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8-5 帰宅後の二人
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「ただいま」
仙光院あかりはそう言いながら自分の家の中に入る。あかりの親は二人とも仕事をしているが、流石に日曜の夕方だ。どちらも家の中にいた。
あかりがリビングに行くと、二人の姿があった。二人は、あかりを確認すると、おかえりと声をかけた。けれどそれだけで、会話は止まる。
今日はあかりのライブがあった日である。それにもかかわらず、その内容について聞いてこない。いや、まずそのライブにさえ、来ない。それが、あかりには見捨てられているように感じていた。
しかし今日、島抜巧人と出会い、少し心境の変化もあり、いつもならそこで終わる会話を続けた。
「私、二人に言わなきゃいけないことがあるの」
真面目な態度に、二人もただならぬ気配を感じる。両親は、あかりを見つめて、次の言葉を待っていた。
あかりは意を決したように、言葉に出す。
「私……好きな人ができたの!」
『…………』
あかりの両親はそのカミングアウトに黙る。
これは、巧人の提案だった。好きな人がいると言えば、必ず何かしらの反応があるものだ……と巧人は言った。
しかし実際にやってみると、二人は何も言わない。あかりは、その告白がどうでもいいと思ったのだと考えた。心が沈み、自然と顔も下を向き暗くなった。
そうして数秒後――両親のフリーズが解かれた。
「認めん! 父さんは認めんぞ!」
「え?」
あかりは驚き、顔を上げた。そこには、今までにみたことのないほど、怒りを露にした父親の姿があった。
その怒りの理由、変化についていけないあかりは、ただ茫然と父親を眺める。それと同時に、父親の隣にいる母親も、視線の中に入る。母親のほうは父親とは対照的の反応をしていた。
「まぁそれはめでたい! 今日は赤飯だわ~。あ、でも、アイドルだしね~。スキャンダルになるのもごめんよね~」
顔を綻ばせ、本当にうれしそうにしている。
あかりには、とても不思議だった。今まで、ないがしろにされていると思っていたのに、今はまるでそんなことなかったかのようだ。
未だ、あかりがただ眺め続けているその中で、両親は話をしていく。
「どこの馬の骨だが知らんが、あかりにつりあうような男はこの世にいない! そんな男のこと忘れなさい!」
「もう、何言ってるのよ。あかりが選んだ人なんだから、認めてあげないと」
「母さんは黙ってなさい! とにかく、あかり! お前にはまだ早いそう言うことは大人になってからだな……」
父親が自分に話しかけてきている。けれど、あかりにはその言葉は頭に入ってきていなかった。
母親が自分のことに喜び、父親が自分のために怒ってくれている。そのことで頭がいっぱいだった。
「あ、あ~あ。お父さん、あかりを泣かせるなんて最低ね」
「え? あ、いや。そんなつもりでは……」
あかりの目からは自分でも知らないうちに涙が零れていた。
でもそれは、悲しさによるものではなく、嬉しさによるものだった。
「お父さん。お母さん」
あかりは、戸惑っている父親とそれを軽蔑するように見る母親に向かって言う。
「ありがとう……大好き!」
あかりはそうして、涙を流しながら笑った。
(でも、好きな人ができたのは本当だよ? ……ね? お兄ちゃん?)
