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第一部 不毛の大地開拓 頑張ろう編
16 ワガママボディの商業ギルドマスター
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通された部屋は広々とし上質な革張りのソファー2組のソファーの間には、花瓶に活けられた花が飾られ陽当たりもよく掃除も行き届いた、日本で言う商談室を連想とさせる雰囲気だった。
「いきなり声をかけてすみませんな、あ、どうぞこちらに座って下さい。今茶を運ばせますので…」
「どうもありがとうございます」
ソファーは座り心地も良くフカフカとしている、日本で働いていた会社にも応接室はあったがどちらかといえば冒険者ギルドの粗末な部屋の方が近い。
「あの、俺に何か用でも?」
「勿論でございますとも、冒険者ギルドで買い取りに出したギョロリの鱗の事でございます」
「え…どうして」
「はは、商業ギルドの商品は情報もございます。あなた様が…」
「詠斗です」
「エイトさんが綺麗な状態のギョロリの鱗をまだお持ち鱗をまだお持ち・・・・・・・でしたらこちらにも売って頂けないかと、勿論商業ギルドより色をお付けします、1枚11,000ログで買い取りさせて頂きますよ」
確かに数はまだまだ出せる、しかしこのエコバッグから出してしまって良いものだろうか、何か裏があるのかと勘ぐってしまう、このタイミングでドアがノックされ
受付嬢が茶を運んでくる、白い木製のタンブラーの様なコップを詠斗とズィーガーの前に置かれ、一礼して出ていく、このタイミングでお茶とズィーガーに鑑定を掛けてみる。
ズィーガー:商業ギルドマスター ズィーガー商会のトップ お金儲け大好き 遣りて 慈善家でもある 信用しても問題なし お茶:高級なお茶 美味 分かり易い鑑定に苦笑いを内心浮かべ、鑑定を信じ売る事を決める。
「この時期のこの茶は香りも風味も良く、今回は特に出来も良い一品です。エイトさんも嫌いでなければどうぞ…」
「はい、頂きます…ん、美味しいです。甘くて果物の香りがする」
「そうでしょうとも…乾燥させた果物の皮も茶葉に混ぜているんです」
先に茶を飲んだのは毒など無い、気にせずに飲んで貰いたいというズィーガーなりの気遣いだろう、そこに詠斗は好感を持てた。
「へぇ、あの鱗売ります。その値段でお願いします」
「おお、ありがとうございます。ギョロリそのものはお持ちではないですか…身は高級品、皮は滋養に頭などあれば珍味として重宝されています」
チラと詠斗の顔色を伺う、何処まで踏み込んで良いか距離を決めて接しているのを感じる、一応詠斗はエコバッグから持っているだけの鱗を全て出す。
「おお、どれも素晴らしい、私は実はですね…巨人族の末裔でしてね、こう見えて結構長生きしているんです。色々な人に会いました。人との関りもまた我が商会を大きくしていった秘訣の1つです。此処で見た事は決して他言しないと誓いましょう。誓約書を書いてもかまいません、収納魔法などお持ちでしたら売りたい物を出せるだけ出して頂いて大丈夫です。今、国全体が資源不足で希少な資材は重宝されています」
「分かりました、ではここに全て出します。ズィーガーさんを信用します」
詠斗はお茶を飲み干し立ち上がり、テーブルの上に先ず鱗を約150枚 頭15匹分 身は神々に供えた分と自分が食べた分5匹分と採取で手に入れた薬草も、途中で置き切れず部屋にあった敷物をズィーガーが敷いてそれでギリギリ置く事が出来た。
「おお、貴重な薬草まで、見ている場合ではありませんな。急いで私が計算しますのでお待ち下さい、私の収納袋を使いますので…」
手慣れているのか次々紙にペンで数字を書き出し、懐にしまっていた藁で編んだような袋に次々と入れていく。
「あのその袋は?」
「これは収納袋ですな、一応時間停止機能がありますが容量は大した事ないです、私が若い頃にたまたまダンジョンで手に入れた一品です。コイツのお陰で我が商会は大きくなりました。私の相棒ですな」
詠斗と会話をしている間も手は止まらず計算を続け、瞬く間に終わらせる、PCや計算機も存在しない長年の経験の賜物に詠斗が拍手を贈る。
