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第5部 ここで生きていく 晴れた日は海を見て編
20 よく分からない魔法
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「え?」
驚いた声を綴が上げ千眼が驚愕する、目の前の事象が自分が起こした物なのか信じがたい光景が広がっていた。
「これはこの世界では不可能な魔法…」
合成獣の身体を絡めとる鎖…夜色の鎖と白い鎖が螺旋状に地面から天井まで何本も生えて合成獣の身体を不規則に貫いていた。
「えと…どうします?」
「……動きは止まった…魔法も発動しない…魔石は欲しいが自爆する…」
「魔石…うーんこう鎖を身体に巻き付けて…」
綴が指で宙を切り鎖の操作を始める、鎖全てを合成獣の身体に絡ませ隙間なく巻く。
「千眼さん多分なんですが今合成獣の身体は別次元にある筈です、そして頭の部分?だけがこの世界にある感じです。多分魔石を持ち上げれば簡単に取れます」
綴がイメージしたのは固定された台座から石を取るには台座をどかす、どかすには消すという流れを作った。
「簡単に言ってくれる…」
千眼が蝶を使い魔石を持ち上げれば簡単に外れる、蝶にこちらまで運ばせ鎖を消すと頭から下の身体が倒れた、頭部が無い状態これで合成獣との戦闘は決着が着いたと言える。
「彼らに救いはないんですか?」
「…赦されざる者達に救いは無い…神が動けば別だが…これを産み出した者達はいつか必ず報いを受ける日が来る」
「神様達どうか彼らに救いを…戻りましょう。やる事は山積みですから」
「ああ…」
転移魔法を使い、千眼、綴、魔石、身体を運び皆の元へと戻る。
「千眼さん!綴さん」
詠斗、率が駆け寄り2人を抱き締める、率は泣き詠斗は怒りそれで喜んだ。
「良かった!」
「も、もう!無茶はしないで下さい!」
詠斗と率の顔を見ながら2人は顔を見合わせ笑い合う、大河は呆れ晴海はホッとしてジラは苦笑い、チグリスは少し怒り安堵という感じでラージュは険しい顔をして使用人たちは皆意識飛ばしている状態だった。
「…すまない」
「みんなごめんなさい」
「もうこんな事しないでください!それなら許します!」
「そうだよ!2人ともこんな事やめてよ!」
『はい』
「それで、2人ともお疲れの所悪いが無事に終わったようで良かったな…次はないぞ?」
『…はい』
大河がニコリと笑う、千眼と綴が引き攣ってはいと頷くそこへ神々からのメッセージが皆の前に届た。
お疲れさまでした:《ロメンスギル国》王太子 カーライル·デイル·アストリガーの救出依頼完了 5名に善行ポイント 達成1,000pt付与 ※今回ボーナスとして合成獣4頭の魂は神々が引き受けます
「神様達…ありがとうございます」
「主達が…神の心を動かしたか…」
「陛下!」
「陛下ー!」
「主達私は戻る…」
戻らぬラージュを案じた騎士と兵達が駆けつける、千眼は蝶を纏い畑へと戻った。
「詠斗、大河、率、綴、そして晴海…ありがとう…カーライルを頼む」
「ああ…またすぐに来る」
大河達は転移を使いそのまま孤児院へ、ラージュはこの顛末の後処理と…。
「陛下、離宮の使用人たちが気絶して…」
「何があったのですか!?」
「離宮で幻影魔法の使い手が使用人と共に王太子に毒を盛っていた」
「そんな…王太子は!?」
「信頼置ける場所へ移動…使用人たちを尋問し刑に処す、連れて行け」
「はっ!」
「大臣たちに召集を…」
頭の整理がつかない、感情も追いつかない、怒りが湧いたりカーライルへの申し訳なさと、手遅れになる前に助かった事への安堵、そして…。
「呪いは…俺ではなくカーライルに…か…」
ならば考えはある、魔王が現れたのならならば手はある、この連鎖を止める手立てはある。
