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第2部 スタートはゴール地点から 本が読みたければ稼がねば編
2 無茶も通せばなんとやら…
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2 無茶も通せばなんとやら…
「質問というか、聞きたい事がある」
「我々に答えられる事ならば」
「俺の財産…日本にある本はどうなる?」
「貴方の存在はゆっくり消えていきます、貴方が所有していた物も消えていきます…」
「どうにかあの、俺の財産…全てを《アタラクシア》に俺と共に連れて行きたい…」
「…それは難しい」
待ってたその言葉を、不可能という言葉が出ていなければ、大河に勝幾はある。
「…祖父から受け継いで…俺が生まれる前から家にあった本達。俺にはもう血縁が1人もいない…だから家族に等しいそんな存在なんだ…」
いや、紙を家族って自分で言っていて謎である、だがここで無茶を通せばなんとか叶うかもしれないという、希望に賭けてみる。
祖父や両親、自分が子供の頃からコツコツ買っていた本、住んだ家にも、職場にも、日本という国にも未練や執着はない、あるのは本が持っていけるかどうかだ。
「どうか、お願いします」
『少し時間を…』
っしここまでくれば、後一押と神妙な面持ちで待つ事にする。
「どうします?」
「叶えてあげたいのはヤマヤマなのです」
「できなくもない」
「…思い出…願い…誠意…」
「ふむ、削ってその分を…」
「確かにそれなら」
「難しいがな」
「ですが、やれない事も」
「契約としてならば」
「んー、よしこれで」
「なんとか上手くいきそうです」
「では調整は完了ですね」
「後は確認です」
大河の耳には入らないが、話し合いは終わり1人が大河の正面に立つ。
「お待たせしました、貴方の望みを叶えましょう。条件付きですが…」
「ありがとうございます、条件はというのは?」
「まず、本を貴方の収納に入れるには代償が必要となります。貴方所持魔法2つを削る、貴方の善光ポイント3000ポイントを削る、後はここが心苦しいのですが…貴方が日本で得た貯金はこちらの通過に代え収納に納めています、その半分を削る。我々の依頼を受けて貰う場合もある、但し断っても構いません。以上の条件を呑んでもらえれば…」
「その条件を呑む、所持魔法で削るのは雷魔法と空魔法だ」
よし、心の中でガッツポーズを取るが、顔には出さずに食い気味に答えた。
「ふむ、その2つの魔法でいいのか」
「はい、俺には過ぎた代物かと…」
単に雷や高い所が好きではないのと、後は削りたくないからだった。
「じゃ、もう1度ステータス見てくれ、所持金は半分に削っている固有スキルに表示されるが今は使えないから後で確認してくれ。金は収納から取り出せる」
峯尾 大河 : 不老不死 肉体年齢 27歳 導く者
所持魔法
水魔法 火魔法 浄化魔法 転移魔法
スキル
状態異常無効 無限収納(時間停止) ステータス隠蔽 攻撃無効※
固有スキル
書店(※只今準備中)
善行ポイント
10,000pt(-3,000pt 契約により)
「うん、これで良い」
「収納に本は全て入っています、《アタラクシア》に着いたら確認して下さい」
「どうも…依頼の件はなるべく受けるので」
「…本来なら《アタラクシア》に来てくれただけで感謝なのですが…こればかりは我々の力不足なのです」
良い神々なんだなと心底思う、大河を想い気遣う気持ちが伝わってきて仕方がない、微かに苦笑いを受けべた。
「それでは《アタラクシア》とこれからについての話しです、現在アタラクシアには異界人が1名…《不毛の地》枯れ死んだ大地を仲間と共に再生をしています。彼のここでの願いは誰の場所でもない所で生きていく事です。そしてこれから先、残り6人の日本人を治癒の為に召喚し治療完了となります。時期や進捗をみて次回の召喚を行います。このまま《アタラクシア》に向かいのもそうですが、もう1つの選択肢もあります」
「もう1つ…」
