クラス転移した俺のスキルが【マスター◯―ション】だった件 (新版)

スイーツ阿修羅

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第二膜 異世界ダンジョンハーレム編

四十射目「作戦(オ◯二ー)開始!」

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「ですが、10分間しか戦えないのは厄介ですね。
 それに、賢者状態でも【天ぷらうどん】のレベルには及ばないので、討伐は諦めるべきです。」

「ですね…」

 リリィさんは、真剣な表情で作戦会議を始めた。
 やはり、討伐というのは現実的でないようだ。

「必然的に、討伐ではなく救出という方針となりますが、
 行宗ゆきむねさんの賢者の力では、「生物の気配」が見えるものの、それが誰なのか、識別出来ないんですよね??
 加えて、水中では呼吸が出来なくなってしまいます。水中戦においては致命的です。」

 俺はコクンと頷いた。
 そうだった。天ぷらうどんは、水の中で戦う必要もあるのか。
 酸素のない水中で、一体どう戦えばいいというのだ。
 リリィさん、まさか解決策があるんですか??

「それなら、「生物の気配」を片っ端から確かめて、三人を探すしかないですね。
 非効率ですが仕方がないです。
 そして、呼吸の問題については、あたしが魔法で酸素を補給するので安心して下さい。
 その代わりに行宗ゆきむねさんは、レベルの低いあたしを守って下さい。」

「そうか!!リリィさんは酸素ボンベにもなれるのか!?」

 俺は、衝撃のあまり声を上げた。
 酸素を出せる魔法、そんなものまであるのか。
 リリィさんが酸素を供給してくれるなら、俺は水中でもフルパワーで戦える。

「人を酸素ボンベ扱いしないでください……
 ……最後に、ボスの居場所についてです。
 【天ぷらうどん】の本体は、狩りの場合を除き、洞窟内には存在しません。
 洞窟内から隔離された、満杯の水と大量の麺に埋め尽くされた、密室空間に潜んでいます。
 そこに、きっと三人は捕らえられてるはずです」

 「え?洞窟内にいないなら、助けに行けないじゃないですか!?」
 
「いえ、一つだけ方法があります。
 【天ぷらうどん】の狩場から侵入するルートです。
 【天ぷらうどん】は、小さな穴で繋がった洞窟内の狩場・・・・・・へと、自身の肉体の一部を送り出し、温泉おんせんのフリをして、人間を誘い込むモンスターです。
 つまりすぐそこ。温泉の跡地・・・・・のどこかに【天ぷらうどん】の脱出経路がある筈です。その道を辿っていきましょう。」

 リリィさんは、先程まで温泉があった場所、円形にあいた大きな窪みを指さした。
 新崎さんと浅尾さんと共に、入浴していた場所である。

 「本当ですか!? ですか、先ほど探しても、穴なんてありませんでしたよ?」

 俺は既に、うどんが逃げられる穴がないかと探している。
 しかし、そんな穴は見当たらなかったのだ。

 俺はもう一度、洞窟の跡地を確認していったり
 隈なく探してみるも、穴らしきものはない。

「【天ぷらうどん】もバカではありません。当然、穴は埋めておくでしょう。ですが、一度掘られた土は柔らかいものです。
 行宗ゆきむねさんの賢者状態でのステータスなら、水の中を泳ぐように潜れるはずです。」

 リリィさんはそう説明した。
 リリィさんの話は、とても説得力がある。
 土の中を泳ぐなど、可能なのかと不安になるが、リリィさんが言うならそうなのだろう。
 とても頼りになる。小さいのに凄い人だ。
 だから俺は、彼女に対して敬語を外せないのだ。

「ありがとうございます。リリィさん」

「いえいえ。お礼を貰うのはまだ早いです。
 私達は運命共同隊ですから、片方がやられれば、共倒れでみんな死にます。
 生きて無事に帰れたら、その時にお礼を言い合いましょう。」


 リリィさんは、明るい笑顔でそう言った。
 そうか、俺たちは協力関係なのだ。
 酸素供給係と、戦闘護衛係。
 どちらかが倒れれば、ゲームオーバーになる関係。
 リリィさんは俺に、命を預けてくれているのだ。
 互いに命を預けて、背負う関係。  
 そんな中でも、リリィさんは笑顔で、俺を安心させてくれる。

「そうですね。ありがとうリリィさん」

 俺はやっぱり、彼女に感謝をした。


 ★★★


「さて、お腹は膨れましたか??」

 リリィさんは、腰を持ち上げて立ち上がった。

「はい」

 俺も立ち上がった。お腹いっぱいで元気100倍だ。

「では、虫などが寄らぬように、残った小籠包しょうろんぽうは凍らせておきます。【冷凍フローズン】」

 リリィの魔法によって、周囲は冷気に包まれ、小籠包しょうろんぽうは霜に包まれて冷凍保存されていく。

 リリィさんは万能だ。今回は冷蔵庫になってしまった。

 リリィさんには、特殊スキルが使えないというコンプレックスがあるようだったが、
 俺から見れば、リリィさんの多彩なスキルが羨ましすぎる。

 是非、俺の特殊スキルと、交換して貰いたい。
 いや、【自慰マスター〇ーション】スキルなんて、リリィさんは欲しがらないか。

「すぐに出発しよう思いますが、心の準備はいいですか?」

「はい!!万端です!!」

 俺は、気持ちを引き締めた。
 今から、命がけの救出劇が始まるのだ。
 俺はリリィさんを守りながら、三人を助け出す。
 新崎にいざきさんと浅尾あさおさん、リリィさんの妹の三人である。
 絶対に失敗できない。


 ★★★


 「では、作戦開始です。
 さあ、行宗ゆきむねさん、オ〇二ーを始めて下さい。」

 「あ、はい……
 ………アノ、向こうに行って、シ〇ってきますね。恥ずかしいので見ないでください。」

 「見てみたいのですが……我慢しますよ、残念です。」

 露骨に肩を落として、ガッカリとするリリィさんを置いて、俺は洞窟の隅へ駆け込んだ。
 そしてズボンを下ろす。

 なんだか締まらないが、これも立派な作戦段階フェーズなのだ。
 心して挑まなければならない。

 俺は、服の山から漁ってきた、新崎にいざきさんの下着を手に取った。
 白いふわふわの、新崎にいざきさんのパン〇ィである。
 少しシミのあとがあるが、洗濯は済んでいる。新崎にいざきさんも許してくれるだろう。きっと。

 俺は、綺麗に広げると、恐る恐る顔を近づけていった。
 やがて俺の顔面は、ふかふかの布で包まれる。

 すーーふーー。

 俺は深呼吸をした。

 ほのかな潮騒の香りがする。
 リリィさんの洗濯では、洗剤を使っていないので、微かな匂いが残っている。

 息子が起き上がるまでに、たいした時間はかからなかった。
 
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