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第4部 生きる世界に微笑んで 立ち止まったら空を見上げて編
21 邪魔者きましたー
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「ベルン、カタン、お疲れさまだね。片付けしようか」
「はい、カタンもありがとう!」
「たのしいよー」
ポップコーンも完売しジラとチグリスが片づけを行い、カイネは店内の片づけの手伝いに行っている、ベルンとカタンのフォローをしていた率もミルク屋の片づけを行っていると不躾な声が聞こえてくる、正直相手にしたくはない感じだった。
「おい、そのモギ幾らだ?メスとオスで買い上げてやる。幾らだ?」
「誰ですか?いきなり?」
横柄な物言いに率が声を強く出す、目の前にいたのは身なりは言いが悪趣味な服装に腹の出た男とその両脇に部下らしき男2名を従え偉そうに振る舞っていた。
「どうやって運んだかは知らんがモギは繊細で馬車移動等でここ迄来る前に弱って死ぬ、この『ガルバ商会』が買い取ってやろう」
「売りません、お引き取り下さい」
「おいおい、そんな口聞いていいのかぁ。少し痛い目見せれば売る気になるかぁ?オイ、お嬢ちゃん?」
「へぇ、痛い目ねぇ。こういうの?」
率がベルン達を庇うように前にでる、両脇にいた男達はチンピラらしく指をコキコキ鳴らす前にジラに片足を引っ掛けられ、スッ転んだ。
「率くんすまない遅くなった、みんなを中に避難させた。ジラ、チグリス暴れても良いぞ」
大河がジラの背後から現れ、スッ転んだチンピラを見下ろし他の2人にも冷えた目線を向けた。
「いえ、ジラさんとチグリスさんもいますし。僕は平気です」
「ん…」
「お前ら盗賊だな」
「無礼だぞ!俺は『ガルバ商会』の会頭だぞ!」
ジラは小馬鹿にした笑みを浮かべ腹の出た悪趣味な服装の男に指さす、男は怒りを露わにし唾を飛ばして喚いている。
「ま、冒険者ギルドに引き渡せば分かる」
「お、おい、こいつをやっちまえ」
「ドラマの三下が言うセリフをこうして聞くとは…」
大河がこうもお約束な事を言ってる商人モドキ盗賊に呆れ返る内に、ジラが足で蹴りを1発ずつ入れて地べたに伸びていた。
「1発で終わりかー、よし冒険者ギルドに…」
「その必要はねぇぞ傭兵王」
現れたのは《トイタナ村》冒険者ギルドのマスターダンダだった、ムキムキの筋肉にピカッと光る頭が腕を組んで立っていた。
「あーアンタか、老けたなー」
「そっちは変わらずだな…まあな」
「そいつらは貰ってくぞ」
冒険者ギルドの職員数名が偽商人達を捕縛した、ジラは制服の帽子を取り薄い菫色の率に結って貰った髪が零れ落ちる、詠斗達に煽てられて掛けた眼鏡も外せば薄い紫色の瞳に赤紫の瞳孔が鮮やかな端整な容姿の青年が皮肉な笑みを浮かべた格好となった。
「まさか、本物?傭兵王?」
「ば、化け物!俺はそいつを戦場で見た!笑いながら敵陣地のど真ん中に1人で行って敵将の首をを獲るようなヤツだ!化け物!」
「おい、人の商会の従業員を化け物とか言うな。おいギルドマスター金は幾らでも払う、こいつ等は一生牢から出すな」
「そいつ等は商会の支配人達を殺して成りすましている、余罪盛り沢山で極刑だ」
「そうか…」
「連れて行け」
大河がダンダに注文を付ければ、ギルドの従業員達を顎で動かし商人改め盗賊達を連れて行かせた。
「あいつ等は商人になりすまし、タダ同然で金品を無理矢理買い取るヤツらだ。村に来た情報が入って来たから追っていたらここでひと悶着起こしてくれた訳だな」
「へぇ」
「で、用はこれだけじゃない」
客を避難させ店に近づけさせないようにしていた詠斗と、店の中で様子を伺っていた綴も出て来て話しを皆で聞く事にした。
