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第4部 生きる世界に微笑んで 立ち止まったら空を見上げて編
19 幼いドラゴン カタン
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「ただいまー」
『おかえりなさ……』
「今日から彼とモギもここに住むから、よろしくね」
「ベルンです!よ、よろくお願いします」
「よろしくお願いします、私はナイルと言います…えと」
「私は千眼…」
ナイルも千眼も詠斗達の方を見る、まだ幼いとも言える子供に正体を言っていいのか目で確認すると詠斗は笑顔で頷く、ここで暮らすなら家族…ならばきちんと先に招待は言っておくべきだと思う。
「私はドラゴンですがよろしくお願いしますね、ベルンさん」
「私は序列第3位千眼魔王だ…よろしく…」
「魔王…?ドラゴン?伝説の?すごい!」
子供らしい反応に2人がほっとする、泣かれでもしたら困るしどうしたらいいか分からない。
「よし、まずはお風呂行こう!その後テトラの所で服を…あ、カイネ達が明日の準備が終わったって、迎えに行ってくる」
「はい、先お風呂に行ってますねー」
「うん」
「では、ベルンくん行きましょう」
「私たちもちょうど行こうとしていましたから皆でいきましょう」
「ん…率」
「あ、そうだね…」
チグリスが率に手を差し出す、率は顔を綻ばせその手を取って繋ぐ。チグリスの手は温かく大きかった…。
「ここがお風呂…モギ達!ダメだよー」
「構わないぞ、屋外の風呂はきゅうやハル達用も風呂だから好きに入れば良い」
最近ハル達やきゅう達の為に屋外にアルケールやアゲイル達が作った風呂場、建物に入らずに直行で入れる為きゅう達が仕事した後に入っていく…が次々モギ達が勝手に入っていく。
気持ち良さそうに入ってはいるが、10頭も入ればぎゅうぎゅうなので残りの10頭は大人しく待っている。
「これは、外の風呂を広げた方が良いなー」
「アゲイルさん、レグさん」
「うむ、風呂の前では皆同じだ。風呂を拡げるとしよう」
「アルケールさんも」
「戻ったよーってモギが風呂入っている?風呂入るんだ」
詠斗がカイネとバルタルを連れて戻って来ると、モギ達が風呂に入り寛いでいる姿を見て驚く。
『きゅ』『もぐ!』『もぐ』『もぐぅ』『ぴぃ』『ぱしゃ』
「よーみなさんお揃いでって…え、なにモギ!風呂入ってる!面白ー写真撮ろ」
「俺もー」
きゅう達とラドゥ達も風呂に入りに来たらしく鉢合わせし大所帯で入る事になり、きゅう達もモギ達と一緒に入って寛いでいる上に、身体も洗ってあげている、モギ達も気持ち良さそうにしている。
「俺達も行こう」
紹介しつつ服を脱いで入り方をベルンに教え、皆でゆっくりと入った…。
「詠斗…ベルンとモギをカタンの所に連れて行く、土が必要だから来てくれ…」
「チグリス、カタンの所に行くんですか?私も行きます、食事を持って行きますから」
「私も…茶を持って行こう」
「カタン…?」
風呂が終わりチグリスが詠斗に言うと、ナイルと千眼も一緒に付いて行くらしい…詠斗はカタンと聞いてもピンと来ない、大河達を見てもお互い顔を見合わせた。
「カタンは私たちの群れの中で一番若いドラゴンです、まだ魔力のコントロールが上手く出来ず隠蔽魔法が常時発動して気配を感じにくいんです」
「私でも見失う時がある」
「家からあまり出ないように言っているんです、面倒は主に長様やアルケール様、伴侶様が見ています」
「なら、僕も行きたいですね」
「僕も是非行きます」
「子供のドラゴン見たいな」
「俺もここでお世話になっているので是非挨拶したいです」
「お、俺も挨拶を…」
とういう訳で、チグリス、ベルンwithモギ、ナイル、千眼、詠斗達、カイネ、バルタルでドラゴンの家が集まる外れに向かった。
「カタン…入るぞ」
テトラやカル達の家の奥の小さめな家、その周辺には木の柵に魔石を埋め込んでいるようだった。
チグリスが中に入るともぞりと布の塊が動き小さな7,8歳程の子供が起き上がってチグリスに向かってくる。
「この家の中と柵の中でしたら、カタンを認識出来ますが…カタンが制御出来ないとこの中でも見失います」
「特殊な結界を張っている…」
