あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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始まりは異世界から

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…真っ白い空間、どこまでも白く果てがない、そんな場所で彼らは長い時間、気が狂う程の永久とも言える時間をかけて見守り続けている世界を眺めていた。

「やはり、我々ではどうにもならないか」

純白の衣装に身を包んだ13名いる内の1人が、自分達の背丈程の球体を見つめ白い空間に響かせた。

球体には地球儀のように海と大陸が存在し、ゆっくりと自転し球体を囲う13名が誰1人そこから目を離そうとはしなかった。

「病んでしまったら治す、我々で治せないなら他の力を使う」

「他の力ねえ」

それぞれ全く同じ衣装、背丈、フードは目深にかぶり口元も布で覆い、性別、年齢、声も同じ男か女が老いか若きも不明、区別をつけるならば話し方位しかない。

「止む終えずと言いますか、最悪の手段を使う他我々の世界が続く方法はないですね」

球体の所々を覆う薄い幕の様な雲、そこから穴が空きこの場所の空気を吸い込んでいる。

「長年この話しをしていますが、決着は着きませんねぇ」

「そろそろ、逃げ続けてばかりじゃ可哀想だろ」

12人が頷き、1人が右手を挙げ厳かに長年解の出なかった話し合いに今を以て決着をつける。

「では、これより、我々の世界アタラクシアの病を治癒する為の異界人いかいじんを召喚する」

『異議なし』

「召喚する異界人は、計8人。《アタラクシア》の治癒の状態により順次行う、担う者 導く者 手を差し出す者 掬う者 与える者 変革する者 もたらす者 そして最後は…××××××を持って召喚を完了とする」

「召喚する異世界は地球」

「召喚する者は日本という場所に生きる者」

「今を生きる世界に未練がない者」

「《アタラクシア》で生きていける者」

「我々の勝手な都合で呼ぶには誠意を持って」

「誓いを」

「心と魂と肉体に」

「我らの出来る限りを以て」

「祈りと願いを」

「ここに示す」

「我ら13の神の誓いを契約とする」

最初に手を挙げた者から時計回りに、1人づつ右手を挙げ誓いを立て一周すると、中央の《アタラクシア》の雲の穴が1つゆっくりと塞がっていく。

「では、招こうこの《神ノ庭》に最初の異界人 担う者を…」

神々の頭上に渦巻く雲、ゆっくりと白い空間を侵食し広がっていく。
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