*****
そのころ巧人は――
(はい、絶賛怒られ中であります)
俺は床の上に正座させられて、唯愛に説教を受けていた。
というのも、数分前にさかのぼる。
俺が家に帰ると、リビングに唯愛がいた。正直この時点で、帰ってきたのに唯愛が抱きついてこない! なんて素晴らしいんだ! と思っていた。ロリコンじゃなくなったと話をしたためだろう。ちゃんとわかってくれていたことに感動を覚えていた。
そのためか、少し調子に乗った。俺は唯愛に近づいてただいまと言った。これがまずかった。唯愛は「おかえ――」まで言うと言葉を詰まらせ、俺の服に顔を押し付け、匂いを嗅ぎ始めた。
俺は急なことに驚き、唯愛のなすがままに委ねていると、数秒してその動きを止めた。そして――
「ねぇ、たっくん……この匂いは何かな?」
と、内に怒りを秘めた笑顔を俺に向けてきた。だが、そのとき俺は本当に何のことか理解できず、困りあぐねていると唯愛はついにその言葉を発した。
「このたっくんから発せられる女の子の匂いはなに!?」
(なるほど、あかりちゃんの匂いか……)
唯愛には、犬並みの嗅覚があったことを忘れていた。
前に伊久留との出会いでも同じことがあったのを忘れていた。その後は部活で一緒になっていたため、唯愛も何も言ってはこなったのだろうが、今回は初めての人の匂いだ。しかも――
「これ……明らかに高校生のものではないよね? おそらく、小学生……」
ここまでばれている。だからこそ、唯愛も妙に突っかかってきているのだろう。まぁとにかく、そして今に至る。
「それでたっくん。このことについて、きっちり説明してくれる?」
「説明も何も、そのまま小学生と会いました。はい、終わり……なわけだが?」
「たっくん……私は悲しいよ。確かにたっくんはロリコンだけど、まさか実際の子に手を出すなんて!」
何言ってんだこいつ。俺は聞き返す。
「何の話をしてるんだ?」
「『ぐへへ……よいではないか、よいではないか~』って襲ったんでしょ! エロ同人みたいに!」
襲ってない。
「まさか、たっくんの心がこんなにも汚れきっていたなんて……お姉ちゃんはそれが悲しいんだよ……」
汚れているのは、そんな想像をしてしまうお前だ。もう少し弟を信じろよ。ブラコンなら。
「たっくんのその心……私が更生してあげる。この想いと体で……」
はい、そう持ってきたかったんですね。納得。でもやっぱり、そんな方向へと持っていくお前のほうが汚れている。
「俺は悪いことはしてない。もちろんお前の言ったようなことも」
「じゃあ、どうしてたっくんから推定10歳の女の子の匂いがするの!」
匂いで年齢を判別するってこわ! と思ったが、なるほど姉弟だなと認識させられた。
俺は言い寄る唯愛に呟くように答える。
「……人助け」
「え?」
「だから、人助けだよ。頼まれて、そして会って。さらに、相談に乗ったりしたんだ」
「本当に~?」
「本当だよ。嘘ついてどうする」
と言ってから、逆にこの場面では嘘をつくのが当たり前であることを理解する。俺は、今度は唯愛からどんな言葉が飛んでくるのか、少し身構える。けれど、唯愛の反応は予想とは違った。
「……でも、たっくんらしいね」
「え?」
唯愛を見ると、微笑を浮かべ、優しげな表情をしていた。
「ごめんね。疑ったりして。やっぱり、たっくんはたっくんだったよ。私の好きな……ね」
俺らしい……か。そうなのか……な? よく、わからない。俺は俺のやりたいようにしてきた。それだけだ。……ふ、それはつまり俺らしいってことか。
でも、それは人助けするのが俺らしいってことにはならない。俺はもっと違うなにかを求めていた。ただ――助けたいとそう思った人を助けてきただけなんだから。俺にとって大切な人を、手伝ってきただけだ。だから、誇れるようなことじゃない。でも――
(そんな俺のことを好きだって言ってくれるのは、単純に嬉しいな)
さて、いい感じに雰囲気も和やかになったことだし、今のうちに退散することにしよ――
「でも、このたっくんについた匂いはき・れ・い・に、落とさないとね~」
「は?」
唯愛は俺の服をつかむと、引きずって歩き出す。
「え、ちょ……!? それどういう……」
「さぁ~一緒にお風呂で、体の汚れをとろうね~」
「う……うわ――――!!」
そうして俺たちは風呂場へと向かったのだった――。
(今日は最高で最悪な一日だ……)
*****
巧人がマネージャーをしたことの真実
「……お、きたな」
私は、震える右ポケットから、ケータイを取り出し、メールの内容を確認する。そしてその内容を見て、顔をしかめた。
「まったく……この大事な時に」
内容によれば、風邪をこじらせてしまったらしい。まったく、アイドルを管理するのがマネージャーの役割だというのに、その自分の管理もできないのか。
しかし、どうしたものか。私はそう思っていると、ふと何気なく視線を動かした。すると、その視線の先にはさっき少し話をした私服姿のスタッフがこちらを見ていた。
(ったく、まだいたのか。あのスタッフはいったい何をして……ってうん?)
