25 / 30
第25話 ようやくダンジョンが登場した
しおりを挟む
「しかし、その姿は……」
シシオダスさんは息子の変わり果てた姿に困惑している。
そりゃたった一年でもじゃもじゃになっちゃったら、何があったんだってなるよ。
「ライオくんだけじゃなくて、チタくんたちも明らかに見た目が変わっちゃったんですよね。ある日、急に寝込んでしまったかと思うと、二日くらいずっと起きなくて。やっと目を覚ましたらこうなってたので私たちもびっくりしました。三人とも似たようなタイミングだったんですけど、ニャー族って誰もがこうってわけじゃないんですかね?」
「……普通はない。だが……」
シシオダスさんは少し言い淀んで、
「我が一族には、古くから言い伝えられていることがある。……本来は猫の獣人である我らだが、獅子や豹などの獣人に〝進化〟することがある、と」
進化だってばよ。
レベルアップどころじゃなかったわ。
確かにもっと根本的な変化っぽいもんね。
進化は主に魔物において起こるものだという。
例えば、ホーンラビットから上位種のアルミラージに、オークからハイオークに、といった具合だ。
だがその魔物の性質を有する魔族や獣人も、進化する可能性があるのだとか。
「しかし今まで身近で進化した者を見たことは一度も無い。進化する条件も分からない。辛うじて私の祖母から、祖母の父の兄、すなわち私の大叔父が進化していたという話を聞いたことがあるくらいだ。しかしそれも眉唾ものかと思っていたのだが……」
つまり進化というのは本当にごくごく稀にしか発生しないものらしい。
なんかスーパーサ○ヤ人みたいだね。
「サオリ殿。申し訳ないが、少し彼らの力を確かめさせてもらえないだろうか?」
彼の提案を受けて、私たちは外に出た。
「ライオ。私にぶつかってきなさい」
「え? ……う、うん、分かった」
何だ何だと、猫のようにあちこちに寝転がっていたニャー族たちが注目してくる。
「じゃあ、いくよ」
ライオくんが恐る恐る地面を蹴って、シシオダスさんに向かっていった。
ライオくんもこの短期間で大きくなったけれど、体格では圧倒的にシシオダスさんの方が上だ。けれどぶつかった瞬間、その衝撃でシシオダスさんの身体が吹き飛ばされそうになった。
「ぐ、ぬうっ……」
何とか耐えるシシオダスさん。
そしてライオくんの服を掴み、投げ飛ばそうとする。
けれどライオくんはビクともしなかった。
「なっ……」
「馬鹿な、族長の力を物ともしていないだとっ……?」
「あの身体でなんという怪力なんだ……!」
今度はライオくんが攻めに回った。するとシシオダスさんの身体が持ち上がり、ついには足が宙から浮き上がる。
「でいっ」
「ぐっ!」
そのまま力任せに放り投げてしまう。
「「「族長が投げられたっ!?」」」
ニャー族たちが驚嘆する中、シシオダスさんは地面を転がってすぐに起き上った。
「……私の完敗だ」
「お、おれ……勝っちゃった……?」
ライオくん自身も驚いている。
続いてヒューネちゃんと、ニャー族の若者が向かい合うことになった。
「先に相手の背後を取った方の勝ち。我が村でよくやる遊びの一つだ」
予想通りヒューネちゃんは圧勝した。
右へのフェイントを入れたかと思うと、次の瞬間には左回りでもう相手の背後に回っていて、私の目にはほとんど見えなかったほどだ。
「チタのことはすでに聞いている。一族でも指折りの足の速さを持つ兄に、あっさり追い付いてしまったのだな。わざわざ改めて確かめる必要はないだろう」
次は自分の番だとウォーミングを始めていたチタくん、がっくりしている。ドンマイ。
「間違いない。見た目の変化に加え、この急激な能力の向上。やはり三人とも進化したようだ」
シシオダスさんはそう結論付けた。
「し、進化だと……?」
「あれは伝説じゃなかったのか……?」
「しかもあの三人が……」
生存競争に負けて村から追い出された三人の身に起こった出来事に、ニャー族の代表者たちは動揺を隠せない様子。
「一体どうやって進化したんだ……?」
「我々にも可能なのか……?」
「きっかけや条件があるのだろうか……?」
うん、どう考えても〈子育て〉スキルのお陰だよねぇ……。
でも幾らスキルの影響で成長が早くなるからって、そんなに簡単に進化しちゃうものなのだろうか?