「傭兵王アンタに各国から所属要請やら、剣帝または剣聖への称号授与、そして神聖国《テンランド》から騎士団団長への誘致、鬼人族剣鬼からの決闘依頼…中々に熱い恋文が来ているんだが?」
「ふぅん、全然興味無い。俺は《アウトランダーズ商会》の従業員なんで、傭兵も冒険者も辞めるわー」
「良いの?」
「良いのか?」
「ジラさんすごい!色々な国に必要とされていて!」
「剣聖ってすごいんじゃないですか?」
特に興味も湧かないジラに詠斗、大河、率、綴が尋ねるが、ジラはニカっと笑った。
「こっちの方が楽しいし、飯が美味いし、戦わなくても生きていけるならそれでいい」
これしかなかった、これしか生きる術が分からなかった、両親を失い…本当は両親の跡を継いで薬師になりたかったが身寄りのない子供を養い教えてくれる薬師はいなかった。
でもこれがしたかった訳ではない、今は別の道をくれた友…家族がいるだから傭兵でもなく冒険者でもないジラとして過ごせるここが良い。
「傭兵ジラはもういない、そういう事でギルドマスター」
「…そうかと引き下がりたいとこだがなー本部からS級冒険者への昇格の話しもあるんだが…」
「ははっ、ぜーんぜん興味ないわー」
ジラの言葉にダンダがツルツルの頭を掻く、本人の意思を無視して強制は出来ない。
これからの断りの文をやら、各国に返す返事に頭を抱えるがこれも冒険者ギルドのマスターの仕事だと思い諦めて受け入れる。
「依頼は受けなきゃその内失効されるが、アンタは特別だ死ぬまで冒険者資格が失効はされない」
「あーなんかそんな話しだったか、都合良く出来ているよな」
「まあな、俺は行くアイツ等の懸賞金はどうする?口座に入れとくか?」
「ん、あ、あの泥棒の懸賞金に上乗せしといて」
「アンタも物好きだな、じゃ俺は行く」
「あ、ダンダさん、これ」
ダンダが去ろうとするのをエイトが引き留め、葉に包んだパティやパンの包みを手渡した。
「差し入れです、食べて下さい」
「良いのか?気になってたんだぞ、お前たちの店。噂になっていからな、ありがたく頂戴する」
「はい、どうぞー」
詠斗達がダンダを見送り、片づけの残りを済ませ店の2階休憩室に向かった。
「はい、カタンもありがとう!」
「たのしいよー」
ポップコーンも完売しジラとチグリスが片づけを行い、カイネは店内の片づけの手伝いに行っている、ベルンとカタンのフォローをしていた率もミルク屋の片づけを行っていると不躾な声が聞こえてくる、正直相手にしたくはない感じだった。
「おい、そのモギ幾らだ?メスとオスで買い上げてやる。幾らだ?」
「誰ですか?いきなり?」
横柄な物言いに率が声を強く出す、目の前にいたのは身なりは言いが悪趣味な服装に腹の出た男とその両脇に部下らしき男2名を従え偉そうに振る舞っていた。
「どうやって運んだかは知らんがモギは繊細で馬車移動等でここ迄来る前に弱って死ぬ、この『ガルバ商会』が買い取ってやろう」
「売りません、お引き取り下さい」
「おいおい、そんな口聞いていいのかぁ。少し痛い目見せれば売る気になるかぁ?オイ、お嬢ちゃん?」
「へぇ、痛い目ねぇ。こういうの?」
率がベルン達を庇うように前にでる、両脇にいた男達はチンピラらしく指をコキコキ鳴らす前にジラに片足を引っ掛けられ、スッ転んだ。
「率くんすまない遅くなった、みんなを中に避難させた。ジラ、チグリス暴れても良いぞ」
大河がジラの背後から現れ、スッ転んだチンピラを見下ろし他の2人にも冷えた目線を向けた。
「いえ、ジラさんとチグリスさんもいますし。僕は平気です」
「ん…」
「お前ら盗賊だな」
「無礼だぞ!俺は『ガルバ商会』の会頭だぞ!」
ジラは小馬鹿にした笑みを浮かべ腹の出た悪趣味な服装の男に指さす、男は怒りを露わにし唾を飛ばして喚いている。
「ま、冒険者ギルドに引き渡せば分かる」
「お、おい、こいつをやっちまえ」
「ドラマの三下が言うセリフをこうして聞くとは…」
