あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第2部 スタートはゴール地点から 本が読みたければ稼がねば編

19 異世界流夜の過ごし方その4

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「そろそろ、夜飯作ろうか。パンケーキも作るよ」

「なら、俺は肉を焼くか」

「なら私はポテトサラダとパンの準備をします」

「私はサラダと飲み物」

「詠斗を手伝う」

『もぐ!』『もぐぅ』『もぐ』『ぴぃ』『きゅ』きゅう達も手伝うとの事なので皿の準備を任せ、パンケーキを作り始める。

「詠斗くん、この本とかどうだ?」

「あ、良いですね、借ります。そう言えば秤とかは無いんだよな。目分量でいいか」

深目な木皿に粉を入れ、水も目分量で入れ割り箸でかき混ぜる。

「牛乳も卵もベーキングパウダーもないし、水飴入れてみようかかな。後はチョコ…刻んでみるか…んーあ、マヨネーズ!マヨネーズを隠し味に入れるとふわってなるって!」

テレビで見た知識を思い出し隠し味に少量マヨネーズを入れよくかき混ぜる、チグリスに用意して貰いよく熱した鉄板に、タネを入れて焼く。

「んー、お、焼けてる。ひっくり返して…しばらく待つ。串で真ん中を刺して…大丈夫そうかな。よし皿に載せて味見…んー、卵も牛乳もないからこんなものかな。チグリスも食べてみて」

「…ふわとしてる…おいしい」

「なら、良かった」

「俺が作る…覚えた」

「本当?すごいね、チグリス。ここに材料置いとくね。俺は他の準備するよ」

「ん」

真面目な顔をして粉と水を入れて混ぜているチグリスの側で、サンドイッチの具材の準備を始めた。



「肉こんな感じか、ステーキにしてソースを色々用意するか。今日は醤油に…酒を少しい入れてみるか」

樽から少し酒をコップに入れて味見をする、濃いとろみのある琥珀色の液体。

「割って飲む酒か…状態異常無効だから酔いもしないだろうな」

肉に振りかけ火柱を上げるが熱くもない、肉の焼ける臭いが食欲をそそった。

「今度ハンバーグもいいな」

余ってもいいように次から次へと肉を焼くが、調理器具の数は足りてないドワーフに注文をしようと手はひたすら肉を焼き、頭の中では仕事の事を考える。

本意外にこんなに夢中になったのは何時振りだろうかと考えていく内に肉は塔のように均一に積み重なっていた。



「茹でた芋の皮をきゅうお願いします」

『きゅっ!』

茹でた芋を風魔法で皮を剥きついでに剥いた皮も食べながら、モグラ達が土魔法で空中で潰してマヨネーズと隠し味に味噌と辛めの香辛料を混ぜ合わせて皿に山の様に盛っていく、ナイルはまた芋を茹でる作業に戻るの繰り返しを行う。

「アゲイル様と伴侶様きっと喜んでくれますね」

異界からきた青年がドラゴンとネズミの結婚を祝福してくれる、神々からも認められた存在が祝福している、アゲイルとその伴侶の婚姻は歴史に残るものになるだろう。



「ウィンも手伝うのか?」

『ぴぃ』

「そうか…、野菜を洗ってくれるか?」

『ぴぃ』

水魔法を使いサラダに使う野菜を洗って綺麗に用意したそれぞれの皿に盛っていく、千眼がお礼にとレタスモドキ(仮)をあげると嬉しそうに食べている。

「味は…味噌マヨネーズにするか」

『ぴぃ』

ウィンも賛成のようで嬉しそうに鳴いている、今日の食事も写真に撮ろういつか見せたい相手に見せられる日が来ることを信じて…。



「よし、出来た。パンケーキも食べてみて。あまり甘くしていないから肉と食べても良いし、蜂蜜かけて食べても美味しいと思う。あ、砂糖が買えたからジャムも作ろう」

「そうだな、出来立てをパンに塗って…朝飯にいいな」

「ご飯食べたらテントで作ろうかな、そういえばもう1つのテント《クイナト》にある方は、食料の貯蔵庫にしても良いかも、寝かせておくと美味しくなるものとか」

「そうだな、店が始まれば在庫の保管庫も必要になるか…」

「話しはそこまでにして食事をしないと…」

仕事の話しに花が咲いて夢中になっている所を、千眼に止められ辺りを見るとチグリスときゅうが待て状態になって今にでも食事に飛びつきそうな様子だった。

「あ、ごめんチグリス、きゅう。それでは」

『いただきます』



「食べた食べた、シャワーみんな先に浴びる?俺はジャム作るけど」

「手伝いますよ」

「俺も…」

「私もジャムの作り方知りたい」

「俺は、店の内装を考える。作り終わったら教えてくれ、皆で入った方が楽だろ」

「わかりました」

テントに戻りそれぞれのこの後の予定がきまり、きゅうとウィンは図鑑を一緒に眺め、モグラ達はスマホで遊んでいる。

「ジャム作りは簡単、気をつけないいけないのは焦がさないようにかき混ぜること。ガラス瓶のような…明日ダンジョンで手に入るかな、とにかく密閉性の高いものだとカビとかの心配はないね。今日はお試しでって感じで、本当はレモンがいるんだけど無しで、まず皮を剥いて…きゅうが来たからあげて細かく切る。切り終わったら鍋に入れて…鍋クイナトで探そう。で、水をこの位でいいか鍋を焦がさない感じで、これでしばらく中火…ありがとう。ひたすら煮る」