自分が2人目、後6人の召喚…神々もそれは罪悪感を抱くのかもなと大河は思う、自部のように元の世界に大して未練がないなら良い、だが日本は恵まれているそこから知らない世界にいきなり来るなど耐えられない人間の方が多いだろう。
「此処で14番目の神として在る事です、我々は貴方を14番目の神として歓迎します」
「断る、《アタラクシア》で生きていく」
「そうですか…、《アタラクシア》で生きる事を終わらせたいと思う日がくれば死…とは違いますが眠る事も可能です」
「なるほど…承知した」
不老不死ならばいつかは来るだろうそれを思う日が、神になりたいとは思わないがその提案は胸の内に仕舞っておこう。
「では前へ…失礼します」
大河の額に指を2本添え、淡い光が大河に吸い込まれていく。
「《アタラクシア》の知恵と知識を渡しました」
「そこまでしてくれるのか…」
「感謝と誠意を…ではこちらを…」
充分すぎる物を貰い逆に戸惑う位だ、だが貰えるもは貰っておく、知らない世界でこれから生きていくの貰い過ぎが丁度良いと割り切る。
地球儀の様なを眺める球体、これが《アタラクシア》なのだろう薄い雲のような幕が濃い部分が多い。
「今、1人目の異界人がいるのが此処《不毛の地》です。此処からならば何処にでも転移できます」
「そうか…」
ライトノベルやファンタジーなら《不毛の地》という、同じ世界からきた人間が住む場所を目指して過酷な地点からスタートしゴールに向かうのかもしれないが…本を読んで程々平穏に生きていければいい…ので。
「《不毛の地》へ行く…」
緑もない枯れた広大な大地が広がる場所、良く目を凝らせば点のような茶色がある。
「分かりました、それと…貴方が日本から持ち込んだ物は消費、破損、売る、贈るなどすると元の状態で手元に戻ります」
「……え、すごくないか」
「喜んで貰えて良かったです」
「あー、これ、コンビニで買ったもので良ければ、神様といえばお供えか?物は食べるのか?」
「食べる…必要ない…けど食べる」
「なら、どうぞ色々どうも…」
コンビニで購入した袋を渡す、最後の特典が使い方次第で大金を稼げる気がする、ファンタジーはすごい。
「此処から見守っています、手を《不毛の地》に向けて伸ばしてください」
「あー、はい、行ってきます」
『行ってらっしゃい』
またいつか会う日が来るのかもしれないと思いながら、日本から此処に喚ばれた際と同じ穴が広がる。
またいつか…の日が実はそう遠くも無い事を今はまだ知る由もなかった…。
「ここが《不毛の地》という場所か」
手には先ほど神々に渡したコンビニの袋がそのままの状態であり、本当に不思議だなと思うが便利なので感謝の気持ちを抱く。
「あ…もしかして異界人の方ですか?」
少し離れた所から人が大河に向かって歩いてくる、2人とカメ?らしき生物。
「そうだが…君たちは…」
2人の容貌を見る限り日本人には見えない、声を掛けて来た方は藍色の髪と瞳17、8歳位可愛らしい笑顔の少年、もう1人は夜を人の形にしたような黒に近い紫の濃い髪と星が瞬く暗い蒼の瞳、透けるような白い雪の様な肌の青年、目を惹く2人だが服装がちぐはぐだった。
少年は長袖パーカーと中に半袖のインナーとダメージジーンズ、青年は青いシャツに黒いスラックス、細工が細かく施され余計にちぐはぐだった、服は異界人この世界に初めてきた人の物だろうが…服を沢山持ち込めたのだろうか(アパートに車が突っ込み荷物を抱えていたおかげです)辺りを見渡しても他に人の影はない。
「詠斗さんなら、今もう1人と買い物中です。私はナイルと申します、ドラゴンです」
「今、茶の準備をした所だ、よければ飲まないか?私が淹れた、私は千眼魔王だ…こちらはきゅうだ」
『きゅっ!』
…まさかの最初の出会いがドラゴンと魔王…とカメ、どうなっているんだこの世界、普通最初に会うものなのか…?出会ってしまったなら、是非ともお近づきになっておいて損は無いだろう。
「俺は峯尾 大河、日本という場所から来た」
「詠斗さんと同じですね」
「後6人来る…2人目だ歓迎しよう」
『きゅきゅ』
「お茶を飲みながら、帰りを待ちましょう」
