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第3部 歩く路は笑顔で 余裕を持って進んでいこう
13 蜘蛛といもむー
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「おはよう…」
大河が眼を覚ますとチグリス以外は皆起きていた、シャワーを浴びて布団を敷いた所で記憶は途切れていた。
「おはようございます、今日は畑の方で朝ご飯を食べようって今日はドラゴンの皆さんが張り切ってます」
「もう出来てますよーテトラの友達?仕事仲間も来てます。驚くかも」
「そうか…おい、チグリス起きろ飯だ」
「ん…飯」
のそりとチグリスも起きて布団を片付け、畑に向かった。
「大河くん、これがボクの仕事仲間、スパイラーダスパイダーとキャストリガーラだよー。2人共質の良い糸を吐き出してくれるし、布も作ってくれる良い子達だよ」
テトラの後ろにデカイ緑色の芋虫と8本足のきゅう位の蜘蛛が隠れる様にこちらを伺っていた。
「……そうか、宜しく」
目はすっかり覚めた、虫は苦手ではないが目の前にいきなりデカイ虫が現れたら驚く。
「とても良い子達ですよ、お手伝いもしてくれて。きゅう達とも仲良くなってますし」
「可愛いですよー」
し率と大河が蜘蛛と芋虫の頭を撫でている、嬉しそうに照れているらしい、可愛い……うん可愛いのだろう。
「名前は?」
「名前?ある?」
テトラが首を傾げて芋虫と蜘蛛に訪ねると首(?)を横に振っている、テトラも名前等気にしたことも無い。
「ないと不便だろ、長いしその名称」
「確かにーんー、君達自分で決める?」
芋虫と蜘蛛は首を横にする、兄弟の様に仲が良い。
「付けてあげたらどうです?」
「んー、なら君はカフで君はナフどう?」
率の言葉に少し迷って、スパイラーダスパイダーにはカフ、キャストリラーガにはナフと名付けた。
「カフ、ナフ宜しく!じゃ、朝飯にしよう!大根と、ミニトマト出来たんですよ!早速サラダと煮物にしました。トウモロコシと、なんとスイカがショップに追加されてたんです!後でハル達に頼んで植えます!」
「トウモロコシとスイカか。楽しみだな、トウモロコシは特にポップコーンで消費していくから助かる」
「はい、芋もまた収穫出来ますし、またミニトマトもダイコンも植えます!もっともっと畑も広げてたっくさん育てていきます!お店でも使って欲しい!」
「はい!皆さんに食べて欲しいです!詠斗さんの野菜美味しいです!」
張り切る詠斗と率、大河もそうだなと言いつつもう飯を食べ始めているチグリスに続く、千眼がお茶とスープの用意をし、ポテトサラダのサンドイッチにダイコンの煮物、蒸した芋にコーンとミニトマトの塩と香辛料の炒め物、魚の素揚げと言ったメニューをそれぞれ思い思いによそって食べていた。
「ん~美味しいー」
「ミニトマト美味しいー、ポテトサラダもパンと合います」
「ダイコン美味…醤油が合う」
「ミニトマト…食感が面白いですね、いくらでも食べられそうです」
「煮物…久しぶりだな…大根…」
「もしかして…大河さん日本に?」
「いや、全く。只、母親が大根があまり好きじゃなかったから食卓には出て来なかったなのを思い出した」
煮物を口に運びながら呟くから詠斗が恐る恐る大河に日本が恋しくなったのか聞いてしまったが、特にそんな事もないようでほっとする。
「日本に戻りたいとここに来てから1度も思った事はないな」
「僕もです」
「俺も、ここが俺の故郷です」
それは大河にも率にとっても同じだった、帰るべき場所はここだ。
「では、私の故郷もここだ…」
「ん、俺も」
「私も…実際父様もいて家もありますし」
千眼もチグリスもナイルもそれに続く、皆が家族だった。