リンゴモドキ(仮)の皮を剥き畑から持ってきた竈に火を入れ、チグリスに調整してもらい丁度中火位の火力で煮ていく。

「良い香りですね」

「食いたい」

「色々な果物で作れるのか?」

「うん、応用できるね。大体の果物…野菜ジャムとかにも出来るよ」

「明日の鉱物ダンジョンでガラスを確保出来たら、沢山瓶を作りたいね。しんなりしてきたら砂糖を…砂糖は入れた果物の半分より多いか、後は好みで入れてみてもいいね。火を強めにして少し煮ると灰汁がでるから必ず取るように、焦がさないよう気を付けてしばらく煮て、つやが出たら完成。皿に移して少し熱いから冷まして食べよう」



「この建物内に5つの店を入れる、毎日稼働をするかは本人たちに決めてもらうか…」

テント内に作った図書スペースで、カフェ特集をしている雑誌(母親の趣味)を何冊か広げ詠斗から貰ったメモ帳とペンとスマホを使って考えをまとめていく。

「ポップコーンは外で販売するか、間食用に味は売れ行きを見てまずは1種類。一階はパン屋と焼き菓子の厨房にして二階はパティ…おそらくこちらの話しに乗るだろう。もう1軒の店も2階でやってもらおうか、後は飲食スペースは無くして商品棚にして、厨房側の壁を持ち帰り用のショーケースにしてみるか。2階の調理スペースは簡単に上げ下げと移動し易いものにを中心に…庭が結構広いから倉庫…後テーブルとイスに防水の効く布を屋根代わりにするか」

「大河さんジャム出来たんでどうぞ」

「茶も淹れよう」

「食べたい」

「素敵な建物ばかりですね、詠斗さんや大河さんがいた世界は」

「魔法が無い代わりに化学が発展し、様々な便利な物で溢れているからな」

机の上を片付けてジャムの試食を行う、全員で食べればあっという間に無くなってしまった。

「久しぶりだな、リンゴジャムを食べるのは」

「俺は傷みかけの安い特売のイチゴでしか作ったことないけど美味しいですね」

「もっと…食いたい」

「確かにもっと食べたい味ですね」

「明日のダンジョンでガラスをドロップ出来ればもっと沢山作るよ」

「ん…神様達からラインが来たな、スマホの礼としてスキルを付与とポイント加算したから確認してくれと来た」

「本当だ、了解しましたありがとうございます…とスタンプしてすぐ既読ついたしかも全員」

「暇なんだろ、確認するか」



峯尾 大河 : 不老不死 肉体年齢 27歳 導く者



所持魔法

水魔法 火魔法 浄化魔法(自動清掃) 転移魔法 



スキル

状態異常無効 無限収納(時間停止 ウィンドウ表示) ステータス隠蔽 攻撃無効※ 自動マッピング 鑑定 回収(主にドロップ品の回収) 通知機能



固有スキル

書店(※もう間も無く)



善行ポイント

5,800pt+9,200pt(スマホ代+店作り)



現在交換可能



只今準備中



「増えたな、これは便利だ。通知機能ってスマホからか?」

「俺のも同じような感じですね、そろそろシャワーにします?」

「そうだな」



「さっぱりした」

「気持ちいいですね」

「寝る」

「私は本を…」

「俺も明日も忙しいからな、寝るか」

「ハル達寝るよー」

「ウィンは…もう自分で用意してきゅうの上で寝ているか…」

布団をそれぞれ敷き詠斗がハル達を呼ぶ、ウィンはきゅうの甲羅の上に自分でタオルを敷きハンカチを被り潜り込んでいた。

『おやすみなさい』

各々布団に入り適当に雑談しながら、ゆっくり眠りについた…。



「散歩にはもう行ったのか?」

「ああ、先ほど…きゅうも寝ている」

なんとなく目が覚めた、少し離れた図書スペースで静かにページをを捲る千眼に大河が声を掛けた。

きゅうも目を閉じ夢心地でいる、ウィンもタオルに潜り込んで上下にさせていた。

「お茶飲むか?少し前に淹れた所…」

「ああ、貰う」

茶器から注いだカップを受け取る、濃いめに淹れたお茶は柑橘系の風味がして美味い。

「魔王って何だ?神か?」

「ミネ達が来る前は最も神に近い存在…だった」

「…俺たちの方が神に近いというわけか」

「肉体、魔力、持っているスキルと魔法…を見ればミネ達の方が近い」

ミネどうやら千眼は2人の時にそう呼ぶ事に決めたようだった、心地よい響きに悪くはないなと思う。

「神になりたいとは思わないのか?」

「ない、私は魔王…それで良い」

「そうか、で、お前がここにいる理由は?突然来てここに置いてくれと言ったらしいな、目的は?あるんだろう?」

大河は人の良い詠斗を利用して魔王が何か企んでいるという可能性をさっさと潰したい、大河は千眼魔王を気に入っている何かるならそれを潰して完全に抱き込みたいと思っている。

「目的はあるが…私がここにいる理由は弱いからだ」

「弱い?魔王が?お前が?」

大河の知識の中に魔王の強さは無い、だが人と魔王は敵対しているから別の魔王が封印されたとある。

「弱い…ずっと逃げ回っていた…人は魔王を嫌う」

「…分かった、目的は?」

「………」

「今はいい、これ以上は聞かない。詮索は好きじゃないからな、俺を…詠斗くんを裏切らなければ…な、大切にしてやろう。千眼魔王」

「分かった、無論裏切るつもりはない」

「おやすみ…」

大河がお茶を飲み干し布団に入る、千眼は再び本に目を移した…。
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