堕天の皇帝

復讐編

乗りこみ

 俺はM9ベレッタとスイッチブレードを持ち、
バイクに股がっている。
どうやって乗り込もうか。 
正面突破でもいいが、あまり足取りを残したくない。
なら昔の技術を使うしかないか。
「ドゥンケルハイト。」
俺は影に姿を消した。
潜ってる間血液の消費があるのだが、
ラディーレンよりも長距離を移動できる。
かなりキツいが。数秒で俺は証拠保管室に辿り着く。
あるとしたらここだな。
俺が無人島に行ってたのは1年前だったかな。
もうあれから1年も経ったのか。
長いようで短い気もするな。
まぁそんなことはどうでもいい。
俺は直ぐにこの場所を漁り始めた。

「あった。」
俺は愛美の手記を見つけた。
案外すぐ見つかったな。
「それを持ち出さないでくれるかな。」
俺は背後から声が聞こえた。
俺は後ろを見ずに声を出す。「誰だ。」
「そんなにピリピリしないでくれるかな。
　僕はシャーロット・ヘリクセン。
　アンダーソンの兄って言ったらわかるかな。」
シャーロットさんの兄貴か。
じゃあ骨が折れることは確定したな。
「それでお前もこれを狙ってるのか？」
「まぁそうだね。僕もその手記は少し気になる。
　それと同時に君には渡してはいけないと
　思っているがね。」
「なら残念だがこれは貰っていくぞ。」
俺は振り返る。それと同時に「ラディーレン。」
「ちっ。それが姿消えるやつか。めんどくせぇ。」
俺は警察庁から即座に離れてバイクに
乗り込み最高速で飛ばす。

 ブゥゥゥゥン。
時速122kmで高速道路を飛ばす。
周りに車両がないってことは
ある程度予想されていたってことか。
後ろからはスポーツカーで飛ばす車が1台。
シャーロットさんの兄が乗っている。
俺はバイクだからカーチェイスには不利だな。
まぁ距離さえ離せればなんでもいい。
さらにスピードをあげる。
そして、数分が経った時、突然声が聞こえる。
「見つけた。」
俺でもない。シャーロット兄でもない。女の声。
「誰だ。」
返答は頭上から聞こえた。
「早くそれをよこしなさい。西宮翔太。」
「質問に答えろ。お前は誰だ。」
「私はシャルル・マーニュ。」
「シャルル・マーニュ？外国人か？」
「まぁそうね。アメリカ最強の魔術師よ。
　そして、、、。」1拍開ける。
「西宮翔太。シャーロット・ヘリクセン。
　あなた達の敵よ。」
その言葉と同時に頭上から火の玉が飛んでくる。
その火の玉は俺に当てる様子はない。
だが、誘導してるのがわかる。
後ろのシャーロット兄も同じ場所に誘導されている。
いったいどこに誘導されているのだか。
そして何かが見えてきた。
あれは観覧車か？つまり遊園地？

 俺たち3人が着いたのはボロボロの遊園地だった。
「はぁ。ここまで誘導するのめんどくさいわ。
　でもこれで本気が出せるわ。」
「これはやばい気がするな。」俺は身構えた。