「こんなに出して頂きありがとうございます。では金額ですね…まず薬草こちらは回復薬にも使われる貴重な物なので、1本15,000ログを15本。ギョロリはまず処理がとても綺麗です内臓も全て取り除かれていますね。頭は1つ10,000を15匹分、身は文句なし1匹23,000ログを5匹分、先ほどお話した鱗は1枚11,000ログを153枚分全て合わせて2,173,000ログでございます。如何ですか?」
「…あ、そ、そんなに」
「おや、解体費用も入れてこれでは安いですかな。では2,200,000ログでは如何ですか?これ以上だと…」
「いや、い、いいです!その値段で大丈夫です」
「おお、そうですか。今コインを用意しますね。1,000,000ログコイン2枚と100,000コイン2枚にしますか??それとも商業ギルドに預けますか?」
「あ、とりあえず半分預けます。半分は貰います」
収納に入れれば希望した金額が出てくる、両替いらずの便利スキルありがとうスキル。
「分かりました用意して来ますので、お待ちください」
ほくほく顔のズィーガー一旦部屋を退出する、はあー詠斗は深くソファに座り金額の大きさに驚く。
「200万1日で稼いだよ、金銭感覚バグりそう、いやー魚だよーすごくうまいけどさー。魚…いやマグロとかだってその位するのもあるかー」
などと言っている間にすぐズィーガーが荷物を持って戻ってくる、コロコロのボディで運ぶのが大変そうなので手伝いテーブルに置く。
「お待たせしました、こちらが1,000,000ログコインと200,000コインです。こちらが商業人証です、魔力を注げばエイトさんのものです、こちらには既に残りの金額が入っています。何処の商業ギルドでも出せます、店など出したければ商業ギルドにお越しください、勿論買い取りはいつでもお待ちしております」
「え…手数料は」
「商業人ギルドは手数料は取りません、その代わり店など出すときは出店料や賃貸料が掛かりますし、売るものによっては許可に必要な費用など支払いが生じます」
「なるほど…」
「来て頂ければ都度説明しましょう。後、こちらを良ければ差し上げます」
机に置かれた布で出来た筒の様な物、見た目よりは軽い物に詠斗は首を傾げた。
「いきなり声をかけてすみませんな、あ、どうぞこちらに座って下さい。今茶を運ばせますので…」
「どうもありがとうございます」
ソファーは座り心地も良くフカフカとしている、日本で働いていた会社にも応接室はあったがどちらかといえば冒険者ギルドの粗末な部屋の方が近い。
「あの、俺に何か用でも?」
「勿論でございますとも、冒険者ギルドで買い取りに出したギョロリの鱗の事でございます」
「え…どうして」
「はは、商業ギルドの商品は情報もございます。あなた様が…」
「詠斗です」
「エイトさんが綺麗な状態のギョロリの鱗をまだお持ち鱗をまだお持ち・・・・・・・でしたらこちらにも売って頂けないかと、勿論商業ギルドより色をお付けします、1枚11,000ログで買い取りさせて頂きますよ」
確かに数はまだまだ出せる、しかしこのエコバッグから出してしまって良いものだろうか、何か裏があるのかと勘ぐってしまう、このタイミングでドアがノックされ
受付嬢が茶を運んでくる、白い木製のタンブラーの様なコップを詠斗とズィーガーの前に置かれ、一礼して出ていく、このタイミングでお茶とズィーガーに鑑定を掛けてみる。
ズィーガー:商業ギルドマスター ズィーガー商会のトップ お金儲け大好き 遣りて 慈善家でもある 信用しても問題なし お茶:高級なお茶 美味 分かり易い鑑定に苦笑いを内心浮かべ、鑑定を信じ売る事を決める。
「この時期のこの茶は香りも風味も良く、今回は特に出来も良い一品です。エイトさんも嫌いでなければどうぞ…」
「はい、頂きます…ん、美味しいです。甘くて果物の香りがする」
「そうでしょうとも…乾燥させた果物の皮も茶葉に混ぜているんです」
先に茶を飲んだのは毒など無い、気にせずに飲んで貰いたいというズィーガーなりの気遣いだろう、そこに詠斗は好感を持てた。
「へぇ、あの鱗売ります。その値段でお願いします」