カメも喜んで迎えてくれる、薄ら寒さや灰色の空の先目を凝らすと白い月とその回りを瞬く13の星々、珍しくウキウキワクワクしている自分に少し笑う、同じこの世界にきた日本人に会うのが楽しみだ…。
「質問というか、聞きたい事がある」
「我々に答えられる事ならば」
「俺の財産…日本にある本はどうなる?」
「貴方の存在はゆっくり消えていきます、貴方が所有していた物も消えていきます…」
「どうにかあの、俺の財産…全てを《アタラクシア》に俺と共に連れて行きたい…」
「…それは難しい」
待ってたその言葉を、不可能という言葉が出ていなければ、大河に勝幾はある。
「…祖父から受け継いで…俺が生まれる前から家にあった本達。俺にはもう血縁が1人もいない…だから家族に等しいそんな存在なんだ…」
いや、紙を家族って自分で言っていて謎である、だがここで無茶を通せばなんとか叶うかもしれないという、希望に賭けてみる。
祖父や両親、自分が子供の頃からコツコツ買っていた本、住んだ家にも、職場にも、日本という国にも未練や執着はない、あるのは本が持っていけるかどうかだ。
「どうか、お願いします」
『少し時間を…』
っしここまでくれば、後一押と神妙な面持ちで待つ事にする。
「どうします?」
「叶えてあげたいのはヤマヤマなのです」
「できなくもない」
「…思い出…願い…誠意…」
「ふむ、削ってその分を…」
「確かにそれなら」
「難しいがな」
「ですが、やれない事も」
「契約としてならば」
「んー、よしこれで」
「なんとか上手くいきそうです」
「では調整は完了ですね」
「後は確認です」
大河の耳には入らないが、話し合いは終わり1人が大河の正面に立つ。
「お待たせしました、貴方の望みを叶えましょう。条件付きですが…」
「ありがとうございます、条件はというのは?」
「まず、本を貴方の収納に入れるには代償が必要となります。貴方所持魔法2つを削る、貴方の善光ポイント3000ポイントを削る、後はここが心苦しいのですが…貴方が日本で得た貯金はこちらの通過に代え収納に納めています、その半分を削る。我々の依頼を受けて貰う場合もある、但し断っても構いません。以上の条件を呑んでもらえれば…」
「その条件を呑む、所持魔法で削るのは雷魔法と空魔法だ」
よし、心の中でガッツポーズを取るが、顔には出さずに食い気味に答えた。
「ふむ、その2つの魔法でいいのか」
「はい、俺には過ぎた代物かと…」
単に雷や高い所が好きではないのと、後は削りたくないからだった。
「じゃ、もう1度ステータス見てくれ、所持金は半分に削っている固有スキルに表示されるが今は使えないから後で確認してくれ。金は収納から取り出せる」
峯尾 大河 : 不老不死 肉体年齢 27歳 導く者
所持魔法
水魔法 火魔法 浄化魔法 転移魔法
スキル
状態異常無効 無限収納(時間停止) ステータス隠蔽 攻撃無効※
固有スキル
書店(※只今準備中)
善行ポイント
10,000pt(-3,000pt 契約により)
「うん、これで良い」
「収納に本は全て入っています、《アタラクシア》に着いたら確認して下さい」
「どうも…依頼の件はなるべく受けるので」
「…本来なら《アタラクシア》に来てくれただけで感謝なのですが…こればかりは我々の力不足なのです」
良い神々なんだなと心底思う、大河を想い気遣う気持ちが伝わってきて仕方がない、微かに苦笑いを受けべた。
「それでは《アタラクシア》とこれからについての話しです、現在アタラクシアには異界人が1名…《不毛の地》枯れ死んだ大地を仲間と共に再生をしています。彼のここでの願いは誰の場所でもない所で生きていく事です。そしてこれから先、残り6人の日本人を治癒の為に召喚し治療完了となります。時期や進捗をみて次回の召喚を行います。このまま《アタラクシア》に向かいのもそうですが、もう1つの選択肢もあります」
「もう1つ…」
自分が2人目、後6人の召喚…神々もそれは罪悪感を抱くのかもなと大河は思う、自部のように元の世界に大して未練がないなら良い、だが日本は恵まれているそこから知らない世界にいきなり来るなど耐えられない人間の方が多いだろう。
「此処で14番目の神として在る事です、我々は貴方を14番目の神として歓迎します」
