東海道品川宿あやめ屋
時は文久二年。旅籠「つばくろ屋」の跡取りとして生まれた高弥は、生家を出て力試しをしたいと考えていた。母である佐久の後押しもあり、伝手を頼りに東海道品川宿の旅籠で修業を積むことになったのだが、道中、請状を失くし、道にも迷ってしまう。そしてどうにか辿り着いた修業先の「あやめ屋」は、薄汚れた活気のない宿で――美味しい料理と真心尽くしのもてなしが、人の心を変えていく。さびれたお宿の立て直し奮闘記。
あなたにおすすめの小説
そんなに幼馴染の事が好きなら、婚約者なんていなくてもいいのですね?
新野乃花(大舟)
恋愛
レベック第一王子と婚約関係にあった、貴族令嬢シノン。その関係を手配したのはレベックの父であるユーゲント国王であり、二人の関係を心から嬉しく思っていた。しかしある日、レベックは幼馴染であるユミリアに浮気をし、シノンの事を婚約破棄の上で追放してしまう。事後報告する形であれば国王も怒りはしないだろうと甘く考えていたレベックであったものの、婚約破棄の事を知った国王は激しく憤りを見せ始め…。
母の城 ~若き日の信長とその母・土田御前をめぐる物語
くまいくまきち
歴史・時代
愛知県名古屋市千種区にある末森城跡。戦国末期、この地に築かれた城には信長の母・土田御前が弟・勘十郎とともに住まいしていた。信長にとってこの末森城は「母の城」であった。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
※ネタバレありです。
あやめ屋の”それから”。堪能させていただきました。
高弥があやめ屋に戻って最初に起きる出来事、政吉と由宇の恋のお話。互いの思い違いで進展しない二人に、高弥がきっかけを作り、ていや元助が背中を押す。
恋には疎い高弥が、恋心を抱く志津に相談したときに、志津がこう言っています。
「そんなの、いくらだって不安になるわよ」
志津の気持ちを表すかのようなこの言葉が、とても印象に残りました。
新加入の浜。人懐こくて好奇心旺盛で、大雑把でうるさい娘。
あやめ屋に波風を立てるやっかい者かと思いきや、随所でいい味を出しています。あやめ屋を明るく照らす太陽ですね。
料理が結ぶ、人の縁。健気な姉弟と団扇問屋。
どこまで本気か分からない浜のプロポーズ(?)。
藪入りでの微笑ましい親子の会話。
物語は、このまま穏やかに幸せ街道を進んでいくのかと思ったら……。
彦佐の登場は、それまでのほんわか路線を打ち砕くものでした。
もの凄く正直に申し上げると、このエピソード、早く解決してスッキリ爽やかにならないかなぁと、進行中は思っていました。
何ともツライ。何ともじれったい。
こら、平次! お前は浮かれすぎだ!
こら、元助! なぜお前はあやめ屋を去ってしまうのだ!
登場人物に文句を言っても仕方がないのですが、私の気持ちとしては、そんな感じだったわけです。
そんな中でも、高弥は頑張りました。地道に、粘り強く頑張りました。
頑張れたのは、あの二人の子供だからでしょうか。
それとも、志津に宣言をしたからでしょうか。
何にせよ、最後は彦佐が去って問題解決。ただし、単純なスッキリ爽やかではなく、ちょっと余韻の残る解決。
このあたりが、この物語のいいところですよね。と、私は思うのです。
すったもんだの後の、高弥と志津のお話。これまた、ちょっとじれったい。でも、その先にはきっと……。
「そんなの、いくらだって不安になるわよ」
いつか、志津がそのセリフを言うことがあるのだろうかと、勝手に想像してニヤニヤさせていただきました。
番外編「ある日の~」シリーズを含めて、とても楽しい読書の時間を過ごすことができました。
ありがとうございました!
ご感想をありがとうございます!
志津は年頃の女の子なので、由宇の気持ちもなんとなくわかるのでした。
でもそれは、志津から見たら贅沢な不安でもあったかもしれません(笑)
傍目には政吉が由宇のことしか考えていないのがわかりやすですから。
新入りの浜は、仕事がデキる子ではありませんが、この年でいきなり入ったらこんなものだろうと思って書いていました。
失敗だらけなんですけど、どこまでが失敗なのかさえ本人は自覚できておりません。
ただ、時間さえ経てばいろいろと学んで身につく子ではあります。めげないのが一番の長所ですね(笑)
プロポーズはほぼ意識せずに言ってますので、大雑把な彼女はすぐ忘れます(おい)
彦佐が来てからのあやめ屋は、また微妙にずれ始めました。
平次とは面と向かって喋っているのに、何かが噛み合わない。こういうのってモヤモヤしますよね。
なんでこんなことになったんだろう? っていう。
でも、お互いに大事なものが違ったり、育った環境も違いますから、その溝はあるわけですので、高弥にはモヤモヤしてもらいました。
元助も出ていってしまうのは、自己肯定感が低いからですね。ラストにあった生い立ちですが、母親に邪魔者扱いされてましたので、自分を必要としてくれる人がいても、つい自分を低く見積もって、自分の代わりならいくらでもいると考えてしまうところがあります。
自分がどうしたいか、を後回しにする厄介な男ですから、高弥ほどの強引さで引っ張らないと戻ってこれません(笑)
高弥は諦めると、以前のように想念に「逃げた」と言われるから、それが嫌だと思って体当たりが身についております。
志津の中で高弥がちょっとずつ昇格しているというところですね。
志津を不安にさせられるほどのイイ男になってもらわねば(笑)
番外編にもお付き合い頂き、ありがとうございました!
