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死。
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僕は病弱だ。
ここ最近はずっと病院暮らしだ。
僕の命は残り数日。
もう生きてる心地がしない。
点滴で無理やり栄養を取り込んではいるが、
もう立つ方法すら忘れてしまった。
今はギリギリ指に力が入るが、
もう明日には動かなくなってるだろう。
なぜ僕は生きているんだろう。
もう僕は何もすることが出来ないのに。
呼吸するのですらしんどいのに。
僕は手に力を入れて点滴を握る。
引き抜いてやろうと思ったのだが。
「ははっ。出来るわけないよな。」
僕はこれを抜いてしまったら死んでしまうだろう。
急速に死を迎えるのだろう。死にたくないな。
そんな時だった。神のイタズラなのだろうか。
僕が点滴を握った時に地震が起きてしまった。
そして、地震は直ぐに治まったのだが
僕は点滴を持っている手を見ると点滴は
引き抜かれていた。
死は急速に訪れる。
身体はすぐに冷たくなる。
僕の身体は熱がなくなり、死がまじかになる。
僕はもう死ぬんだな。そう思っている時。
「君、生きたい?」
だ、誰だ?わからない。知らない声だ。
僕は顔を上げることすら出来ない。
だが、質問には答えなくちゃ。
「って。もう虫の息なのかな?声出る?」
「い、生きたい。」
僕の声は小声すぎる。
誰にも聞き取れない声なのだろう。
そして、死ぬ覚悟をした。
もっと生きたかったな。
「うんうん。生きたいんだね。いいよ。」
僕の声は届いていたのかそう答えるのだが、
僕の意識は途切れてしまう直前に。
僕の首筋に痛みが走った。
僕は目を覚ます。
なぜだ。僕は死んだはず。なぜだ。
「やっと起きたのね。」
僕は視線をあげ、立ち上がる。
立ち上がる?僕は立ち上がれないほどの重症なはずだ。
意味がわからない。
「反応しなさいよ。」
僕の耳はその声を拾った。
「誰だ?」
僕の目の前には人間ではない何かがいた。
見た目は可愛らしい女性だ。
少し身長は小さめで、髪とまつ毛は長く。
その整った容姿は美少女と言い表すのが適切だろう。
だが、僕が人間ではないと思った理由がある。
そう。彼女の背中には生えているのだ。
黒くそれでいて美しくも見える羽が。
「こんばんは。私はヴラド・ミュラー。
ミュラーとお呼びください。
それでは君の名前を教えてください。」
「ぼ、僕は西宮翔太だ。
それでミュラーさんは何者なんですか。」
「ふふっ。私は君たちで言う吸血鬼って奴だよ。」
「それでミュラーさんは何をしにここへ?」
「私はそうね。
死ぬ直前の人間の寿命を無理やり増やして、
どう生活するのかを見たかったんだ。
君はどうやって行動するんだろうね。」
「君は?」
「あぁ。そうね。私は君以外も
他の死にそうな人を助けてるの。」
「どうやって?」
「私が噛み付いて無理やり私の血を
取り込ませることで半吸血鬼ってやつにしてるの。
それのおかげで身体能力は高いよ。」
「そうですか。」
僕はその場で少しジャンプしてみた。
そしたら天井に思いっきり頭突きしてしまった。
「いてぇ。」
「ばかだね。君は。まぁいいよ。
君の寿命は多く見積っても桜が散るまでだね。
君の好きなようにしなさい。
まぁどう行動するなんて分かりきってるけどね。」
ミュラーさんは少し悲しい顔をする。
「ど、どういうことですか?」
「私は過去にも何度もやってたのよ。
でも、人間は全員こう考えるのよ。
「もう死ぬなら何をしてもいいや」とね。
だから全員が犯罪に手を染めた。
君も同じなんだろうね。はぁ。
まぁ私が与えた力。好きなように使いなさいよ。