大河がこうもお約束な事を言ってる商人モドキ盗賊に呆れ返る内に、ジラが足で蹴りを1発ずつ入れて地べたに伸びていた。
「1発で終わりかー、よし冒険者ギルドに…」
「その必要はねぇぞ傭兵王」
現れたのは《トイタナ村》冒険者ギルドのマスターダンダだった、ムキムキの筋肉にピカッと光る頭が腕を組んで立っていた。
「あーアンタか、老けたなー」
「そっちは変わらずだな…まあな」
「そいつらは貰ってくぞ」
冒険者ギルドの職員数名が偽商人達を捕縛した、ジラは制服の帽子を取り薄い菫色の率に結って貰った髪が零れ落ちる、詠斗達に煽てられて掛けた眼鏡も外せば薄い紫色の瞳に赤紫の瞳孔が鮮やかな端整な容姿の青年が皮肉な笑みを浮かべた格好となった。
「まさか、本物?傭兵王?」
「ば、化け物!俺はそいつを戦場で見た!笑いながら敵陣地のど真ん中に1人で行って敵将の首をを獲るようなヤツだ!化け物!」
「おい、人の商会の従業員を化け物とか言うな。おいギルドマスター金は幾らでも払う、こいつ等は一生牢から出すな」
「そいつ等は商会の支配人達を殺して成りすましている、余罪盛り沢山で極刑だ」
「そうか…」
「連れて行け」
大河がダンダに注文を付ければ、ギルドの従業員達を顎で動かし商人改め盗賊達を連れて行かせた。
「あいつ等は商人になりすまし、タダ同然で金品を無理矢理買い取るヤツらだ。村に来た情報が入って来たから追っていたらここでひと悶着起こしてくれた訳だな」
「へぇ」
「で、用はこれだけじゃない」
客を避難させ店に近づけさせないようにしていた詠斗と、店の中で様子を伺っていた綴も出て来て話しを皆で聞く事にした。
「傭兵王アンタに各国から所属要請やら、剣帝または剣聖への称号授与、そして神聖国《テンランド》から騎士団団長への誘致、鬼人族剣鬼からの決闘依頼…中々に熱い恋文が来ているんだが?」
「ふぅん、全然興味無い。俺は《アウトランダーズ商会》の従業員なんで、傭兵も冒険者も辞めるわー」
「良いの?」
「良いのか?」
「ジラさんすごい!色々な国に必要とされていて!」
「剣聖ってすごいんじゃないですか?」
特に興味も湧かないジラに詠斗、大河、率、綴が尋ねるが、ジラはニカっと笑った。
「こっちの方が楽しいし、飯が美味いし、戦わなくても生きていけるならそれでいい」
これしかなかった、これしか生きる術が分からなかった、両親を失い…本当は両親の跡を継いで薬師になりたかったが身寄りのない子供を養い教えてくれる薬師はいなかった。
でもこれがしたかった訳ではない、今は別の道をくれた友…家族がいるだから傭兵でもなく冒険者でもないジラとして過ごせるここが良い。
「傭兵ジラはもういない、そういう事でギルドマスター」
「…そうかと引き下がりたいとこだがなー本部からS級冒険者への昇格の話しもあるんだが…」
「ははっ、ぜーんぜん興味ないわー」
ジラの言葉にダンダがツルツルの頭を掻く、本人の意思を無視して強制は出来ない。
これからの断りの文をやら、各国に返す返事に頭を抱えるがこれも冒険者ギルドのマスターの仕事だと思い諦めて受け入れる。
「依頼は受けなきゃその内失効されるが、アンタは特別だ死ぬまで冒険者資格が失効はされない」
「あーなんかそんな話しだったか、都合良く出来ているよな」
「まあな、俺は行くアイツ等の懸賞金はどうする?口座に入れとくか?」
「ん、あ、あの泥棒の懸賞金に上乗せしといて」
「アンタも物好きだな、じゃ俺は行く」
「あ、ダンダさん、これ」
ダンダが去ろうとするのをエイトが引き留め、葉に包んだパティやパンの包みを手渡した。
「差し入れです、食べて下さい」
「良いのか?気になってたんだぞ、お前たちの店。噂になっていからな、ありがたく頂戴する」
「はい、どうぞー」
詠斗達がダンダを見送り、片づけの残りを済ませ店の2階休憩室に向かった。
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