ナイル達は外で待ちカタンの家周辺の事情の説明を聞く、魔力が高く龍皇国騎士団の団長の1人カラクの1人息子でここで預かっているとの事。
「カタン…客だ」
「あーチグチグー抱っこしてー」
「…行くぞ」
チグリスが溜息をついてカタンを抱いて家の外に出ると、一瞬ナイル、千眼以外がポカンとして口を開けるが無言でスマホで写真を撮り始めた。
「それースマホーカタンも持ってるーとるー」
「かわいいドラゴンの子ですねー」
自分の身長よりも長い蒼緑の髪と宝石のように輝くエメラルドの瞳、頬はバラ色のとても可愛らしい子供が巾着袋からチグリスが小さくしたであろうスマホで写真を撮ってはしゃいでいた。
「ベルンこいつはカタン…カタンは魔力制御が出来ない…この結界はカタンの魔力を吸収してカタンの気配を定着させている…こいつは寒いのが苦手で結界の余分な魔力で周辺を温かくしている。モギもこの辺りなら過ごしやすいだろう」
「確かにこの辺りは温かいですね」
「そうなの?」
「俺達は状態異常無効が付いているからな、寒さや暑さに耐性があるんだな」
カイネの言葉に詠斗が反応する、そういえばいつも快適に過ごしているのがスキルのお陰かと改めて関心した。
「モギ達も寛いでます。でも、良いんですか?」
「カタン、モギをお前の家周りに住まわせても構わないか?」
「いいよー」
「あ、ありがとうございます!カタンさん!」
「カタンでいいよー」
大河が確認を取り、ベルンが快く返事をする。
「よし、今日はここでご飯にしよう。カタンは何を食べたい?」
「んー」
「カタンは草食なので私と同じ物が良いですね」
「お、おれのモギのミルクも飲んでください!」
「ミルクー?」
「カタン、長様やアゲイル様が持って来てくれる牛乳ですよ。ミルクはベルンさんのモギから出た物です、飲みますか?」
「のむー」
「はい。ベルン、コップ」
「ありがとうございます!」
すぐに傍にいたモギのミルクを絞り、カタンに渡すとゆっくり1口飲み目を輝かせゴクゴクと一気に飲み干した。
「おいしいー」
ニコニコと笑うカタンにベルンも嬉しそうだった、モギ達はさっさとカタンの家周辺で各々寛げる場所を見つけて休んでいる。
詠斗達は早速鉄板を出して肉や野菜を焼き始め、カルやテトラも呼んで服や小麦粉を混ぜる魔法具の相談もしつつ、カタンとベルンも仲を深めていった。
『おかえりなさ……』
「今日から彼とモギもここに住むから、よろしくね」
「ベルンです!よ、よろくお願いします」
「よろしくお願いします、私はナイルと言います…えと」
「私は千眼…」
ナイルも千眼も詠斗達の方を見る、まだ幼いとも言える子供に正体を言っていいのか目で確認すると詠斗は笑顔で頷く、ここで暮らすなら家族…ならばきちんと先に招待は言っておくべきだと思う。
「私はドラゴンですがよろしくお願いしますね、ベルンさん」
「私は序列第3位千眼魔王だ…よろしく…」
「魔王…?ドラゴン?伝説の?すごい!」
子供らしい反応に2人がほっとする、泣かれでもしたら困るしどうしたらいいか分からない。
「よし、まずはお風呂行こう!その後テトラの所で服を…あ、カイネ達が明日の準備が終わったって、迎えに行ってくる」
「はい、先お風呂に行ってますねー」
「うん」
「では、ベルンくん行きましょう」
「私たちもちょうど行こうとしていましたから皆でいきましょう」
「ん…率」
「あ、そうだね…」
チグリスが率に手を差し出す、率は顔を綻ばせその手を取って繋ぐ。チグリスの手は温かく大きかった…。
「ここがお風呂…モギ達!ダメだよー」
「構わないぞ、屋外の風呂はきゅうやハル達用も風呂だから好きに入れば良い」
最近ハル達やきゅう達の為に屋外にアルケールやアゲイル達が作った風呂場、建物に入らずに直行で入れる為きゅう達が仕事した後に入っていく…が次々モギ達が勝手に入っていく。
気持ち良さそうに入ってはいるが、10頭も入ればぎゅうぎゅうなので残りの10頭は大人しく待っている。
「これは、外の風呂を広げた方が良いなー」
「アゲイルさん、レグさん」
「うむ、風呂の前では皆同じだ。風呂を拡げるとしよう」
「アルケールさんも」
「戻ったよーってモギが風呂入っている?風呂入るんだ」
詠斗がカイネとバルタルを連れて戻って来ると、モギ達が風呂に入り寛いでいる姿を見て驚く。
『きゅ』『もぐ!』『もぐ』『もぐぅ』『ぴぃ』『ぱしゃ』