なんだ? さっきはよく顔も見ず、叱り急がせたがあの顔……どこかで見た気が……は! あれはまさか!?
(伝説のロリコン、タクトか!)
まさかこんな場所で拝むことになろうとは……。
いや、ここはあかりのライブ会場だし、当然と言えば当然か……。
しかし、それにしても驚きだ。あのタクトに出会えるとは。
『ロリコン界の憧れの的であり、敬愛すべき人物。少女を救うために、高校生でありながら、暴力団を一人でつぶし、さらに更正させるほどすごい。彼から教えを受けた人は、ロリコンとしての心構えを再認識させられ、今までの自分のことが恥ずかしいほど、高尚な考えを持っている。正直、倫理の教科書に載ってもおかしくないレベル』
とネットで噂になるほど、その道では知らない人はいないほどの人物だ。顔に関して知っている人物は少ないが、近くの町に住んでいて、またこの業界で生きていた私は、その元暴力団と接触、話を聞いたこともある。(まぁ、あくまで個人としてだが)その時に写真を見せてもらったため知っていた。
(そうだ! ここは彼に託してみよう! 彼ほどのカリスマなら、任せても大丈夫のはずだ!)
「おい、君!」
「はい!」
そうして巧人は、あかりちゃんのマネージャーに選ばれたのであった。
LSPの下っ端の一人
「さすが巧人さん! 凄すぎっすよ!」
ちなみに、ネットにあの書き込みをしたのはこいつである。
仙光院あかりはそう言いながら自分の家の中に入る。あかりの親は二人とも仕事をしているが、流石に日曜の夕方だ。どちらも家の中にいた。
あかりがリビングに行くと、二人の姿があった。二人は、あかりを確認すると、おかえりと声をかけた。けれどそれだけで、会話は止まる。
今日はあかりのライブがあった日である。それにもかかわらず、その内容について聞いてこない。いや、まずそのライブにさえ、来ない。それが、あかりには見捨てられているように感じていた。
しかし今日、島抜巧人と出会い、少し心境の変化もあり、いつもならそこで終わる会話を続けた。
「私、二人に言わなきゃいけないことがあるの」
真面目な態度に、二人もただならぬ気配を感じる。両親は、あかりを見つめて、次の言葉を待っていた。
あかりは意を決したように、言葉に出す。
「私……好きな人ができたの!」
『…………』
あかりの両親はそのカミングアウトに黙る。
これは、巧人の提案だった。好きな人がいると言えば、必ず何かしらの反応があるものだ……と巧人は言った。
しかし実際にやってみると、二人は何も言わない。あかりは、その告白がどうでもいいと思ったのだと考えた。心が沈み、自然と顔も下を向き暗くなった。
そうして数秒後――両親のフリーズが解かれた。
「認めん! 父さんは認めんぞ!」
「え?」
あかりは驚き、顔を上げた。そこには、今までにみたことのないほど、怒りを露にした父親の姿があった。
その怒りの理由、変化についていけないあかりは、ただ茫然と父親を眺める。それと同時に、父親の隣にいる母親も、視線の中に入る。母親のほうは父親とは対照的の反応をしていた。
「まぁそれはめでたい! 今日は赤飯だわ~。あ、でも、アイドルだしね~。スキャンダルになるのもごめんよね~」
顔を綻ばせ、本当にうれしそうにしている。
あかりには、とても不思議だった。今まで、ないがしろにされていると思っていたのに、今はまるでそんなことなかったかのようだ。
未だ、あかりがただ眺め続けているその中で、両親は話をしていく。
「どこの馬の骨だが知らんが、あかりにつりあうような男はこの世にいない! そんな男のこと忘れなさい!」
「もう、何言ってるのよ。あかりが選んだ人なんだから、認めてあげないと」
