堕天の皇帝

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最終決戦編

全てが繋がる真実

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 俺が刑務所に入れられてから、7日間経つ。
俺の判決は無期懲役となってしまっていた。
それに関して日本ではデモが起きてるらしい。
まぁ当たり前だよな。
俺は多くのヤクザの人間を殺し、
一般人にも手をかけていた。
さらに俺の作ったRebellionという組織名を使い、
大量殺人が行われていた。
それで勘違いした人間も多いのだろう。
大量殺人した組織のトップの罪が無期懲役。
そりゃデモが起こってもあたり前だよな。
はぁ。和樹達は一体何を考えているのだか。
まぁ和樹が俺が死ぬことを許さないんだろう。

 俺の今の格好と言えば、
カイザーアイを使ったとしても壊せるかどうか
五分五分である鉄球が片腕、片足に縛られ、
そして、7日間ずっと目隠しをされている。
ラディーレン対策なんだろうな。
俺の視界は7日間光を取り入れていない。
その分聴覚へと神経が研ぎ澄まされる。
俺は気づいたことがある。
2人の人間が俺の方へと向かってることを。
「おいおい。飯の時間は少し早くねぇか?」
「もう貴方にご飯は出ないわよ。」
俺はその声を聞き取った。俺の知っている声だった。
だが、何ヶ月ぶりかの声だった。
「和樹。彼の目隠しを外してあげて。」
「右目はどうしますか?」
「右目はそのままで構わないわ。」
俺の目隠しが左目だけ外される。
俺の視界がゆっくりと光を受け入れる。
まず最初に視界に入ったのは和樹だった。
そして、次にその目が捉えたのは予想外の女だった。
「実際に会うのは2回目かしらね。
 ちゃんと自己紹介してなかったわよね?
 私の名前は村田真理よ。」
そこに居たのは愛美と裕太の仇である村田真理だった。

「どうした?クソ女。
 俺に殺されるためにここまで来たのか?」
「ふふっ。威勢がいいわね。
 まぁ私は貴方と取引をしに来たのよ。
 日本初である司法取引をね。」
「拒否する。」
「話くらいは聞きなさいよ。」
「なんで俺がお前と取引しなきゃならねぇ。
 お前は裕太と愛美の仇だ。
 そんなお前に俺が手を貸すとでも?」
「何を言ってるのかしら?
 私は彼女たちを殺してなんていないわよ?」
「あぁ。そうだな。お前は引き金を
 引いてはいないから殺してないって
 言いてぇのか?」
「違うわよ。私の指示では死んではないのよ。」
「は?」

「貴方は間違ってるわよ。
 私の指示によって殺したのではないわ。」
村田真理は俺の目の前に紙の束を落とす。
「ここに全ての真実がのってるわ。」
俺はその資料に目を通す。
そして、1つの違和感。
【西宮裕太と西宮愛美は殺害された。】
「おい?これはどういうことだ?
 殺害されたって。」
「えぇ。そうね。
 あの時私はスナイパーたちに殺すよう命じたわ。
 あの時は私もスナイパーたちによって
 殺されたと思ってたのよ。
 でも貴方が姿を消して数分後。
 1つの報告が入ったわ。
 『あの時誰も発砲していない。』と。」
「そんな嘘。小学生すら騙せねぇぞ?
 もっとましな嘘をつくんだな。
 じゃねぇと俺はお前を殺す。」
「嘘でもなんでもないわ。全て真実よ。」
「だから。もっとましな嘘をつけ。殺すぞ。」
「…なら。貴方は覚えてるかしら?」
「何がだよ。」
「銃弾の着弾地点に1輪のサルビアがあったことを。」
俺はあの時の状況を思い出す。
「あぁ。そんなのもあったっけな。
 だからなんだよ。」
「同じサルビアの花が2回ほど見つけられた。
 2つともあなたに関わっているものよ。
 1つは貴方がアルファ部隊での入隊試験の時。
 貴方とコピー能力者の間をすり抜けた
 スナイパー弾の着弾地点に。
 そして、もうひとつは。
 ショッピングテロ事件の犯人の車に。
 いや。正確に言えばパンクしていた後輪に。」
「なっ…。」
「つまりはお分かりですよね?」
「テロ事件の時や初任務の時のやつと
 愛美と裕太を殺したやつは同一犯?」
それに村田真理は首肯する。
「貴方の本当の敵は。
 西宮ゆめ。貴方のお姉さんよ。」
「…は?」
待て。俺の姉さんは愛美だけだ。
なのに。西宮ゆめ。
この名前を俺は知っている。
なぜだ。どこでだ。
「まぁいいわよ。それで取引の続きね。
 貴方には西宮ゆめを殺してもらうわ。」
「は、はぁぁぁぁぁあ?」
「じゃあまた今度詳細を送るわね。」
「おい、まだ取引を応じるなんて言ってないぞ。」
「ふふっ。貴方はこの取引を断る理由はないわよ。
 本当の敵への復讐の機会を得られたんですから。」
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