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第十一話 迷宮主生成
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ステータス
名前:ヤマモトタケル
種族:ダンジョン
レベル:16
腕力:0 体力:0 器用:0 敏捷:0 魔力:106 運:42
スキル:〈迷宮拡張+8〉〈魔物生成+7〉〈武器生成+6〉〈食糧生成+5〉〈罠作成+5〉〈宝箱作成+5〉〈鑑定+3〉〈念話+3〉〈NM生成+2〉〈戦場形成+1〉〈迷宮主生成〉
ドラゴンの身体が俺の中に取り込まれたことで、俺は急激に成長した。
しかし、レベルが一気に13も上がるって。
ドラゴンさん、パネェ。
不謹慎かもしれないが、俺の中で死んでくれてありがとうと言いたくなる。
特に魔力の上昇値がすごい。
これなら魔力の枯渇をきにすることもなく、がんがんスキルを使えるかもしれん。
そう。スキルだ。
既存のやつは大きく段階が上がったし、新しいものを三つも覚えた。
早速、試してみることにする。
どれから使うか。
迷う。
え~と……よし、決めた。
〈迷宮主生成〉だ。
いや、前から思ってたんだよ。
このダンジョン、ボスがいねぇなって。
ボスがいないダンジョンなんて、ダンジョンじゃない。
イチゴのないショートケーキみたいなもんだ。
さて。
例のごとく、強力なモンスターをイメージして……
……あれ?
その瞬間、突如として俺の視界がブラックアウトしていた。
「……な、何が起こったんだ?」
俺は目を覚ました。
すぐに意識を失う前のことを思い出す。
そうか。確か、新しく覚えたスキルを使おうとして……。
周囲を見渡す。
ごつごつとした岩肌に囲まれた、洞窟のような場所だ。
「うお!?」
すぐ近くに醜い怪物の集団がいて、俺は思わず悲鳴を上げていた。
てか、こいつらゴブリンか?
醜悪な顔を心配そうに歪め、俺のことを見下ろしてきている。
「って、待て待て待て。何で俺、目が見えてるんだ……?」
何とも暢気なことに、俺はようやくその異常に気が付いた。
「つか、え? 身体? 俺、身体があるっ?」
さらに、自分の手足や胴体を確認し、俺は頓狂な声を上げた。
しかもこの手の長さや足の太さは、明らかに見覚えがある。
「俺じゃん」
どういう訳か、前世の俺の姿らしかった。
なぜこんなことが起こったのか。
直接的な原因は〈迷宮主生成〉を使ったことだろう。
だがまさか、迷宮主が前世の俺の姿で現れ、しかも俺の意識までがこっちに移されるとは。
いや――
俺が意識を転じると、けっこう簡単に以前のダンジョンの方へとその意識を戻すことができた。
俺の中に、人間の姿をした俺がいるのを認識することができる。
すげぇ不思議な感覚だ。
自分を自分で見下ろして気付いたが、俺の頭部に一本、角が生えていた。
人間の姿だが、若干、変化しているらしい。
そうだ。一応、こっちの身体のステータスを確認してみるか。
ステータス
名前:ヤマモトタケル
種族:ダンジョンの一部(迷宮主)
レベル:16
腕力:77 体力:78 器用:82 敏捷:83 魔力:106 運:42
スキル:〈迷宮拡張+8〉〈魔物生成+7〉〈武器生成+6〉〈食糧生成+5〉〈罠作成+5〉〈宝箱作成+5〉〈鑑定+3〉〈念話+3〉〈NM生成+2〉〈戦場形成+1〉〈迷宮主生成〉
お、ちゃんと腕力や体力があるぞ。
てか、種族がダンジョンの一部になってる。
一応、こっちは本体じゃないってことか。
名前やレベル、魔力値なんかは本体と同じだけど。
どうやら二つの身体を同時に操作することも可能なようだ。
ただこれはもう少し慣れる必要があるだろう。
情報量が多くなって、頭が疲れる。
とりあえず俺は、人間の姿の方に意識を置いておくことにした。
「にしても、やっぱ人型の身体があると便利だな!」
これでようやくしゃべれる。話す相手がいないけど。
しかも前世と比べて、性能が凄い。
片手で逆立ちができるし、足がめちゃくちゃ速い。
今ならボルトより速く走れそうだ。
ところで、この状態でもスキルを使えるんだろうか?
