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第一部 不毛の大地開拓 頑張ろう編
28 カメさんがきたよ きゅ?
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空を駆ける深紅のドラゴン、不思議と気持ちは軽く長たちがいる場所に戻る速度は行よりも遥かに速く、あっという間に住処に着いた。
人の足では到底たどり着かない岩山の頂上に開いた穴の中、空を飛ぶ術を持つもの達だけが行ける場所。
『戻りましたよー』
『ご苦労だったな、ナイルは何処に?』
ナイルの父が息子の姿を探す、面倒だが騒ぎ始める前にさっさと経緯を話す事にする。
『おお、異界人は大層心が広いと見える』
『そうすねー俺が詠斗の分の菓子食っても怒らなかったし』
『…これから親睦を深めていこうとしているのだぞ?』
長にも《不毛の地》であった事を話し、婚礼の祝いと親睦を深める為の祝いを行いたい旨を伝えると長は満足げに頷き了承する。
『まさか、あの臆病な息子が自ら仕えたいと意思を示すとは、一体どんな豪傑なのだ』
『どちらかというと、かわいい顔してたすよ』
『まあいい…、では7日後に向かうと伝えよ、我らも親睦、交流をする品の用意を』
『御意』
『じゃ、俺も《不毛の地》で準備の手伝いしますんでー。7日後に会いましょう』
『何、お前が手伝い!?』
『誠か!あの動く位なら食べずに寝るお前が!?』
『食料を探すのが面倒で自分の鱗と交換しようとするお前が!?』
ざわざわ…他の住処のドラゴン達もチグリスの言葉にざわめく、今日の天気は荒れる、いかん不吉な事がおきる前触れだ等と失礼な声が聞こえてくる。
『あーあ何か、詠斗がみんなの好きな物を聞いてきてって言ってたましたけど、適当に言っときます』
『まて、我は酒と肉だ…息子は肉と伴侶は木の実だ』
『私は酒と辛みのある物を…』
長とナイルの父が希望を伝えると他のドラゴン達も我も我もと次々好物をチグリスに伝える、人の食べ物や酒は美味い事をドラゴン達は知っている。
『へーへーじゃ7日後に…』
翼を広げさっさと飛び立っていく、早く《不毛の地》に行きたいと姿がすぐに消えてしまった。
『ナイルもチグリスも陥落させるとは…』
『会うのが怖いし楽しみでもありますな。我が息子ナイルも少しは成長しているかもしれませんな…。では品の準備をします』
『頼むぞ、我は息子の元へ向かう…』
時は遡り湖で狩りを行う2人、ギョロリやギュルロ貝を地面に揚げてはいるものの他の魚も欲しい所だった。
「干物もやりたいし、他に獲物いないかな」
「もっと深い所に何かいるようです…魚と…あ、底に何かいます」
「よし!底から救いあげる要領で!それっ!」
水魔法と土魔法で湖の中の地面毎ぽーん宙に浮かせるて地面に放り投げると…「カメ?」の様な生物がコロンと転がる。
ガラパゴスゾウガメみたいな大きめのカメが自力で体制を立て直し、短い首を左右に振っていた。
「タータイルクッガですね…食べます?」
「う、んー~」
つぶらな眼でこちらを見ている、一応鑑定にかける タータイルクッガ(っていうらしいです カメ):美味 やっぱりナベ?神々から貰ったし…もはや鑑定じゃない鑑定表示が出る。
「このタータイルクッガは亜種ですね、本来幼体は海で育ち成体は島や山程の大きさになるんです、このタータイルクッガはおそらく捨てられたんですね。幼体でももっと大きい姿ですから」
ナイルが鑑定よりも鑑定らしい事を言ってくれる、ナイルがいれば鑑定いらないのかなとも思いつつタータイルクッガを見つめる。
『きゅ?』
ガラパゴスゾウガメとは違い首は短い、色も甲羅は海の波の柄をしていて眼は灰色をしていてとても食べようという気は起きない。
「食べれないなぁ、何かかわいいし。ごめんよ、引っ張り上げて、よいしょ」
身体強化を使い湖に戻し漁をここまでにし、採取しながら畑に戻る事にして湖を後にする。
「…付いてきてますね」
「…だよなぁ」
ショルダーバッグをナイルに渡し(すごい喜んだ)キノコや、木の実、果物を採取し進んでいくと、背後からカサカサ『きゅ』と音がリズミカルに続いていた。
「うーん、《不毛の地》はまだ畑しかないし、水場もないからさー」
「タータイルクッガは水中でも陸でも棲息は可能で雑食です」
「う、うーん」
後ろを振り向くと、むしゃむしゃ草を食べていたり木苺を食べてこちらの様子を伺っている。
「…よし、聞いてみよ」
「うちに来る?まだ畑しかないけど」
『きゅ?きゅっ!』
