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番外編
番外編「すえひろがり」一
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「ねえ、おすえちゃんってさ、一人っ子なのになんですえなの」
そんなことを言ったのは、手習い所に一緒に通うくまだった。すえと同い年の、目が小さく円らな女の子で、姉が二人もいる。すえは一人っ子だから、くまのことがいつも羨ましかった。
「なんでって何よ、おくまちゃん」
すえは十歳。くまも十なのだから、くまの言うことが難しいわけではない。けれど、この時は意味がすんなりと呑み込めなかったのだ。
くまは手習い所のけば立った畳の上で膝をすえに向けた。
「おすえちゃんって、末っ子の名前じゃないの。一番上の子につけるの、とっても珍しいし」
ああ、とすえは納得して口を開いた。
「すえは末広がりのすえだっておっかさんが言ってたわ」
すえの名は、縁起の良い名なのだ。だから胸を張って答えた。
カラカラと、母に似てすえはよく笑う。笑うといいことが起こると母が教えてくれた。
それでも、くまは腑に落ちない様子であった。正座をしたまま首を傾げている。
「それと、おすえちゃんっておとっつあんとおっかさんのどっちに似ているのかしら。うちの姉さんたちが、どっちにも似てないねって言うのよ」
すえは――母似だ。笑った顔なんか特に似てきたと、父が言う。すえも父より母に似たいと思うから、そう言ってもらえてほっとした。父のことも大好きだけれど、母に似た方が美人になれる。だから、母似がいい。そうなりたい。
なのに、その母に似ておらず、父にも似ていないとくまは言う。
なんとなく、すえはムッとしてしまった。
「おくまちゃん家が皆そっくりすぎるだけでしょ」
「そ、そんなに似てないもんっ」
くまの母親は酒樽のようにどっしりと肉づきがいい。顔立ちもよく似ており、それ故にくまは、いずれ自分もそんな母親と同じように肥えるのかと怯えている。
それを知っていて、わざと言った。いつもならこんなこと言わなかった。
すえは自分でも意地悪だと思う。なんでこんな意地悪を言ってしまうのか、すえにもわからなかった。多分今、とても嫌な顔をしていると、鏡を見なくてもわかる。
「じゃあ、あたし帰る」
さっさと支度を済ませ、すえは立ち上がった。くまが小声で何かを言ったけれど、聞こえない振りをした。
手習所の師匠に挨拶をし、さっさと往来に出た。神田の長屋にすえたち親子は住んでいる。そこまで子供の足で歩いてもすぐだ。
すぐなのだけれど、春先に咲いた桜の花を散らしてしまうような雨が昨日は降っていた。あの雨のせいで桜の花びらは土に塗れて道に張りついている。ああなると綺麗でもなんでもない。咲いている時は何物にも代えがたいほどの美しさだというのに、あの枝から落ちた時から花の命は終わってしまう。儚いものだ。
道にできた水溜まりにも桜の花が浮いている。すえはその水溜まりをじっと見つめた。
水溜まりには汚れた桜の花びらと、そこを覗き込む子供の顔が映った。
取り立てて目立つ顔立ちはしていない。どちらかといえば地味な方だろう。それを知っているから、笑う。
笑っていれば、笑っていないよりは可愛く見える。けれど、そんなものは本当に可愛い子の笑顔には敵わない。わかっているけれど、それでも自分は自分だと、すえは思った。
あの両親から生まれた自分だから。大好きな二人の子供だから、それだけですえはこの顔も許せるのだ。いつかは母のように嫁に行って、母のように皆を仕合せにできる母親になりたい。
すえの母はなかなか子宝に恵まれなかった。すえを授かったのは少し年を重ねた後だったけれど、だからこそよりいっそう嬉しかったと言ってくれた。
そんなにも望まれて産まれたすえだから、すえは自分を誇って生きていくのだ。
この神田にはすえの母方の祖父母も住んでいる。祖父の名は文吾と言って、それはそれは美味しい料理を作る板前であった。ただし、もう無理の利かない年だからと板場を退き、通っていた旅籠のある板橋からこの神田まで戻ってきていた。
手習所から祖父母のいる長屋は近いのだ。だからすえはよく顔を出す。二人が喜んでくれるのがわかるから、なるべく顔を出すようにしていた。
父方の祖父は顔も知らない。祖母は、すえがまだ小さい時に亡くなった。母が言うには、世間の姑は嫁につらく当たるのが当たり前のように言われているけれど、そんなことはないと教えてくれた優しい姑だったそうだ。母の朗らかさがそうさせたのかもしれない。
この日はなんとも靄がかかったような心持ちであった。それでも、祖父母に会えば晴れるように思えた。
