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第一部 不毛の大地開拓 頑張ろう編
30 住人がまたまた増えました
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鑑定魔法 魔王:序列第3位千眼魔王…以上…鑑定に期待するのはもう止めておこう、詠斗の知識に魔王の情報は極僅かしかない。
何故なら13名いる筈・・・・・・らしい魔王が今まで1名しか出現が確認されていなかったからだ、その魔王も200年前に剣聖によって封印されたらしいという情報しかない。
「お願いですか?」
この世界では魔王は人に倒される可能性がある、だから魔王は脅威ではないというのがこの世界の人々の認識である。
「私を《不毛の地》において欲しい、対価は支払う」
「えと、ここで暮らしたいって事ですか?」
「そうとれるのならば…」
優雅な笑みを浮かべる、チグリスもナイルも目の前の魔王の思考にポカンとしている。
「みんなと仲良くやっていけるならいいですけど…」
「《不毛の地》の主の命であるならば…従おう」
「本気ですか!?詠斗さん!」
「お前な!なんでもかんでもホイホイ受け入れるな!」
『きゅ?きゅ』
チグリス、ナイルから叱責が来るがここに住みたい者の権利を詠斗は奪うつもりはない、他者を尊重し協力し合い住み良い場所を此処で築いていこうと気持ちがあるなら受け入れる、それが詠斗の考え方だった。
「住みたいと思ってくれるなら、そこに神様とか魔王も関係ないよ。この世界にとってここは終わってしまった場所なんでしょ?でもまた復活させようとしている俺の考えに手を貸してくれるなら、誰だってここで生きる権利はある。さ、まずはお茶の続きをしよう。えと魔王様?」
「呼び名に興味はないが不便だというのであれば、千眼と呼べばいい」
「チグリス、《不毛の地》は詠斗さんの者。詠斗さんが受け入れるのであれば私も受け入れます…」
「ちっ、ここは詠斗の地。俺たちに口を出す筋合いは無いな…」
『きゅっ』
それぞれ丸太の椅子に座り、新たに加わった魔王にも詠斗がコップを渡し新たに湯を沸かした…。
「おいおいこれは…」
「まさか序列3位が来るとは…」
「あっさり受け入れたのは彼らしいですね」
「芋うまいのなのです、もっと食べたいなのです」
「芋の煮物…魔王…芋の煮物…芋の煮物」
「今まで、あの2位が封印されたあの時も出てこなかった3位が…」
「理由は分からんが、彼の傍にいるのならば都合は良い」
「ちょっと数あまりないんですからね、食べ過ぎないように」
《神の庭》にて詠斗が供えてくれた芋の煮物を食しながら魔王の出現に芋との感想が入り交り、イマイチ収まりが悪い話し合いという名の食事会が行われている。
「《アタラクシア》の状況は安定と不安定を波のように繰り返している」
「ふむ、もぐ…当初の予定とは違うが2人目の異界人召喚の儀を行うとする」
『異議なし』
「その前に…なべを大きさが違うものを幾つか贈りましょう」
「住人が増えたなのです!必要なのです」
「ドラゴンの婚礼を《不毛の地》で行う祝いのポイントも…」
「ならば…こういうものならどうでしょう?」
「あっ、芋の煮物もうない!」
「食べないやつが悪いんだろ」
「…食べ物の恨みは怖いですよ、1つしか食べてないですからね…」
『……せーの、ごめんなさーい…さーい…さーい』
どうやら間も無く次の召喚の儀が行われる事が決まり、今回の詠斗への返礼も決まり…そして食べ物の恨みが益々深くなる事が決まった。
「千眼さんは、食べ物食べないの?」
「特には必要ないが味は分かるようだ、今初めて食べ物を食している。このお茶というもの見目も香りも味も面白い…」
「気に入って貰えてよかった」