円らな目がニコと細まる、どうやら来るらしい。
「言語が違うので言葉わからないですが、来るみたいですね」
「そうみたい、よし今日は歓迎会だ!」
「お手伝い、頑張ります!」
『きゅ!』
ナイルが張り切る、タータイルクッガも何故か片手を挙げて気合いを現す。
「このナイフすごいですね」
「神様達からのプレゼントだから」
畑に戻りまずは煮物を作る為芋の皮剥きをナイルがやりたいとの事なのでナイフを渡し、やり方を教えるとすぐに出来、詠斗は魚の処理に取り掛かる。
「皮なんか、美味しいのか?」
丸太に座り剥いた皮はタータイルクッガがナイルの膝に足を乗せあむあむと美味しそうに食べている、ナイルが次々剥いて次々食べるエコなカメだなあと関心する。
「ん?なんだ?内臓食べたいの?」
『きゅ!』
今度はのそのそ詠斗の方に向かい、解体して出たギョロリの内臓を食べたそうにしている。
「こんなに食べていいの?」
「タータイルクッガの成体は1日中食べて暮らしています、個体数が少ないのは食欲旺盛で餓死してしまう個体が多いからです」
「え!そうなの、じゃ沢山食べろよ」
『きゅ!きゅ!』
大きな葉に内臓を載せてやる、嬉しそうに食べている。
「何だ、タータイルクッガじゃないのか食べるのか?」
空からチグリスが降りて来てタータイルクッガを眺め呟く、タータイルクッガはチグリスに片手を挙げて『きゅ!』と鳴きすぐ食事に戻る。
「おかえりー、飼う?かも?」
「チグリス、どうだったの?パ…父様怒っていた?」
「小さいな、亜種か。いや、驚いていた。7日後に来る。20名程」
「オッケー、色々作るからどういう料理がいいか教えてよ」
「基本なんでも食うだろ、後酒、とにかく酒酒って感じ」
「酒かあ、ズィーガーさんに聞いてみよう」
「チグリス適当な事はダメです、長様はお酒と肉、長の息子のアゲイル様は酒、肉、魚。その伴侶様は木の実や甘いもの、父様は酒と辛めの物などが好きです」
芋を全て向き終えたナイルが立ち上がり、芋を詠斗に渡す。
「良し、明日も買い物しに村へ行こう」
「俺も行く」
「チグリス、帰らないんですか?」
「あー…帰らない、手伝いするわ」
「は、貴方が!?自分より若いドラゴンに食べ物集ったかり、動きたくないから鳥を脅して食事横取りしたり、長様や息子様に事ある毎に食事を分けて貰っている貴方が!?何か悪い事でも起きるのかもしれません!」
「…どいつもこいつも」
「あはは、なら暫くはここにいるんでしょ。よろしく」
「世話になる」
「手伝いじゃなくて、ご飯集ろうとしている気がします…」
『きゅ?』
「あはは、いいよ、いいよ。さあ、ご飯つくるよー」
わいわいと賑やかに支度が進む、ナイルが言っていた良くない事…これが俗にいうフラグだと詠斗が知るまで後少し…。
人の足では到底たどり着かない岩山の頂上に開いた穴の中、空を飛ぶ術を持つもの達だけが行ける場所。
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『…これから親睦を深めていこうとしているのだぞ?』
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『御意』
『じゃ、俺も《不毛の地》で準備の手伝いしますんでー。7日後に会いましょう』
『何、お前が手伝い!?』
『誠か!あの動く位なら食べずに寝るお前が!?』
『食料を探すのが面倒で自分の鱗と交換しようとするお前が!?』
ざわざわ…他の住処のドラゴン達もチグリスの言葉にざわめく、今日の天気は荒れる、いかん不吉な事がおきる前触れだ等と失礼な声が聞こえてくる。
『あーあ何か、詠斗がみんなの好きな物を聞いてきてって言ってたましたけど、適当に言っときます』
『まて、我は酒と肉だ…息子は肉と伴侶は木の実だ』
『私は酒と辛みのある物を…』
長とナイルの父が希望を伝えると他のドラゴン達も我も我もと次々好物をチグリスに伝える、人の食べ物や酒は美味い事をドラゴン達は知っている。
『へーへーじゃ7日後に…』
翼を広げさっさと飛び立っていく、早く《不毛の地》に行きたいと姿がすぐに消えてしまった。
『ナイルもチグリスも陥落させるとは…』
『会うのが怖いし楽しみでもありますな。我が息子ナイルも少しは成長しているかもしれませんな…。では品の準備をします』
『頼むぞ、我は息子の元へ向かう…』
時は遡り湖で狩りを行う2人、ギョロリやギュルロ貝を地面に揚げてはいるものの他の魚も欲しい所だった。
「干物もやりたいし、他に獲物いないかな」
「もっと深い所に何かいるようです…魚と…あ、底に何かいます」