「断る、《アタラクシア》で生きていく」
「そうですか…、《アタラクシア》で生きる事を終わらせたいと思う日がくれば死…とは違いますが眠る事も可能です」
「なるほど…承知した」
不老不死ならばいつかは来るだろうそれを思う日が、神になりたいとは思わないがその提案は胸の内に仕舞っておこう。
「では前へ…失礼します」
大河の額に指を2本添え、淡い光が大河に吸い込まれていく。
「《アタラクシア》の知恵と知識を渡しました」
「そこまでしてくれるのか…」
「感謝と誠意を…ではこちらを…」
充分すぎる物を貰い逆に戸惑う位だ、だが貰えるもは貰っておく、知らない世界でこれから生きていくの貰い過ぎが丁度良いと割り切る。
地球儀の様なを眺める球体、これが《アタラクシア》なのだろう薄い雲のような幕が濃い部分が多い。
「今、1人目の異界人がいるのが此処《不毛の地》です。此処からならば何処にでも転移できます」
「そうか…」
ライトノベルやファンタジーなら《不毛の地》という、同じ世界からきた人間が住む場所を目指して過酷な地点からスタートしゴールに向かうのかもしれないが…本を読んで程々平穏に生きていければいい…ので。
「《不毛の地》へ行く…」
緑もない枯れた広大な大地が広がる場所、良く目を凝らせば点のような茶色がある。
「分かりました、それと…貴方が日本から持ち込んだ物は消費、破損、売る、贈るなどすると元の状態で手元に戻ります」
「……え、すごくないか」
「喜んで貰えて良かったです」
「あー、これ、コンビニで買ったもので良ければ、神様といえばお供えか?物は食べるのか?」
「食べる…必要ない…けど食べる」
「なら、どうぞ色々どうも…」
コンビニで購入した袋を渡す、最後の特典が使い方次第で大金を稼げる気がする、ファンタジーはすごい。
「此処から見守っています、手を《不毛の地》に向けて伸ばしてください」
「あー、はい、行ってきます」
『行ってらっしゃい』
またいつか会う日が来るのかもしれないと思いながら、日本から此処に喚ばれた際と同じ穴が広がる。
またいつか…の日が実はそう遠くも無い事を今はまだ知る由もなかった…。
「ここが《不毛の地》という場所か」
手には先ほど神々に渡したコンビニの袋がそのままの状態であり、本当に不思議だなと思うが便利なので感謝の気持ちを抱く。
「あ…もしかして異界人の方ですか?」
少し離れた所から人が大河に向かって歩いてくる、2人とカメ?らしき生物。
「そうだが…君たちは…」
2人の容貌を見る限り日本人には見えない、声を掛けて来た方は藍色の髪と瞳17、8歳位可愛らしい笑顔の少年、もう1人は夜を人の形にしたような黒に近い紫の濃い髪と星が瞬く暗い蒼の瞳、透けるような白い雪の様な肌の青年、目を惹く2人だが服装がちぐはぐだった。
少年は長袖パーカーと中に半袖のインナーとダメージジーンズ、青年は青いシャツに黒いスラックス、細工が細かく施され余計にちぐはぐだった、服は異界人この世界に初めてきた人の物だろうが…服を沢山持ち込めたのだろうか(アパートに車が突っ込み荷物を抱えていたおかげです)辺りを見渡しても他に人の影はない。
「詠斗さんなら、今もう1人と買い物中です。私はナイルと申します、ドラゴンです」
「今、茶の準備をした所だ、よければ飲まないか?私が淹れた、私は千眼魔王だ…こちらはきゅうだ」
『きゅっ!』
…まさかの最初の出会いがドラゴンと魔王…とカメ、どうなっているんだこの世界、普通最初に会うものなのか…?出会ってしまったなら、是非ともお近づきになっておいて損は無いだろう。
「俺は峯尾 大河、日本という場所から来た」
「詠斗さんと同じですね」
「後6人来る…2人目だ歓迎しよう」
『きゅきゅ』
「お茶を飲みながら、帰りを待ちましょう」
カメも喜んで迎えてくれる、薄ら寒さや灰色の空の先目を凝らすと白い月とその回りを瞬く13の星々、珍しくウキウキワクワクしている自分に少し笑う、同じこの世界にきた日本人に会うのが楽しみだ…。
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