「おお、ありがとうございます。ギョロリそのものはお持ちではないですか…身は高級品、皮は滋養に頭などあれば珍味として重宝されています」
チラと詠斗の顔色を伺う、何処まで踏み込んで良いか距離を決めて接しているのを感じる、一応詠斗はエコバッグから持っているだけの鱗を全て出す。
「おお、どれも素晴らしい、私は実はですね…巨人族の末裔でしてね、こう見えて結構長生きしているんです。色々な人に会いました。人との関りもまた我が商会を大きくしていった秘訣の1つです。此処で見た事は決して他言しないと誓いましょう。誓約書を書いてもかまいません、収納魔法などお持ちでしたら売りたい物を出せるだけ出して頂いて大丈夫です。今、国全体が資源不足で希少な資材は重宝されています」
「分かりました、ではここに全て出します。ズィーガーさんを信用します」
詠斗はお茶を飲み干し立ち上がり、テーブルの上に先ず鱗を約150枚 頭15匹分 身は神々に供えた分と自分が食べた分5匹分と採取で手に入れた薬草も、途中で置き切れず部屋にあった敷物をズィーガーが敷いてそれでギリギリ置く事が出来た。
「おお、貴重な薬草まで、見ている場合ではありませんな。急いで私が計算しますのでお待ち下さい、私の収納袋を使いますので…」
手慣れているのか次々紙にペンで数字を書き出し、懐にしまっていた藁で編んだような袋に次々と入れていく。
「あのその袋は?」
「これは収納袋ですな、一応時間停止機能がありますが容量は大した事ないです、私が若い頃にたまたまダンジョンで手に入れた一品です。コイツのお陰で我が商会は大きくなりました。私の相棒ですな」
詠斗と会話をしている間も手は止まらず計算を続け、瞬く間に終わらせる、PCや計算機も存在しない長年の経験の賜物に詠斗が拍手を贈る。
「こんなに出して頂きありがとうございます。では金額ですね…まず薬草こちらは回復薬にも使われる貴重な物なので、1本15,000ログを15本。ギョロリはまず処理がとても綺麗です内臓も全て取り除かれていますね。頭は1つ10,000を15匹分、身は文句なし1匹23,000ログを5匹分、先ほどお話した鱗は1枚11,000ログを153枚分全て合わせて2,173,000ログでございます。如何ですか?」
「…あ、そ、そんなに」
「おや、解体費用も入れてこれでは安いですかな。では2,200,000ログでは如何ですか?これ以上だと…」
「いや、い、いいです!その値段で大丈夫です」
「おお、そうですか。今コインを用意しますね。1,000,000ログコイン2枚と100,000コイン2枚にしますか??それとも商業ギルドに預けますか?」
「あ、とりあえず半分預けます。半分は貰います」
収納に入れれば希望した金額が出てくる、両替いらずの便利スキルありがとうスキル。
「分かりました用意して来ますので、お待ちください」
ほくほく顔のズィーガー一旦部屋を退出する、はあー詠斗は深くソファに座り金額の大きさに驚く。
「200万1日で稼いだよ、金銭感覚バグりそう、いやー魚だよーすごくうまいけどさー。魚…いやマグロとかだってその位するのもあるかー」
などと言っている間にすぐズィーガーが荷物を持って戻ってくる、コロコロのボディで運ぶのが大変そうなので手伝いテーブルに置く。
「お待たせしました、こちらが1,000,000ログコインと200,000コインです。こちらが商業人証です、魔力を注げばエイトさんのものです、こちらには既に残りの金額が入っています。何処の商業ギルドでも出せます、店など出したければ商業ギルドにお越しください、勿論買い取りはいつでもお待ちしております」
「え…手数料は」
「商業人ギルドは手数料は取りません、その代わり店など出すときは出店料や賃貸料が掛かりますし、売るものによっては許可に必要な費用など支払いが生じます」
「なるほど…」
「来て頂ければ都度説明しましょう。後、こちらを良ければ差し上げます」
机に置かれた布で出来た筒の様な物、見た目よりは軽い物に詠斗は首を傾げた。
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