「よーみなさんお揃いでって…え、なにモギ!風呂入ってる!面白ー写真撮ろ」
「俺もー」
きゅう達とラドゥ達も風呂に入りに来たらしく鉢合わせし大所帯で入る事になり、きゅう達もモギ達と一緒に入って寛いでいる上に、身体も洗ってあげている、モギ達も気持ち良さそうにしている。
「俺達も行こう」
紹介しつつ服を脱いで入り方をベルンに教え、皆でゆっくりと入った…。
「詠斗…ベルンとモギをカタンの所に連れて行く、土が必要だから来てくれ…」
「チグリス、カタンの所に行くんですか?私も行きます、食事を持って行きますから」
「私も…茶を持って行こう」
「カタン…?」
風呂が終わりチグリスが詠斗に言うと、ナイルと千眼も一緒に付いて行くらしい…詠斗はカタンと聞いてもピンと来ない、大河達を見てもお互い顔を見合わせた。
「カタンは私たちの群れの中で一番若いドラゴンです、まだ魔力のコントロールが上手く出来ず隠蔽魔法が常時発動して気配を感じにくいんです」
「私でも見失う時がある」
「家からあまり出ないように言っているんです、面倒は主に長様やアルケール様、伴侶様が見ています」
「なら、僕も行きたいですね」
「僕も是非行きます」
「子供のドラゴン見たいな」
「俺もここでお世話になっているので是非挨拶したいです」
「お、俺も挨拶を…」
とういう訳で、チグリス、ベルンwithモギ、ナイル、千眼、詠斗達、カイネ、バルタルでドラゴンの家が集まる外れに向かった。
「カタン…入るぞ」
テトラやカル達の家の奥の小さめな家、その周辺には木の柵に魔石を埋め込んでいるようだった。
チグリスが中に入るともぞりと布の塊が動き小さな7,8歳程の子供が起き上がってチグリスに向かってくる。
「この家の中と柵の中でしたら、カタンを認識出来ますが…カタンが制御出来ないとこの中でも見失います」
「特殊な結界を張っている…」
ナイル達は外で待ちカタンの家周辺の事情の説明を聞く、魔力が高く龍皇国騎士団の団長の1人カラクの1人息子でここで預かっているとの事。
「カタン…客だ」
「あーチグチグー抱っこしてー」
「…行くぞ」
チグリスが溜息をついてカタンを抱いて家の外に出ると、一瞬ナイル、千眼以外がポカンとして口を開けるが無言でスマホで写真を撮り始めた。
「それースマホーカタンも持ってるーとるー」
「かわいいドラゴンの子ですねー」
自分の身長よりも長い蒼緑の髪と宝石のように輝くエメラルドの瞳、頬はバラ色のとても可愛らしい子供が巾着袋からチグリスが小さくしたであろうスマホで写真を撮ってはしゃいでいた。
「ベルンこいつはカタン…カタンは魔力制御が出来ない…この結界はカタンの魔力を吸収してカタンの気配を定着させている…こいつは寒いのが苦手で結界の余分な魔力で周辺を温かくしている。モギもこの辺りなら過ごしやすいだろう」
「確かにこの辺りは温かいですね」
「そうなの?」
「俺達は状態異常無効が付いているからな、寒さや暑さに耐性があるんだな」
カイネの言葉に詠斗が反応する、そういえばいつも快適に過ごしているのがスキルのお陰かと改めて関心した。
「モギ達も寛いでます。でも、良いんですか?」
「カタン、モギをお前の家周りに住まわせても構わないか?」
「いいよー」
「あ、ありがとうございます!カタンさん!」
「カタンでいいよー」
大河が確認を取り、ベルンが快く返事をする。
「よし、今日はここでご飯にしよう。カタンは何を食べたい?」
「んー」
「カタンは草食なので私と同じ物が良いですね」
「お、おれのモギのミルクも飲んでください!」
「ミルクー?」
「カタン、長様やアゲイル様が持って来てくれる牛乳ですよ。ミルクはベルンさんのモギから出た物です、飲みますか?」
「のむー」
「はい。ベルン、コップ」
「ありがとうございます!」
すぐに傍にいたモギのミルクを絞り、カタンに渡すとゆっくり1口飲み目を輝かせゴクゴクと一気に飲み干した。
「おいしいー」
ニコニコと笑うカタンにベルンも嬉しそうだった、モギ達はさっさとカタンの家周辺で各々寛げる場所を見つけて休んでいる。
詠斗達は早速鉄板を出して肉や野菜を焼き始め、カルやテトラも呼んで服や小麦粉を混ぜる魔法具の相談もしつつ、カタンとベルンも仲を深めていった。
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