8 / 178
第一膜 クラス転移した俺のスキルが【マスター◯ーション】だった件 編
八射目「好きな女の子の奴隷になった」
しおりを挟む「じゃあ、最初の命令をするね。
行宗くんさ、さっき私がアニメのセリフを叫びながら、ノリノリで刀を振っていたの、見ちゃったよね。
アレ、凄く恥ずかしかったんだよ。
だから、私がアニメを好きだって事は、絶対に誰にも言っちゃダメだから」
新崎さんは顔を赤らめながらそう言った。
え?
ああ。あれの事か、
オ○ニー事件のせいで忘れていたが、俺が新崎さんに、オ○ニー姿を見られる直前に、
新崎さんは、今まで俺が見たことがないようなハイテンションで、現在放送中の深夜アニメ、【ルナアーク】の主人公の必殺技を叫んでいた。
「新崎さんって、アニメ見てるんですか?!」
俺は、いつも勉強熱心でサブカルに関心のなさそうな新崎さんに、率直な疑問をぶつけた。
「私がアニメを見ていたら変??
確かに学校では、くそ真面目の優等生キャラだけどさ。
ホントの私は、皆が思ってるようないい子じゃないから。
周りから、いい子に見えるように演じてるだけ。
ホントは、アニメと漫画が大好きで、変な趣味もあるし。
だから、さ。
君には、他の人に言えないような、私の本音をぶちまけられる、ゴミ箱みたいな存在になってほしいの」
(ゴミ箱!?俺が!?)
「つまり、私がどれだけ可愛くない事を言っても、ちゃんと聞いて、共感してくれる、そんな奴隷になってほしいの。
多分、君なら、出来ると思う。
私は、君の弱みを握ってる事を忘れずにね。私が君に話したことは、絶対に、他の誰かに言っちゃ駄目だよ」
な、なるほど、そういう感じか。
多分、出来るとおもう。
俺は、どんな新崎さんでも、可愛いと思えるはずだから、
「分かりました。頑張ります」
「うん。じゃあ、次の命令。
私と一緒に、モンスターを倒して。
私の【特殊スキル】は、戦闘に向いていないから、皆みたいに一撃で倒せなくてさ。
まだ、皆から譲ってもらった一匹しか倒せていなくて、
だから人のいない、この洞窟に来た訳なんだけど…
とにかく、私のモンスターの討伐に、協力してくれない?、じゃなくてっ!
協力するの!これは命令だから。」
「はい」
俺は、奴隷らしくキチンと返事をした。
俺以外にも、ワンパンで倒せない人がいたのか。
しかし、戦闘に向いていない特殊スキル、か。
新崎さんの特殊スキルは、一体、何なのだろう?
「そうだ、もう一つ大事な命令!
これから一生、私をオ○ズにしちゃダメだから」
「はっ!はいっ!!」
今度は、だいぶ辛い命令をされてしまった。
新崎さんに、奴隷やゴミ箱と呼ばれて溜まったモノを、一体どうやって発散しろというのか。
★★★
「へぇー。「みずモブ」も見てるんだ!私も好きだよ!、今季のアニメは何本見てるの?」
「8とか、9本ぐらいかな。アニメレビューYouTuberさんの評価を見ながら、面白そうなやつだけ選んでる。」
「良いなぁ…。私は、勉強が忙しくてさ、週に4本くらいしか観れてないんたよね。
本当は私も、色んなアニメとか見たいのに……」
「なんで新崎さんは、そんなに勉強するの?」
「んー?ありきたりだけど、良い大学に入って、中学校の先生になる為だよ」
「え!?中学の先生になるの?」
「うん、あの、社会の佐々木先生っていたじゃん、あの人見たいな先生になりたいなぁーって」
「あー、面白かったよな、佐々木先生」
新崎さんは、今までに見たことがないような、明るい表情をころころと変えて、
ゴミ箱である俺に、色んな本音を捨ててくる。
しかし俺には、この状況が、どう見ても奴隷と主人の関係には思えなかった。
洞窟の中を男女二人で、会話を弾ませながら一緒に歩いているこの状況って…
(どう見てもデート!、デートですよね!!?)
それに!コミュ障の筈の俺が、まったく緊張せずに話せている。
なんでだ?
さっきまでは、新崎さんには一番恥ずかしいことを見られて、目すら合わせられなかったのに、
どうして??
「あっ!、見つけた!さっき倒せなかったヤツ!」
新崎さんが、大きな声をあげる。
視線の先には、俺が倒したハリネズミのモンスターが、4体、密集して集まっていた。
「えーっと、まあいいか…。
我、神の天使なりて、謀反者を裁き賜う!!
裁きの剣!!」
新崎さんは、俺をちらり一瞥してから、前を向きなおし。
TVアニメ【無限神話】に出てくる天使様の必殺技を、大声で詠唱した。
そして、
「うりゃぁあああ!」
と、叫びながら、魔法使いのローブをひるがえし、魔法使いに似つかわしくない短剣を、腰からスッと抜き出しながら、モンスターへと飛び込んでいく。
なんか、無茶苦茶カッコいいのだが。
俺がそばで聞いているのに、アニメのセリフを、恥じらいもなく叫んでくれるなんて、
俺に対して、心を開いてくれているのだろうか?
それとも、俺が奴隷だからだろうか?
俺も新崎さんに続いて、剣を構えて加勢しに行った。
流石に恥ずかしくて、技名は口に出さなかったが。
★★★
4匹のハリネズミ型モンスターを、全て狩り尽くした頃。
俺と彼女のミニバックの中から、
ビリリリリ……
という、金属音が鳴り響いた。
実戦練習の終了と、集合の合図である。
「ふぅ、ありがと、楽しかった!」
新崎さんは、太陽のような笑顔を向けてくる。
ああ、天使の笑顔だ。
この笑顔が見れるなら、俺は奴隷にでも悪魔にでもなってやる。
「じゃあ、別々に分かれて戻ろうか、
一緒にいたって皆にバレたらめんどくさいからね。
あと、
もう一度確認するけど、
今日ここであった事と、私達の関係は、二人だけの秘密だから。
それと、皆の前で、私をジロジロみたり、話しかけたりしたらダメ。
私をオ〇ズにして、エ〇チな妄想するのもダメ。
それは絶対だからね?」
「ハイ……」
可愛い顔を見せたと思ったら、途端に奴隷として扱われる。
俺の心をぐちゃぐちゃにしたいのか?
飴とムチを交互に使ってくる。
これが、DV彼女というやつだろうか?
でも俺も、彼女に依存してしまいそうだ。
★★★
俺は新崎さんと、三分程の時間を空けて、狭い洞窟の穴から外へ出た。
(早めに戻らないと)
俺は、集合場所を指し示すコンパスを取り出して、その方向へと歩き出した。
「なぁ、行宗くん、お前、直穂ちゃんと二人きりで、何してたんだよ!?」
(!!!)
俺は、後ろからかけられた殺気の籠った低い声に、身体を縮こまらせた。
俺は、はっと振り返る。
そこにはクラスで隣の席の、竹田慎吾が、眉間にシワを寄せて拳を震わせながら、今にも飛び掛かってきそうな勢いで俺を睨みつけていた。
13
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる