堕天の皇帝

key

文字の大きさ

大中小

118 / 164

復讐編

Rebellion

しおりを挟む

私は気にしていた。
翔太の中にいるルシファーという存在だ。
ルシファーの好物は闇深い過去を持っている人物。
しかもルシファーとなるとかなりの過去を持っている。
西宮家拉致事件。
どれほどのものなのかしら。
翔太は自己防衛でその記憶を消したと思われる。
いや、それにプラスで目の前で西宮愛美を
失ったのも関係があるのかしら。
カイザーアイが関係してるのかしら。

俺が目を覚ました時には見知った天井だった。
「ここはアリーシャの家か。
　どうしてここにいるんだ。」
俺は必死に頭を動かす。
ルシファーの力を借りて最大火力で
ソル・ノヴァを相殺しようとし、上空で爆発。
その後、シャルルが目の前に来て、
俺は意識を失ったんだか。
待て。手記は。
俺はコートの内ポケットをまさぐる。
そこには愛美の手記があった。

「あら。起きたのね。」
「シエスタか。どうした？まだ帰らないのか？」
「もう明日にはここを出発するよ。」
「そうか。それで何用だ？」
「いや。君の様子を見に少しね。」
「そうか。ならアリーシャを呼んでくれないか。」
「わかったわ。」
さすがに過去を聞く訳にはいかないか。
ならせめて。
「ねぇ。翔太。」
「なんだ。」
「ルシファーとどうやって知り合った？」
「なんでその事を知ってんだか。
　まぁ俺が復讐を決め、少しして。
　俺は常時ウェイクの状態になった。
　なら瀕死状態ならどうなんだと思い、
　包丁をぶっ刺したら七つの大罪の
　能力を1つ使えるようになってたってだけだ。」
「そっか。」
「なんだよ。歯切れ悪いな。どうした？」
「いや。なんでもないよ。
　アリーシャを呼べばいいのね。待ってて。」
「おう。頼んだ。」
なぜ瀕死じゃないと能力が発動しないのかしら。
そこも考えようね。
少し西宮家拉致事件のことを調べましょうか。
そう思いながら私はアリーシャを呼びに行った。

「アリーシャ。翔太の目が覚めたわよ。」
「ほんと！！」
アリーシャは走って翔太の方へ向かった。
ホント単純な子ね。
そうして、私は考え事を始めた。

「翔太！！」
「よぉ。アリーシャ。」
アリーシャが俺に抱きついてくる。
「おいおい。なんだよ。」
「なんだよ。じゃないわよ。
　ほんとに心配したんだから。」
「そうかよ。
　それで、アリーシャ。
　あいつらの調子と基地はどんな感じだ？」
「あの子たちなら何も問題がないわ。
　あとエルモライとミュラーちゃんに
　奴隷の子たちの稽古をつけさせてるわ。」
「そこまで手を打ってくれてたとは。
　ありがとな。」
「ふっふん。別にこれくらいいいわよ。」
アリーシャは少しそっぽを向いた。
「じゃあ俺も行くか。」
俺が立ち上がろうとすると、アリーシャに倒される。
「まだ傷が完全に塞がってないからだめよ。」
「これくらいなら余裕だ。」
「うるさい。寝ときなさい。」
「はぁ。わかったよ。
　なら少し1人にさせてくれ。」
「この部屋には監視カメラがついてるから
　抜け出せるなんて考えない事ね。」
「へいへい。」
アリーシャが部屋から出ていく。
そして、俺は愛美の手記を読み始めた。

そして、月日は流れ。
ついにアジトが完成した。
そして、俺の復讐の為の道具。
Rebellionが結成されたのだった。

しおりを挟む