伝説レベルになるくらい進化が難しいことと、さすがに噛み合ってない気がする。
確かに進化前にも彼らの成長は著しかったけれど、それでも大人の中にはそれ以上の経験値を得ているニャー族がいるだろう。
進化の条件(トリガー)は、単なる経験や強さだけじゃないってこと?
「サオリお姉ちゃん。進化する魔物って、ほとんど生まれてすぐに進化するみたいだよ? それと同じじゃないかなー」
ああ、なるほど、さすがレオルくん。
つまり子供じゃないと進化できないのかもね。
「それで、そもそもなんで村を捨てることになったんですかね?」
仕切り直して家に戻ると、私はずっと気になっていたことを訊いた。
村ごと放棄するなんて、よっぽどのことがあったに違いない。
「実は……村の近くにダンジョンができたのだ」
「ダンジョン?」
キターーーーーーッ!
異世界モノの定番中の定番、ダンジョン!
ていうか、今の今までダンジョンのダの字も出なかったとか、異世界モノとしてどうよ?
まぁ戦闘系チートじゃないし仕方ないけど。
「そこから溢れ出してきた魔物のせいで、今までいた村に住むことができなくなったのだ」
ダンジョンは忽然と出現したらしい。
どうやらこの世界ではままあることだとか。
災害みたいなものだね。
「最下層にあるダンジョンの命――コアを破壊すればダンジョンは消失する。ゆえに我々は一族の精鋭を送り込み、攻略に挑戦したのだが……失敗に終わってしまった」
ダンジョンの規模や難易度は千差万別らしい。
この森に住んでいた彼らでも攻略できなかったということは、きっとかなり高難度なダンジョンなのだろう。
「楽しそう!」
「うん!」
「え? ちょっ、レオルくん? レオナちゃん?」
なんか急に二人が目を輝かせ始めたんですけど。
「いやいや、危ないって。聞いてなかったの? ニャー族の人たちでも攻略を断念したって」
「んー、でもあんまり強くないよね?」
うわっ、レオルくん、ばっさり!
空気が一気に張り詰めた。猫さんたちめっちゃ怒ってるよぉー。
「れ、レオルにいちゃんたちはすっごく強いんだ!」
「ぼくらでもかなわないし!」
「そうよ」
ライオくんたちがフォローしてくれた。
進化した獣人たちにそう言われてしまえば、ただの人族の子供だと侮るわけにはいかないだろう。険が少し引っ込んだ。
てか、よく考えてみたらこの子たちの場合、進化してるわけじゃないのに強いよね?
やっぱ天才なのか。
「ねぇ、お姉ちゃん。そのダンジョン、行ってみていい?」
「レオナも行ってみたーい」
「本気?」
「うん! どのみちこのままだとニャーさんたち困るよ?」
「たくわえにも限度があるよ?」
確かに二百人いる彼らにずっと食べさせ続けていくようなキャパはない。
近くのどこかに新しい村を作るにしても、相当な労力が必要だろう。
元の村に戻れるならそれが一番である。
「おれたちも行きたい!」
「ぼくも!」
「わたしも!」
「ちょっ、君たちまで!?」
ライオくんたちもやる気満々だ。
「い、いや、さすがに子供に任せるわけには……」
一方、シシオダスさんたちは困惑している。
うーん、私も反対だ。普段から狩りで魔物と戦ってるけど、ダンジョンはそれ以上に危険なはず。幾ら強いと言っても、子供の彼らに無茶はさせたくない。もしものことがあったら、お姉ちゃん一生悔やむよ。
でも、ここで頭ごなしに反対しちゃっていいものかな?
そもそも危険だって言っても、実際に行ったことも見たこともないダンジョンだ。
もしかしたら今のレオルくんたちにとってちょうどいいレベルで、ちょうどいい挑戦だったりするのかもしれない。
うん、そうだ。
やっぱり良いか悪いかは、ちゃんと自分の目で確かめた上で結論付けないと。
というわけで、私は言った。
「じゃあ、お姉ちゃんも付いていく」
「「「危ないからぜったいダメ!」」」
一蹴された。
何でや?