「母さんは黙ってなさい! とにかく、あかり! お前にはまだ早いそう言うことは大人になってからだな……」
父親が自分に話しかけてきている。けれど、あかりにはその言葉は頭に入ってきていなかった。
母親が自分のことに喜び、父親が自分のために怒ってくれている。そのことで頭がいっぱいだった。
「あ、あ~あ。お父さん、あかりを泣かせるなんて最低ね」
「え? あ、いや。そんなつもりでは……」
あかりの目からは自分でも知らないうちに涙が零れていた。
でもそれは、悲しさによるものではなく、嬉しさによるものだった。
「お父さん。お母さん」
あかりは、戸惑っている父親とそれを軽蔑するように見る母親に向かって言う。
「ありがとう……大好き!」
あかりはそうして、涙を流しながら笑った。
(でも、好きな人ができたのは本当だよ? ……ね? お兄ちゃん?)
*****
そのころ巧人は――
(はい、絶賛怒られ中であります)
俺は床の上に正座させられて、唯愛に説教を受けていた。
というのも、数分前にさかのぼる。
俺が家に帰ると、リビングに唯愛がいた。正直この時点で、帰ってきたのに唯愛が抱きついてこない! なんて素晴らしいんだ! と思っていた。ロリコンじゃなくなったと話をしたためだろう。ちゃんとわかってくれていたことに感動を覚えていた。
そのためか、少し調子に乗った。俺は唯愛に近づいてただいまと言った。これがまずかった。唯愛は「おかえ――」まで言うと言葉を詰まらせ、俺の服に顔を押し付け、匂いを嗅ぎ始めた。
俺は急なことに驚き、唯愛のなすがままに委ねていると、数秒してその動きを止めた。そして――
「ねぇ、たっくん……この匂いは何かな?」
と、内に怒りを秘めた笑顔を俺に向けてきた。だが、そのとき俺は本当に何のことか理解できず、困りあぐねていると唯愛はついにその言葉を発した。
「このたっくんから発せられる女の子の匂いはなに!?」
(なるほど、あかりちゃんの匂いか……)
唯愛には、犬並みの嗅覚があったことを忘れていた。
前に伊久留との出会いでも同じことがあったのを忘れていた。その後は部活で一緒になっていたため、唯愛も何も言ってはこなったのだろうが、今回は初めての人の匂いだ。しかも――
「これ……明らかに高校生のものではないよね? おそらく、小学生……」
ここまでばれている。だからこそ、唯愛も妙に突っかかってきているのだろう。まぁとにかく、そして今に至る。
「それでたっくん。このことについて、きっちり説明してくれる?」
「説明も何も、そのまま小学生と会いました。はい、終わり……なわけだが?」
「たっくん……私は悲しいよ。確かにたっくんはロリコンだけど、まさか実際の子に手を出すなんて!」
何言ってんだこいつ。俺は聞き返す。
「何の話をしてるんだ?」
「『ぐへへ……よいではないか、よいではないか~』って襲ったんでしょ! エロ同人みたいに!」
襲ってない。
「まさか、たっくんの心がこんなにも汚れきっていたなんて……お姉ちゃんはそれが悲しいんだよ……」
汚れているのは、そんな想像をしてしまうお前だ。もう少し弟を信じろよ。ブラコンなら。
「たっくんのその心……私が更生してあげる。この想いと体で……」
はい、そう持ってきたかったんですね。納得。でもやっぱり、そんな方向へと持っていくお前のほうが汚れている。
「俺は悪いことはしてない。もちろんお前の言ったようなことも」
「じゃあ、どうしてたっくんから推定10歳の女の子の匂いがするの!」
匂いで年齢を判別するってこわ! と思ったが、なるほど姉弟だなと認識させられた。
俺は言い寄る唯愛に呟くように答える。
「……人助け」
「え?」
「だから、人助けだよ。頼まれて、そして会って。さらに、相談に乗ったりしたんだ」