「よし!底から救いあげる要領で!それっ!」
水魔法と土魔法で湖の中の地面毎ぽーん宙に浮かせるて地面に放り投げると…「カメ?」の様な生物がコロンと転がる。
ガラパゴスゾウガメみたいな大きめのカメが自力で体制を立て直し、短い首を左右に振っていた。
「タータイルクッガですね…食べます?」
「う、んー~」
つぶらな眼でこちらを見ている、一応鑑定にかける タータイルクッガ(っていうらしいです カメ):美味 やっぱりナベ?神々から貰ったし…もはや鑑定じゃない鑑定表示が出る。
「このタータイルクッガは亜種ですね、本来幼体は海で育ち成体は島や山程の大きさになるんです、このタータイルクッガはおそらく捨てられたんですね。幼体でももっと大きい姿ですから」
ナイルが鑑定よりも鑑定らしい事を言ってくれる、ナイルがいれば鑑定いらないのかなとも思いつつタータイルクッガを見つめる。
『きゅ?』
ガラパゴスゾウガメとは違い首は短い、色も甲羅は海の波の柄をしていて眼は灰色をしていてとても食べようという気は起きない。
「食べれないなぁ、何かかわいいし。ごめんよ、引っ張り上げて、よいしょ」
身体強化を使い湖に戻し漁をここまでにし、採取しながら畑に戻る事にして湖を後にする。
「…付いてきてますね」
「…だよなぁ」
ショルダーバッグをナイルに渡し(すごい喜んだ)キノコや、木の実、果物を採取し進んでいくと、背後からカサカサ『きゅ』と音がリズミカルに続いていた。
「うーん、《不毛の地》はまだ畑しかないし、水場もないからさー」
「タータイルクッガは水中でも陸でも棲息は可能で雑食です」
「う、うーん」
後ろを振り向くと、むしゃむしゃ草を食べていたり木苺を食べてこちらの様子を伺っている。
「…よし、聞いてみよ」
「うちに来る?まだ畑しかないけど」
『きゅ?きゅっ!』
円らな目がニコと細まる、どうやら来るらしい。
「言語が違うので言葉わからないですが、来るみたいですね」
「そうみたい、よし今日は歓迎会だ!」
「お手伝い、頑張ります!」
『きゅ!』
ナイルが張り切る、タータイルクッガも何故か片手を挙げて気合いを現す。
「このナイフすごいですね」
「神様達からのプレゼントだから」
畑に戻りまずは煮物を作る為芋の皮剥きをナイルがやりたいとの事なのでナイフを渡し、やり方を教えるとすぐに出来、詠斗は魚の処理に取り掛かる。
「皮なんか、美味しいのか?」
丸太に座り剥いた皮はタータイルクッガがナイルの膝に足を乗せあむあむと美味しそうに食べている、ナイルが次々剥いて次々食べるエコなカメだなあと関心する。
「ん?なんだ?内臓食べたいの?」
『きゅ!』
今度はのそのそ詠斗の方に向かい、解体して出たギョロリの内臓を食べたそうにしている。
「こんなに食べていいの?」
「タータイルクッガの成体は1日中食べて暮らしています、個体数が少ないのは食欲旺盛で餓死してしまう個体が多いからです」
「え!そうなの、じゃ沢山食べろよ」
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大きな葉に内臓を載せてやる、嬉しそうに食べている。
「何だ、タータイルクッガじゃないのか食べるのか?」
空からチグリスが降りて来てタータイルクッガを眺め呟く、タータイルクッガはチグリスに片手を挙げて『きゅ!』と鳴きすぐ食事に戻る。
「おかえりー、飼う?かも?」
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「小さいな、亜種か。いや、驚いていた。7日後に来る。20名程」
「オッケー、色々作るからどういう料理がいいか教えてよ」
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「チグリス適当な事はダメです、長様はお酒と肉、長の息子のアゲイル様は酒、肉、魚。その伴侶様は木の実や甘いもの、父様は酒と辛めの物などが好きです」
芋を全て向き終えたナイルが立ち上がり、芋を詠斗に渡す。
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「は、貴方が!?自分より若いドラゴンに食べ物集ったかり、動きたくないから鳥を脅して食事横取りしたり、長様や息子様に事ある毎に食事を分けて貰っている貴方が!?何か悪い事でも起きるのかもしれません!」
「…どいつもこいつも」
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