「おじいちゃん、おばあちゃん」
カラリ、と長屋の戸を開けると、風通しの悪い裏長屋の湿った臭いがする。けれど、そればかりではなく、美味しそうな醤油の焦げた匂いがふわりと鼻先に漂った。また祖父が何か作っていたのかもしれない。
上がり框に腰を下ろしていた小柄な祖父が振り返る。
「おお、おすえ。そのうち来んじゃねぇかと思って佃煮をこさえといてやったぞ。持って帰んな」
祖父の文吾は前歯の抜けた口を大きく開けてカカカと笑った。見た目こそ年相応に老いてはいるけれど、気は若いし、体も丈夫だ。
「わぁ、ありがとう。おとっつぁんもおっかさんも喜ぶわ」
小さな壺に祖父は鍋のまま冷ましていた佃煮を詰め出す。昆布と浅利の佃煮のようだ。匂いだけで唾が出る。すえは喉を鳴らすと言った。
「そういえば、おばあちゃんはどこ」
「洗い物がてら、井戸端でくっちゃべってんじゃねぇか」
へん、と偏屈そうに吐き捨てる。けれど、祖父は口が悪いだけ。心根は大層優しい。そのくっちゃべっている祖母を呼びに行かないのは、大好きなお喋りを邪魔しないでいてあげているということ。毎日の中にそれくらいの息抜きがあってもいいと。
そうなんだよ、とすえの母が教えてくれた。祖父は憎まれ口ばかりだけれど、あんなのは全部照れ隠しなんだよ、と。
そう思うと、祖父の口の悪さがなんとも楽しい。すえはクスクスと笑いながら言った。
「ねえねえ、おじいちゃん。おじいちゃんは、あたしっておとっつぁんとおっかさんのどっちに似ていると思う」
そんなの、決まっている。おっかさんだと答えてくれると思ったのだ。
けれど、祖父は皺に埋もれた目で瞬く。
「急にどうしたんでぇ、おすえ」
「どうって、あたし、そんなに変なこと言ってないわ」
「まあ、そうなんだがなぁ――」
と、祖父にしては歯切れの悪いことを言った。そうして、佃煮の蓋をしっかりと閉めると、それをすえに手渡してくれる。重たくはないけれど、これを無事に家まで持って帰るのは、小さなすえにとっては大仕事である。途中で転んでもいけない。寄り道なんてもってのほかだ。
「ほら、零すなよ」
「う、うん」
香ばしい醤油の匂い。早く食べたいな、とすえはその佃煮のおかげでいろんなことを忘れてしまった。祖母に挨拶してから帰ることも、自分が訊ねたことの返事も。
祖父がすえの背中を見送りながら胸を撫で下ろしていたことになど、気づくはずもない。
そんなことを言ったのは、手習い所に一緒に通うくまだった。すえと同い年の、目が小さく円らな女の子で、姉が二人もいる。すえは一人っ子だから、くまのことがいつも羨ましかった。
「なんでって何よ、おくまちゃん」
すえは十歳。くまも十なのだから、くまの言うことが難しいわけではない。けれど、この時は意味がすんなりと呑み込めなかったのだ。
くまは手習い所のけば立った畳の上で膝をすえに向けた。
「おすえちゃんって、末っ子の名前じゃないの。一番上の子につけるの、とっても珍しいし」
ああ、とすえは納得して口を開いた。
「すえは末広がりのすえだっておっかさんが言ってたわ」
すえの名は、縁起の良い名なのだ。だから胸を張って答えた。
カラカラと、母に似てすえはよく笑う。笑うといいことが起こると母が教えてくれた。
それでも、くまは腑に落ちない様子であった。正座をしたまま首を傾げている。
「それと、おすえちゃんっておとっつあんとおっかさんのどっちに似ているのかしら。うちの姉さんたちが、どっちにも似てないねって言うのよ」
すえは――母似だ。笑った顔なんか特に似てきたと、父が言う。すえも父より母に似たいと思うから、そう言ってもらえてほっとした。父のことも大好きだけれど、母に似た方が美人になれる。だから、母似がいい。そうなりたい。
なのに、その母に似ておらず、父にも似ていないとくまは言う。
なんとなく、すえはムッとしてしまった。
「おくまちゃん家が皆そっくりすぎるだけでしょ」
「そ、そんなに似てないもんっ」
くまの母親は酒樽のようにどっしりと肉づきがいい。顔立ちもよく似ており、それ故にくまは、いずれ自分もそんな母親と同じように肥えるのかと怯えている。
それを知っていて、わざと言った。いつもならこんなこと言わなかった。
すえは自分でも意地悪だと思う。なんでこんな意地悪を言ってしまうのか、すえにもわからなかった。多分今、とても嫌な顔をしていると、鏡を見なくてもわかる。
「じゃあ、あたし帰る」
さっさと支度を済ませ、すえは立ち上がった。くまが小声で何かを言ったけれど、聞こえない振りをした。
手習所の師匠に挨拶をし、さっさと往来に出た。神田の長屋にすえたち親子は住んでいる。そこまで子供の足で歩いてもすぐだ。
