堕天の皇帝

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復讐編

ロシア最強魔術師VSカイザーアイ

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「なんか久しぶりだね。
 私たちが協力して戦うの。」
「あぁ。そういやそうだな。
 こうして1つの敵に立ち向かうのは試験以来か。」
俺はあの時に目にしている。
マリアの圧倒的とといえる力を。
ロシア人最強の魔術師として名を馳せれる力を。
「お話してる時間は与えないぜ。」
突然現れた男は俺たちの背後から切りつける。
そのはずだったのだろう。
その言葉が聞こえた瞬間。
「話してる隙があるなら攻撃したら?」
その言葉と同時に男は数10mほど吹き飛ばされた。
「シャルちゃんに警戒しなさいって言われたからね。
 私があなたに隙を見せることなんてないわよ?」

「だァー。クッソ。中々いてぇじゃねぇか。」
「さすがにまだ生きてるわね。」
「だが、てめぇの魔術はわかった。
 たかが風を操る程度なら俺にも策がある。」
マリアの得意魔法は風。ではない。
こいつの本職は治癒魔法にあるのだ。
だが、マリアは攻撃魔術も1級品の力。
それでも風魔法を対策されるとマリアでも
きついのではないだろうか。
「あらあら。私が風魔法が得意って
 よくわかったわね。褒めてあげるわ。」
そう言ってマリアは右手を上空にあげ魔法陣を展開する。
黒髪大剣やろうに比べたら少ない魔法陣の数だが、
それでも100の数は超えるだろう。
「じゃあ。次はこっちで遊びましょうか。」
そして、右手を勢いよく振り下げる。
大量の鎖。それが白髪野郎目掛けて飛翔する。
男は2つのガンブレードで相殺し続ける。
だが、あのままでは時間の問題だろう。
「翔太くん。翔太くん。」
マリアは小声で俺に言葉をかける。
「このままでも勝手にあいつは死ぬけど、
 私も魔力を節約したいの。
 だから、攻撃をしてきてちょうだい。
 大丈夫。絶対に翔太くんには攻撃を当てないから。」
「あぁ。わかった。3秒後にあいつの背後に行く。」
俺はその言葉を言うと。「ラディーレン。」
俺は背後に飛ぶ。「チェックメイトだ。」
俺がそういい白髪の首をはねようとしたその時。
突然、空が光り出した。

 はるか上空。そこに居たのは
大剣野郎とシャルルの姿を俺は目にした。
シャルルの障壁は見てわかるほど
ボロボロになっていた。
「おい。あいつやばいんじゃないのか?」
「やばいかやばくないかで言ったら
 まぁ少しはやばいかも。
 魔術師にとっての障壁はいわば衣服。
 そんなのがボロボロじゃやばいでしょ?」
「確かにそうだな。」
「まぁでも、シャルちゃんなら大丈夫。」
「そうだな。それより問題はこっちか。」
「ハッハッハっ。なかなかやるな。
 こっちも本気で行くしかねぇな。」
相手の雰囲気が変わる。
やはり仕留めれなかったのはなかなかに痛い。
「アルプトラオム。」
奴のその言葉を聞くと同時に再び意識が落ちる。

 俺はまた闇の世界へと落ちていく。
今回はなんだ?何が起こるんだ?
俺がそんなことを考えていると、
俺の視線が突然低くなる。
なんだ?何が起こった?
その時俺は誰かの手を握っている。
顔を上げて見てみるが知らない女の人だ。
俺の顔を見て微笑みかける。
そして、もう片方の手を握ってるのは裕太だった。
裕太?
俺は言葉を出そうとするが声が出ない。
「ちょっと待ってよ。2人とも。」
背後から聞こえた愛美の声。
振り返ると笑いながら駆け寄ってくる愛美。
「翔太。」
俺に駆け寄り頭を撫でてくる。
なんだ。何だこの世界は。
あまりにありえない日常で、
俺はこんな記憶を知らないのに、
何故か知っているような気がする。
なぜだなぜだなぜだ。ここはどこなんだ。
俺はこの場から離れたくなった。
嫌な予感がする。俺はこの記憶を覗いてはいけない。
何故かそんな気がするのだ。
これ以上進んではいけない。
俺はどうすればいい。
いや、奴は言っていた。アルプトラオムと。
アルプトラオムは日本語では「悪夢」となる。
ならこの悪夢を終わらせればいい。
悪夢を強制的に終わらす方法。そんなの簡単だ。
俺は自分の首をへし折った。
鈍い音が鳴ると同時に強烈な痛みが襲い、
俺はその夢の中で死んだ。

 そして、現実世界で目を覚ます。
「あ、あっぶねぇ。」
俺は何とか目を覚ます。
「翔太くん。大丈夫だった?」
「あ、あぁ。なんとかな。」
「ほぅ。目を覚ますとは凄いな。
 しかも何も影響を受けずにか。」
「あの技はなんなんだ?」
「お前にとっての悪夢を見せる技だ。」
は?どういうことだ。
俺は確かに直感で悪夢だと察したが、
少なくとも途中までは幸せではあった。
そして、あれは悪夢なんかじゃない。
俺の記憶だ。
俺が何故か忘れてしまっている記憶なのだ。
一体なんだったのだろう。
俺がそんなことを考えていると。
上空に巨大な魔法陣ができ上がる。
「な、なんだあれ。」
あの技を使っているのは大剣野郎だ。
それに対抗してシャルルは炎の剣を持つ。
「シャルちゃんのあれはマズイ。
 翔太くん。逃げるよ。」
「わ、わかった。」
俺はマリアの手を握るとテレポートする。
そして、数秒後。
けたたましく揺れる地面と鳴り響く轟音。
そして、数100m離れた俺たちにまで届く爆風。
全てが規格外だ。
「はっ。化け物じゃねぇか。」
俺はそう呟いた。
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