ラージュは覚悟を決め王宮に戻る、罪悪感は一度胸に仕舞って…。
「あの子はどうですか?」
「今スープを飲んで孤児院の2階の職員のベッドで寝かせていますよ。その体内の毒の成分を今調べている所ですが…」
孤児院に戻りナイデルとアルケール達にカーライルの状況を確認し、詠斗達も一旦一息付くことにして屋外で今夜の歓迎会の準備をしている孤児院の子供達や店の従業員達の所へ行き、茶と軽く摘まめる物をカイネとバルタルから貰った。
「ふう、疲れたな」
「綴さん大変だったんじゃないですか?」
「あはは…千眼さんのお陰でなんとか…」
コップに入った茶の中に干した果物を入れた物、最近の綴のお気に入りの飲み方の茶を貰う。
「でも、あの子が無事で良かったですね」
「本当に…」
周囲では子供達の声従業員達が張り切って肉や野菜の準備に、カタンとベルンはレグとアゲイルの元モギのミルクを絞り穏やかな時間が流れている、先ほどの状況が嘘のような光景に綴の心が安らぐ。
「合成獣…ゲシュレンの所にいたヤツとは違うタイプか…」
「まずはそこを叩くか…」
大河の言葉にベルンから受け取ったミルクを飲みながらジラが答える綴と大河が頷き、詠斗や率も気を引き締める。
「見世物小屋が表向きの店なんでしょ?一度行ってみようよ」
「そうだな、ラージュ達に探らせて見世物小屋が他の土地で開業したら行くか新たな奴隷を集めるかもしれないしな」
「早めに叩きましょう」
「一度《テンランド》にも行ってみよう」
「勧めはしないが…それもありだな」
「では、いったん難しい話は置いといて今夜を楽しみましょう!」
『賛成!』
チグリスはさっさと先にバルタルの所へ味見係と称して肉や魚を食べている、周囲からはいい匂いが漂いちょっとした祭り気分だ。
通行人も足を止めるが今日の営業は終了だ、また明日お待ちしていますと答えている。
「ナイルさんがドーナツとクッキーを作ったので取りに来てって、行ってくる」
詠斗が転移して取りに向かう、さあ、宴が間も無く始まる。
驚いた声を綴が上げ千眼が驚愕する、目の前の事象が自分が起こした物なのか信じがたい光景が広がっていた。
「これはこの世界では不可能な魔法…」
合成獣の身体を絡めとる鎖…夜色の鎖と白い鎖が螺旋状に地面から天井まで何本も生えて合成獣の身体を不規則に貫いていた。
「えと…どうします?」
「……動きは止まった…魔法も発動しない…魔石は欲しいが自爆する…」
「魔石…うーんこう鎖を身体に巻き付けて…」
綴が指で宙を切り鎖の操作を始める、鎖全てを合成獣の身体に絡ませ隙間なく巻く。
「千眼さん多分なんですが今合成獣の身体は別次元にある筈です、そして頭の部分?だけがこの世界にある感じです。多分魔石を持ち上げれば簡単に取れます」
綴がイメージしたのは固定された台座から石を取るには台座をどかす、どかすには消すという流れを作った。
「簡単に言ってくれる…」
千眼が蝶を使い魔石を持ち上げれば簡単に外れる、蝶にこちらまで運ばせ鎖を消すと頭から下の身体が倒れた、頭部が無い状態これで合成獣との戦闘は決着が着いたと言える。
「彼らに救いはないんですか?」
「…赦されざる者達に救いは無い…神が動けば別だが…これを産み出した者達はいつか必ず報いを受ける日が来る」
「神様達どうか彼らに救いを…戻りましょう。やる事は山積みですから」
「ああ…」
転移魔法を使い、千眼、綴、魔石、身体を運び皆の元へと戻る。
「千眼さん!綴さん」
詠斗、率が駆け寄り2人を抱き締める、率は泣き詠斗は怒りそれで喜んだ。
「良かった!」
「も、もう!無茶はしないで下さい!」
詠斗と率の顔を見ながら2人は顔を見合わせ笑い合う、大河は呆れ晴海はホッとしてジラは苦笑い、チグリスは少し怒り安堵という感じでラージュは険しい顔をして使用人たちは皆意識飛ばしている状態だった。
「…すまない」
「みんなごめんなさい」
「もうこんな事しないでください!それなら許します!」
「そうだよ!2人ともこんな事やめてよ!」
『はい』
「それで、2人ともお疲れの所悪いが無事に終わったようで良かったな…次はないぞ?」
『…はい』
大河がニコリと笑う、千眼と綴が引き攣ってはいと頷くそこへ神々からのメッセージが皆の前に届た。
お疲れさまでした:《ロメンスギル国》王太子 カーライル·デイル·アストリガーの救出依頼完了 5名に善行ポイント 達成1,000pt付与 ※今回ボーナスとして合成獣4頭の魂は神々が引き受けます
「神様達…ありがとうございます」
「主達が…神の心を動かしたか…」
「陛下!」
「陛下ー!」
「主達私は戻る…」
戻らぬラージュを案じた騎士と兵達が駆けつける、千眼は蝶を纏い畑へと戻った。
「詠斗、大河、率、綴、そして晴海…ありがとう…カーライルを頼む」
「ああ…またすぐに来る」
大河達は転移を使いそのまま孤児院へ、ラージュはこの顛末の後処理と…。
「陛下、離宮の使用人たちが気絶して…」
「何があったのですか!?」
「離宮で幻影魔法の使い手が使用人と共に王太子に毒を盛っていた」
「そんな…王太子は!?」
「信頼置ける場所へ移動…使用人たちを尋問し刑に処す、連れて行け」
「はっ!」
「大臣たちに召集を…」
頭の整理がつかない、感情も追いつかない、怒りが湧いたりカーライルへの申し訳なさと、手遅れになる前に助かった事への安堵、そして…。
「呪いは…俺ではなくカーライルに…か…」
ならば考えはある、魔王が現れたのならならば手はある、この連鎖を止める手立てはある。
ラージュは覚悟を決め王宮に戻る、罪悪感は一度胸に仕舞って…。
「あの子はどうですか?」
「今スープを飲んで孤児院の2階の職員のベッドで寝かせていますよ。その体内の毒の成分を今調べている所ですが…」
孤児院に戻りナイデルとアルケール達にカーライルの状況を確認し、詠斗達も一旦一息付くことにして屋外で今夜の歓迎会の準備をしている孤児院の子供達や店の従業員達の所へ行き、茶と軽く摘まめる物をカイネとバルタルから貰った。
「ふう、疲れたな」
「綴さん大変だったんじゃないですか?」
「あはは…千眼さんのお陰でなんとか…」
コップに入った茶の中に干した果物を入れた物、最近の綴のお気に入りの飲み方の茶を貰う。
「でも、あの子が無事で良かったですね」
「本当に…」
周囲では子供達の声従業員達が張り切って肉や野菜の準備に、カタンとベルンはレグとアゲイルの元モギのミルクを絞り穏やかな時間が流れている、先ほどの状況が嘘のような光景に綴の心が安らぐ。
「合成獣…ゲシュレンの所にいたヤツとは違うタイプか…」
「まずはそこを叩くか…」
大河の言葉にベルンから受け取ったミルクを飲みながらジラが答える綴と大河が頷き、詠斗や率も気を引き締める。
「見世物小屋が表向きの店なんでしょ?一度行ってみようよ」
「そうだな、ラージュ達に探らせて見世物小屋が他の土地で開業したら行くか新たな奴隷を集めるかもしれないしな」
「早めに叩きましょう」
「一度《テンランド》にも行ってみよう」
「勧めはしないが…それもありだな」
「では、いったん難しい話は置いといて今夜を楽しみましょう!」
『賛成!』
チグリスはさっさと先にバルタルの所へ味見係と称して肉や魚を食べている、周囲からはいい匂いが漂いちょっとした祭り気分だ。
通行人も足を止めるが今日の営業は終了だ、また明日お待ちしていますと答えている。
「ナイルさんがドーナツとクッキーを作ったので取りに来てって、行ってくる」
詠斗が転移して取りに向かう、さあ、宴が間も無く始まる。
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