やってみよう。
まずは〈迷宮拡張+8〉だ。
ぼん、と俺の目の前の岩肌が、一瞬にして一メートルくらい凹んだ。
ええええっ?
なに今の?
すげぇ拡張速度!
今までの地道な拡張が何だったのかと言いたくなるくらい、とんでもない速さだった。
俺は楽しくなって、夢中で掘り進めた。
魔力量が増えたお陰か、どんなに掘っても疲れない。
おっと。だがこれくらいにしておこう。
ダンジョンの拡張は、もう少し計画的に進めた方がいいだろう。
しかし、これなら複層構造も夢じゃないな。
やっぱダンジョンと言えば複数階層だ。
そして階層ごとに階層主を設け、徐々に難易度を上げていく、と。
別にダンジョンの核を護るだけならそんなことする必要はないんだろうけど、そっちの方が断然楽しいしな。
とりあえずこれで、この姿でもスキルを使えることが分かった。
けど一応、〈魔物生成+7〉の方も試してみるか。
――やたらゴツイ怪物が壁から生えてきた。
いやまぁ、壁から生えてくるのは分かっていたことだけど、こうして人の姿で目の当たりにするとなかなか迫力がるというか、ぶっちゃけ不気味だ。
てか、こいつアークゴブリンじゃないな?
背丈は大差ないが、身体がずっと引き締まっていて、俊敏な印象を受ける。
俺は〈鑑定+3〉を使ってステータスを確かめた。
ステータス
種族:オーガ
レベル:14
腕力:68 体力:64 器用:57 敏捷:51 魔力:23 運:36
スキル〈剣技+3〉
おお、こいつ、オーガだったのか!
しかもスキルがあるし。
ステータスの数値もゴブリンとは比べ物にならないくらい高い。
それから俺はどんどんオーガを生成していった。
おっと、あんまりやり過ぎるとさすがに魔力がなくなってしまう。
まだまだ今すぐに試したいスキルがあるんだ。
さて、次はどれにしようか。
名前:ヤマモトタケル
種族:ダンジョン
レベル:16
腕力:0 体力:0 器用:0 敏捷:0 魔力:106 運:42
スキル:〈迷宮拡張+8〉〈魔物生成+7〉〈武器生成+6〉〈食糧生成+5〉〈罠作成+5〉〈宝箱作成+5〉〈鑑定+3〉〈念話+3〉〈NM生成+2〉〈戦場形成+1〉〈迷宮主生成〉
ドラゴンの身体が俺の中に取り込まれたことで、俺は急激に成長した。
しかし、レベルが一気に13も上がるって。
ドラゴンさん、パネェ。
不謹慎かもしれないが、俺の中で死んでくれてありがとうと言いたくなる。
特に魔力の上昇値がすごい。
これなら魔力の枯渇をきにすることもなく、がんがんスキルを使えるかもしれん。
そう。スキルだ。
既存のやつは大きく段階が上がったし、新しいものを三つも覚えた。
早速、試してみることにする。
どれから使うか。
迷う。
え~と……よし、決めた。
〈迷宮主生成〉だ。
いや、前から思ってたんだよ。
このダンジョン、ボスがいねぇなって。
ボスがいないダンジョンなんて、ダンジョンじゃない。
イチゴのないショートケーキみたいなもんだ。
さて。
例のごとく、強力なモンスターをイメージして……
……あれ?
その瞬間、突如として俺の視界がブラックアウトしていた。
「……な、何が起こったんだ?」
俺は目を覚ました。
すぐに意識を失う前のことを思い出す。
そうか。確か、新しく覚えたスキルを使おうとして……。
周囲を見渡す。
ごつごつとした岩肌に囲まれた、洞窟のような場所だ。
「うお!?」
すぐ近くに醜い怪物の集団がいて、俺は思わず悲鳴を上げていた。
てか、こいつらゴブリンか?