「さ、それでは家族の為に仕事しよう。今日はテトラがショルダーバッグ欲しいって言ってたから、商業ギルドへその後お店へ行く」
「お店に必要な物をピックアップし、夜時間があれば夜市に行きたいですね」
「そんな感じか、ナイル達は?」
「こちらは肉ダンジョン、鉱物ダンジョンに分かれて…ユナイドさんにラインをしておけばいいですね。父様達と千眼さんは冷蔵庫等を作るみたいです」
「ああ…魔石と鉱物を使えば出来る」
「冷蔵庫や電子レンジ出来たら俺達もここで使おう」
「上手くいけば、貴族の屋敷でも運用していきたい」
「大河くんたちーそろそろいこー」
テトラがウキウキと跳ねながらやってくる、詠斗たちも準備を行い転移魔法を使った。
「詠斗さん達、ささこちらへどうぞ」
「ズィーガーさんこんにちは、今日はこの後用があるので、ショルダーバッグを売って欲しいんです」
「そうでしたか、お陰様でロゴ入りの物は既に注文が入り好調です。通常のショルダーバッグで良ければここに1点あります。今お持ちしますね」
「ありがとうございます」
「詠斗…干したやつ」
「はい、テトラも干し果物食べる?」
「いいのーやたぁ」
周囲を見渡してしていたテトラにもチグリスと同じ干し果物を渡すと、ニコニコと小さい口で食べている。
「お待たせしました、こちらです」
「やた、いくら?」
「こちらはどうぞ差し上げますから、使って下さい」
「ダメダメ、しっかり作られた良い物だからちゃんと払う。いくら?」
「…ありがとうございます、5,000ログでございます」
テトラが固辞しズィーガーから言われた金額を袖から出して渡す、満足そうにショルダーバッグを肩に掛けている。
「うん、軽くて掛けやすい」
「あ、これパティ差し入れです、ゴーテンさん達と食べて下さい」
「これは、ありがとうございます。実は昨日買いに行ったんですが店じまいを…今度お時間あるときにいらして下さい」
「…ああ、そうだな来るとしよう」
「はいお待ちしています」
「次はお店に行きましょう」
大河が眼を覚ますとチグリス以外は皆起きていた、シャワーを浴びて布団を敷いた所で記憶は途切れていた。
「おはようございます、今日は畑の方で朝ご飯を食べようって今日はドラゴンの皆さんが張り切ってます」
「もう出来てますよーテトラの友達?仕事仲間も来てます。驚くかも」
「そうか…おい、チグリス起きろ飯だ」
「ん…飯」
のそりとチグリスも起きて布団を片付け、畑に向かった。
「大河くん、これがボクの仕事仲間、スパイラーダスパイダーとキャストリガーラだよー。2人共質の良い糸を吐き出してくれるし、布も作ってくれる良い子達だよ」
テトラの後ろにデカイ緑色の芋虫と8本足のきゅう位の蜘蛛が隠れる様にこちらを伺っていた。
「……そうか、宜しく」
目はすっかり覚めた、虫は苦手ではないが目の前にいきなりデカイ虫が現れたら驚く。
「とても良い子達ですよ、お手伝いもしてくれて。きゅう達とも仲良くなってますし」
「可愛いですよー」
し率と大河が蜘蛛と芋虫の頭を撫でている、嬉しそうに照れているらしい、可愛い……うん可愛いのだろう。
「名前は?」
「名前?ある?」
テトラが首を傾げて芋虫と蜘蛛に訪ねると首(?)を横に振っている、テトラも名前等気にしたことも無い。
「ないと不便だろ、長いしその名称」
「確かにーんー、君達自分で決める?」
芋虫と蜘蛛は首を横にする、兄弟の様に仲が良い。
「付けてあげたらどうです?」
「んー、なら君はカフで君はナフどう?」
率の言葉に少し迷って、スパイラーダスパイダーにはカフ、キャストリラーガにはナフと名付けた。
「カフ、ナフ宜しく!じゃ、朝飯にしよう!大根と、ミニトマト出来たんですよ!早速サラダと煮物にしました。トウモロコシと、なんとスイカがショップに追加されてたんです!後でハル達に頼んで植えます!」
