堕天の皇帝

key

文字の大きさ
上 下
124 / 164
復讐編

昨日の敵は今日の味方

しおりを挟む
「なんでここに居るんだ。和樹。」
「それはこっちのセリフだよ。翔太。」
ミュラーが和樹に銃口を向けて、
和樹は俺に銃口を向ける。
「GSG-9か。どうやって引き込んだんだい?」
「貴様に言う必要は無い。
 あと、あんなクズどもと一緒にするな。」
「まぁなら君たちなのかな。
 ミュラー・リンゲルの暗殺は。」
「そんなことはどうでもいいだろう。和樹。
 何をしにここまで来たと聞いている。」
「…。ツァーリ・ボンバの輸送だよ。」
ツァーリ・ボンバ。
水素爆弾だったか。
長崎や広島に落とされた原爆の1200倍ほどの威力を
持っているとか。
そんな核を輸送するとは潜水艦か?
「おい。和樹。お前が追っているのは
 潜水艦アルゴノートか?」
「ちっ。これは神のイタズラなのか。
 君とは何かしら縁があるんだね。
 翔太。取引をしないか?」
「やっぱりそう来るよな。だが、もちろんNOだ。」
俺も和樹にべレッタの銃口を向ける。
「まぁやはりそうだよね。」
「あぁ。当たり前だ。
 ここでお前を殺してそのボートをかっさらうのが、
 俺にとっては一石二鳥だ。」
「君はなにか勘違いをしていないかい?」
「あ?なんだよ。」
「君は勘違いをしてるんだよ。
 君と僕じゃ、力の差が歴然なんだよ。」
和樹の周りに金の粒子が舞う。
「別に君とやりあってもいいが。
 君が勝つ可能性なんて1つもないよ。翔太。」
「いいぜ。やってやるよ。」
俺がべレッタの引き金を引こうとした時。
和樹から言葉が紡がれる。
「だが、ここでは殺りあいたくない。」
「はぁ?」
「確かに僕は君には負けない。
 だけど、無傷でいられるとは思えない。
 アルゴノートに乗り込むんだ。
 少しでも体力を残しておきたい。
 それに、、、。」
和樹は俺らの乗っている木のボートを見る。
「君たちにもなにかあったみたいだね。
 例えばアルゴノートに乗り込もうとして、
 なにかトラブルがあって、
 逆探知を警戒して電子機器を
 何も持ってきていないとか?」
「ちっ。」
「それで君たちはその木のボートで、
 どうやってアルゴノートへ行くんだい?」
「…。」
「翔太。取引をしよう。
 君たちをアルゴノートへと送ってあげよう。
 そして、君たちには僕の護衛をしてもらおう。
 何があるか分からないからね。」
ここで、俺は断ってもいいのだが。
断ってしまうとまた探知してとか
色々と時間がかかってしまう。
それまでに優斗が生きてる保証がない。
今もないのだが、次行くタイミングより、
今行く方が生きてる可能性は高い。仕方ねぇな。
「わかった。その取引応じよう。」
「司令官!!」
「いいんだ。ミュラー。」
「さすがの判断だね。翔太。」
「うっせ。殺すぞ。」
「ひぃ~。怖い怖い。」

 和樹の水上バイクにロープで木のボートを
くっつけただけなのでかなり揺れる。
はぁ。気持ち悪くなりそうだ。
「それで和樹。どうやってアルゴノートに追いつく?
 こんな水上バイクじゃ追いつかないだろう。」
「今、アルゴノートは何故かゆっくりと動いてる。
 理由は知らないが、こっちとしては好都合だ。
 だから、時期に追いつくよ。」
「なるほどな。ならもう一つ質問だ。
 あれはどうやって対処するんだ?」
俺は1km先にある魚雷を見てそう言う。
「それを打ち落とすのが君たちの役目だよ。」
ほんと死ね。こいつ全てが終わったら殺してやる。
「ミュラー。1本貸せ。
 1つはお前が落とせ。」
「わかりました。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

処理中です...