シシオダスさんは息子の変わり果てた姿に困惑している。
そりゃたった一年でもじゃもじゃになっちゃったら、何があったんだってなるよ。
「ライオくんだけじゃなくて、チタくんたちも明らかに見た目が変わっちゃったんですよね。ある日、急に寝込んでしまったかと思うと、二日くらいずっと起きなくて。やっと目を覚ましたらこうなってたので私たちもびっくりしました。三人とも似たようなタイミングだったんですけど、ニャー族って誰もがこうってわけじゃないんですかね?」
「……普通はない。だが……」
シシオダスさんは少し言い淀んで、
「我が一族には、古くから言い伝えられていることがある。……本来は猫の獣人である我らだが、獅子や豹などの獣人に〝進化〟することがある、と」
進化だってばよ。
レベルアップどころじゃなかったわ。
確かにもっと根本的な変化っぽいもんね。
進化は主に魔物において起こるものだという。
例えば、ホーンラビットから上位種のアルミラージに、オークからハイオークに、といった具合だ。
だがその魔物の性質を有する魔族や獣人も、進化する可能性があるのだとか。
「しかし今まで身近で進化した者を見たことは一度も無い。進化する条件も分からない。辛うじて私の祖母から、祖母の父の兄、すなわち私の大叔父が進化していたという話を聞いたことがあるくらいだ。しかしそれも眉唾ものかと思っていたのだが……」
つまり進化というのは本当にごくごく稀にしか発生しないものらしい。
なんかスーパーサ○ヤ人みたいだね。
「サオリ殿。申し訳ないが、少し彼らの力を確かめさせてもらえないだろうか?」
彼の提案を受けて、私たちは外に出た。
「ライオ。私にぶつかってきなさい」
「え? ……う、うん、分かった」
何だ何だと、猫のようにあちこちに寝転がっていたニャー族たちが注目してくる。
「じゃあ、いくよ」
ライオくんが恐る恐る地面を蹴って、シシオダスさんに向かっていった。
ライオくんもこの短期間で大きくなったけれど、体格では圧倒的にシシオダスさんの方が上だ。けれどぶつかった瞬間、その衝撃でシシオダスさんの身体が吹き飛ばされそうになった。
「ぐ、ぬうっ……」
何とか耐えるシシオダスさん。
そしてライオくんの服を掴み、投げ飛ばそうとする。
けれどライオくんはビクともしなかった。
「なっ……」
「馬鹿な、族長の力を物ともしていないだとっ……?」
「あの身体でなんという怪力なんだ……!」
今度はライオくんが攻めに回った。するとシシオダスさんの身体が持ち上がり、ついには足が宙から浮き上がる。
「でいっ」
「ぐっ!」
そのまま力任せに放り投げてしまう。
「「「族長が投げられたっ!?」」」
ニャー族たちが驚嘆する中、シシオダスさんは地面を転がってすぐに起き上った。
「……私の完敗だ」
「お、おれ……勝っちゃった……?」
ライオくん自身も驚いている。
続いてヒューネちゃんと、ニャー族の若者が向かい合うことになった。
「先に相手の背後を取った方の勝ち。我が村でよくやる遊びの一つだ」
予想通りヒューネちゃんは圧勝した。
右へのフェイントを入れたかと思うと、次の瞬間には左回りでもう相手の背後に回っていて、私の目にはほとんど見えなかったほどだ。
「チタのことはすでに聞いている。一族でも指折りの足の速さを持つ兄に、あっさり追い付いてしまったのだな。わざわざ改めて確かめる必要はないだろう」
次は自分の番だとウォーミングを始めていたチタくん、がっくりしている。ドンマイ。
「間違いない。見た目の変化に加え、この急激な能力の向上。やはり三人とも進化したようだ」
シシオダスさんはそう結論付けた。
「し、進化だと……?」
「あれは伝説じゃなかったのか……?」
「しかもあの三人が……」
生存競争に負けて村から追い出された三人の身に起こった出来事に、ニャー族の代表者たちは動揺を隠せない様子。
「一体どうやって進化したんだ……?」
「我々にも可能なのか……?」
「きっかけや条件があるのだろうか……?」
うん、どう考えても〈子育て〉スキルのお陰だよねぇ……。
でも幾らスキルの影響で成長が早くなるからって、そんなに簡単に進化しちゃうものなのだろうか?
伝説レベルになるくらい進化が難しいことと、さすがに噛み合ってない気がする。
確かに進化前にも彼らの成長は著しかったけれど、それでも大人の中にはそれ以上の経験値を得ているニャー族がいるだろう。
進化の条件(トリガー)は、単なる経験や強さだけじゃないってこと?