「なら、この果物も食え。美味い」
詠斗の顔が綻ぶ、チグリスもさっさと受け入れ木皿に果物を盛り千眼の前に置く。
「…この焼き菓子も美味しいですよ」
ナイルも皿に焼き菓子置く、ゆっくりと優雅にお茶や果物を口元に運ぶ姿は魔王という名を持つような者には見えない、どこかの貴族や王族のような佇まいをしている。
「ふぅ、じゃ、片づけてテントに戻ろう。明日は仕入れや買取で忙しくなるから、早めに休んでいいかな…」
「勿論です、しゃわー今日もお願いしても良いですか?」
「いいよ」
「しゃわーなんだそれ」
「私も気になる」
『きゅっ!』
「テントに戻るよー」
転移魔法を使いテントの中に到着する、早速シャンプーやコンディショナー石鹸等の準備を行う。
「みんな服脱いで、洗濯も一緒にしちゃおう」
「はい」
「脱げばいいのか」
『きゅ!』
「服とはこの布の事か脱げるのかこれは?」
「え?」
「詠斗さん恐らくですが、魔王は詠斗さんのように自動的に洗浄していると思います」
「魔王は、俺たちのような生物に当て嵌まらない」
「へえー、なら身体洗わなくても良いかな」
「主が行うなら私もしゃわーをしたい、この布をとれというならば…」
腕を一振りすると服が一瞬にして地面に落ちた、新雪の肌が露わになった。
「へえー便利、1枚なんだ」
詠斗も脱ぎチグリスもナイルも服を脱ぐ、風魔法と水魔法を使い全員分の衣類を洗濯機の要領で回し、頭上にお湯の塊を水魔法と火魔法の組み合わせで出現させ、お湯を降らせていく。
「魔法の3属性同時発動ね…俺達でも出来ないぞ」
「魔王たる私でもこれを成すのは不可能に近い」
「え…?そうなの」
「異界人である詠斗さんの無限の魔力だからこそ成せる業です。普通に身体と精神が瓦解します」
「便利なんだけどなぁ」
シャワーの水を浴びながら、チグリスと千眼に使い方をレクチャーする、その間ナイルはきゅうの身体を石鹸を付けたタオルで擦っている。
『きゅぅ!きゅ!』
「気持ちいいですか?きゅう?」
きゅうは気持ちよさそうな声を上げ、ナイルの顔も綻ぶ。
「これ匂いがいいな、気持ちも良い」
「でしょう、千眼さん髪が長いから洗うの手伝うよ」
「俺もやる」
「これは…気持ちが良いというものか」
千眼の足元近くまである髪を詠斗とチグリス2人掛かりで洗っていく、シャンプーが終わりコンディショナーを馴染ませて…自分の身体ときゅうの身体を洗い終わったナイルも参加し洗い流して、最後は風魔法で全員一気に乾かして終了する、自動清掃も忘れずにおこない汚水を水を片付ける。
「よおし、じゃパジャマ着ようか」
寝巻を出してみる、詠斗、ナイル、千眼は体格が近く、それぞれ詠斗とナイルは昨日と同じ物、魔王は睡眠が必要ないというが着たいとの事でしゃちくTシャツとスウェット(着ても美形度は損なわれない)を着用、チグリスは背が高く骨格もしっかりしている為、ピチピチとしてしまうが着て寝るとの事できつめだがニート万歳Tシャツを着た。
「私は睡眠が不要…こちらの姿で皆が起きるまで、きゅうの隣で過ごす」
さっさと蝶の姿になりきゅうの甲羅の上に止まる(なら、服着替えなくても良かったのではというツッコミは誰もしない)、敷き布と掛け布は2組ある。
「布団2つしかないから、体型近い俺とナイルさんが一緒の布団でチグリスが布団1つで良いかな」
「はい、昨日一緒に寝ましたし…」
「はぁ、俺も一緒に寝たい」
「ワガママ言わないでください、チグリスは大きいんだから1つの布団で寝てください」
「別にそんな変わらない」
「変わりますよ」
「まったまった。それなら布団をくっつけよう。そしたら3人で寝れるから」
「それならいい」
「詠斗さんがそう言うなら、私が中央で寝ますね」
「俺も真ん中が良い」
「それなら今日はナイルさん、明日はチグリスね。布団は明日買いに行くから今日はこれね」
「はい」
「分かった」
「じゃ、みんなおやすみ」
『おやすみ(なさい)きゅっ!』
3人とも寝つきが良く、すぐ眠りについた。
目まぐるしい日常が楽しい、明日もきっと沢山楽しい事が起きる、そう確信し詠斗は深い眠りに着いた…。
何故なら13名いる筈・・・・・・らしい魔王が今まで1名しか出現が確認されていなかったからだ、その魔王も200年前に剣聖によって封印されたらしいという情報しかない。
「お願いですか?」
この世界では魔王は人に倒される可能性がある、だから魔王は脅威ではないというのがこの世界の人々の認識である。
「私を《不毛の地》において欲しい、対価は支払う」
「えと、ここで暮らしたいって事ですか?」
「そうとれるのならば…」
優雅な笑みを浮かべる、チグリスもナイルも目の前の魔王の思考にポカンとしている。
「みんなと仲良くやっていけるならいいですけど…」
「《不毛の地》の主の命であるならば…従おう」
「本気ですか!?詠斗さん!」
「お前な!なんでもかんでもホイホイ受け入れるな!」
『きゅ?きゅ』
チグリス、ナイルから叱責が来るがここに住みたい者の権利を詠斗は奪うつもりはない、他者を尊重し協力し合い住み良い場所を此処で築いていこうと気持ちがあるなら受け入れる、それが詠斗の考え方だった。
「住みたいと思ってくれるなら、そこに神様とか魔王も関係ないよ。この世界にとってここは終わってしまった場所なんでしょ?でもまた復活させようとしている俺の考えに手を貸してくれるなら、誰だってここで生きる権利はある。さ、まずはお茶の続きをしよう。えと魔王様?」
「呼び名に興味はないが不便だというのであれば、千眼と呼べばいい」
「チグリス、《不毛の地》は詠斗さんの者。詠斗さんが受け入れるのであれば私も受け入れます…」
「ちっ、ここは詠斗の地。俺たちに口を出す筋合いは無いな…」
『きゅっ』
それぞれ丸太の椅子に座り、新たに加わった魔王にも詠斗がコップを渡し新たに湯を沸かした…。
「おいおいこれは…」
「まさか序列3位が来るとは…」
「あっさり受け入れたのは彼らしいですね」
「芋うまいのなのです、もっと食べたいなのです」
「芋の煮物…魔王…芋の煮物…芋の煮物」
「今まで、あの2位が封印されたあの時も出てこなかった3位が…」
「理由は分からんが、彼の傍にいるのならば都合は良い」
「ちょっと数あまりないんですからね、食べ過ぎないように」
《神の庭》にて詠斗が供えてくれた芋の煮物を食しながら魔王の出現に芋との感想が入り交り、イマイチ収まりが悪い話し合いという名の食事会が行われている。
「《アタラクシア》の状況は安定と不安定を波のように繰り返している」
「ふむ、もぐ…当初の予定とは違うが2人目の異界人召喚の儀を行うとする」
『異議なし』
「その前に…なべを大きさが違うものを幾つか贈りましょう」
「住人が増えたなのです!必要なのです」
「ドラゴンの婚礼を《不毛の地》で行う祝いのポイントも…」
「ならば…こういうものならどうでしょう?」
「あっ、芋の煮物もうない!」
「食べないやつが悪いんだろ」
「…食べ物の恨みは怖いですよ、1つしか食べてないですからね…」
『……せーの、ごめんなさーい…さーい…さーい』
どうやら間も無く次の召喚の儀が行われる事が決まり、今回の詠斗への返礼も決まり…そして食べ物の恨みが益々深くなる事が決まった。
「千眼さんは、食べ物食べないの?」
「特には必要ないが味は分かるようだ、今初めて食べ物を食している。このお茶というもの見目も香りも味も面白い…」
「気に入って貰えてよかった」
「なら、この果物も食え。美味い」
詠斗の顔が綻ぶ、チグリスもさっさと受け入れ木皿に果物を盛り千眼の前に置く。
「…この焼き菓子も美味しいですよ」
ナイルも皿に焼き菓子置く、ゆっくりと優雅にお茶や果物を口元に運ぶ姿は魔王という名を持つような者には見えない、どこかの貴族や王族のような佇まいをしている。
「ふぅ、じゃ、片づけてテントに戻ろう。明日は仕入れや買取で忙しくなるから、早めに休んでいいかな…」
「勿論です、しゃわー今日もお願いしても良いですか?」
「いいよ」
「しゃわーなんだそれ」
「私も気になる」
『きゅっ!』
「テントに戻るよー」
転移魔法を使いテントの中に到着する、早速シャンプーやコンディショナー石鹸等の準備を行う。
「みんな服脱いで、洗濯も一緒にしちゃおう」
「はい」
「脱げばいいのか」
『きゅ!』
「服とはこの布の事か脱げるのかこれは?」
「え?」
「詠斗さん恐らくですが、魔王は詠斗さんのように自動的に洗浄していると思います」
「魔王は、俺たちのような生物に当て嵌まらない」
「へえー、なら身体洗わなくても良いかな」
「主が行うなら私もしゃわーをしたい、この布をとれというならば…」
腕を一振りすると服が一瞬にして地面に落ちた、新雪の肌が露わになった。
「へえー便利、1枚なんだ」
詠斗も脱ぎチグリスもナイルも服を脱ぐ、風魔法と水魔法を使い全員分の衣類を洗濯機の要領で回し、頭上にお湯の塊を水魔法と火魔法の組み合わせで出現させ、お湯を降らせていく。
「魔法の3属性同時発動ね…俺達でも出来ないぞ」
「魔王たる私でもこれを成すのは不可能に近い」
「え…?そうなの」
「異界人である詠斗さんの無限の魔力だからこそ成せる業です。普通に身体と精神が瓦解します」
「便利なんだけどなぁ」
シャワーの水を浴びながら、チグリスと千眼に使い方をレクチャーする、その間ナイルはきゅうの身体を石鹸を付けたタオルで擦っている。
『きゅぅ!きゅ!』
「気持ちいいですか?きゅう?」
きゅうは気持ちよさそうな声を上げ、ナイルの顔も綻ぶ。
「これ匂いがいいな、気持ちも良い」
「でしょう、千眼さん髪が長いから洗うの手伝うよ」
「俺もやる」
「これは…気持ちが良いというものか」
千眼の足元近くまである髪を詠斗とチグリス2人掛かりで洗っていく、シャンプーが終わりコンディショナーを馴染ませて…自分の身体ときゅうの身体を洗い終わったナイルも参加し洗い流して、最後は風魔法で全員一気に乾かして終了する、自動清掃も忘れずにおこない汚水を水を片付ける。
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「私は睡眠が不要…こちらの姿で皆が起きるまで、きゅうの隣で過ごす」
さっさと蝶の姿になりきゅうの甲羅の上に止まる(なら、服着替えなくても良かったのではというツッコミは誰もしない)、敷き布と掛け布は2組ある。
「布団2つしかないから、体型近い俺とナイルさんが一緒の布団でチグリスが布団1つで良いかな」
「はい、昨日一緒に寝ましたし…」
「はぁ、俺も一緒に寝たい」
「ワガママ言わないでください、チグリスは大きいんだから1つの布団で寝てください」
「別にそんな変わらない」
「変わりますよ」
「まったまった。それなら布団をくっつけよう。そしたら3人で寝れるから」
「それならいい」
「詠斗さんがそう言うなら、私が中央で寝ますね」
「俺も真ん中が良い」
「それなら今日はナイルさん、明日はチグリスね。布団は明日買いに行くから今日はこれね」
「はい」
「分かった」
「じゃ、みんなおやすみ」
『おやすみ(なさい)きゅっ!』
3人とも寝つきが良く、すぐ眠りについた。
目まぐるしい日常が楽しい、明日もきっと沢山楽しい事が起きる、そう確信し詠斗は深い眠りに着いた…。
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