生が顔を綻ばせる、カイネも笑いハンバーグを食べるととても美味しい、バルタルも食べながら何が入っているか確変しているようだ、後で戻った時に聞いて孤児院でも作ろうかと思った。
「この腸詰め可愛いね」
「なんだろこれーあむ!おいしい」
色々な所でおいしいと声が上がる、孤児院の子供達はかなり血色が良くなり走りまわっいる、瓦礫の廃墟で過ごしていた子供達の顔色も大分よくなっている。
それを眺めながら、ベルンから貰ったミルクを飲んでカイネが微笑んだ。
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