すぐなのだけれど、春先に咲いた桜の花を散らしてしまうような雨が昨日は降っていた。あの雨のせいで桜の花びらは土に塗れて道に張りついている。ああなると綺麗でもなんでもない。咲いている時は何物にも代えがたいほどの美しさだというのに、あの枝から落ちた時から花の命は終わってしまう。儚いものだ。
道にできた水溜まりにも桜の花が浮いている。すえはその水溜まりをじっと見つめた。
水溜まりには汚れた桜の花びらと、そこを覗き込む子供の顔が映った。
取り立てて目立つ顔立ちはしていない。どちらかといえば地味な方だろう。それを知っているから、笑う。
笑っていれば、笑っていないよりは可愛く見える。けれど、そんなものは本当に可愛い子の笑顔には敵わない。わかっているけれど、それでも自分は自分だと、すえは思った。
あの両親から生まれた自分だから。大好きな二人の子供だから、それだけですえはこの顔も許せるのだ。いつかは母のように嫁に行って、母のように皆を仕合せにできる母親になりたい。
すえの母はなかなか子宝に恵まれなかった。すえを授かったのは少し年を重ねた後だったけれど、だからこそよりいっそう嬉しかったと言ってくれた。
そんなにも望まれて産まれたすえだから、すえは自分を誇って生きていくのだ。
この神田にはすえの母方の祖父母も住んでいる。祖父の名は文吾と言って、それはそれは美味しい料理を作る板前であった。ただし、もう無理の利かない年だからと板場を退き、通っていた旅籠のある板橋からこの神田まで戻ってきていた。
手習所から祖父母のいる長屋は近いのだ。だからすえはよく顔を出す。二人が喜んでくれるのがわかるから、なるべく顔を出すようにしていた。
父方の祖父は顔も知らない。祖母は、すえがまだ小さい時に亡くなった。母が言うには、世間の姑は嫁につらく当たるのが当たり前のように言われているけれど、そんなことはないと教えてくれた優しい姑だったそうだ。母の朗らかさがそうさせたのかもしれない。
この日はなんとも靄がかかったような心持ちであった。それでも、祖父母に会えば晴れるように思えた。
「おじいちゃん、おばあちゃん」
カラリ、と長屋の戸を開けると、風通しの悪い裏長屋の湿った臭いがする。けれど、そればかりではなく、美味しそうな醤油の焦げた匂いがふわりと鼻先に漂った。また祖父が何か作っていたのかもしれない。
上がり框に腰を下ろしていた小柄な祖父が振り返る。
「おお、おすえ。そのうち来んじゃねぇかと思って佃煮をこさえといてやったぞ。持って帰んな」
祖父の文吾は前歯の抜けた口を大きく開けてカカカと笑った。見た目こそ年相応に老いてはいるけれど、気は若いし、体も丈夫だ。
「わぁ、ありがとう。おとっつぁんもおっかさんも喜ぶわ」
小さな壺に祖父は鍋のまま冷ましていた佃煮を詰め出す。昆布と浅利の佃煮のようだ。匂いだけで唾が出る。すえは喉を鳴らすと言った。
「そういえば、おばあちゃんはどこ」
「洗い物がてら、井戸端でくっちゃべってんじゃねぇか」
へん、と偏屈そうに吐き捨てる。けれど、祖父は口が悪いだけ。心根は大層優しい。そのくっちゃべっている祖母を呼びに行かないのは、大好きなお喋りを邪魔しないでいてあげているということ。毎日の中にそれくらいの息抜きがあってもいいと。
そうなんだよ、とすえの母が教えてくれた。祖父は憎まれ口ばかりだけれど、あんなのは全部照れ隠しなんだよ、と。
そう思うと、祖父の口の悪さがなんとも楽しい。すえはクスクスと笑いながら言った。
「ねえねえ、おじいちゃん。おじいちゃんは、あたしっておとっつぁんとおっかさんのどっちに似ていると思う」
そんなの、決まっている。おっかさんだと答えてくれると思ったのだ。
けれど、祖父は皺に埋もれた目で瞬く。
「急にどうしたんでぇ、おすえ」
「どうって、あたし、そんなに変なこと言ってないわ」
「まあ、そうなんだがなぁ――」
と、祖父にしては歯切れの悪いことを言った。そうして、佃煮の蓋をしっかりと閉めると、それをすえに手渡してくれる。重たくはないけれど、これを無事に家まで持って帰るのは、小さなすえにとっては大仕事である。途中で転んでもいけない。寄り道なんてもってのほかだ。
「ほら、零すなよ」
「う、うん」
香ばしい醤油の匂い。早く食べたいな、とすえはその佃煮のおかげでいろんなことを忘れてしまった。祖母に挨拶してから帰ることも、自分が訊ねたことの返事も。
祖父がすえの背中を見送りながら胸を撫で下ろしていたことになど、気づくはずもない。
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