あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
上 下
62 / 867
第3部 歩く路は笑顔で 余裕を持って進んでいこう

3 準備万端!

しおりを挟む
3 準備万端!
「ただいま」

「かえった…」

「おかえりなさい!大河さん、チグリス!来てくれましたよ!3人目の日本人!」

「初めまして、成澤 率です」

「どうも、俺は峯尾 大河という。大河とよんでくれ」

「俺はチグリス…ドラコン」

「宜しくお願いします!」

率がと大河とチグリスを見て頭を下げる、大河はモデルか俳優顔負けのスラッとしたスタイルと端正な容姿におそらく全身同一ブランドの服をそつなく着こなした大人の男性と、深い赤の髪色に鮮やかなオレンジ色の切れ長の瞳はどこか気だるげだが、パーカーと濃紺のバンツが良く似合っている青年の2人が快く歓迎してくれた。

「聞いているかも知れないが、明日はドラコンの婚礼をここで行う。君…率君の歓迎会も行いたいと思う。俺もここで詠斗君の世話になりながら店を作って生計を立てていくつもりだ」

「世話だなんて大河さんには良くして貰っています!」

仲も良さそうで良かった、ここでなら自分も自分らしく生きていけそうな気がする。

「僕もここでお世話になりたいと思います!出来る事は少ないと思いますますが、お手伝いさせて下さい」

『よろしく』

「詠斗その爪は?」

「これ?率くんにやって貰ったんだ!明日はお祝いの席だから」

「僕はネイルが趣味なので…」

「綺麗だな、器用なんだな」

「少し細かい作業が好きなだけなんです、チグリスさんもします?」

「ん…やる。チグリスでいい」

「俺の爪も整えてくれるか?せっかくだから塗ってもらうか。ナイルも千眼もよく似合っているな、きゅう達もして貰ったのか」

詠斗は青空をモチーフとしたネイル、千眼は夜空に星を散りばめたモチーフ、ナイルは花モチーフ、きゅうは緑ウィンは白、ハルはピンクにナツ青、アキは赤と小さい爪に丁寧にマニキュアが塗られていて皆喜んでいた。

「はい、いいですよ。チグリスさ…チグリスからします?」

「ん…」

「対面の小さいテーブルが必要だな」

「ドワーフのみなさんに作って貰いますか」

「そうだな」

テーブルに率とチグリスが座り、収納から道具とマニキュアを出し好きな色を選んで貰い、爪の手入れから始めた。

「チグリスも爪綺麗です」

「ドラコンは皆こんな感じだ」

「そうなんですね、手入れもしやすくて爪の形も綺麗ですね」

「………ん」

チグリスの口が少しモゴモゴとしている、照れているのか顔に僅かに朱色が差した。

「ご飯は明日の食事のついでに用意してるので、準備は大体出来てますよ」

「そうだな、トウモロコシの粒を取ってポップコーンの下準備でもするか」

「俺は瓶も作ったんでジャム作りを…」

「私もジャム作りお手伝いします」

「私も…」

「わかった」

『きゅう』『もぐぅ!』「きゅう達は湖で魚を採ってくるそうです」

「休んでていいのに」

『もぐっ』「水遊びもしたいみたいです」

「もうじきご飯だから早く帰って来なね」

『きゅう』『もぐ』『もっぐ』『もぐぅ』『ぴぃ』

きゅう達で湖に向かって行く、それを見送り皆各々の準備に取り掛かった。



『いよいよ明日か…手土産の準備は抜かりないか?』

『はい、長。我々の親愛の証として群れのドラコンの鱗と100年物の花酒。《翼ある者》にしか行く事が出来ない島ユライナでしか採れない鉱物とその島のダンジョンの最終階層のボスドロップ品である聖剣と食物。全て滞りなく揃えてあります』

『うむ、問題なさそうだな…アゲイルと伴侶殿は…』

『明日直接《不毛の地》に向かうとの事ですので…後は…」

『レトか…』

『はい、ラドゥとオリガに捜させましたが…』

『仕方あるまい…』

ドラゴンの住処で長とナイルの父親の会話、明日の準備を入念に行っているようだった。

『では、明日の為に早めに休むとするか…』

『私もそうします』

ドラゴンといえど日常特にする事は少ない、食料の確保、他の群れとの情報交換、住処周辺の見回り暗位な物だった。

若いドラゴンや好奇心旺盛なドラゴンならば、人のいる所に赴いたり放浪などもするが大体のドラゴンは住処から移動を余程の事がなければしなかった。

明日は我が子の晴れ舞台、ドラゴンという種族全体にも関わってくる、どうか無事に終わるように2頭は祈った…。



『きゅ!』『もぉぐ』『もっぐ』『もぐもぐ』『ぴい』

一方こちらはカメさんモグラさんウサギさんチーム、鼻歌でも歌いだしそうな雰囲気で湖にピクニック気分で訪れた5匹。

早速湖の中にきゅうが入りその甲羅の上にアキとウィンが乗って、ハルとナツは風魔法で水魔法で水面を滑るように湖の奥へと進む。

『もぐ』

ハルが皆を止め本日の狩場をここと定めたようだ、明日は恩人のチグリスやいつも優しくしてくれるナイルの同胞の婚礼と言う事もあり皆気合を入れて大物を狩る気満々だった。

『きゅう!』『ぴい』

きゅうとウィンで風魔法を使い湖に渦を作り出す、神々から神獣認定され魔力の量が桁違いに増え2属性同時行使も苦ではなく大物も楽に仕留められるようになった。

『グギュウアァ!!!』

渦の底から姿を現した巨大な怪魚きゅうが鑑定を行う、ギャランバウンガ:口から放つ水弾は岩をも砕く 弱点は炎で焼くか もしくは氷漬けにし砕く また鱗は堅く打撃は効かないが目と口周辺は打撃が届きやすい 風矢で串刺しもあり 素材として骨と鱗はとても高く売れる 身は大変美味 頑張れー 神々も応援しています しっかり鑑定が仕事をしている、きゅうがこくりと頷き『きゅ!!』ハルとナツに風矢と風斬で目と口を攻撃するように指示を出す。

ウィンが氷魔法を鞭のように細くしギャラハンバウンガの身体に絡みつかせ、すぐさまハルとナツが風魔法を産み出し、目と口周りを貫く。

『ギャゥゥウゥォ!!!』

苦痛に身をうねらせ暴れ狂うが、やがて静かになり事切れた。

『きゅう!』『もぉぐ』『もぐ』『もっぐ』『ぴい!」

5匹でわいわいと盛り上がっていると、巾着の中に入れていたスマホからラインでご飯だよとメッセージが来たので風魔法でギャラハンバウンガを運びなら皆で畑に戻る事にした、その後ろで黒い蝶が1羽舞っていたのは内緒である…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです

わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。 対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。 剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。 よろしくお願いします! (7/15追記  一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!  (9/9追記  三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン (11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。 追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。

処理中です...