醜悪な顔を心配そうに歪め、俺のことを見下ろしてきている。
「って、待て待て待て。何で俺、目が見えてるんだ……?」
何とも暢気なことに、俺はようやくその異常に気が付いた。
「つか、え? 身体? 俺、身体があるっ?」
さらに、自分の手足や胴体を確認し、俺は頓狂な声を上げた。
しかもこの手の長さや足の太さは、明らかに見覚えがある。
「俺じゃん」
どういう訳か、前世の俺の姿らしかった。
なぜこんなことが起こったのか。
直接的な原因は〈迷宮主生成〉を使ったことだろう。
だがまさか、迷宮主が前世の俺の姿で現れ、しかも俺の意識までがこっちに移されるとは。
いや――
俺が意識を転じると、けっこう簡単に以前のダンジョンの方へとその意識を戻すことができた。
俺の中に、人間の姿をした俺がいるのを認識することができる。
すげぇ不思議な感覚だ。
自分を自分で見下ろして気付いたが、俺の頭部に一本、角が生えていた。
人間の姿だが、若干、変化しているらしい。
そうだ。一応、こっちの身体のステータスを確認してみるか。
ステータス
名前:ヤマモトタケル
種族:ダンジョンの一部(迷宮主)
レベル:16
腕力:77 体力:78 器用:82 敏捷:83 魔力:106 運:42
スキル:〈迷宮拡張+8〉〈魔物生成+7〉〈武器生成+6〉〈食糧生成+5〉〈罠作成+5〉〈宝箱作成+5〉〈鑑定+3〉〈念話+3〉〈NM生成+2〉〈戦場形成+1〉〈迷宮主生成〉
お、ちゃんと腕力や体力があるぞ。
てか、種族がダンジョンの一部になってる。
一応、こっちは本体じゃないってことか。
名前やレベル、魔力値なんかは本体と同じだけど。
どうやら二つの身体を同時に操作することも可能なようだ。
ただこれはもう少し慣れる必要があるだろう。
情報量が多くなって、頭が疲れる。
とりあえず俺は、人間の姿の方に意識を置いておくことにした。
「にしても、やっぱ人型の身体があると便利だな!」
これでようやくしゃべれる。話す相手がいないけど。
しかも前世と比べて、性能が凄い。
片手で逆立ちができるし、足がめちゃくちゃ速い。
今ならボルトより速く走れそうだ。
ところで、この状態でもスキルを使えるんだろうか?
やってみよう。
まずは〈迷宮拡張+8〉だ。
ぼん、と俺の目の前の岩肌が、一瞬にして一メートルくらい凹んだ。
ええええっ?
なに今の?
すげぇ拡張速度!
今までの地道な拡張が何だったのかと言いたくなるくらい、とんでもない速さだった。
俺は楽しくなって、夢中で掘り進めた。
魔力量が増えたお陰か、どんなに掘っても疲れない。
おっと。だがこれくらいにしておこう。
ダンジョンの拡張は、もう少し計画的に進めた方がいいだろう。
しかし、これなら複層構造も夢じゃないな。
やっぱダンジョンと言えば複数階層だ。
そして階層ごとに階層主を設け、徐々に難易度を上げていく、と。
別にダンジョンの核を護るだけならそんなことする必要はないんだろうけど、そっちの方が断然楽しいしな。
とりあえずこれで、この姿でもスキルを使えることが分かった。
けど一応、〈魔物生成+7〉の方も試してみるか。
――やたらゴツイ怪物が壁から生えてきた。
いやまぁ、壁から生えてくるのは分かっていたことだけど、こうして人の姿で目の当たりにするとなかなか迫力がるというか、ぶっちゃけ不気味だ。
てか、こいつアークゴブリンじゃないな?
背丈は大差ないが、身体がずっと引き締まっていて、俊敏な印象を受ける。
俺は〈鑑定+3〉を使ってステータスを確かめた。
ステータス
種族:オーガ
レベル:14
腕力:68 体力:64 器用:57 敏捷:51 魔力:23 運:36
スキル〈剣技+3〉
おお、こいつ、オーガだったのか!
しかもスキルがあるし。
ステータスの数値もゴブリンとは比べ物にならないくらい高い。
それから俺はどんどんオーガを生成していった。
おっと、あんまりやり過ぎるとさすがに魔力がなくなってしまう。
まだまだ今すぐに試したいスキルがあるんだ。
さて、次はどれにしようか。
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