「サオリお姉ちゃん。進化する魔物って、ほとんど生まれてすぐに進化するみたいだよ? それと同じじゃないかなー」
ああ、なるほど、さすがレオルくん。
つまり子供じゃないと進化できないのかもね。
「それで、そもそもなんで村を捨てることになったんですかね?」
仕切り直して家に戻ると、私はずっと気になっていたことを訊いた。
村ごと放棄するなんて、よっぽどのことがあったに違いない。
「実は……村の近くにダンジョンができたのだ」
「ダンジョン?」
キターーーーーーッ!
異世界モノの定番中の定番、ダンジョン!
ていうか、今の今までダンジョンのダの字も出なかったとか、異世界モノとしてどうよ?
まぁ戦闘系チートじゃないし仕方ないけど。
「そこから溢れ出してきた魔物のせいで、今までいた村に住むことができなくなったのだ」
ダンジョンは忽然と出現したらしい。
どうやらこの世界ではままあることだとか。
災害みたいなものだね。
「最下層にあるダンジョンの命――コアを破壊すればダンジョンは消失する。ゆえに我々は一族の精鋭を送り込み、攻略に挑戦したのだが……失敗に終わってしまった」
ダンジョンの規模や難易度は千差万別らしい。
この森に住んでいた彼らでも攻略できなかったということは、きっとかなり高難度なダンジョンなのだろう。
「楽しそう!」
「うん!」
「え? ちょっ、レオルくん? レオナちゃん?」
なんか急に二人が目を輝かせ始めたんですけど。
「いやいや、危ないって。聞いてなかったの? ニャー族の人たちでも攻略を断念したって」
「んー、でもあんまり強くないよね?」
うわっ、レオルくん、ばっさり!
空気が一気に張り詰めた。猫さんたちめっちゃ怒ってるよぉー。
「れ、レオルにいちゃんたちはすっごく強いんだ!」
「ぼくらでもかなわないし!」
「そうよ」
ライオくんたちがフォローしてくれた。
進化した獣人たちにそう言われてしまえば、ただの人族の子供だと侮るわけにはいかないだろう。険が少し引っ込んだ。
てか、よく考えてみたらこの子たちの場合、進化してるわけじゃないのに強いよね?
やっぱ天才なのか。
「ねぇ、お姉ちゃん。そのダンジョン、行ってみていい?」
「レオナも行ってみたーい」
「本気?」
「うん! どのみちこのままだとニャーさんたち困るよ?」
「たくわえにも限度があるよ?」
確かに二百人いる彼らにずっと食べさせ続けていくようなキャパはない。
近くのどこかに新しい村を作るにしても、相当な労力が必要だろう。
元の村に戻れるならそれが一番である。
「おれたちも行きたい!」
「ぼくも!」
「わたしも!」
「ちょっ、君たちまで!?」
ライオくんたちもやる気満々だ。
「い、いや、さすがに子供に任せるわけには……」
一方、シシオダスさんたちは困惑している。
うーん、私も反対だ。普段から狩りで魔物と戦ってるけど、ダンジョンはそれ以上に危険なはず。幾ら強いと言っても、子供の彼らに無茶はさせたくない。もしものことがあったら、お姉ちゃん一生悔やむよ。
でも、ここで頭ごなしに反対しちゃっていいものかな?
そもそも危険だって言っても、実際に行ったことも見たこともないダンジョンだ。
もしかしたら今のレオルくんたちにとってちょうどいいレベルで、ちょうどいい挑戦だったりするのかもしれない。
うん、そうだ。
やっぱり良いか悪いかは、ちゃんと自分の目で確かめた上で結論付けないと。
というわけで、私は言った。
「じゃあ、お姉ちゃんも付いていく」
「「「危ないからぜったいダメ!」」」
一蹴された。
何でや?
33
お気に入りに追加
3,764
あなたにおすすめの小説
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
冤罪で山に追放された令嬢ですが、逞しく生きてます
里見知美
ファンタジー
王太子に呪いをかけたと断罪され、神の山と恐れられるセントポリオンに追放された公爵令嬢エリザベス。その姿は老婆のように皺だらけで、魔女のように醜い顔をしているという。
だが実は、誰にも言えない理由があり…。
※もともとなろう様でも投稿していた作品ですが、手を加えちょっと長めの話になりました。作者としては抑えた内容になってるつもりですが、流血ありなので、ちょっとエグいかも。恋愛かファンタジーか迷ったんですがひとまず、ファンタジーにしてあります。
全28話で完結。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる