あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第5部 ここで生きていく 晴れた日は海を見て編

15 孤児院完成

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「結構いい時間になったね」
「俺は貴族屋敷に行ってドワーフ達にビール渡してくる」
「俺は孤児院の方へ」
大河、率、チグリスは貴族屋敷へ詠斗、綴、晴海、ジラは店の裏手の孤児院へと別れてそれぞれ向かった。

「大河どのか!おーい酒きちゃぞー休みだー」
「酒だ酒だ肉だ」
「焼くぞ!酒」
「……まあいい」
「リアル白雪姫と7人の小びとたち…ですね」
「俺がか…?どちらかと言えば率くんだろうな」
「この中なら…僕ですね」
「…果物に毒塗って子供を殺す親…よくある話しだオリガが気にっている…」
チグリスが膝辺りで小躍りするドワーフ達を眺めている、早く肉を食べたいという感じだが以外だった。
「オリガはよく童話読んでいるな」
「あいつはそういうのが好き…大河達の国の昔話は怖いって言っていた…」
「大河さんの本は色々ありますよね、日本の昔話はこう後味が悪い物が結構あるんですが良い話も沢山ありますから、今度オリガさんに僕がおススメしてみようかな」
「いいんじゃないか、かさ地蔵とか結構好きだぞ」
「なごみますよね」
「肉…」
「はよ、きちょー」
「あ、チーズありますよー」
率が収納からチーズを渡すとドワーフ達が率の周りで小躍りしている、なんだか和むなと大河は思う、まだまだ問題は片付いていないが今は良いだろうとビールを沢山ドワーフ達に渡した。

「みんな頑張ったねー」
外装、内装の改修が完了し詠斗が思わず拍手をしてしまう、中に入り1階は水回りと図書室と食堂と奥は医務室の様な主に共同の場、医務室の手前の階段は手すりがあり昇りやすく2階は院長室と先生達の部屋と10歳未満の子供達の2人1部屋で入口は引き戸、3階は10歳以上の子供達の1人~2人用の部屋で鍵が掛けられるドアにしている。
食堂には調理が出来る竈にレンジに大型冷蔵庫にお茶を沸かせるように小さなコンロもあり、テーブルは以前の孤児院の物を使って暖かい印象を受ける。
壁には魔石を埋め込み魔力で明かりや空調も調整出来るようにしている、詠斗達が魔力を注げば大分持つとの事なので魔力を込めておく。
孤児院の建物の隣ではレグやナイデル、アルケール達が風呂場も作っているようで完成は明日になるようだ。
「家かぁ…俺達の家って今テントだもんなー家作る?」
「僕は大人数好きなので今のままでいいですが…」
「俺もー」
「俺も別にいいよ」
「私は寝ない…図書スペースにいつもいる…」
不便はないという事で…慣れたし、個人のスペースは作った方が良いかな今度皆で考えようか。
「後は、布団をベッドに置いて…後は院長先生に必要な物を言って貰って」
「寄付もした方がいいですね」
「俺の貰ったお金寄付するよ、あんな大金貰っても使い道ない」
「それは《アウトランダーズ商会》の口座から共同で出すから、晴海くんは貯めておきな」
「うーん、分かった」
「みんなありがとうー孤児院の元気になった子達とか先生呼んでくるからー」
『おー』

「ただいまー、孤児院完成したよ!見に行こう!」
「早いですね!」
「今動ける先生と子供達と一緒に連れて行くよ」 
詠斗が声を掛けるとその場にいた、全員が快復したようで全員で見に行く事になった。
「トラス、トテス、ラキ達も大丈夫なの?」
「はい、ご飯美味しいから元気になりました!」
「元気」
「体調は良いです、身体も軽く感じます」
「そか、ならみんな行こう!」
頬に赤みが差し笑顔だ、他の子供たちはレグ、ハル達やきゅうやベルンとカタンで遊んでいる、料理が一段落したバルタルとカイネも楽しみにしているようなのでまとめて転移した。

「これが私達の家…」
「わーたかーい」
「きれー」
「大きい」
「ここに住んでもいいの…本当に?」
店の裏手に出来建物に子供達は興奮し先生方は涙ぐむ、カイネは目に涙を溜めて笑った。
「みなさん、本当に本当にありがとうございます!」
「カイネはうちの従業員だから」
「働いているヤツの手当は手厚く補償」
「うちはホワイト企業ですから」
「従業員の家族の暮らしを守るのも僕たちの役目です」
「良かったねカイネ、行こうよ」
晴海に手を引かれ泣き笑いながらカイネと、孤児院の皆が入っていった。

「千眼さん戻ってきたんですか?」
「ああ…建物は完成した…」
「お疲れ様です、お風呂入ってきます?」
「ああ…それは?」
「これですか?詠斗さん達のいた世界の食べ物でパスタを今作っています」
「気になっていた…戻ったら手伝おう」
「はい、お願いします」
畑へ一足先に戻った千眼が畑でナイルが作っていたものに目がいく、テーブルの上には小麦粉、卵、油、塩にボールに麺棒、木のまな板とナイフに平たい麺、次々とナイルが粉を風魔法で混ぜ麺棒で伸ばし切り、本のレシピ通りに作っていく。
「このミートソースなら出来そうですね、このマカロニやペンネも作ってみますか…。詠斗さん達喜んでくれるとで良いですね…」
粉塗れになりながら笑顔を浮かべナイルは頑張っている詠斗達が少しでも郷愁の食事を味わえるようにとナイルは思う、もう二度と戻れない…誰も帰りたいとは言わないが食事は恋しいだろう…。

「みなさん、こんな素晴らしい家をありがとうございます。私たちの部屋まで…」
「いいんですよ、後これは寄付として受け取って下さい」
「そ、そんな、しかもこんな…うけとれま…いえ…ありがとうございます…子供達の為に使わせて貰います」
「今改装中の屋敷の中で教室を開こうと思ってます、読み書き計算程度ですが…ここの子達も是非…」
「本当に何から何まで…」
「せんせーい俺、この部屋貰い!」
「俺はこっち!」
「ナーナのおへやー」
巾着袋に沢山のコインを入れて院長に渡す、最初は受け取れないと首を振るが詠斗達の真摯な眼差しに両手でしっかり受け止め胸に抱えた。
子供たちのはしゃぐ声が聞こえる、岩に半身を潰され回復したタオンも3階の部屋の窓から嬉しそうに手を振っている。
「今日はここで休んでください、食事も用意していますし。明日は店の皆を紹介しますから…」
綴が促す皆が各々の部屋決め等を行って落ち着いたのを見届け、鍵を渡してまた明日と伝え、隣で風呂の建造をしているレグたちにも声を掛けるが、切りが良い所で戻るとの事なので晴海に転移札を作って貰い渡す。
「バルタルとカイネは」
「俺はここで先生とみんなの世話をしますね、明日はそのまま店に行きます」
「俺も…朝食の用意をなどします…」
「わかった、明日ね。ベルンとカタンは帰るよー」
『はーい』
「またあしたねー」
カタンとベルンも子供達と手を振り合って詠斗達と共に畑へ移動する、これで一先ず孤児院の件は片付き暫くはのんびりしたい所である…。
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