「トウモロコシとスイカか。楽しみだな、トウモロコシは特にポップコーンで消費していくから助かる」
「はい、芋もまた収穫出来ますし、またミニトマトもダイコンも植えます!もっともっと畑も広げてたっくさん育てていきます!お店でも使って欲しい!」
「はい!皆さんに食べて欲しいです!詠斗さんの野菜美味しいです!」
張り切る詠斗と率、大河もそうだなと言いつつもう飯を食べ始めているチグリスに続く、千眼がお茶とスープの用意をし、ポテトサラダのサンドイッチにダイコンの煮物、蒸した芋にコーンとミニトマトの塩と香辛料の炒め物、魚の素揚げと言ったメニューをそれぞれ思い思いによそって食べていた。
「ん~美味しいー」
「ミニトマト美味しいー、ポテトサラダもパンと合います」
「ダイコン美味…醤油が合う」
「ミニトマト…食感が面白いですね、いくらでも食べられそうです」
「煮物…久しぶりだな…大根…」
「もしかして…大河さん日本に?」
「いや、全く。只、母親が大根があまり好きじゃなかったから食卓には出て来なかったなのを思い出した」
煮物を口に運びながら呟くから詠斗が恐る恐る大河に日本が恋しくなったのか聞いてしまったが、特にそんな事もないようでほっとする。
「日本に戻りたいとここに来てから1度も思った事はないな」
「僕もです」
「俺も、ここが俺の故郷です」
それは大河にも率にとっても同じだった、帰るべき場所はここだ。
「では、私の故郷もここだ…」
「ん、俺も」
「私も…実際父様もいて家もありますし」
千眼もチグリスもナイルもそれに続く、皆が家族だった。
「さ、それでは家族の為に仕事しよう。今日はテトラがショルダーバッグ欲しいって言ってたから、商業ギルドへその後お店へ行く」
「お店に必要な物をピックアップし、夜時間があれば夜市に行きたいですね」
「そんな感じか、ナイル達は?」
「こちらは肉ダンジョン、鉱物ダンジョンに分かれて…ユナイドさんにラインをしておけばいいですね。父様達と千眼さんは冷蔵庫等を作るみたいです」
「ああ…魔石と鉱物を使えば出来る」
「冷蔵庫や電子レンジ出来たら俺達もここで使おう」
「上手くいけば、貴族の屋敷でも運用していきたい」
「大河くんたちーそろそろいこー」
テトラがウキウキと跳ねながらやってくる、詠斗たちも準備を行い転移魔法を使った。
「詠斗さん達、ささこちらへどうぞ」
「ズィーガーさんこんにちは、今日はこの後用があるので、ショルダーバッグを売って欲しいんです」
「そうでしたか、お陰様でロゴ入りの物は既に注文が入り好調です。通常のショルダーバッグで良ければここに1点あります。今お持ちしますね」
「ありがとうございます」
「詠斗…干したやつ」
「はい、テトラも干し果物食べる?」
「いいのーやたぁ」
周囲を見渡してしていたテトラにもチグリスと同じ干し果物を渡すと、ニコニコと小さい口で食べている。
「お待たせしました、こちらです」
「やた、いくら?」
「こちらはどうぞ差し上げますから、使って下さい」
「ダメダメ、しっかり作られた良い物だからちゃんと払う。いくら?」
「…ありがとうございます、5,000ログでございます」
テトラが固辞しズィーガーから言われた金額を袖から出して渡す、満足そうにショルダーバッグを肩に掛けている。
「うん、軽くて掛けやすい」
「あ、これパティ差し入れです、ゴーテンさん達と食べて下さい」
「これは、ありがとうございます。実は昨日買いに行ったんですが店じまいを…今度お時間あるときにいらして下さい」
「…ああ、そうだな来るとしよう」
「はいお待ちしています」
「次はお店に行きましょう」
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