「本当に~?」
「本当だよ。嘘ついてどうする」
と言ってから、逆にこの場面では嘘をつくのが当たり前であることを理解する。俺は、今度は唯愛からどんな言葉が飛んでくるのか、少し身構える。けれど、唯愛の反応は予想とは違った。
「……でも、たっくんらしいね」
「え?」
唯愛を見ると、微笑を浮かべ、優しげな表情をしていた。
「ごめんね。疑ったりして。やっぱり、たっくんはたっくんだったよ。私の好きな……ね」
俺らしい……か。そうなのか……な? よく、わからない。俺は俺のやりたいようにしてきた。それだけだ。……ふ、それはつまり俺らしいってことか。
でも、それは人助けするのが俺らしいってことにはならない。俺はもっと違うなにかを求めていた。ただ――助けたいとそう思った人を助けてきただけなんだから。俺にとって大切な人を、手伝ってきただけだ。だから、誇れるようなことじゃない。でも――
(そんな俺のことを好きだって言ってくれるのは、単純に嬉しいな)
さて、いい感じに雰囲気も和やかになったことだし、今のうちに退散することにしよ――
「でも、このたっくんについた匂いはき・れ・い・に、落とさないとね~」
「は?」
唯愛は俺の服をつかむと、引きずって歩き出す。
「え、ちょ……!? それどういう……」
「さぁ~一緒にお風呂で、体の汚れをとろうね~」
「う……うわ――――!!」
そうして俺たちは風呂場へと向かったのだった――。
(今日は最高で最悪な一日だ……)
*****
巧人がマネージャーをしたことの真実
「……お、きたな」
私は、震える右ポケットから、ケータイを取り出し、メールの内容を確認する。そしてその内容を見て、顔をしかめた。
「まったく……この大事な時に」
内容によれば、風邪をこじらせてしまったらしい。まったく、アイドルを管理するのがマネージャーの役割だというのに、その自分の管理もできないのか。
しかし、どうしたものか。私はそう思っていると、ふと何気なく視線を動かした。すると、その視線の先にはさっき少し話をした私服姿のスタッフがこちらを見ていた。
(ったく、まだいたのか。あのスタッフはいったい何をして……ってうん?)
なんだ? さっきはよく顔も見ず、叱り急がせたがあの顔……どこかで見た気が……は! あれはまさか!?
(伝説のロリコン、タクトか!)
まさかこんな場所で拝むことになろうとは……。
いや、ここはあかりのライブ会場だし、当然と言えば当然か……。
しかし、それにしても驚きだ。あのタクトに出会えるとは。
『ロリコン界の憧れの的であり、敬愛すべき人物。少女を救うために、高校生でありながら、暴力団を一人でつぶし、さらに更正させるほどすごい。彼から教えを受けた人は、ロリコンとしての心構えを再認識させられ、今までの自分のことが恥ずかしいほど、高尚な考えを持っている。正直、倫理の教科書に載ってもおかしくないレベル』
とネットで噂になるほど、その道では知らない人はいないほどの人物だ。顔に関して知っている人物は少ないが、近くの町に住んでいて、またこの業界で生きていた私は、その元暴力団と接触、話を聞いたこともある。(まぁ、あくまで個人としてだが)その時に写真を見せてもらったため知っていた。
(そうだ! ここは彼に託してみよう! 彼ほどのカリスマなら、任せても大丈夫のはずだ!)
「おい、君!」
「はい!」
そうして巧人は、あかりちゃんのマネージャーに選ばれたのであった。
LSPの下っ端の一人
「さすが巧人さん! 凄すぎっすよ!」
ちなみに、ネットにあの書き込みをしたのはこいつである。
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