このところ朝晩が冷え込みますので、まあくさんもお体にはお気をつけてお過ごしください!!
ええー!Σ(゚Д゚;
まさか。ここでお終い、ではないですよね? 素晴らしい短編をお書きになる五十鈴さまと承知していても、我儘をいってしまいます。あ? 大丈夫だ、確認して来ました。小噺シリーズ、他は<了>がついてた! この先をぜひ!
「もう少し落ち着いて感想を書け」と(また)叱られそうですが。
今年も、素晴らしい読書の時間をありがとうございました! 改めて御礼申し上げます。
そ・し・て 続きを……壮助の恋の行く末を見届けさせてください♥お願いします!
ご感想をありがとうございます!
>小噺シリーズ、他は<了>がついてた!
…………(^-^;
(つけ忘れたとか今さら言えない)
ま、まあ、またそのうちということで(*´з`)
壮助の好みはあんな感じなので、相手はいつも、私なんか相手にされるわけないし、私に気があるなんて自意識過剰にもほどがある、と引き気味になるばかりなので、まず上手く行きません(笑)
今回はどうだろうか……
いつもお付き合い頂き、ありがとうございます!
機会があれば、またヽ(^。^)ノ
?前作「中山道板橋宿つばくろ屋」ファンの私としては、「たかや」という主人公の名前を見ただけで、様々なシーンを思い出して、ちょっとじーんとしてしまいました。
強い意志をもって、荒波へと飛び込んでいく高弥。いきなり躓いて、流れ着いたその先に待っていたのは、荒波ならぬ、荒れた宿。そんな場所でも、やっぱり高弥はがんばってしまうのですね。やっぱり高弥は、あの二人の子供なんだと感じました。
流行のライトノベルであれば、父に鍛えられた「腕」を使ってあっさりと現状を打開、高弥を中心に周囲が動き出すという展開になるのかもしれませんが、この物語はそうはなりません。
登場人物の一人一人に背景があって、一人一人に想いがある。だから、簡単に何かが変わるなんてことはない。
苦悩と葛藤と挫折を繰り返しながら、少しずつ高弥が前に進んでいく。高弥だけが頑張るのではなく、いろいろな人に支えられながら進んでいく。そんな高弥に影響されて、少しずつ周りが変わっていく。
ご都合主義ではないストーリー。私の大好きなストーリーです。
丁寧に描かれる人の心。鮮やかに彩られる料理や旬の素材。幕末という時代の風と、潮の香り。そして、さりげなく、だけど深く繋がる前作の世界。すべてが自然に溶け合って、物語に立体的な広がりを見せてくれています。自身がそこに立ち、そこで呼吸をしているかのように感じさせてくれます。
社会人としての常識と状況が許してくれなかったのですが、それがなければ、確実に、徹夜で一気読みしていたと思います。本当に面白かったです。
エンディングは、ちょっと意外でした。これは……次回作もあり? なのですか!?
今作も、本当に楽しませていただきました。素敵な時間をありがとうございました!
ご丁寧にありがとうございます!!
「たかや」という名前は、お察しの通り彼女から来ております。女の子だったらそのままだったと思いますが、息子なので「たかや」です。彼女のように優しく強い人になりますように、という意味が込められております。
前作は仲の良い職場で、皆が団結して困難を乗り越えましたので、今回は逆を行きました。
仲の悪いところから打ち解けていく……前半が仲悪くて、大丈夫かと思われたかと思いますが(笑)
高弥も世間知らずですが、前作主人公の佐久似の息子なので、後先考えるよりもまず動く子です。人間、変わるというのはとても難しいことですが、全力でぶつかっていればいつかはということで。
少しでも楽しんで頂けたのなら光栄です。
エンディングが意外と感じられたのは、さすがですね(´∀`*)
ここ、変更点でした(笑)
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!!
暑い日が続いていますが、まあくさんもどうぞご自愛ください!
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。