そして、後悔のしないように。」
そうしてミュラーさんは姿を消してしまった。
ここ最近はずっと病院暮らしだ。
僕の命は残り数日。
もう生きてる心地がしない。
点滴で無理やり栄養を取り込んではいるが、
もう立つ方法すら忘れてしまった。
今はギリギリ指に力が入るが、
もう明日には動かなくなってるだろう。
なぜ僕は生きているんだろう。
もう僕は何もすることが出来ないのに。
呼吸するのですらしんどいのに。
僕は手に力を入れて点滴を握る。
引き抜いてやろうと思ったのだが。
「ははっ。出来るわけないよな。」
僕はこれを抜いてしまったら死んでしまうだろう。
急速に死を迎えるのだろう。死にたくないな。
そんな時だった。神のイタズラなのだろうか。
僕が点滴を握った時に地震が起きてしまった。
そして、地震は直ぐに治まったのだが
僕は点滴を持っている手を見ると点滴は
引き抜かれていた。
死は急速に訪れる。
身体はすぐに冷たくなる。
僕の身体は熱がなくなり、死がまじかになる。
僕はもう死ぬんだな。そう思っている時。
「君、生きたい?」
だ、誰だ?わからない。知らない声だ。
僕は顔を上げることすら出来ない。
だが、質問には答えなくちゃ。
「って。もう虫の息なのかな?声出る?」
「い、生きたい。」
僕の声は小声すぎる。
誰にも聞き取れない声なのだろう。
そして、死ぬ覚悟をした。
もっと生きたかったな。
「うんうん。生きたいんだね。いいよ。」
僕の声は届いていたのかそう答えるのだが、
僕の意識は途切れてしまう直前に。
僕の首筋に痛みが走った。
僕は目を覚ます。
なぜだ。僕は死んだはず。なぜだ。
「やっと起きたのね。」
僕は視線をあげ、立ち上がる。
立ち上がる?僕は立ち上がれないほどの重症なはずだ。
意味がわからない。
「反応しなさいよ。」
僕の耳はその声を拾った。
「誰だ?」
僕の目の前には人間ではない何かがいた。
見た目は可愛らしい女性だ。
少し身長は小さめで、髪とまつ毛は長く。
その整った容姿は美少女と言い表すのが適切だろう。
だが、僕が人間ではないと思った理由がある。
そう。彼女の背中には生えているのだ。
黒くそれでいて美しくも見える羽が。
「こんばんは。私はヴラド・ミュラー。
ミュラーとお呼びください。
それでは君の名前を教えてください。」
「ぼ、僕は西宮翔太だ。
それでミュラーさんは何者なんですか。」
「ふふっ。私は君たちで言う吸血鬼って奴だよ。」
「それでミュラーさんは何をしにここへ?」
「私はそうね。
死ぬ直前の人間の寿命を無理やり増やして、
どう生活するのかを見たかったんだ。
君はどうやって行動するんだろうね。」
「君は?」
「あぁ。そうね。私は君以外も
他の死にそうな人を助けてるの。」
「どうやって?」
「私が噛み付いて無理やり私の血を
取り込ませることで半吸血鬼ってやつにしてるの。
それのおかげで身体能力は高いよ。」
「そうですか。」
僕はその場で少しジャンプしてみた。
そしたら天井に思いっきり頭突きしてしまった。
「いてぇ。」
「ばかだね。君は。まぁいいよ。
君の寿命は多く見積っても桜が散るまでだね。
君の好きなようにしなさい。
まぁどう行動するなんて分かりきってるけどね。」
ミュラーさんは少し悲しい顔をする。
「ど、どういうことですか?」
「私は過去にも何度もやってたのよ。
でも、人間は全員こう考えるのよ。
「もう死ぬなら何をしてもいいや」とね。
だから全員が犯罪に手を染めた。
君も同じなんだろうね。はぁ。
まぁ私が与えた力。好きなように使いなさいよ。
そして、後悔のしないように。」
そうしてミュラーさんは姿を消してしまった。
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