クラス転移した俺のスキルが【マスター◯―ション】だった件 (新版)

スイーツ阿修羅

文字の大きさ
上 下
57 / 178
第三膜 寝取られ撲滅パーティ編

五十七射目「救援へ」

しおりを挟む
「はぁっ、っっ!! 大変ですっ! 沢山の人が、強力なモンスターに狙われています!!」

 俺達は、眠りにつく事なく、叩き起こされた。
 ユリィさんの危険察知だ。
 俺達はすぐに飛び起きた。

「はやく助けに行きましょう! お姉様っ! 人が死んでしまいます!」
「ユリィ、落ち着いてっ、方角はどっち?」
「向こうです、距離は1キロほどっ!」
「分かりました、様子を見に行きましょう」

 ユリィとリリィさんが、そんなやり取りをして、
 俺達五人は、森の中へと駆け出した。

「ユリィ、どんなモンスターですか?」
「今までに出会った事がありません。動きは遅いです」
「なるほど、負傷者はいますか?」
「負傷者は二人っ、死者は分かりません、モンスターは真っ直ぐに、集団へと向かっています!」

 夜の森の中を、リリィさんの【火球ファイヤボール】が照らしながら、走る、走る走る……
 すると、だんだんと地鳴りの音が響いてきた。
 ドスン、ドスン、と、巨大な生物があるくみたいな足音……
 もう、危ない目に遭うのは嫌なのだが?

行宗ゆきむねさん! 念の為に戦闘準備をしておいて下さい!!」
「!!、了解っ!!」

 リリィさんの掛け声に、俺は、自身の武器へと右手をかけた。
 リリィさんは、「この森には、危険なモンスターはいない」と言っていた。
 むしろ怖いのは人間だと。
 しかし、万が一のためだ。
 走りながらでは難しいが、やらないよりはマシだろう。

「ねぇ、戦闘準備って何?」

 隣を走る浅尾あさおさんが、不思議そうに首を傾げていた。

「決まってるだろ、オ◯ニーだよ!」
「んなっ!? 何してんのっ!?」

 浅尾あさおさんは、怒ったような顔で、顔を真っ赤にしていた。
 その通り、俺の右手は今、パンツの中で動いている。
 森の中を走りながら、別の運動に四苦八苦しているのだ。

「真面目な顔で何て事してんのっ!? 変態っ!」
「しょうがねぇだろっ、賢者になるためだ! もう危険な目に遭いたくないし、遭わせたくないんだっ!」
「そ、そうねっ。確かに……ごめんなさいっ」

 俺が迫真に叫ぶと、浅尾あさおさんは申し訳なさそうに誤った。
 
「分かった、私も準備しとくよ」

 直穂なおほはそう言って、俺の隣を走りながら、自身のおっぱいと、股間へと両手を当てた。
 その仕草を見ただけで、俺の脳は興奮に襲われて、俺の戦闘準備は、大いにはかどった。
 これは、相互オ◯ニーという奴だろうか。
 直穂なおほと俺は、隣り合いながら、自身の性◯体を弄っているのだ。
 こんなの、ほとんどセッ◯スじゃないか。

 バギバギバギ!!!

 森のひしめく音が強くなる。
 視界の先に、光があった。

「すぐそこです!」

 ユリィさんと叫びと共に、モンスターが視認できた。
 それは、大きな毛だるまで、白く発光していた。
 球体のシロクマというべきか、
 直径は、大樹を見下ろすほど大きい。
 
「やめろっ!!くるなぁぁぁ!! フィリァぁぁ!!」

 その更に奥で、男の人の泣き叫ぶ声がした。

 そのモンスターの足元には、倒れている子供がいた。
 そして、手前には、血に染まった死体もあった
 俺は、モンスターの巨体を見上げた。
 そこに書かれていた、HPバーの文字列は、
 【divine beast:Maruhubshi】
 モンスター名、【神獣:マルハブシ】
 聞き覚えのあるその名に、俺はあっと息を呑んだ。


 スッ!!
 突然目の前に、濃い緑の服装の男が現れた。
 !!?
 俺達は、すぐに警戒態勢をとった。
 軍服のような、ぼろぼろの隊服の男。
 右手には似つかわしくない杖がある。
 この男は、敵か?味方か?



「いやぁぁ!!やめろやめろっ! 来るならコッチに来い!!」

 白い光の向こうで、男の叫び声が続いていた。
 さらに奥から、ギャハハという笑い声もしていた。

「貴様ら、何のようだ? これ以上近づくな」

 目の前の男は、俺達を不審げに見下ろした。
 大人の屈強な男に、ここまで睨まれた事はない。
 正直、おしっこをチビりそうだ。

 直穂なおほが、俺の手を握っていた。
 その手は冷たくて、ガタガタと震えていたり
 くそっ、何をやっているんだ俺は、直穂なおほが怖がっているじゃないか、俺がビビっててどうする。

「俺たちなら、あのモンスターを倒せます! 助けにきました!!」

 俺は、胸を張ってそう言った。

「は? 必要ない。まさか俺たちの手柄を横取りするつもりか?
 1100万ガロンだ。公国金貨では10億円なんだよ ……邪魔するなら殺すぞ」

 …………!!
 殺すぞ、その言葉は本物だった。
 傷だらけの顔からは、生まれて初めて、殺気というものを感じた。
 俺は震えが止まらなかった。
 前に進むことも、後ろに引くこともできなくなり、金縛りにあった。
 
「早くっ!! 女の子が殺されてしまいます、助けないとっ!!」

 ユリィさんの声がした。

「あぁ、心配するな。アイツは獣族の罪人だ。ただの餌さ」

 目の前の軍服の男が、そう言った。

「嫌だァァァ!!」

 モンスターの向こうで、男の金切り声が続いていた。


「ねぇユリィ、あのモンスターを撃ち抜けますか?」
「無理ですっ、その奥にも沢山の人がいて、巻き込んでしまいますっ」
「なら近づくしかないですねっ!、浅尾あさおさん!」  

 リリィさんに応えるように、浅尾あさおさんが男の横をすり抜けて、【爆走バーンダッシュ】で駆け出した。  
 目にも止まらぬ速さで、【神獣マルハブシ】へと近づいていく。
 
「貴様っ!何をする気だっ!奴は罪人だぞ」
「罪人だと? 貴様らが虐待した被害者だろ!?」

 リリィさんは敬語使わずに言い捨てた。
 強い言葉に、慌てふためく男に触れて、不思議な魔法で気絶させた。
 
行宗ゆきむねさんごめんなさい。あの女の子を、助けてもいいですか?」

 リリィさんは、焦った顔でそう尋ねながら、もう既に走り出していた。
 俺も走り出していた。
 どの道、もう、止まらない。
 そもそも、あのモンスターを倒せば済む話なのだ。
 


「敵集だ!!すぐに始末しろ!!魔法陣に近づけるなっ!!」

 俺たちの周囲には、大勢の敵がいた。
 沢山の軍服が、木の上にいて、モンスターを取り囲んでいたのだ。
 彼らはモンスターではない、俺と同じ、人間である。

 俺の戦闘準備は、まだ万端ではなかった。
 しかし……
 俺は腹を括った。
 もう目の前で、誰かが死ぬのを見たくない。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

異世界に召喚されて「魔王の」勇者になりました――断れば命はないけど好待遇です――

羽りんご
ファンタジー
どこにでもいる普通の女子高生の皆川静葉は古本に書かれていた呪文を唱えた途端、異世界に召喚されてしまったが、召喚者はなんと「魔王」だった。 「おぬしには我が手足となってもらう」 命を握られて否応なしに「魔勇者」になった静葉だが、部屋は快適で食事は美味いし、立派な大浴場まである。しかも医療や装備、アイテムや修行など魔族達は身の回りを余すところなく世話してくれる。おまけに与えられた魔王の力が予想以上に身体に馴染み、敵を斬れば斬るほど力が増してくる。 魔族達と交流を深め、人間達を無慈悲に斬り伏せるうちに静葉は魔勇者の才能を開花させていく。 果たして静葉は立派な魔勇者となり、元の世界に帰ることはできるのだろうか?

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

処理中です...